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【デルタフォース】クラスの3バカの日常/10-17 - (2010/03/04 (木) 09:34:21) のソース
「だー!!どんなやつだどんなやつ何ですかどんなやつなんでしょうかの三段活用!!」 「それ三段活用になってるの?」 「さあ?」 「そんな事言ってる間に着きましたわよ。」 「「ギャー!!」」 「腹をくくったとは言え無理だわ!!」 「ううっ、上条さん的にはこれからどうなるのか心配なのですが……」 「あー…上条当麻!!貴方なら大丈夫!!今までだってなんとか成ったでしょう?」 「すいません対馬さん、わたくし、上条当麻は余計に恐怖が増しました…」 そこに、後からゾワリと寒気がした。上条はとっさに右に避けた。 「上条当麻……貴様中々やる様だな……」 「あなた様が寮監さまでせうか?上条さんとて様々な修羅場を乗り越えてきたのでこれ位朝飯前でございますのことよ!?」 上条ははっきりいって余裕だった。寮監の一言がなければ 「殺れ」 直後、レベル3以上のチカラが複数襲い掛かってきた。 「ぬおおおおおおおおおおおおおおおぅぅぅうッ!!」 不意討ちの攻撃だったが幻想殺しで簡単に打ち消した。 「ほう、レベル0と聞いていたんだが中々面白い能力を持っているようだな。お前達、ご苦労。休んでいいぞ」 当麻の『幻想殺し』を見た寮監は能力が役に立たないことを察すると、先ほど攻撃させた生徒達を下がらせる。 寮監が放つ闘気を感じ取った当麻は、さっきの後ろからの攻撃が本気でないと思い、臨戦態勢を取る。 「そう身構えるな。私は話がしたいだけだ。あの御坂の男がどのような輩か興味があってな」 (話があるなら普通は攻撃なんてしませんわよ。まったくこれだから寮監は行けず後家なんですの) 「すまないが少し待っていてくれるか。ちょっと不埒なことを考えていそうなバカな生徒の相手をしなくてはいけなくなった」 寮監が驚くほどのスピードで黒子の背後に回りこむと同時に、首の骨が『ゴキッ!』と鳴る音をさせて黒子が沈んだ。 いきなりのことで上琴、対馬、浦上は言葉を失うが、寮監はそれに構わず話を続ける。 「私はこれでも寮の生徒を大切に思っている。親御さんから預かった大事な娘を守る、義務ではなく意思でな」 「つまり何ですか? 常盤台の大事な生徒を俺のような普通の高校生、しかもレベル0に任せることは出来ないってことですか?」 「気を悪くしたのなら謝ろう。私はお前をただのレベル0だとは思っていない。それは先ほど見せてもらったからな。だが御坂を任せることは別だ」 「りょ、寮監! 待ってください! 私は……当麻?」 黒子にしたことはともかく、寮監の強い思いを感じ取った当麻は割って入ろうとする美琴を手で制した。 そして力強い眼差しで寮監を見ると、当麻は彼女に問いかける。 「どうしたら俺のことを認めてくれますか?」 「言うだけなら簡単だからな。上条当麻、殴らせろ。抵抗するかどうかは貴様次第だ」 「「「む、無茶苦茶すぎる!」」」 「分かった。それであんたの気が済むなら一発でも十発でも殴ればいい」 当麻がそう言うと寮監は口元に笑みを浮かべて当麻に渾身の右ストレートを放つ。 しかし当麻は避けるとか打点をずらすようなことはせず、まともに寮監の拳を喰らうと派手に吹き飛び、壁に叩きつけられる。 これに美琴は慌てて当麻の前に立ち塞がり、寮監に向けて雷撃を見舞おうとするが当麻の手が彼女の肩に置かれたことで冷静さを取り戻す。 「なぜ無抵抗で殴られた? 貴様の実力なら反撃するにしろ防ぐにしろ避けるにしろ出来たのではないか?」 「あんたの生徒の思う気持ちが伝わってきたからだ。そんな拳を受けないなんてこと、俺には出来ない。認めてもらうのに本人を殴るなんてそれこそ意味無いからな」 「……もしこれでも認めないと言ったらどうするつもりだ?」 