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「上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/未来からの来訪者/Part01」(2011/05/01 (日) 10:49:26) の最新版変更点
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*未来からの来訪者 1 ~1st day かみことしょ~
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第7学区のとある公園。
学生たちが帰路につき始める頃、常盤台中学の制服に身を包んだ少女がその場に呆然と立ち尽くしていた。
肩の辺りまで伸びた、毛先がツンツンしている黒い髪。
スレンダーな体つきに整った顔立ち。
しかし、その少女の表情はほうけきっていて常盤台のお嬢様といった雰囲気は全く感じられない。
なぜそんな表情なのかそれは――
「えっと……ココどこ?」
ということのようだ。
要するに迷子である。
いつものように学校から寮までの帰り道を歩いていたはずなのに、一瞬何か眩暈のような感覚があったと
思ったら、いつの間にかこの場所に立っていた。
「第7学区の……公園? なんか知ってるのと少し違う気がするけど」
むぅっとうなりながら、少しでも何かわからないかと視線を周囲に向ける。
ふと見上げると、空には飛行船が飛んでいた。
船体のモニターにはニュースの映像が写っている。
その映像を見て、正確にはそこに写っていた詳細な日付を見て大きな衝撃を受けた。
自分が記憶していた日付とあまりにもずれている。
「へっ……20年前? いやいや、上条さんは騙されませんよ。えっ、何その漫画みたいな展開!?」
高度な演算能力を持つ少女であったが、あまりにもありえない出来事にすっかり混乱してしまっているよ
うだ。
あわあわと無意味に手を振り回し、まさにパニックに陥ってますといった感じだ。
しかし、すぐに正気を取り戻し、父がよく言っていた言葉を思い出す。
(落ち着け、落ち着くのよ。お父さんも言ってたじゃない。有り得ない事が起きた時は素数を数えて落ち
着くんだと。2、3、5、7、11……)
効果があるのかはよくわからないが、とりあえず素数を数えて始めた。
――――
ちょうどその頃、ツンツン頭の少年、上条当麻はご機嫌な様子でいつもの公園の前まで来ていた。
機嫌がいいのは特売があるから……ではなく、昨日思いが通じ合い、はれて恋人同士になった御坂美琴と
この公園で待ち合わせをしていたからだ。
どれくらい上機嫌かといえば、普段なら間違いなく不幸のカテゴリーに含まれる出来事にあっても、気に
とめない。
まるでそんな小さな不幸、これからの大きな幸せの前には無意味なんだと言わんばかりの様子に、若干ク
ラスメイトも引き気味だったくらいだ。
「ふふふん、ふふふん、ふんふんふ~ん♪」
鼻歌を歌いながら足取りも軽く、待ち合わせ場所に歩いていく。
目的の場所まであと少しという所に先客がいることに上条は気が付いた。
その先客はなにやら難しそうな顔をしていて悩んでいるようだった。
「あの、何かお困りですか?」
こういう場面に出会えば無条件に助けようとするのが上条である。
当然のように声をかけると、声に反応したその少女が振り向いた。
その少女の顔に、上条の思考が一瞬止まる。
信じられないものを見たと自身の表情が固まるのがわかった。
「みこ……と?」
それもそのはず、上条が声をかけたこの少女の容姿があまりにも御坂美琴にそっくりだったからだ。
妹達――とも思ったが、その少女と美琴の間には明らかな相違点があった。
毛先のツンツンしたその黒い髪。
そして顔立ちも、美琴と非常に良く似ているが所々で細かい違いがあるのがわかる。
美琴のクローンである妹達ならばその辺はそっくり同じのはずだ。
ならばきっと偶然に違いない。
世の中には三人はそっくりな人間がいるというし。
「あ、いやすみません人違いでs「お父さん?」……はい?」
そう結論付けて謝ろうとした上条の言葉を遮り、少女が真剣な目でこちらを見つめてきた。
美琴によく似た少女の射抜くような真剣な視線に不覚にも上条の心臓がドキリと跳ねる。
「上条当麻……よね?」
上条に視線を離さずに確かめるように少女が尋ねる。
間違っていたらどうしよう、という少し不安の混じった声色だった。
「確かに俺は上条当麻ですが……」
「やっぱり、若い頃のお父さん!」
「は、はぃ~~??」
