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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/上条さんが…ちっちゃくなりました。/Part1 - (2010/04/04 (日) 14:11:40) の編集履歴(バックアップ)




「不幸だぁぁぁぁぁぁぁ!」
いつもの口癖を第一声にして私、上条当麻の最低最悪な春休みが始まった。この部屋には自分以外誰もいない。隣にいる土御門も兄妹でどこかに旅行中なのだとか。ちなみにいつもいる暴食シスターは、神裂やステイルとともにロンドンに帰っている。
朝起きるときになんとなくは気づいてはいたんだが、いつの間にか視点が低くなっていた。
顔を洗いに洗面所に行ったときに自分の身に起こったことが分かった。
「あれ?上条さんは今、いくつなんでせうか。」
子供の声がする。というより、自分の発する声が妙に高いことに気づく。もう一度鏡で確かめてみると、そこには見慣れたツンツン頭をしている小学1年生くらいの男の子が立っている。何分かはそこで突っ立っている。
幸い、この日は補習というものがない。というより、今年度は学校の補修工事が入っているためそれができないらしい。そのため、あの幼児体型の先生から大量の宿題をもらった。
とりあえず、このままでは何もできなかった。キッチンには手を伸ばしてやっとであるのでご飯の支度が全くできないのである。そこで、知り合いに電話をかけることにした。充電している電話に手を伸ばし、その知り合いに電話をかけることにした。
――ゲコゲコッゲコゲコッ!
――「お姉さま?電話が鳴っているようですが。」
――「分かった。今行くわよ。」…携帯の画面のCall下には「上条当麻」と書かれている。美琴は、少しずつ心臓の波打つスピードが速くなっていることに気づかない。そして、電話に出る。
「ハイ?もしもし、あんたはさぁ、今何時だと思ってるのよ。ったく。」
『あ。ごめんなさい。上条さんは、非常に困っておりましてですね…』
「んで?どうしたの?」
『ですから、あの…なんて言ったらいいんでせうか…今日、暇か?』
ここで、花も恥じらう14歳はかなりテンションが上がり、舞い上がってしまう。
(あいつから電話が来て、それでいきなり「暇か?」ですって? 用事ってもしかして…で、で、ででででででデートですかぁ?)ひとりで顔が真っ赤になり、口が小さくもごもご動いている様子は外から見ればとても奇妙な光景でかなりのスクープものである。
『どうしたんだ? 今日暇か?としか聞いてないのによぉ。』
「いいの、いいの、気にしないで。美琴せんせーは今日はフリーですのよ。しょうがないわね。付き合ってやるわよ。ずーーっと。」
『それは、上条さん的にとてもうれしいことです。というわけで、うちに来てくれないか。』
「いいわよ。何持っていけばいい?」
『そうだなぁ…。特にいらんのですよ。というわけで、早く来いよ!じゃな。』
(なんとか、ばれなくてよかったな。それじゃあ、あのビリビリ中学生でも待っていようかな。)
上条は、自分の家に美琴を呼ぶことにした。そして、この現状を見てもらおうということだ。若干、いやな予感はするもののそれ以上に嬉しい気持ちが大半を占めているのに自覚がない。
しばらくすると、電話の相手がやってきた。
コンコン!『来てやったわよ。早く開けなさいよ。』
「待ってろ。今開けてやっから。」ガチャッ!ドアを開けた先には誰もいない。幽霊の仕業かとも思ったが今は朝の9:00すぎである。もともともじもじしながら外にいた美琴は、いつものツンツン頭が下に見えることに驚く。
「あれ?ここって上条さんのお宅ですよね? お兄さんはいるの?」
「おれだよ、おれ!」と後頭部をポリポリ掻きながら言う。
「おれだよって…まさかねぇ…ハハ…ハハハハハハハ…」しばらく頭の整理がつかないまま笑っている美琴。それを困った表情でみている小学生、自称高校生という滑稽なシーンがしばらく続いた。とりあえず、この状態を打破すべく上条は部屋に入るよう促した。

