小ネタ お内裏様と2人のお雛様
3月3日
上条当麻の部屋のチャイムがなる。
「はーい、今出ますよー」
扉を開けると、そこには華やかな着物を着た美琴がいた。
「?美琴、どうしたんだよ。着物なんか着て」
「今日はひな祭りだよ」
「あ・・・・・・」
上条には夏休み以前の記憶は無いが、ひな祭りというのは女の子が祝う日と知識としては残っていた。
しかしそれをすっかり忘れていた。
「ま、まあ入れよ」
「うん」
「みこと?今日はいつもより早いね」
美琴を部屋に入れたその時、駆け寄ってきたのはインデックスだ。
「わぁー綺麗な着物!どうしたのかなそれ!?」
インデックスは美琴の着物を見て目を輝かせていた。
「今日はひな祭りだからね。そうだ、インデックスも着物着る?」
「え?いいの!?」
「ええ、寮に行けばまだ着物はあるから。行きましょ、インデックス」
「うん!じゃあ行ってくるねとうま!」
インデックスは美琴と一緒に出かけてしまった。
「ひな祭り・・・・・・か。ご馳走、作っておくか」
(たしかひな祭りって、ちらし寿司とか食べるんだっけか?)
インデックスのためにたくさん作らなきゃいけないが、今日ぐらいはいいだろうと上条は思い、買い物へ出かける。
「ただいまー!」
「ただいま」
上条が料理が作っている時に美琴とインデックスは帰ってきた。
「えへへ、とうま、どう?綺麗?」
インデックスは色は違うが同じ模様の着物を着ていた。
「おう、綺麗だぞ。インデックスも美琴もとっても可愛い」
「えへへ」
「あ、ありがとう。当麻。ん?」
美琴は上条が作ってるちらし寿司に気づく。
「あれ、当麻、ちらし寿司作ってるの?」
「ああ、せっかく可愛い彼女が綺麗な着物来てんだ。ひな祭りらしくしたいと思ってな」
「ふふ、ありがと」
「むぅ、また私を置いて2人でいちゃいちゃしちゃって。」
インデックスの言葉に2人は顔を赤くする。
「ちらし寿司、出来たぞー」
上条がちらし寿司をテーブルへ持ってくる。
「美味しそうかも!」
「ホント、美味しそう」
「初めて作ったから自信ないけどな」
「ううん。私、当麻が作ってくれただけでとても嬉しいよ」
「ねぇねぇ2人とも、早く食べようよ!」
「ああ、そうだな」
上条は3人の皿にちらし寿司をよそる。
やっぱりインデックスは2人より大盛りだ。
「それでは皆さん」
上条の合図と共に三人は手を合わせる。
「「「いただきます!」」」
三人は一斉に食べ始める。
「美味しいよ!とうま!」
「ホント、美味しい」
ちらし寿司は2人には好評のようだ。
「いやー、上条さんも作った甲斐がありましたよ」
三人が食べ終わった頃、美琴がインデックスに話しかけた。
「ねえ、インデックス。ひな祭りの歌って知ってる?」
「あ、それ知ってる!」
「せっかくのひな祭りなんだし、歌ってみない?」
「うん歌う!」
「じゃあ、1,2,3、はい!」
美琴の合図と共に2人は歌いだす。
「あかりをつけましょぼんぼりにー♪おはなをあげましょもものはなー♪ごーにんばやしのふえだいこー♪
きょーはたのしいひなまつりー♪」
上条の部屋に2つの綺麗な歌声が響いた。