上条の言葉に少女の顔がぱぁっと華やいだ。
しかし、対照的に上条は『お父さん』という自分に向けられた言葉に固まってしまっていた。
(お父さん? 今俺に向かってお父さんって確実に言いましたよね、この子。お父さんって言うとあれ
ですよ、父親ってことですよね。つまりこの子は俺の娘? いやいや、上条さんはつい昨日恋人ができ
たばかりですのことよ? そもそも母親は誰だ? ってこの子やたら美琴そっくりだし、もしかして、
この子は俺と美琴の子供? 昨日告白したばかりなのにいつの間に俺たちに子供が? いやいや、それ
以前に俺中学生に手を出しちゃった? って待て待て、落ち着け、落ち着くんだ上条当麻。そもそも、
この子、俺たちとほとんど年が変わらないみたいじゃないか、となるともしかして俺は―――――)
「あ、あれ、お父さん? ちょろっと~。妄想の世界に行ってないで帰ってきてほしいんだけど……」
突然、トリップしてしまった上条に、少女はどうしたものかと困ったような表情を浮かべている。
そんな妄想劇場絶賛開演中の上条を現実に引き戻したのは、後方から飛んできた電撃の槍であった。
身体が覚えているのか、何か感じ取っているのかよくわからないが完全に死角になっていた後ろからの
電撃に向けてすばやく、かつ無意識に右手をかざし、それを打ち消す。
当然、こんなことをするのは学園都市広しと言えども一人しかいないわけで。
上条が振り向くと、そこには怒りの形相を浮かべた恋人、御坂美琴がバチバチと紫電を纏いながら立って
いた。
「ア・ン・タは~~~っ! 昨日告白したばかりの彼女放っておいて、なに他の女とイチャイチャしてん
のよ!」
「ま、待て美琴。ご、誤解だ。この子が困ってるようだったから話しかけただけだって!上条さんは美琴
さんにメロメロだって昨日言っただろうが!」
「うるさい、うるさ~いっ! じゃあ何なのよこの子は―――」
「ストップ、スト~~~ップ!」
上条に詰め寄り、言い合いを始めようとする美琴を止めたのは渦中の少女だった。
二人の間に割って入り声を上げる。
「お父さんもお母さんも、いい加減にしてよ。話進まないじゃない!」
「これは私と当麻の問題なの。何でアンタに……えっ?」
反論しようとした美琴が少女の方に意識を移す。
ここでようやく、上条と一緒にいた少女が自分とそっくりなこと、そして、少女が自分たちのことを『お父さん』
『お母さん』と言っていたことに気が付いた。
少女の言ったことが理解できず、思考が混乱する。
「お父さん……お母……さん? アンタ一体……」
「そういえば君は一体何者なんだ。さっきも俺のことお父さんって」
美琴と上条の声に少女があれ? と首をかしげる。
少し考えたあと自分がいまだ名乗っていなかったことを思い出した。
「あぁ、そっか。まだ名乗ってなかったっけ。なら……はじめましてお父さん、お母さん。
あたしの名前は上条麻琴。20年後の未来から何でかこの時代に飛ばされた、上条当麻と上条美琴の……あなた
たちの娘です」
ニッコリと笑みを浮かべてとんでもない発言をしでかした、自称娘・麻琴に上条と美琴は驚きの声を上げるし
かなかった。
「み、未来から来た??」
「ムムムム、娘? 私と当麻の…………つまり、それは将来私と当麻が結婚するってこと?
えへ、えへへへ」
しかし、大きな衝撃を受けたのは上条だけだったようだ。
美琴はすぐに思考がどこかへぶっ飛んでいてしまったようで、ゴニョゴニョと小声で何かつぶやき、顔をこれ
でもかというほど綻ばせ、頬に手を当ていやんいやんとしている。
(と、当麻と結婚。えへ。この子さっき未来から来たって、それに私のこと上条美琴って言ったわよね。つまり
私は当麻のお嫁さんで、当麻は私の旦那様で。ふにゃ。と、ということは二人は一緒に住んでるはずよね。それ
でそれで当麻と一緒のベッドで寝てたり。ふ、ふにゃ~。まだ早いよ、私中学生だよ……でもでも、当麻がした
いんだったら、そ、その私も――――)
「ふにゅ……えへへへ」
「っと、しょうがねーな。また漏電してるぞ、美琴」
幸せそうな顔をしている美琴の愛らしさに上条の驚きもすっかり上書きされてしまったようで、緩みきった顔で
漏電を始めた美琴の頭を幻想殺し(イマジンブレイカー)の宿った右手で優しくなでる。
その感触が気持ちいいのか、更にふにゃふにゃになった美琴は、ぽすっと上条の胸に飛び込みきゅっと服を掴んだ。
小さな甘えた声で「とうまぁ~」と愛しの彼の名前を呼びながら、すりすりと頬を彼の胸元に擦り付けている。
上条は上条でそんな美琴を右手でなでたまま左手でぎゅっと抱きしめて、優しい顔で「なんだ、美琴?」等と囁き
