とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part05

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匿名ユーザー

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チーン 

軽い電子音と共にエレベーターの扉が開いていく。
いるか?

パーン!!

何だ!?火薬のにおいが…
銃?俺、撃たれたのか…?
まるで現実感がない。

と、何かが突進してきた。
朦朧としていた意識が徐々に覚醒していく。
ようやく部屋を見渡すことができるようになる。

???

「おめでとう!よく辿り着いたわね、上条君♪」
「なんで…?」

驚いたことに部屋の中にはクラッカーを手にした美鈴さん、母さん(詩菜)、親父(刀夜)、そして見知らぬ男性がいた。
美鈴さんに至ってはこっちを見て、お世辞にも上品と言えないニヤニヤ笑いを浮かべていた。(ちなみに他の3人は満足そうに頷いていた)

(ということは…)

ここで俺は意識を自分に突進してきたものに戻した。

「御坂…なのか?」
「…」コクリ

御坂は顔を胸に埋めたまま頷いた。

「これどういうことせうか?」
「…」

待てど御坂はなにも話してくれない。
と、ここで美鈴さんがさっきまでのニヤニヤ笑いを引っ込めて、いつになく真剣な顔で話しかけてきた。

「それには私の方から説明するわ」

美鈴さんは一部始終を話してくれた。
要はこういうことらしい。

御坂は何か悩み事を抱えてたらしく、母親たちに相談して結果、良い案を考えてもらったらしい。
それというのが、今回の旅行というわけだ。
つまり、御坂が俺を旅行に誘ったり、誘拐工作を行ったのも、全ては母親たちの指示によるものだったということだ。
あの電話による声も旅掛さん(事情説明の最中、紹介してくれた)によるもので、どう職権乱用したのかは不明だが、
パトカーを呼んだのも彼の仕業ということだと。
五和達は偶然ということになるし、不明な点もいくつもあるが、はっきりしてるのは俺が両親達+御坂の手の平で踊らされたということだ。

「ごめんなさい…」
「どうしたんだ急に?別にいいよ、もう怒ってなんかないし」
「なんで?私はアンタを振り回したのよ!」
「んなことどーでもいいんだ。御坂が無事だったんだろ。だったらそれでいいじゃん。」

そう言ってやったら
御坂はさらに力強く抱きしめてきて、泣き出した。
俺にはその涙の理由が分からないから、とりあえず頭を撫でてやることしかできない。
ダメだな、俺って…

御坂が落ち着いた頃を見計らって聞いてみた。

「なあ御坂、今回の旅行って御坂の悩みとどう関係してくるんだ?」
「えっとそれは…」
「それは?」
「こういうことよー!!」

そう言うなり、御坂の顔はどんどん近付いていって…俺達の距離は0となった。



どのくらい経っただろうか?
おそらくほんの10秒だと思う。だけど俺にはもっと長く感じられた。
何をされているかを理解するのに約4秒、全てを理解するのに約3秒、その甘美な時間を味わえた時間は約3秒。
一つになった影が再び別れる時、俺は物足りなさを感じた。

「これが私の気持ち。伝わった…?////」
「ああ。十分伝わった」
「俺、お前がいなくなってからずっと御坂のこと考えていた。」
「他の奴らにいろいろ言われて、最初何のことか全然分からなかった。挙句の果てには告白させちまったしな…」
「えっ!?それでどうしたのよ…」

御坂の顔があせりと不安で塗りつぶされていく。
纏うオーラも一気に暗くなった。

「断わったよ。好きな人がいるからってな」

あいつは一瞬明るい顔をしたが、すぐに元に戻った。

「なんて顔してんだよ。お前だよ、御坂。俺はお前が好きなんだよ」
「嘘…」
「嘘じゃねーよ!」
「だってそんなのおかしいじゃない!今まで私のことスルーしてきて、kンッ!?」

分からず屋の口はふさぐってな。
驚いたのかアイツは抵抗する素振りを見せるが、すぐに俺のキスに答えてくれた。

「これで信じられるだろ。まだ何かごちゃごちゃ言うようならまたその口ふさぐぞ」イケメンAA
「あ、あああの、その…////」
「上条当麻は御坂美琴さんが好きです。よかったら付き合ってくれませんか」
「ばか…。どんだけそのセリフを待ったと思ってるのよぉ。うれしいよぉ」ナミダポロポロ
「御坂美琴も上条当麻さんが大好きです。よろしくお願いします」ダキッ
「ああ。こちらこそよろしくな、美琴」
「うん。それでねあの…誓いのキス、しよ?」

何なんですかこの子はー!!ウルウル目+首コクッ+上目遣いで頼まれて断われるわけない。

(やばい…ありえないほどかわいいすぎる!)

「この上条当麻喜んでさせていただきます!」

恋人としてのファーストキスは先ほどまでのとはまた別物だった。
先ほどのもよかったが、今のそれは格別な感じがした。

「あーら、初々しいわねー」
「「へ?」」

声のしたほうを見ると美鈴さんはニヤニヤして、母さんは口に手を当てて微笑んでいた。
親父は「ああ、娘が遠い所に行ってしまった」と言って地面に指で”美琴”と書いている旅掛さんを慰めていた。

そういえば、忘れてたあああ!!!
完全に2人の世界に入り込んでいた。

と、そばでパチパチと空気が帯電し始めた。

(これってまさか…)

案の定美琴は電気を撒き散らしていた。
これは気絶する3秒前!マズイ、止めなければ!

「間に合えー!!」
「ふにゃああああああああああ!!!」
「ぎゃああああああああああああ」

俺は遠くなる意識の中、せめて親達に被害が及ばないようにと必死に右手を伸ばした。






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