「認めてもらう為なら何だってやってやる。それが俺の為でもあるし、何より美琴の為でもあるからさ」 強い決意を述べた当麻を美琴はかばうように自分の胸へと抱き寄せるが、当麻が顔を赤くさせていることには気付かない。 寮監は当麻、それと今まで見せたことの無いような慈愛に満ちた美琴の表情を見て、大笑いした後で宣言する。 「ハッハッハッハッハッハッ! 合格だ! 上条当麻、お前なら御坂を任せられる。これからも御坂を宜しくな」 「あ、ありがとうございます!!」 「感謝はいらん。礼を言いたいのはこっちの方だ。本当にいいものを見せてもらった。特例としてお前がこの寮に自由に出入りする許可を与えてやろう」 男気だけで寮監を認めさせた当麻に対馬と浦上は感心し、美琴は惚れ直すのだった。 しかし嬉しさのあまり当麻から離れる気配を見せない美琴に寮監は困ってしまうが、対馬から思わぬ提案がされることに。 「寮監さん。今日はもうバスは出てませんし、このまま上条当麻を返すのは無理です。いっそのこと、御坂さんの部屋に泊まってもらうのはどうでしょう?」 寮監は対馬の提案に少しばかり思案した後で、上琴に言う。 「それもそうだな。上条当麻、今日はもう遅い。御坂の部屋で泊まるといい。ただし妙な真似だけは許さんからな」 「えっと、寮監……それって黒子も一緒なんでしょうか?」 「ああ、それはお前達も白井も困るな。よし、ではこうしよう」 寮監はそう言うと、気絶している黒子を起こし、彼女の首根っこを掴んだ。 「白井は私の部屋で面倒を見よう。今日は特別に二人っきりで過ごさせてやる」 「え? え? な、何が起こったんですの? お姉様と上条さんがわたくし達の部屋でお泊りでわたくしが寮監様と一夜を共にする……地獄ですわ!」 「ほほう、お前は私と一緒に寝ると地獄なのか。それは面白いことを聞いた。白井、今日は今までのお前の態度について朝まで語り合おうじゃないか」 「じょ、冗談ではありませんの! お姉様! 上条さん! 対馬さん! 浦上さん! 救われぬ黒子に救いの手をーーーーーーーっ!」 黒子は涙目で絶叫しながら寮監に引っ張られて去って行くが、誰一人として助けようとしない辺りは薄情である。 そして対馬と浦上も自分達に用意された部屋へ向かい、残された上琴も手を繋ぎ、美琴と黒子が住む部屋へと向かうのだった。 まず最初に、黒子の現状をお伝えしよう。 「ベッドの上で正座することはないではないか白井。」 「い、いえ。ただ寮監様のおそばで寝るのが恐れ多いとお言いますか…」 「まあ良い。寝ないなら寝ないで貴様の日ごろの生活態度についてとっくり話し合おうじゃないか。」 「…ごきげんよう寮監様、急に眠気が襲ってきましたのでお休みなゴギュ!!!!!」 「そうはいかんぞ白井。説教だからと言って眠気が来るほど貴様はできた生徒ではあるまい?」 「く、首がぁ!!」 本日二度目のヘッドロックで瀕死(?)の黒子。 「まず、寮内での能力行使。人に自分の彼氏の事をいろいろ詮索されたといって生徒を寮内で吹く飛ばしたのは今月だけで5回あるな?」 「えと…はい。ですの…。」 「貴様の彼氏も呼んでいいかな?」 「だっ、ダメですの!!!上条さんほどタフとはいえませんし!!」 「では、今後そう行った理由での能力行使一回ごとに寮内の清掃を一人ですること。」 「えええええっ!?」 「ハイ、は?」 「…ハイ、ですの…。」 「よろしい、次。」 「まだあるんですの?ふぁあぁ~」 「私の前であくびとはなかなかの度胸だな。ではそれに免じて眠らせてやるとしよう。な~に、明日の朝早起きして説教はすればいい♪」 「ね、眠らせてやるとは?ってぐぎゃあああ!!!!!」 黒子は寮監いわく「眠った」実際には気絶した。 その隣で寮監は呟く。 「行かず後家についてたっぷり説教してやろうと思っていたのに…まあいいか。」 上琴はと言うと。