返している。
ぽわぽわふわふわとした幸せそうな空気を作り出すバカップル。
人通りが多くないとはいえ、ここが公園だと言うことはわかっているのだろうか。
「あたしの時代でも、学園都市最強のバカップルとか言われるくらいイチャイチャしてるし、見慣れてはいるけどさ。
同じ年くらいになってる両親のこんな甘い桃色空間見せ付けられて、娘としてあたしはどうすりゃいいのよ」
二人だけの世界に入り込んでしまった上条と美琴の様子に、すっかり蚊帳の外になってしまった渦中の存在だったはず
の娘は、呆れ顔でつぶやくのだった。
将来、学園都市最強のバカップルと呼ばれる当のバカップルたちは未だに桃色空間に包まれていた。
そんな様子を呆れ顔で眺め続ける娘、麻琴。
(あの状態になったらしばらく帰ってこないのは経験からわかっているけれど、なんだかねぇ……)
先ほどからなかなか話を進められないことにため息をつく。
――5分後――
「お父さん、お母さん。そろそろいい? イチャイチャしたいのはわかるけど、いい加減少し話し進めたいんだけど」
痺れを切らした麻琴がはっきりとした強い口調で声をかける。
二人はある程度満足してきていたのか、どうやら麻琴の声は届いたようで、その声で我に返った二人は慌てて離れた。
「そ、そそうだな。んんっ、あ、あれだ。き、君が未来からきて、俺たちの娘だって言うのは本当なのか?」
照れ隠しなのか、上条が咳払いをして麻琴の方に向き直る。
若干どもっていたので、隠しきれてはいないのだが。
「本当だけど、証拠になるようなものが提示できるかといわれると……あぁ、そういえばさっき昨日告白したみたいな
こと言ってたわよね?」
「あ、あぁ」
あごに手を当てて少し考えた麻琴が何か思いついたのか尋ねる。
麻琴の言う通りなので上条は特に何も考えずに首を縦に振って即答した。
「ってことは、お父さんとお母さんが付き合い始めたのを知っているのはこの時点で確かインデックスさんだけよね?
なら、昨日の告白のことを話せれば証拠代わりになるかな」
「へっ、昨日の……」
「こ、告白!?」
驚きの表情を浮かべる二人に、にやりと麻琴が不敵な笑みを浮かべた。
「えぇっと、確か、お母さんが落し物を拾って、その落し物の持ち主が男の人で、お礼を言われていたのをお父さんが
偶然見かけて、それで嫉妬してお母さんに対する思いにようやく気付いたんだよね」
一言一言思い出すように麻琴が話していく。
それは、インデックスにも教えていない、二人だけの秘密のはずだった。
聞いている上条と美琴の顔が徐々に赤く染まっていく。
「で、それに気付いたら余計に嫉妬しちゃって、強引にお母さんを人気のないところに連れ込んで『お前は誰にも渡さ
ない』とか言ってファーストキスを奪ったんだっけ」
「ぎゃぁぁぁぁぁっ!? な、なぜそれを~~~~っ!!?」
「あう」
思い出すだけでも恥ずかしい自分の行動を第三者から語られ上条が羞恥に身悶える。
美琴は美琴でその時のことを思い出しているのか、顔をこれでもかというほど真っ赤にしていた。
「なぜって……未来でお父さんとお母さんに何度も惚気話として聞かされたし」
「「何を娘に教えてるんだ(の)、未来の俺(私)!?」」
「それでその後確か―――」
「も、もういい、わかった。わかったから! これ以上言わないで!」
これ以上、昨日の恥ずかしい告白シーンを語られてはたまったものではないと美琴が叫ぶ。
しかし結局、美琴の制止もむなしく、告白シーンからその後の事まで、二人の心情を含め語られてしまい麻琴のことを
信じるしかなくなった上条と美琴であった。
とは言っても、元から麻琴が自分たちの娘であるということを疑っているわけでもなかったのだが。
親子の絆……というのだろうか不思議と信じられる気がするのだ。
「あ~。そうそうこういうのもあったんだ」
麻琴が思い出したようにごそごそと携帯電話を取り出す。
その携帯電話は明らかに現在出回っているどの機種とも違う洗練された物だというのが一目でわかる。
ただ……なぜだかそのデザインは髭の生えたカエルだったりするのだが。
「ゲ、ゲコ太!! しかも見たことないデザイン!」
当然それに食いつくのは美琴である。
例の顔で物欲しそうに麻琴の持つ携帯電話を見つめている。
「ふっふっふ。あたしの時代でこの間発売されたばかりのプレミアムゲコ太スペシャル仕様よ!」
ばばーんと、麻琴は自慢気に携帯電話を、まるで印籠のように突き出した。
それに美琴が羨ましそうに、それでいて悔しそうな視線を向けている。
母が母なら娘も娘なようだ。
