被害者・必要悪
インドネシア、バリ島。
ここでは、バリ・ヒンドゥーと呼ばれる独特の宗教が一般的だ。
インドのヒンドゥー教より比較的階級制度も優しい。
ここでは、バリ・ヒンドゥーと呼ばれる独特の宗教が一般的だ。
インドのヒンドゥー教より比較的階級制度も優しい。
『『海だー!!』』
しかし、この平穏な地にグレムリンの遺物が流入したとの情報が入った。
『すっごく綺麗ね!!!』
ここに派遣された理由はそれの回収およびその原因の殲滅。
『美琴の話?』
しかし、これは建前にすぎないだろう。
見え隠れするのはここの魔術事情にも口出ししたいという、
上層部の汚い野心。
見え隠れするのはここの魔術事情にも口出ししたいという、
上層部の汚い野心。
『もう!! 何言ってんのよ!!!』//////
ステイル=マグヌスは吐き気を覚えながらもこの地に立つ。
『俺にとっては美琴の水着姿のほうが目に毒でさ』
16歳とは思えぬその風貌。
神父というカテゴリーに入れていいものか考えさせるのは、
その深紅の髪、バーコードの入れ墨。
極めつけは口にくわえたタバコである。
二年前、上条と出会ったころと違う点と言えば、
少し成長したその表情と、
神父というカテゴリーに入れていいものか考えさせるのは、
その深紅の髪、バーコードの入れ墨。
極めつけは口にくわえたタバコである。
二年前、上条と出会ったころと違う点と言えば、
少し成長したその表情と、
『なによ、見たくなかったの?』
目の下のすんごいクマぐらいだろう。
『いいえー、中毒者故に見ないと禁断症状が出てきちゃいます』
「ローラ=ステュアートは世界を自分の思うままに動かしていたが、
それは、自分にとって大事な人物を守るためだった。
さらには自分の行動による選択肢で、
最も犠牲者の少ない方法を選んでいたのよな。」
それは、自分にとって大事な人物を守るためだった。
さらには自分の行動による選択肢で、
最も犠牲者の少ない方法を選んでいたのよな。」
『……実はわたしも、当麻病末期患者なの』
ステイルに声をかけて来たのはクワガタ頭の魔術師、
天草式十字凄教の建宮斎字である。
天草式十字凄教の建宮斎字である。
『じゃあ、しょうがないな、一生離れられないな』
彼の体には二年前に比べ、生傷が増えていた。
『えー、それはそうかな?』
「奴が正しいとは言わない。
あれの選択はやはり、間違っていたのよ。
しかし、あの魔女がいたからこそ守られていた平和もあった。
それの引退が直接世界に影響を出し始めている。
それだけの話なのよな」
あれの選択はやはり、間違っていたのよ。
しかし、あの魔女がいたからこそ守られていた平和もあった。
それの引退が直接世界に影響を出し始めている。
それだけの話なのよな」
『え? どーいうこと??
そしてどこに行くの美琴たん!!?』
そしてどこに行くの美琴たん!!?』
「ふん、なら僕たちがその平和を守ればいい。
確かに、僕がこの問題を片づけても、笑うのは上層部のクズだけだ。
だが解決したのが、たまたま旅行に来ていた科学側の人間なら……」
確かに、僕がこの問題を片づけても、笑うのは上層部のクズだけだ。
だが解決したのが、たまたま旅行に来ていた科学側の人間なら……」
『たんいうな!!
あーこれ以上離れたら、当麻成分がなくなって
わたし死んじゃうかもー!!!』
あーこれ以上離れたら、当麻成分がなくなって
わたし死んじゃうかもー!!!』
「しかも、魔術側にもおおきな影響力を持つ人間ならそうはいかない、か。
ははは、解決の方法に、誰かさんの影響が見え隠れしているのよな」
ははは、解決の方法に、誰かさんの影響が見え隠れしているのよな」
『なにおう!! そんな悲劇は起こさせねぇ!!
美琴が死ぬなんて幻想は、オレがぶち殺してやる!!!』
美琴が死ぬなんて幻想は、オレがぶち殺してやる!!!』
「…………やめてくれ、そいつのせいで疲労が半端ないんだ」
『(やばい、当麻がカッコよすぎて気絶しそう///////)
じゃあ早くわたしを捕まえて―』
じゃあ早くわたしを捕まえて―』
「あら、認めちゃったのよ?
そういえばすごい隈なのよな」
そういえばすごい隈なのよな」
『まてー』
「1年前から激務でね」
『こっちよー』
「1年前?……あー、土御門から連絡があった時にはびっくりしたのよな」
『まてまてー』
「たしかに、必要悪の教会には僕みたいに男も所属している。
しかし、イギリスは魔女の国だ。比率は偏る。
3分の2は女性なんだ、失意に沈んで動けない彼女たちの仕事も回ってきてね。
そういえばそっちの、五和は立ち直ったのかい?」
しかし、イギリスは魔女の国だ。比率は偏る。
3分の2は女性なんだ、失意に沈んで動けない彼女たちの仕事も回ってきてね。
そういえばそっちの、五和は立ち直ったのかい?」
『えーい』ビリビリ
「……まだ時間がかかるのよな。
八つ当たりでやられる敵がかわいそうなのよ。
オレの生傷も増えてく一方だし……」
八つ当たりでやられる敵がかわいそうなのよ。
オレの生傷も増えてく一方だし……」
『電撃はやめろよなー』パキーン
「第四次世界大戦とまではいかなかったが、
当時あっちこっちで不穏な動きが見られたしね。
ウレアパディー、ソーズティ姉妹にアニェーゼ部隊、
第二王女キャーリサ、前方のヴェント、バードウェイ、オティヌスが
学園都市に突っ込もうとした時の後始末もまだ残ってる」
当時あっちこっちで不穏な動きが見られたしね。
ウレアパディー、ソーズティ姉妹にアニェーゼ部隊、
第二王女キャーリサ、前方のヴェント、バードウェイ、オティヌスが
学園都市に突っ込もうとした時の後始末もまだ残ってる」
『どうせ効かないんでしょー
って捕まっちゃった』
って捕まっちゃった』
ステイルと建宮は大きくため息をつき、
振り返って今回の切り札二人に視線を向ける。
振り返って今回の切り札二人に視線を向ける。
『おかげで美琴成分が急激に減りました。
補充させてください』
補充させてください』
『わたしも当麻成分が不足したの。
補充の方法は……』
補充の方法は……』
『当然』
『『くちづ「さあ、こんな問題さっさと片付けよう。いくぞ!!!」
この後、黒幕を倒すために、
上条と御坂が北欧旅行も楽しんだことは言うまでもない。
上条と御坂が北欧旅行も楽しんだことは言うまでもない。