まどろっこしく感じてたはずの3日間はあっという間に過ぎていった。まさに光陰矢のごとし。
その原因はもちろん御坂。彼女のことを考えるだけで、体感時間が速くなる。
その原因はもちろん御坂。彼女のことを考えるだけで、体感時間が速くなる。
「やっぱ分かんねえな」
上条はベッドに仰向けにダイブしながら呟く。確かに御坂は他奴らとは違うのだろう。
そこまでは理解できている。だけどそれだけでは何か足りないのだ。何かが…
「ーさん」
そこまでは理解できている。だけどそれだけでは何か足りないのだ。何かが…
「ーさん」
うーん
「ーjーさん」
うーん
「ーじょうさん」
うーん
「上条さん!」
「は、はい!ごめんなさい!」
「は、はい!ごめんなさい!」
条件反射でつい謝ってしまう。
インデックスが残した負の遺産だ。
インデックスが残した負の遺産だ。
「あ、いえ。こちらこそ大声を出してしまってすみません」
「ん?その声は五和か?」
「はい、そうです。おしぼり作戦から進化した五和です!お久しぶりです、上条さん!」
「?ああ。ところで来ているのは五和だけ?」
「はい、すみません。他の人達は忙しいらしく」
「そうか。悪いな、無理を言って…」
「ん?その声は五和か?」
「はい、そうです。おしぼり作戦から進化した五和です!お久しぶりです、上条さん!」
「?ああ。ところで来ているのは五和だけ?」
「はい、すみません。他の人達は忙しいらしく」
「そうか。悪いな、無理を言って…」
上条は知らない。実はこれが二人きりにするための作戦であることを。
実は建宮達がこの会話をこっそり盗聴していることを。
ちなみに当の五和も気づいてはいなかった。
実は建宮達がこの会話をこっそり盗聴していることを。
ちなみに当の五和も気づいてはいなかった。
「ところでどうやって行くんだ?」
「はい。これを使います。」
「これってバイク?」
「はい♪上条さんは後ろに座ってください。」
「普通は逆だよな…情けない」
「いえいえ。そんなことありませんよ」
「ううぅ…どんぐらいで着くんだ?」
「えっと…15時間前後といったところでしょうか」
「そうか。頼むぞ、五和」キリッ
「は、ははは、はい////」
「はい。これを使います。」
「これってバイク?」
「はい♪上条さんは後ろに座ってください。」
「普通は逆だよな…情けない」
「いえいえ。そんなことありませんよ」
「ううぅ…どんぐらいで着くんだ?」
「えっと…15時間前後といったところでしょうか」
「そうか。頼むぞ、五和」キリッ
「は、ははは、はい////」
1級フラグ建築士の名は伊達じゃない。さすがやでー
イタリアとフランスの国境付近ー
「なんか慌ただしいな。なんかあったのか」
「詳しいことは分からないんですけど、なんでもどこからかエッフェル塔の爆破予告が出ているとか…」
「詳しいことは分からないんですけど、なんでもどこからかエッフェル塔の爆破予告が出ているとか…」
そうだった!御坂のことで頭がいっぱいで、完全に忘れていたけどそれが本題だった。
「そういえば上条さんはなぜここに…?」
「ああ、それはだな…」
「ああ、それはだな…」
五和に全てを話した。今の俺にはこれしかできないから…
「つまり上条さんはその御坂さんという方を助けるためにパリに向かっているということですか?」
「まぁ、そうなるな」
「助け出せると良いですね」
「まぁ、そうなるな」
「助け出せると良いですね」
俺はただ黙って頷いた。
眼前に広がる巨大なオブジェ。ついにエッフェル塔にたどり着いたのだ。
その巨大な塔の足元にはいくつものパトカーが停まっていて、野次馬なのか、人がうじゃうじゃいた。
当然の光景と言えよう。これだけのことがあってなんの対策も取らない方がおかしいのだ。
それが有効であるかどうかは別として。