どうやらゲコ太好きは遺伝しているらしい。
「見せたかったのはそのカエルか?」
「「カエルじゃない、ゲコ太!!」」
息の合った二人のコンビネーションに上条がたじろいだ。
今にも噛み付かんばかりの形相の母娘に上条の背筋に冷たいものが走る。
「わ、わかった。そのゲコ太のケータイを見せたかったのか?」
「忘れるとこだったわ。見せたかったのは―――」
上条の言葉に麻琴が思い出したかのように携帯をいじりだす。
かぱっと携帯を開いてなにやら操作をすると、上条と美琴にそこに写っているものが見えるように画面を向けた。
そこに写っていたのは、ツンツン頭の精悍な顔つきの男性と、その隣で柔らかな笑みを浮かべる茶髪の美しい女性。
「これってまさか……」
「そっ。未来の…あたしの時代のお父さんとお母さん。この間家に帰ったとき、なんかいい雰囲気だったからこの
ケータイの試し撮りがてら写したのよ」
「これが未来の私たち……」
「ま、そのあといつものイベントがあったけどね」
そう言いながら麻琴が画面を二人に見せたまま、携帯電話を操作する。
画面の写真が切り替わり、次に映し出されたのは、未来の上条が犬に噛み付かれ、それを呆れ顔で眺める、未来の
美琴の姿だった。
なぜ突然犬に噛まれているかはわからなかったが、とりあえず未来でも上条の不幸体質は絶好調だったようだ。
上条は、それに多少なりともショックだったようで「未来でも俺こんなんかよ」などと言って落ち込み、それを美琴
が慰めていた。
「ところで、アンタはどうしてこの時代に来たの?」
「それがさっぱりわからないのよねぇ。いつも通り帰ってたらここにいたし、どうなってるんだろうと考えてたら、
お父さんに話しかけられて、あとはご存知の通り」
美琴の疑問にも、麻琴は肩をすくめてため息を付くばかりだった。
あまりにも突然のことで、麻琴としても何があったかはわからない。
「お前の能力ってわけでもねぇのか?」
「あたしはお母さんと同じ電撃使い(エレクトロマスター)よ。時間跳躍(タイムトラベル)なんて出来ないわ」
上条の問いに、麻琴は証拠といわんばかりにバチバチッと小さく電撃を走らせて答える。
容姿だけでなく、能力も麻琴は美琴からしっかりと受け継いでいるようだ。
「う~ん。このままここにいても仕方ねぇし、夕飯の買い物でもして家に帰るか?インデックスなら何かわかるかも
知れないしな」
しばらくして、いくら考えても無駄だと結論付けた上条がそう提案する。
現在より科学が発達しているであろう未来の世界を生きているはずの麻琴にも、現在の学園都市第三位の美琴にも
わからないのでは、このままここにいたところで埒があかない。
科学の知識でダメなら魔術の知識。
特に魔道書を10万3000冊も記憶しているインデックスならもしかしたら何か知っている可能性もあるという判断だ。
「そうね。このままでも進展なさそうだし、買い物してから当麻の寮に行きましょうか。当麻、麻琴。何か食べたい
ものある? 美琴センセーが腕によりをかけて夕飯作ってあげるわよ」
本来ならば放課後デートのあと、二人で買出しして上条に(もちろんインデックスにも)夕飯を作ってあげる算段だった
が、こうなったら仕方がないだろう。
残念ではあるが、困っているのは他ならぬ、自分たちの未来の娘なのだから。
「カレー。上条さんはカレーがいいです。美琴たんの愛情たっぷりのカレー!」
「美琴たん言うな、この馬鹿っ!」
恥ずかしさからか声を荒げる美琴だが、小さく『まぁ、愛情はたっぷり入れるけどさ』とゴニョゴニョとつぶやいて
いる。
まだまだ素直にはなりきれないようだ。
「麻琴もそれでいい?」
「もちろん。あたしもお母さんのカレーは好きだし」
「さぁ、そうと決まればスーパー行こうぜ」
話がまとまったと、スーパーへ歩き出そうとした上条に、ここにきて不幸体質が炸裂した。
風に吹かれたのかコロコロ転がってきた空き缶が、そのまま上条の足元に吸い寄せられるように転がってくる。
上条はそれに気付かぬまま、空き缶を踏みバランスを崩し倒れる。
ある意味いつもの不幸。
「うぉっ!」
「ふぎゃ!」
しかし、この不幸な出来事はまだ終わりではなかった。
上条がこけたとき、なにがどう働いたかはわからないが空き缶が勢いよく蹴り上げられ、スコーンと良い音を立てて
麻琴の顔面に直撃した。
「「ふ……不幸だ」」
上条は腰をさすりながら、麻琴は顔を抑えながら声を揃えてうなだれた。
麻琴にも上条譲りの不幸体質が備わっているようだ。
そんな様子を見て、美琴は『あぁ、間違いなくこの二人親子なんだな』などと心の中で納得していた。
