罰ゲーム
「御坂さーん、こっちでーす」
初春飾利、佐天涙子の二人との待ち合わせ場所(いつものファミレス)に御坂美琴はやってきた。
「御坂さん、白井さんはどうしたんですか?」
「それがね…」
「それがね…」
御坂の後輩でルームメイトの白井黒子は寮内での能力使用がばれてしまい、現在寮監による制裁をくらっている。
能力使用の理由は、風呂場で御坂と裸の付き合いをするためである。
そこに別の生徒を呼び出すためにたまたまやってきた寮監に見つかってしまった。
あの寮監が短時間で返してくれるはずもなく、日付が変わった今日もお仕置きをされているのだ。
そんな話を聞いた二人は苦笑いをするしかなく…
能力使用の理由は、風呂場で御坂と裸の付き合いをするためである。
そこに別の生徒を呼び出すためにたまたまやってきた寮監に見つかってしまった。
あの寮監が短時間で返してくれるはずもなく、日付が変わった今日もお仕置きをされているのだ。
そんな話を聞いた二人は苦笑いをするしかなく…
「あはは、白井さんも相変わらずですね…」
「ホント、あの子には困ったものだわ」
「白井さんの無茶苦茶ぶりには私も困ってます」
「ホント、あの子には困ったものだわ」
「白井さんの無茶苦茶ぶりには私も困ってます」
御坂と初春が、それぞれルームメイトとして、同じ風紀委員として白井のことを考え溜息をついた。
白井の話はほどほどに、学校でのこと等に話は変わっていく。
しかし、今までとは違うことがあった。
白井の話はほどほどに、学校でのこと等に話は変わっていく。
しかし、今までとは違うことがあった。
「それでそいつがね…」
第三次世界大戦以降、美琴が必ず”そいつ”の話をするのだ。
一応、二人は美琴がロシアに行ったこと聞いていた。あまり詳しくは教えてくれなかったが…
過去にこれって惚気話か?と疑問に思った初春と佐天は「彼氏さんなんですか?」と、前に聞いたことがあるのだが、
一応、二人は美琴がロシアに行ったこと聞いていた。あまり詳しくは教えてくれなかったが…
過去にこれって惚気話か?と疑問に思った初春と佐天は「彼氏さんなんですか?」と、前に聞いたことがあるのだが、
「ち、違うわよ!」
と、おもいっきり否定されてしまい、それ以降この質問は出来ていない。
それでも毎回聞いている二人には確信があった。
それでも毎回聞いている二人には確信があった。
((御坂さんはその人に絶対惚れてる!))
二人は美琴の想い人を見るために、実は作戦を立てていた。
そして今日は、その計画を実行する日だったりする。
なので白井がいないのは少し助かっているのだ。
いたら多分、邪魔されるから。
話がひと段落ついてきたところで、佐天が切りだす。
そして今日は、その計画を実行する日だったりする。
なので白井がいないのは少し助かっているのだ。
いたら多分、邪魔されるから。
話がひと段落ついてきたところで、佐天が切りだす。
「御坂さん、ちょっとしたゲームしません?」
「ゲーム?」
「はい、ジュースを混ぜて何が入っているのかを当てるんです。あ、もちろん罰ゲーム有で」
「別にいいわよ」
「ゲーム?」
「はい、ジュースを混ぜて何が入っているのかを当てるんです。あ、もちろん罰ゲーム有で」
「別にいいわよ」
あいつこと上条当麻の話で若干自分の世界に入っている美琴は、若干ニヤついている佐天に気付かず了承してしまった。
「それで罰ゲームって?」
「そうですねぇ、『好きな人にキスをする』です」
「え、えぇぇえええ!」
「御坂さん、今更なしはダメですよ?」
「常盤台のエースが前言撤回なんて恥ずかしいですよ?」
「そうですねぇ、『好きな人にキスをする』です」
「え、えぇぇえええ!」
「御坂さん、今更なしはダメですよ?」
「常盤台のエースが前言撤回なんて恥ずかしいですよ?」
自分が上条とキスをするシーンを妄想している美琴に正常な判断はできず、すぐに落とされてしまった。
「そうと決まれば、早速作ってきますね」
☆
結果的に、御坂美琴は負けてしまった。
佐天を待っている時も、ジュースを飲んでいる時も終始真っ赤であり、実際味など分からなかった。
佐天を待っている時も、ジュースを飲んでいる時も終始真っ赤であり、実際味など分からなかった。
「それじゃぁ相手に連絡を取ってください」
「え?」
「連絡ですよ連絡。今日相手の人が都合悪ければ意味ないじゃないですか」
「それはそうだけど…」
「さあさあ早く!」
「え?」
「連絡ですよ連絡。今日相手の人が都合悪ければ意味ないじゃないですか」
「それはそうだけど…」
「さあさあ早く!」
初春と佐天に促され、美琴は渋々上条に電話をかけた。
しかし、聞こえてきたのは
「電波の届かないところにいるか、電源を切っています」
だけだった。
しかし、聞こえてきたのは
「電波の届かないところにいるか、電源を切っています」
だけだった。
「ダメ、出ない」
「なら、その人が出没しそうなところは無いんですか?」
「無いことは無いけど…」
「なら、そこへ向かいましょう!」