上条は落ち着いて聞いてくれと美琴に真剣な顔でいう。
今日の起きた時からの事をずっと話して、本人も楽になった。
途中、美琴は信じられない顔でけなしたり、バカにしてきたりとやっていたが、
状況をつかんだのか、なんとなくだけれども自分がやることがしっかり見えたようにも見えた。
美琴は、とりあえず目の前に座っている小学生にお姉さん顔でいう。
「あんたは、私の事を美琴お姉ちゃんって呼びなさい!
じゃないとどうなるか知らないわよ…わかった?
ちなみに、私はあんたの事をとうまって呼んであげるから。」
へいへい。といわんばかりの上条であったが状況が状況であるために仕方がないと腹をくくった。
とうとう、上条は空腹に耐えきれなくなって腹の虫が騒ぎ出した。
「あら?当麻君はおなかが減ったのかしら?お姉ちゃんが何か作ってあげようか?」
「わりいな。びr…美琴お姉ちゃん!」
「あんた、今ビリビリとか言おうとしてなかった?」バチバチッ!
「なんでもありませんよ。上条さんは、なにかしましたか? ハハ…」
あわてて美琴の手に右手を添えながら言う。
「お嬢様だからってなめんじゃないわよ。
勝手に冷蔵庫の中覗いておいしいもの作ってやるからね。まってなさい!」
なんだか、ツンツンしているようでなんだか嬉しそうな後ろ姿。
いつも自分が付けているエプロンをつけて、鼻歌を歌いながら料理をしている女の子。
(あいつの小学生の頃ってあんなにかわいかったんだ。
しぐさとかは高校生の時と同じだし、何かとガキ扱いされてるのもむかつくんだけど、
なんかあの顔を見るとほっとしちゃうのよね。なんというか…)
(レベル5とか言われてるけど、やっぱり女の子なんだよな。
なんつうか、正直じゃないところがかわいいというか、
でも、本当の御坂が素直ならいつでも好きになっちゃいそうなのにな。)
目線がいつの間にか交差していることに気づく二人。

*1

二人は、別なベクトルに顔を向けた。二人の顔は林檎よりも赤い。
しばらくして、料理が運ばれてきた。

「う~ん。あんたは何を食べて生きてんのよ。」
「何だっていいだろ?ったく。でも、これうまいな。」
「…ありがと。お姉さんとてもうれしい!」
おもむろに立ち上がる美琴。それも笑顔で。目の前からいなくなった。
…バサッ! 後ろからいいにおいとやわらかい感触が襲ってきた。
「…おい。離せよ。」目線が落ち着かない。
そして、その様子を美琴が面白そうにのぞく。
そして、抱きつきながら笑顔で話す。
「いつものあんたもこんな風にしてくれればいいのに。
私が仕返しできないじゃない。」
そう言うと、美琴は上条が持っていた箸を取り上げ、
おかずに箸をつけて自分のほうに寄せてきた。
「あ~~ん。…ほぉらぁ!あ~~んしなさいよぉ。
この御坂美琴様が特別にあんたにしかやらないんだから。ほ~~ら!」
上条は少し照れながら美琴の言うとおりにした。
そんなこんなで朝ごはんが終わる。

そして、二人はテレビをつけて隣り合うように並んで見ている。
「あんたさぁ?」ん?と言いながら上条は美琴の言葉にふりむく。
「これから、どうしようっての?
子供用の服とか持ってるわけじゃあるまいし、
元に戻らなかったらどうするのさ。」
「さあな。上条さんも困っているのですよ。」
「ふ~~ん。」といいつつ、美琴はひらめく。
(こいつを弟として振り回してやろうかな。
いつもガキ扱いされてるんだから今日ぐらいは…)
「お前…なんか企んでるだろ…上条さんにはわかりますの事よ。」
「え?てか、おまえじゃないでしょ?美琴お姉ちゃんでしょ?」
「わかってはいるんだけどさ。やっぱりな…
でも、今日はおれが頼んだんだし文句ばっかりも言ってられないな。」
ということで、今日の上条は美琴のおもちゃになると腹を決めた。
「なんかさ、うちにいてもつまらないからどこか行かない?
私の友達に弟いる子がいてさ、その子にあんたの服一緒に選んでもらわない?」
「それは、それは、ありがたいことですよ。
上条さん的にも大助かりというか。」
「それじゃあ、行きましょ?とうまくん?」
上条はいつものTシャツを着て、
ズボンをはこうとしたがダボダボだったので、そこで戸惑った。
その困り果てた顔をした上条に美琴が微笑みながら
いつも下にはいている短パンを貸してあげた。
カギは美琴が持っている。そして、佐天と待ち合わせの電話をした。