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#navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/未来からの来訪者)
~1st day かみことしょ~
第7学区のとある公園。
学生たちが帰路につき始める頃、常盤台中学の制服に身を包んだ少女がその場に呆然と立ち尽くしていた。
肩の辺りまで伸びた、毛先がツンツンしている黒い髪。
スレンダーな体つきに整った顔立ち。
しかし、その少女の表情はほうけきっていて常盤台のお嬢様といった雰囲気は全く感じられない。
なぜそんな表情なのかそれは――
「えっと……ココどこ?」
ということのようだ。
要するに迷子である。
いつものように学校から寮までの帰り道を歩いていたはずなのに、一瞬何か眩暈のような感覚があったと
思ったら、いつの間にかこの場所に立っていた。
「第7学区の……公園? なんか知ってるのと少し違う気がするけど」
むぅっとうなりながら、少しでも何かわからないかと視線を周囲に向ける。
ふと見上げると、空には飛行船が飛んでいた。
船体のモニターにはニュースの映像が写っている。
その映像を見て、正確にはそこに写っていた詳細な日付を見て大きな衝撃を受けた。
自分が記憶していた日付とあまりにもずれている。
「へっ……20年前? いやいや、上条さんは騙されませんよ。えっ、何その漫画みたいな展開!?」
高度な演算能力を持つ少女であったが、あまりにもありえない出来事にすっかり混乱してしまっているよ
うだ。
あわあわと無意味に手を振り回し、まさにパニックに陥ってますといった感じだ。
しかし、すぐに正気を取り戻し、父がよく言っていた言葉を思い出す。
(落ち着け、落ち着くのよ。お父さんも言ってたじゃない。有り得ない事が起きた時は素数を数えて落ち
着くんだと。2、3、5、7、11……)
効果があるのかはよくわからないが、とりあえず素数を数えて始めた。
――――
ちょうどその頃、ツンツン頭の少年、上条当麻はご機嫌な様子でいつもの公園の前まで来ていた。
機嫌がいいのは特売があるから……ではなく、昨日思いが通じ合い、はれて恋人同士になった御坂美琴と
この公園で待ち合わせをしていたからだ。
どれくらい上機嫌かといえば、普段なら間違いなく不幸のカテゴリーに含まれる出来事にあっても、気に
とめない。
まるでそんな小さな不幸、これからの大きな幸せの前には無意味なんだと言わんばかりの様子に、若干ク
ラスメイトも引き気味だったくらいだ。
「ふふふん、ふふふん、ふんふんふ~ん♪」
鼻歌を歌いながら足取りも軽く、待ち合わせ場所に歩いていく。
目的の場所まであと少しという所に先客がいることに上条は気が付いた。
その先客はなにやら難しそうな顔をしていて悩んでいるようだった。
「あの、何かお困りですか?」
こういう場面に出会えば無条件に助けようとするのが上条である。
当然のように声をかけると、声に反応したその少女が振り向いた。
その少女の顔に、上条の思考が一瞬止まる。
信じられないものを見たと自身の表情が固まるのがわかった。
「みこ……と?」
それもそのはず、上条が声をかけたこの少女の容姿があまりにも御坂美琴にそっくりだったからだ。
妹達――とも思ったが、その少女と美琴の間には明らかな相違点があった。
毛先のツンツンしたその黒い髪。
そして顔立ちも、美琴と非常に良く似ているが所々で細かい違いがあるのがわかる。
美琴のクローンである妹達ならばその辺はそっくり同じのはずだ。
ならばきっと偶然に違いない。
世の中には三人はそっくりな人間がいるというし。
「あ、いやすみません人違いでs「お父さん?」……はい?」
そう結論付けて謝ろうとした上条の言葉を遮り、少女が真剣な目でこちらを見つめてきた。
美琴によく似た少女の射抜くような真剣な視線に不覚にも上条の心臓がドキリと跳ねる。
「上条当麻……よね?」
上条に視線を離さずに確かめるように少女が尋ねる。
間違っていたらどうしよう、という少し不安の混じった声色だった。
「確かに俺は上条当麻ですが……」
「やっぱり、若い頃のお父さん!」
「は、はぃ~~??」
上条の言葉に少女の顔がぱぁっと華やいだ。
しかし、対照的に上条は『お父さん』という自分に向けられた言葉に固まってしまっていた。
(お父さん? 今俺に向かってお父さんって確実に言いましたよね、この子。お父さんって言うとあれ
ですよ、父親ってことですよね。つまりこの子は俺の娘? いやいや、上条さんはつい昨日恋人ができ