「なら、その人が出没しそうなところは無いんですか?」
「無いことは無いけど…」
「なら、そこへ向かいましょう!」
ノリノリの二人へ連れられて美琴は上条が出没しそうな場所―いつもの自販機前―に向かった。
美琴は自動販売機前で上条を待ち、初春と佐天は近くの草むらに隠れた。
今日は来ませんようにと祈る美琴に、早く来ないかとワクワクしながら待つ初春と佐天。
神様は初春と佐天に味方した。
今日は来ませんようにと祈る美琴に、早く来ないかとワクワクしながら待つ初春と佐天。
神様は初春と佐天に味方した。
「はあ、不幸だ」
お馴染みのセリフを呟きながら、上条当麻がやってきのである。
朝からインデックスに噛みつかれ、トボトボと登校したら女生徒と曲がり角でぶつかり、
それを青ピに見られたがために、またフラグを立てたとクラスの半分に軽い制裁を受けた。
それを本日2回。
朝からインデックスに噛みつかれ、トボトボと登校したら女生徒と曲がり角でぶつかり、
それを青ピに見られたがために、またフラグを立てたとクラスの半分に軽い制裁を受けた。
それを本日2回。
「ねえ」
「なんであいつらに追いかけまわされなきゃならねえんだ」
「ねえってば」
「そもそもフラグってなんだよ」
「なんであいつらに追いかけまわされなきゃならねえんだ」
「ねえってば」
「そもそもフラグってなんだよ」
ことごとくスルーされ、これから行うことへの恥ずかしさより怒りが少し勝った美琴は上条に電撃をぶっ放す。
「ちょっとアンタ!」
「何だよ御坂か。どうした?」
「何だよ御坂か。どうした?」
ぶっ放された電撃を右手で打ち消し、上条さんは疲れているのでお早めにと言いながら美琴を見る。
「ちょっと目瞑りなさい」
「は?何でだよ」
「は?何でだよ」
意味が分からないと言う顔をした後、明らかに面倒くさそうな顔をする上条。
そんな顔をする上条に、疲労など比べ物にならない言葉が放たれる。
そんな顔をする上条に、疲労など比べ物にならない言葉が放たれる。
「いいから!やらなかったら超電磁砲キャッチボールよ!」
「瞑りますから、それだけはご勘弁を!」
「瞑りますから、それだけはご勘弁を!」
今まで何度も死にかけた上条だが、流石に超電磁砲キャッチボール(一方通行)をすると確実に死ねる。
俺ってそんな悪いことしたっけ?と数カ月分しかない記憶をたどりながら上条は必死に目を瞑る。
俺ってそんな悪いことしたっけ?と数カ月分しかない記憶をたどりながら上条は必死に目を瞑る。
「最初からそうすればいいのよ…」
「それで、何するk…」
「それで、何するk…」
チュッ
(えっ?)
突然のことに上条は目を開けてしまった。
目の前にあるのは美琴の顔。
数秒してようやく自分が何をされているのか気がついた。
目の前にあるのは美琴の顔。
数秒してようやく自分が何をされているのか気がついた。
(これってキス!?)
が、上条が気がついてすぐ美琴は離れた。
「///」
「み、御坂サン?」
「み、御坂サン?」
周囲に気まずい空気が漂う。
美琴は顔を赤くして俯いているし、上条もどう言葉を発すればよいのか分からずただ黙っていた。
約5分ほどして、この沈黙を破ったのは美琴だった。
美琴は顔を赤くして俯いているし、上条もどう言葉を発すればよいのか分からずただ黙っていた。
約5分ほどして、この沈黙を破ったのは美琴だった。
「じゃ、じゃぁね///」
一言だけ別れの挨拶を告げ、上条を置いて去って行った。
一方その近くの草むらで一部始終を覗いていた初春と佐天は…
「へえ、あの人が御坂さんの好きな人かぁ」
「『好きな人にキスしてくる』罰ゲームをホントにやるとは思いませんでした」
「『好きな人にキスしてくる』罰ゲームをホントにやるとは思いませんでした」
御坂の好きな人が分かればいいやと、軽い気持ちで考えていた二人には思ってもいない収穫だった。
学園都市第三位の色恋沙汰だ。恋だの何だのに興味なくても格好の餌になる。
この二人が周りに言いふらすことはないが。
学園都市第三位の色恋沙汰だ。恋だの何だのに興味なくても格好の餌になる。
この二人が周りに言いふらすことはないが。
「しかも唇にするなんて、頬で良かったのにねぇ初春」
当初の予定はそうだった。
頬にでもキスして赤くしながら帰って行くんだろうと考えていた。
いや、想い人に会いに行かず友達として好きな人とかいって誤魔化してくるだろうと。
期待半分、諦め半分といった感じだ。
頬にでもキスして赤くしながら帰って行くんだろうと考えていた。
いや、想い人に会いに行かず友達として好きな人とかいって誤魔化してくるだろうと。
期待半分、諦め半分といった感じだ。
「佐天さんニヤニヤしすぎですよ?」
「そういう初春こそ」
「そういう初春こそ」
二人とも顔が緩みっぱなしで、これじゃ当分ここ(草むら)から抜け出せない。
しかし、ここにいるとさっきのシーンを思い出してまたニヤついてしまう。
しかし、ここにいるとさっきのシーンを思い出してまたニヤついてしまう。
((面白いものを見てしまった!))