しばらく歩くと、声がきこえてきた。待ち合わせ場所はいつもの自販機前だった。
「あ!御坂さん!右の子ですか?かわいい!なんていうか、あの人みたいですよね。」
「え?まぁ、私のいとこが急に来るって言ってたし、たま~に…ね。」
「それで、要件なんですけど、この子の服見に行こうかなって思っててさ。付き合ってくれない?」
「いいですよ?そしたら、私の知ってるとこに行きましょう?」と佐天は言って、モノレールの駅まで行き、第6学区に行く。

モノレールの中ではサイドシートに上条を挟んで二人が座る形になっている。上条は身体が小学生であるといっても頭は高校生であるので、この雰囲気にドキマギしている。
右には御坂が手を握って座っている。左には佐天がかわいいと何連発もいいながら美琴に話しかけている。

――上条は二人のお姉さん(?)たちに振り回される一日が始まるのをまだ知らなかった。

「ここですよ。ここ!SEVENTH MISTの姉妹店のVIER ROSSAですよ。」
佐天が新築の建物を指さして言った。
「へえ、私も知らなかったな。ここにあったんだ。
黒子と行ってみようかな。
それとも、あいつと行ってみようかな。あいつがよかったらなんだけど…」
「あいつって誰ですか? 御坂さぁ~~ん?」
横にいた佐天ににやにやされながら質問された。
「え?…えへへ……えへへへへへへへへ」(笑ってごまかそう。)
あいつこと上条はとても白い目で、お前何がしたいんだ?
と言わんばかりである。
この変な空気をぶち殺すために美琴の脇腹を右手で叩いた。
美琴は、極限までゆるんだ顔を急激に戻して、上条に顔を向けて…左手を掴んで…
「お姉ちゃんにパンチしたのはこの手かなぁ?
このおててにびりびりしちゃおうかな?」
なんだか、笑顔なんだが目には光がなく、
背中から暗黒物質(ダークマター)が噴き出ている感じである。
それを見た佐天は、半分呆れ果てた顔でその場を取り繕う。
「さぁさぁさぁ!御坂さん!行きましょうよ!この子のためにも!」
「そうね。」

そして、店の中に入りお勧めの服屋を見つけて入っていく。
(最近の服は大人顔負けだな。これもいいな、あれもいいな。
今日はあいつに甘えてみようかな。
おれも、ひとりの男だけど今日はひとりのガキだ。いいよな。)
「美琴お姉ちゃん!おれ、あれがいいな。」
(いま、みことおねえちゃん!って言ったわよね。
佐天さんも聞いてるはず!というより、
今の顔めっちゃかわいいじゃん!
とうまぁって抱きついてやりたい!えへっえへへへへへ…)ニタァーーーーー。
(御坂さんってこんなキャラだったかな。
でも、こんな所もあったんだって思うと、なんだか可愛いな。ほんとに。)
「ふにゃぁ///」美琴は、気が抜けてしまう。それを支える佐天。
しかし、美琴のお姉ちゃんという使命感によって数秒で復活した。
「なあに?当麻ぁ。これがほしいの?」
「うん。」ここでは、小学生然たる言い方で話すように努力している。
「へえ、当麻君はこういうの好きなんだぁ。好みが渋いんだね。」
佐天が上条のほうを向いてというより、同じ目線になって話してくれている。
上条はドキドキしてしまった。
そんなことも知らずに、
二人のお姉さんたちは上条のファッションショーを展開しようと企んでいた。
「ねえ、あんた。これ着てみない?」
わかった、と言ってものを受け取ると着ぐるみのようなゲコ太のパーカーだった。
なんとも美琴らしいものだった。
それを着てみせると佐天は、こんなの着てみない?と言ってこっちに寄こす。
佐天は弟がいるだけあって、自分のセンスに沿うようなものを選んでくれた。
美琴から借りた短パンに似合うようなカジュアルなYシャツとジャケットだった。
「これはいいな、佐天さんありがとう。」
「いいってこと。
でも、御坂さんだけお姉さんって呼ばれててお姉さん悲しいな。
私の事も遠慮なくルイねえって呼んで!」
「ありがとう!ルイねえ。」
「どういたしまして!ルイねぇ、本気になるぞぉ!」と言って、また服を選びに行った。
「当麻ぁ。これ着てみなさいよぉ。お姉ちゃんの選んだ服がきれないのぉ?
無理だったら、私が着せちゃうぞぉ。キャハッ!」
どうみてもこれははしゃぎすぎだろうと無能力者(レベル0)2人は思った。
このやりとりは30分以上続いた。
しばらくして、2つのセットを選び、美琴に勘定をしてもらい、外にでた。

