第1章 ③幸せとは…
「結局こういう形の遊園地に来るのは付き合い始めてから初めてだな」
上条と美琴が来ているのは第六学区の屋外にある遊園地だった。
9月の初めにいつか一日遊園地で遊ぶという約束をしたものの様々な事件が重なり、遊びに来ることが出来なかったのだ。
この一ヶ月は上条のリハビリもあって遊びに出掛けること自体がなかった。
二人とも一緒にいられればそれで幸せだったが、やはりデートは楽しみで仕方ないのだった。
9月の初めにいつか一日遊園地で遊ぶという約束をしたものの様々な事件が重なり、遊びに来ることが出来なかったのだ。
この一ヶ月は上条のリハビリもあって遊びに出掛けること自体がなかった。
二人とも一緒にいられればそれで幸せだったが、やはりデートは楽しみで仕方ないのだった。
「今日は晴れてるし思ったよりも寒くない、まさにデート日和だな」
「…うん」
「どうした、元気ないけど?」
「ううん、何でもない」
「おいおい、俺達の間で隠し事はなしだろ?」
「当麻こそ私に何か隠してることがあるんじゃない?」
「え?」
「当麻が私に隠れて常盤台の寮に復寮の手続きを取ってることを私が知らないと思ってるの?」
「!?」
「それに第五位の食蜂操折に接触してることも分かってる」
「…」
「何で、何でよ!?
何で私の記憶を奪ってまで置いていこうとするの!?」
何で私の記憶を奪ってまで置いていこうとするの!?」
「…アレイスターが言ったろ。
妹達の人権を学園都市が責任を持って保障することも、学園都市における暗部の実験も全て凍結させることも。
その段階で美琴の目的は全て達せられたんだ。
本当は俺も美琴のことを思うならそこで戦いを止めなくちゃいけなかった。
でも俺は戦いに向かうことを選択した。
これから向かう先は正真正銘の戦場だ。
美琴は気を失ってたから知らないかもしれないけど、9月30日の戦いは色んな意味で想像を遥かに超える戦いだった。
そしてその戦いの相手…ヴェントのことをトールはあの程度って言いやがった。
正直に言うと俺は9月30日の戦いの後は恐怖で押しつぶされそうだった。
だって左腕を戦いで喪うなんて、どう考えたって普通の高校生じゃありえねえよ。
でも傷ついたのが俺でよかったとも思ったんだ。
美琴だったらと思うと恐怖というより考えただけで絶望に襲われた。
その時に思ったんだ、俺の近くにいたんじゃ美琴は幸せになれないって…」
妹達の人権を学園都市が責任を持って保障することも、学園都市における暗部の実験も全て凍結させることも。
その段階で美琴の目的は全て達せられたんだ。
本当は俺も美琴のことを思うならそこで戦いを止めなくちゃいけなかった。
でも俺は戦いに向かうことを選択した。
これから向かう先は正真正銘の戦場だ。
美琴は気を失ってたから知らないかもしれないけど、9月30日の戦いは色んな意味で想像を遥かに超える戦いだった。
そしてその戦いの相手…ヴェントのことをトールはあの程度って言いやがった。
正直に言うと俺は9月30日の戦いの後は恐怖で押しつぶされそうだった。
だって左腕を戦いで喪うなんて、どう考えたって普通の高校生じゃありえねえよ。
でも傷ついたのが俺でよかったとも思ったんだ。
美琴だったらと思うと恐怖というより考えただけで絶望に襲われた。
その時に思ったんだ、俺の近くにいたんじゃ美琴は幸せになれないって…」
「…当麻は本当に分かってない。
いつも私のことを考えてくれてるような顔して、本当は私のことなんて全然考えてくれてない!!」
いつも私のことを考えてくれてるような顔して、本当は私のことなんて全然考えてくれてない!!」
「そんなことねえよ、俺は美琴のことを想って…」
「当麻は逃げてるだけよ。
私の幸せを考えてるんじゃなくて、自分が不幸になるのを恐がってるだけ…
前にパパとママに言ったじゃない、自分が招く不幸以上に私のことを幸せにしてくれるって!!」
私の幸せを考えてるんじゃなくて、自分が不幸になるのを恐がってるだけ…
前にパパとママに言ったじゃない、自分が招く不幸以上に私のことを幸せにしてくれるって!!」
「美琴…」
「自分の価値観を私に押し付けないで!!
私の幸せは当麻の傍にいること、何でそんなことも分かってくれないのよ!!」
私の幸せは当麻の傍にいること、何でそんなことも分かってくれないのよ!!」
美琴は涙で顔をクシャクシャにしながら上条の胸を叩き続けた。
しかし上条はどうしていいか分からなかった。
目の前の華奢な少女を抱きしめたい衝動にも駆られるが、自分にはその資格が無いように思われた。
だが上条の美琴を抱きしめる代わりに、美琴が上条のことを抱きしめる。
しかし上条はどうしていいか分からなかった。
目の前の華奢な少女を抱きしめたい衝動にも駆られるが、自分にはその資格が無いように思われた。
だが上条の美琴を抱きしめる代わりに、美琴が上条のことを抱きしめる。
「私は当麻のことを何があっても逃がさない。
当麻が死んだら私も死ぬ、だから私が死んだら当麻も死んでちょうだい。
例え死後の世界だろうと私は当麻のことを決して離さないから」
当麻が死んだら私も死ぬ、だから私が死んだら当麻も死んでちょうだい。
例え死後の世界だろうと私は当麻のことを決して離さないから」
「…美琴の後を追って自殺したら地獄に落ちちまうよ」
「だったら私も地獄に行く」
「…さっきから言ってることが滅茶苦茶な上に重過ぎるぞ」
「前にも言ったでしょ、私は重い女だって…」
「五体満足どころか、命の保障だってないんだぞ」
「そうしたら当麻は一生私のことで悩み続けて、私の傍から離れなれなくなるわね」
「はぁー、俺が惚れた女はツンデレどころかヤンデレだったわけだ」
上条は頭を掻きながら溜息を吐いた。
「そしてそんな女のことを前より愛おしく思っちまう俺も相当重症なんだろうな」
「当麻も昔から病的なところがあったわよ」
「…言われてみれば、そうかもな」
自然と二人の間に笑みが零れる。
「…分かった、美琴と一緒に美琴の幸せも守り抜いてみせる。
文字通り命を賭けてな」
文字通り命を賭けてな」
そうして上条もようやく美琴のことを抱きしめ返した。
そして人前であるにも関わらず、二人は激しい情熱的なキスを交わした。
イタリアの時と違い、本能的に互いを激しく求め合う官能的なキスを…
帰ってきたらその続きを行うことを誓い、上条と美琴は学園都市から旅立つ。
そして向かった先で衝撃的な事実が上条と美琴を待ち受けているのだった。
そして人前であるにも関わらず、二人は激しい情熱的なキスを交わした。
イタリアの時と違い、本能的に互いを激しく求め合う官能的なキスを…
帰ってきたらその続きを行うことを誓い、上条と美琴は学園都市から旅立つ。
そして向かった先で衝撃的な事実が上条と美琴を待ち受けているのだった。