たばかりですのことよ? そもそも母親は誰だ? ってこの子やたら美琴そっくりだし、もしかして、
この子は俺と美琴の子供? 昨日告白したばかりなのにいつの間に俺たちに子供が? いやいや、それ
以前に俺中学生に手を出しちゃった? って待て待て、落ち着け、落ち着くんだ上条当麻。そもそも、
この子、俺たちとほとんど年が変わらないみたいじゃないか、となるともしかして俺は―――――)
「あ、あれ、お父さん? ちょろっと~。妄想の世界に行ってないで帰ってきてほしいんだけど……」
突然、トリップしてしまった上条に、少女はどうしたものかと困ったような表情を浮かべている。
そんな妄想劇場絶賛開演中の上条を現実に引き戻したのは、後方から飛んできた電撃の槍であった。
身体が覚えているのか、何か感じ取っているのかよくわからないが完全に死角になっていた後ろからの
電撃に向けてすばやく、かつ無意識に右手をかざし、それを打ち消す。
当然、こんなことをするのは学園都市広しと言えども一人しかいないわけで。
上条が振り向くと、そこには怒りの形相を浮かべた恋人、御坂美琴がバチバチと紫電を纏いながら立って
いた。
「ア・ン・タは~~~っ! 昨日告白したばかりの彼女放っておいて、なに他の女とイチャイチャしてん
のよ!」
「ま、待て美琴。ご、誤解だ。この子が困ってるようだったから話しかけただけだって!上条さんは美琴
さんにメロメロだって昨日言っただろうが!」
「うるさい、うるさ~いっ! じゃあ何なのよこの子は―――」
「ストップ、スト~~~ップ!」
上条に詰め寄り、言い合いを始めようとする美琴を止めたのは渦中の少女だった。
二人の間に割って入り声を上げる。
「お父さんもお母さんも、いい加減にしてよ。話進まないじゃない!」
「これは私と当麻の問題なの。何でアンタに……えっ?」
反論しようとした美琴が少女の方に意識を移す。
ここでようやく、上条と一緒にいた少女が自分とそっくりなこと、そして、少女が自分たちのことを『お父さん』
『お母さん』と言っていたことに気が付いた。
少女の言ったことが理解できず、思考が混乱する。
「お父さん……お母……さん? アンタ一体……」
「そういえば君は一体何者なんだ。さっきも俺のことお父さんって」
美琴と上条の声に少女があれ? と首をかしげる。
少し考えたあと自分がいまだ名乗っていなかったことを思い出した。
「あぁ、そっか。まだ名乗ってなかったっけ。なら……はじめましてお父さん、お母さん。
あたしの名前は上条麻琴。20年後の未来から何でかこの時代に飛ばされた、上条当麻と上条美琴の……あなた
たちの娘です」
ニッコリと笑みを浮かべてとんでもない発言をしでかした、自称娘・麻琴に上条と美琴は驚きの声を上げるし
かなかった。
「み、未来から来た??」
「ムムムム、娘? 私と当麻の…………つまり、それは将来私と当麻が結婚するってこと?
えへ、えへへへ」
しかし、大きな衝撃を受けたのは上条だけだったようだ。
美琴はすぐに思考がどこかへぶっ飛んでいてしまったようで、ゴニョゴニョと小声で何かつぶやき、顔をこれ
でもかというほど綻ばせ、頬に手を当ていやんいやんとしている。
(と、当麻と結婚。えへ。この子さっき未来から来たって、それに私のこと上条美琴って言ったわよね。つまり
私は当麻のお嫁さんで、当麻は私の旦那様で。ふにゃ。と、ということは二人は一緒に住んでるはずよね。それ
でそれで当麻と一緒のベッドで寝てたり。ふ、ふにゃ~。まだ早いよ、私中学生だよ……でもでも、当麻がした
いんだったら、そ、その私も――――)
「ふにゅ……えへへへ」
「っと、しょうがねーな。また漏電してるぞ、美琴」
幸せそうな顔をしている美琴の愛らしさに上条の驚きもすっかり上書きされてしまったようで、緩みきった顔で
漏電を始めた美琴の頭を幻想殺し(イマジンブレイカー)の宿った右手で優しくなでる。
その感触が気持ちいいのか、更にふにゃふにゃになった美琴は、ぽすっと上条の胸に飛び込みきゅっと服を掴んだ。
小さな甘えた声で「とうまぁ~」と愛しの彼の名前を呼びながら、すりすりと頬を彼の胸元に擦り付けている。
上条は上条でそんな美琴を右手でなでたまま左手でぎゅっと抱きしめて、優しい顔で「なんだ、美琴?」等と囁き
返している。
ぽわぽわふわふわとした幸せそうな空気を作り出すバカップル。
人通りが多くないとはいえ、ここが公園だと言うことはわかっているのだろうか。
「あたしの時代でも、学園都市最強のバカップルとか言われるくらいイチャイチャしてるし、見慣れてはいるけどさ。