いまの状態を説明すると、
上条を中心に右に御坂、左に佐天というハーレムな状態である。
服は佐天が持ってくれている。
上条にとってはとても申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
ちょうど、お昼くらいだったのでファミレスを探し、
モノレール駅近くのところに入った。

時は過ぎ、日がそろそろ落ちるところ。
第7学区のモノレール駅の前で佐天と別れた。
美琴とはずっと手をつないだままだった。
(こいつの手って、不幸ばっかりもたらすのかと思ったらそうでもないじゃない。
今日だって、何もなく終わったし、何気にこいつのかわいいところとか見れちゃったしな…)
横で、顔の全体の筋肉を自由活発に動かしている美琴をちらちらと見て、
怪しいと思いながら上条は歩いているのだった。
上条宅に到着。しかし、美琴は隣にいて、今日は泊まると言った。
今日は…ではなく、しばらくの間面倒を見てくれるらしい。

その証拠に、家に着くまでの行動はというと、
  • 佐天と別れた後、美琴は「うちの寮によってもいいかしら。
あんたの世話するんだから、寮監にもちゃんと言っておかないとね。」といい、常盤台の寮に行く。
  • 寮に行くと、目の前に寮監がいて、
美琴と二人で口実を言って外泊を特別に許可してもらった。
  • その帰りに美琴の部屋によって、ある程度の私服と私物を持っていった。
このとき、黒子は風紀委員(ジャッジメント)の見回りがあるため部屋にはいなかった。
  • 黒子には、メールと書置きをしておいた。

という感じであった。と言っているうちに美琴が笑顔でいう。
「これから、買い物に行かない?今日は何食べようっか?」
「上条さんは、人が食えるものなら何でもいいですの事よ。」
「あんたってさ、ほんとにわたしの事馬鹿にしてるわよね。
でも、今日は許す!この寛大な心を持った美琴お姉さまが許しますよ。」
ありがたき幸せぇ~と棒読みでふざける当麻に、
天使の微笑100%で返す美琴。
幻想殺しでは壊せないものである。
この幸せはどこまで続いているのだろうかと。
「行こうよ、みことおねえちゃん!」と、
上条は笑顔で美琴の制服のスカートのすそを引っ張りながら言う。
「はいはい。当麻君は、せっかちなんだからぁ~~。」
と日々の仕返しをするかのように上条を子供扱いしている。
それにむすっとふてくされる上条を見て、美琴はいとおしく感じた。
家を出て、近所のスーパーに出向く。
「今日の晩御飯は何がいい?」
「そうだな、こないだのハンバーグとか。」
「それでいいの?なら、前回を越すやつ作っちゃうから。期待してなさいよ。」
「分かった。期待してる。」

1時間後、家について二人同時にため息をつく。
そのあとに、二人同時に見合う。そして、笑う。
なんだか、上条は朝のショックを埋められるような勇気がわいてきた。
今晩のご飯はハンバーグとコンソメスープだ。

「「ごちそうさまでした!」」
美琴に全て任せてしまっては悪いと思い、食器を運ぶことにした上条。美琴は、その様子をわが子のように見てしまい、最後にご褒美として、頭をなでるというところまで言った。
美琴が食器を洗い終えてエプロンを取ると、ベッドによりかかって座りテレビを見ている。このとき、上条は風呂に入っていた。

美琴がひとりでテレビを見ていると、風呂場のほうから走る音が聞こえる。とその時、美琴の前にツンツン頭が座ってきた。ちょうど、上条のお尻と美琴の太ももがくっついている状態である。この状態に気を良くした美琴は上条に抱きついて耳元でささやく。
「お姉ちゃんは、まだシャワー入ってきてないんだから、まだお預けね。フフッ」
そう言い残して、美琴は風呂場に向かった。

そして、上条はひとり部屋に取り残された状態になっている。そこに、静かに近寄る影が。上条はその存在に気付かないでテレビに夢中だ。
次の瞬間、なにがあったかわからないまま上条は驚く。
「つかまえた!さっきのお返し! どぉ?お姉さまのハグはどうなの? と~ま!」
「…」
「どうなのよ。うりぃ!うりうりぃ。」頬をすりよせてきた。
やわらかい肌といいにおいがする髪。少し、甘い香りがする唇…。
…チュッ!
上条は顔を真っ赤にした。
「おやすみ!寝るからな。」と上条は目線を合わさずに言う。
「電気消すからね。」と言いつつ、上条の寝るベッドの上に横になり後ろから抱きつくように美琴は寝る。


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