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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある宣伝の超電磁砲/Part06 - (2010/05/11 (火) 03:09:41) のソース

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#navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある宣伝の超電磁砲)

 夕闇が迫る街中で、少女――白井黒子は一人の少年を見つけた。

少年は、少し肩を上下させ息をついていた、先ほどまで走っていたであろうことが窺い知れる。

――面白くない、と黒子はそう思った。
 どうしてここにいるのか、予想範囲内ではあるが…やはり面白くない。
 何故、肩で息をしているのか、何の為かわかるからこそ、余計に面白くない。

(…まったくもって、やるせないですの)

 少年は、成すべき事をわかっている。
だからこそ、黒子は少年と向き合う必要があった。

「あら?」
 わざとらしいぐらい大きな声で呼びかけた。
「そちらから、来て頂けるとは…向かう手間が省けましたわ」
 と含みのある言い方で、挑発し、笑みを浮かべる。
用があって向かっていたのだから、手間が省けたのは事実だ。

「御坂の居場所を知っているのか?!」
 あまりに必死なその様子に、そんなに慌てなくても
お姉さまはお待ちしておりますわと心の中で嘆息する。

(わたくしが簡単にお答えするとでも?)

 これは取引だ、こちらのカードはお姉さまの居場所。
最初からこの機会を作るために、そう仕向け、計画通りに事は運んでいる。
 あの時、ファミレスに戻ろうとするお姉さまを引き止め、とある提案をした。
きっと、お姉さまは疑いもしてないだろう――いや、そうでなくては困る。

 こちらで舞台は整えたのだから、あとは相手の出方次第。
この少年からの明確な答えを聞くまでは、その口から聞くまでは
納得はできない、諦めもつかない。つまり黒子の個人的な事情によるものだ。

「お答えしても宜しいですが…そうですわね」
  と凛とした声で告げる。
「少しわたくしに付き合って頂けません?」
 暗に用があるから、拒否権はないとその目は語り、
有無を言わさぬその迫力に、少年――上条当麻はただ頷くしかなかった。

 歩きながらで構いませんからと、白井は話を続ける。
「お姉さまは…上条様の事で悩んでいらっしゃいました」 
「………ああ」
「お分かりでしょう?」
 つまり、白井は全て知っていて答えを聞かせろと、そう言っている。
「それを知って…どうするんだ?」
 何をされるのか内心ビクビクしながら尋ねる。
「もちろん返答次第にもよりますが…わたくしにも理由がありますの」
 少し悲しそうに笑い、白井は続ける。 
「わたくし諦めが悪いですから、上条様から直接聞きませんことには…」
 ああ、そうかと、唐突に理解した。  
白井は、想いを断ち切るために来たのだと。
「俺は…御坂の事が好きだ」
 立ち止まり、そして同じ御坂美琴を想う白井に向けて嘘偽りない気持ちを告げる。
そうですか、と白井は沈黙し俯く、やがて意を決したようにおもむろに方角を指した。

「お姉さまなら、あちらにいらっしゃいますわ」
 と告げて
「上条様なら、これで分かるでしょう?」
 指を差した方向にあるのは、鉄橋。
二人が最初に撮ったワンシーンの場所だった。

「一つ、約束して下さいませ、お姉さまを悲しませるような事は決してしないと」
 もちろん破ったら、どうなるか分かってらっしゃいますよね?と白井は付け加えた。
「ああ、約束する」
「ささ、お姉さまがお待ちしておりますから、早く行ってあげて下さいませ」
「ありがとうな、白井」
 礼を言い、鉄橋へと向かう。  

 これでよかったのだと、お姉さまの幸せはわたくしの幸せと言い聞かせて、黒子はしばらく
そこに立ち尽くしていた。頭では分かっていても、心は言う事をきかない。ほろりと涙が頬伝う。
これが失恋ですのねと悲しい気持ちに浸っていると、それをぶち壊すかのように携帯の着信音が鳴り響く。

「助けて下さいー白井さんー!」
 電話に出ると、いきなり助けを呼ばれ、思わず聞き返す。
「初春、どうしましたの?」
「ファミレスに来て下さい、お願いしますー!」

 何やら問題が発生していることだけは分かり、慌てて向かう。

「で、これは一体何事ですの?」
 白井さ~ん、助けてと二人の少女が出迎え、何故助けを呼ばれたのか理解した。
テーブルには食べつくされた食器が積み重なり、そしてそれは現在進行形で増えつつある。

「……あ」
 食器の積み重なった先、その山に埋もれるようにして、一人の少女が黙々と食べ続けていた。
その少女が何者かわかった黒子は、お二人ともご存じなかったんですの?と佐天と初春に問いかけた。
 知らないですよーと二人は口々に言う、そもそも超電磁砲からの二人に、この少女の異名が分かる
はずもないかと思い直し、今日何度目になるか分からないため息をついた。

 さてこの現状をどうしたものかと考えを巡らせていると、一つのいいアイデアが思い浮かぶ。
今日は本当にいい事一つないが、ある意味これは神様からのプレゼントなのだと。

「持ち合わせがありますから、ここはわたくしが立て替えておきますの」
 とビックイーターことインデックスさんの分は任せて下さいと佐天と初春に伝える。
「白井さん、ありがとうございます」
「助かったー」
 と佐天と初春はそれはもうほっとして、白井の真の目的に気付くはずもない。

(これであとは、あの類人猿宛に領収書を頂いておけば完璧ですわ、ケケケ)

 そうしてふと、今頃お姉さまはどうしているだろうかと、思いを馳せる。

――「と・あ・る…宣伝の『超電磁砲<レールガン>』!」

「はーい、皆さんこんにちは~佐天涙子でーす!」
「ジャッジメントですの!こんにちは、初春飾利です!」
「って初春、ますます白井さんの真似に磨きがかかってますなー」
「そうですか!では、もう一度!」
「ジャッジ…「はいはーい、話進まないから…それでは本日のゲストお呼びしま~す!」」
「えっ、来てるんですか?」
「来てます!」
「どうぞー!」

「ぱんだぱんだ~皆さん、元気ですか~?インデックスだよ」

 わー、パチパチパチ…

「今日はゲストがインデックスさんということで…早速、質問コーナに行ってみまーす!」

「上琴大好きさんから頂きましたー!佐天さん、初春さん、そしてゲストのインデックスさん、こんにちは!」
『こんにちはー!』
「いつも楽しく見させて頂いてます」
『ありがとうございますー!』
「えー…上条さんと美琴さんの恋の行方が気になります!ところで今回のお話、皆さんの一番印象に残るシーンは何でしょうか?」

 ―回想―

「インデックスさん…かなり食べましたよね~」
「そこ?!そこじゃないんだよ!」
「いや~でもあの食べっぷりには…ねぇ初春?」
「ですよね~佐天さん」
「む~~~!」 
「まっ、まぁまぁ…インデックスさん、落ち着いて下さい~」
「ねっ…とある宣伝の超電磁砲いよいよ!」
「ですね!クライマックス!」
『お楽しみに!』

「はい、ここで…皆さんにお知らせでーす!」

『とある科学の超電磁砲<レールガン>』
「第4巻は4月28日、DVD&ブルーレイで発売です!」
「初回限定版、豪華特典付なんだよー!でも、私の出番がないんだよー」

 あー…。 

「つ、次の収録では出てきますよ~」
「みんな、次の巻も買って欲しいかも!」
「発売まで、あと2日です!」


 つづく!

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