同じ年くらいになってる両親のこんな甘い桃色空間見せ付けられて、娘としてあたしはどうすりゃいいのよ」
二人だけの世界に入り込んでしまった上条と美琴の様子に、すっかり蚊帳の外になってしまった渦中の存在だったはず
の娘は、呆れ顔でつぶやくのだった。
将来、学園都市最強のバカップルと呼ばれる当のバカップルたちは未だに桃色空間に包まれていた。
そんな様子を呆れ顔で眺め続ける娘、麻琴。
(あの状態になったらしばらく帰ってこないのは経験からわかっているけれど、なんだかねぇ……)
先ほどからなかなか話を進められないことにため息をつく。
――5分後――
「お父さん、お母さん。そろそろいい? イチャイチャしたいのはわかるけど、いい加減少し話し進めたいんだけど」
痺れを切らした麻琴がはっきりとした強い口調で声をかける。
二人はある程度満足してきていたのか、どうやら麻琴の声は届いたようで、その声で我に返った二人は慌てて離れた。
「そ、そそうだな。んんっ、あ、あれだ。き、君が未来からきて、俺たちの娘だって言うのは本当なのか?」
照れ隠しなのか、上条が咳払いをして麻琴の方に向き直る。
若干どもっていたので、隠しきれてはいないのだが。
「本当だけど、証拠になるようなものが提示できるかといわれると……あぁ、そういえばさっき昨日告白したみたいな
こと言ってたわよね?」
「あ、あぁ」
あごに手を当てて少し考えた麻琴が何か思いついたのか尋ねる。
麻琴の言う通りなので上条は特に何も考えずに首を縦に振って即答した。
「ってことは、お父さんとお母さんが付き合い始めたのを知っているのはこの時点で確かインデックスさんだけよね?
なら、昨日の告白のことを話せれば証拠代わりになるかな」
「へっ、昨日の……」
「こ、告白!?」
驚きの表情を浮かべる二人に、にやりと麻琴が不敵な笑みを浮かべた。
「えぇっと、確か、お母さんが落し物を拾って、その落し物の持ち主が男の人で、お礼を言われていたのをお父さんが
偶然見かけて、それで嫉妬してお母さんに対する思いにようやく気付いたんだよね」
一言一言思い出すように麻琴が話していく。
それは、インデックスにも教えていない、二人だけの秘密のはずだった。
聞いている上条と美琴の顔が徐々に赤く染まっていく。
「で、それに気付いたら余計に嫉妬しちゃって、強引にお母さんを人気のないところに連れ込んで『お前は誰にも渡さ
ない』とか言ってファーストキスを奪ったんだっけ」
「ぎゃぁぁぁぁぁっ!? な、なぜそれを~~~~っ!!?」
「あう」
思い出すだけでも恥ずかしい自分の行動を第三者から語られ上条が羞恥に身悶える。
美琴は美琴でその時のことを思い出しているのか、顔をこれでもかというほど真っ赤にしていた。
「なぜって……未来でお父さんとお母さんに何度も惚気話として聞かされたし」
「「何を娘に教えてるんだ(の)、未来の俺(私)!?」」
「それでその後確か―――」
「も、もういい、わかった。わかったから! これ以上言わないで!」
これ以上、昨日の恥ずかしい告白シーンを語られてはたまったものではないと美琴が叫ぶ。
しかし結局、美琴の制止もむなしく、告白シーンからその後の事まで、二人の心情を含め語られてしまい麻琴のことを
信じるしかなくなった上条と美琴であった。
とは言っても、元から麻琴が自分たちの娘であるということを疑っているわけでもなかったのだが。
親子の絆……というのだろうか不思議と信じられる気がするのだ。
「あ~。そうそうこういうのもあったんだ」
麻琴が思い出したようにごそごそと携帯電話を取り出す。
その携帯電話は明らかに現在出回っているどの機種とも違う洗練された物だというのが一目でわかる。
ただ……なぜだかそのデザインは髭の生えたカエルだったりするのだが。
「ゲ、ゲコ太!! しかも見たことないデザイン!」
当然それに食いつくのは美琴である。
例の顔で物欲しそうに麻琴の持つ携帯電話を見つめている。
「ふっふっふ。あたしの時代でこの間発売されたばかりのプレミアムゲコ太スペシャル仕様よ!」
ばばーんと、麻琴は自慢気に携帯電話を、まるで印籠のように突き出した。
それに美琴が羨ましそうに、それでいて悔しそうな視線を向けている。
母が母なら娘も娘なようだ。
どうやらゲコ太好きは遺伝しているらしい。
「見せたかったのはそのカエルか?」
「「カエルじゃない、ゲコ太!!」」
息の合った二人のコンビネーションに上条がたじろいだ。
今にも噛み付かんばかりの形相の母娘に上条の背筋に冷たいものが走る。
「わ、わかった。そのゲコ太のケータイを見せたかったのか?」
「忘れるとこだったわ。見せたかったのは―――」
