とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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小ネタ 時が過ぎて変わるもの




気づいていた。

当麻と付き合い始めて10年。

だけどもここ最近、あいつの目に写っているのは私ではない『何か』

「おかえり。ご飯、できてるよ」

「疲れてるんだ。ご飯は朝にでも食べるよ」

ここ2年は残業と言って2人の時間ができない。

日曜日だって、仕事が入る日がある。

昔は毎日のようにじゃれあって、休みの日には散歩して。

桜並木を歩幅合わせて歩いたり、一緒にクレープを食べたり。

けれど今は毎日1人だ。

それでも当麻を愛しているから、忘れることができないから、

寂しくて仕方がない。

一緒に食事をしなくなって、会話もなくなって、

いつの間にか、それが日常になってしまっていた。

そして・・・・・・



「話がある」

もう覚悟はできている。

「もう、恋人でいる気はない」

わかってた。

けど、あなたを忘れることなんてできない。

さようならも、ありがとうも、そんな言葉を口に出すことができない。

「結婚しよう」

・・・・・・・・・・・・え?

「貯金も十分に溜まった。今まで1人にしてすまなかった」

そう言って当麻が出したのは婚姻届と指輪。

残業も、日曜の仕事も、全部このためだったってこと?

「もしいいんだったら、それを書いて、指輪をはめて欲しい」

なによ。何も言わないで、

私を1人ぼっちにして、

いきなり結婚しようだなんて、

そんな、答えなんて・・・・・・









「よろしくね。旦那様」

名前を書いて、指輪をはめて、

涙が流れた。









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