その巨大な塔の足元にはいくつものパトカーが停まっていて、野次馬なのか、人がうじゃうじゃいた。
当然の光景と言えよう。これだけのことがあってなんの対策も取らない方がおかしいのだ。
それが有効であるかどうかは別として。
「くそっ!どうにかして中に入るとするか。五和、ここまでで良いぞ。ありがとな」
「待ってください!私も行きます。上条さんの役に立ちたいんです!」
「確かに今までは足手まといだったかもしれません。左方のテッラのときも後方のアックアの時も…」
「そんなことはない。五和のおかげでテッラのトリックにも気づくことができた。アックアにボコボコにされた時、治療してくれたのは五和だっただろ」
「上条さん!私はあなたのことが好きなんです!好きな人を守りたいと思うのはいけないことなんですか!?」
「待ってください!私も行きます。上条さんの役に立ちたいんです!」
「確かに今までは足手まといだったかもしれません。左方のテッラのときも後方のアックアの時も…」
「そんなことはない。五和のおかげでテッラのトリックにも気づくことができた。アックアにボコボコにされた時、治療してくれたのは五和だっただろ」
「上条さん!私はあなたのことが好きなんです!好きな人を守りたいと思うのはいけないことなんですか!?」
好き?五和が?俺を?はっきり言って悪い気はしない。
当然だ。女の子から告白されて喜ばない男子などごく少数だろう。
普通は飛び上がるほど嬉しいはずだ。
当然だ。女の子から告白されて喜ばない男子などごく少数だろう。
普通は飛び上がるほど嬉しいはずだ。
はずだが…上条は何も言えなかった。
(なんで俺嬉しくないんだ?)
刹那、御坂の顔が思い浮かばれてきた。
(なんで御坂が?アイツは関係ないだろ…?)
と、その時今までの記憶がフラッシュバックしていく。
(てめぇはそいつを守るべき対象としか見てねえのかって聞いてんだ)
(美琴センセーが上条君を元気にしてあげよう)
(アンタと私は同じ道を進んでいる。その事を忘れんじゃないわよ)
(ただし今度は一人じゃない)
・
・
・
・
あぁ…そうか。
なんだ。簡単なことだったんじゃないか。
(美琴センセーが上条君を元気にしてあげよう)
(アンタと私は同じ道を進んでいる。その事を忘れんじゃないわよ)
(ただし今度は一人じゃない)
・
・
・
・
あぁ…そうか。
なんだ。簡単なことだったんじゃないか。
「五和、悪いな。俺、お前とは付き合えない。」
「好きな人がいるんだ。気づいたのは今なんだけどな」
「謝らないで下さいよ。上条さんは何も悪くないんですから…」
「それと、ありがとうございました!私のことちゃんと振ってくれて。上条さんのこと好きでいさせてくれて」
「私、なんとなく気づいてたんです。上条さんはその方が好きなんだなーって」
「…」
「上条さん、行ってあげてください。彼女のもとへ」
「え?でも五和は…」
「私は平気です。すぐにまたいつもの元気な五和に戻りますから!」
「ごめんな五和…行ってくる!」ダッ
「お幸せにー!」
「好きな人がいるんだ。気づいたのは今なんだけどな」
「謝らないで下さいよ。上条さんは何も悪くないんですから…」
「それと、ありがとうございました!私のことちゃんと振ってくれて。上条さんのこと好きでいさせてくれて」
「私、なんとなく気づいてたんです。上条さんはその方が好きなんだなーって」
「…」
「上条さん、行ってあげてください。彼女のもとへ」
「え?でも五和は…」
「私は平気です。すぐにまたいつもの元気な五和に戻りますから!」
「ごめんな五和…行ってくる!」ダッ
「お幸せにー!」
もう時間がない。五和のためにも絶対間に合ってみせる!
待ってろよ御坂…もう手を伸ばせば届く距離にいるんだ。
だからもう少しだけ我慢してくれ!
待ってろよ御坂…もう手を伸ばせば届く距離にいるんだ。
だからもう少しだけ我慢してくれ!