上条の言葉に麻琴が思い出したかのように携帯をいじりだす。
かぱっと携帯を開いてなにやら操作をすると、上条と美琴にそこに写っているものが見えるように画面を向けた。
そこに写っていたのは、ツンツン頭の精悍な顔つきの男性と、その隣で柔らかな笑みを浮かべる茶髪の美しい女性。
「これってまさか……」
「そっ。未来の…あたしの時代のお父さんとお母さん。この間家に帰ったとき、なんかいい雰囲気だったからこの
ケータイの試し撮りがてら写したのよ」
「これが未来の私たち……」
「ま、そのあといつものイベントがあったけどね」
そう言いながら麻琴が画面を二人に見せたまま、携帯電話を操作する。
画面の写真が切り替わり、次に映し出されたのは、未来の上条が犬に噛み付かれ、それを呆れ顔で眺める、未来の
美琴の姿だった。
なぜ突然犬に噛まれているかはわからなかったが、とりあえず未来でも上条の不幸体質は絶好調だったようだ。
上条は、それに多少なりともショックだったようで「未来でも俺こんなんかよ」などと言って落ち込み、それを美琴
が慰めていた。
「ところで、アンタはどうしてこの時代に来たの?」
「それがさっぱりわからないのよねぇ。いつも通り帰ってたらここにいたし、どうなってるんだろうと考えてたら、
お父さんに話しかけられて、あとはご存知の通り」
美琴の疑問にも、麻琴は肩をすくめてため息を付くばかりだった。
あまりにも突然のことで、麻琴としても何があったかはわからない。
「お前の能力ってわけでもねぇのか?」
「あたしはお母さんと同じ電撃使い(エレクトロマスター)よ。時間跳躍(タイムトラベル)なんて出来ないわ」
上条の問いに、麻琴は証拠といわんばかりにバチバチッと小さく電撃を走らせて答える。
容姿だけでなく、能力も麻琴は美琴からしっかりと受け継いでいるようだ。
「う~ん。このままここにいても仕方ねぇし、夕飯の買い物でもして家に帰るか?インデックスなら何かわかるかも
知れないしな」
しばらくして、いくら考えても無駄だと結論付けた上条がそう提案する。
現在より科学が発達しているであろう未来の世界を生きているはずの麻琴にも、現在の学園都市第三位の美琴にも
わからないのでは、このままここにいたところで埒があかない。
科学の知識でダメなら魔術の知識。
特に魔道書を10万3000冊も記憶しているインデックスならもしかしたら何か知っている可能性もあるという判断だ。
「そうね。このままでも進展なさそうだし、買い物してから当麻の寮に行きましょうか。当麻、麻琴。何か食べたい
ものある? 美琴センセーが腕によりをかけて夕飯作ってあげるわよ」
本来ならば放課後デートのあと、二人で買出しして上条に(もちろんインデックスにも)夕飯を作ってあげる算段だった
が、こうなったら仕方がないだろう。
残念ではあるが、困っているのは他ならぬ、自分たちの未来の娘なのだから。
「カレー。上条さんはカレーがいいです。美琴たんの愛情たっぷりのカレー!」
「美琴たん言うな、この馬鹿っ!」
恥ずかしさからか声を荒げる美琴だが、小さく『まぁ、愛情はたっぷり入れるけどさ』とゴニョゴニョとつぶやいて
いる。
まだまだ素直にはなりきれないようだ。
「麻琴もそれでいい?」
「もちろん。あたしもお母さんのカレーは好きだし」
「さぁ、そうと決まればスーパー行こうぜ」
話がまとまったと、スーパーへ歩き出そうとした上条に、ここにきて不幸体質が炸裂した。
風に吹かれたのかコロコロ転がってきた空き缶が、そのまま上条の足元に吸い寄せられるように転がってくる。
上条はそれに気付かぬまま、空き缶を踏みバランスを崩し倒れる。
ある意味いつもの不幸。
「うぉっ!」
「ふぎゃ!」
しかし、この不幸な出来事はまだ終わりではなかった。
上条がこけたとき、なにがどう働いたかはわからないが空き缶が勢いよく蹴り上げられ、スコーンと良い音を立てて
麻琴の顔面に直撃した。
「「ふ……不幸だ」」
上条は腰をさすりながら、麻琴は顔を抑えながら声を揃えてうなだれた。
麻琴にも上条譲りの不幸体質が備わっているようだ。
そんな様子を見て、美琴は『あぁ、間違いなくこの二人親子なんだな』などと心の中で納得していた。
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#navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/未来からの来訪者)
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