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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/さよなら常盤台/Part016 - (2016/05/08 (日) 02:35:01) の編集履歴(バックアップ)





窮鼠猫を噛むという。
「死不再生、窮鼠齧狸、匹夫奔万乗、舍人折弓、
陳勝呉広是也」
という原文の一部抜粋であり、
追い詰められた弱者を侮るなかれという戒めである。

007という映画で、敵役スぺクタがジェイムズ・ボンドを
何度も追い詰めながら
余裕をかましすぎて何度もあった殺す機会を
逃しているうちに、大逆転をくらい
敗北するというシーンを覚えていないだろうか?

今川義元、ナポレオン、ハンニバル
自分の力に酔ったものは、とかく弱者を見下し、捨て身の
人間の怖さを忘れるものだ。
なおかつ弱者が周到に罠を用意したときには、思わぬ
敗北を喫するものだ。

木原唯一は、復讐に頭を曇らせることなく、いつも
慎重さを維持していたら、
御坂美琴が捨て身で築いた、罠にはまることもなく、生命を
全うしたであろう。
そして彼女は御坂美琴を戦闘力ではなく、電子操作能力で
評価していたら
みじめな敗北に沈むこともなかっただろう。
だが、それはすべてifの話だ。

運命は残酷だ。
歴史は、必死な弱者の番狂わせが局面を動かすのだから。

御坂美琴が思うに、木原唯一は強者だが、万能ではない。
というより、本質は手段を選ばない、凶サイエンティストだと思う。

科学の進歩のためには、善悪といえば悪だが、好悪と
いえば好ましいを選ぶタイプだろう。
ある意味職業意識の塊みたいな人物。

それが、サンプルショゴス、サンジェルマン・ウイルス、磁性
制御モニター
数々のゲテモノを積み上げている。それにおそらくは
それだけではあるまい。木原のすべてを積み上げた
木原というヤツは。

対局には切り札を、それも絶対勝つ切り札が必要だ。

こんな化け物に対峙するのにやりすぎなどない。
あらゆる事態を想定し、対策を立てたところで、力の差は
ぬぐいがたい。自分ひとりだけでは瞬殺されるリスクがある。

それに、学園都市の中では独裁者の代理人は絶対の正義だ。
おそらく、まともな裁判所制度もない学園都市で、治安機関に拘束
されれば、即暗部送りだ。
培養液で脳だけの化け物にされ、惑星規模の超電磁砲の生体
発射シーケンスにされかねない。

この場合は自分が動くのは下策だ。
それに、まだ今は、自分自身の切り札は隠したい。
中ボスで手のひらのすべてをさらすなど単なる馬鹿だ。
木原唯一を倒したところで、エイワス・ローラ・アレイスタなどの
ラスボスに手の内をさらせば、せっかくの準備が
すべてパーだ。

だから化け物には化け物なのだ。
上里が死のうが、生きようがどうでもいい。
だがその右腕は別だ。現状それは、ジョーカーだ。
ただしここ2日で判断する限り上里一人が保有している限り
上条の謎の力が抑えてくれる。

だがそれが木原唯一、いや学園都市に渡れば、ゲームセットだ。
正直なところ、今は自分は局面を支配する力はない。
だが、網を張ればゲームマスタの足をつまずかせることはできる。

網は張った、罠を幾重に張り巡らした。
最後のラストリゾートも確保した。だが、知られてしまえば
ひとつひとつは大したことはない。だから
弱者は、最後の瞬間まで切り札を見せるわけにはいかないのだ。

敵は、おそらく世界の中心に聳え立つ強者達、それに
引きかえこちらは、学校教育の模範生なだけのただの弱者。

御坂美琴はふたたびソファに身を横たえる。
ふふ・・・昔を思い出すわね。
たかが、2年前まで、自分は他に保護されるだけの弱者。
のふりをしてひそかに実力を蓄えていた。

ふふふ・・・勝負は最後の局面で笑ったものを勝者というのよ。

上里翔流
あなたはどんな新たな天地を望むの?
単なる、地獄じゃないかしら?
学園都市をなめると痛い目に会うのよ。









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