子守唄
着いて、しまった。
「流石お嬢様だな、いいマンションだ」
到着して、しまった。
「セキュリティも万全。安心ですな」
着いちゃった。
「きゃっきゃっ」
「そうか、インデックスもそう思うよな!!」
着いてしまったーーーーーーー!!!!
(どうするつもりだったのよわたしーーーー!!!)
魔術師に赤子にされたインデックス。
それを抱える上条当麻。
よりいっそう過酷な状況にいる二人なのに。
帰るべき家もない。
そこで、諸事情で一人で済むことになった家に、
つい呼んでしまったわけである。
それを抱える上条当麻。
よりいっそう過酷な状況にいる二人なのに。
帰るべき家もない。
そこで、諸事情で一人で済むことになった家に、
つい呼んでしまったわけである。
「おじゃましまーす。……開けないのか?」
「あ、開けます」
「なぜ敬語?」
「あーい?」
上条とインデックスは?を浮かべるが、
美琴にそれに気付く余裕はなかった。
美琴にそれに気付く余裕はなかった。
「だう! だー あー!!!」
美琴の部屋に入ったインデックスはそれはもう大はしゃぎだ。
上条もまた驚きを隠せない。
「あー、凄い部屋だなー」
「でしょー!!」
美琴復活。
「ゲコ太の視線が多くて苦しい」
「え!? 落ち着くでしょ?」
「お前だけな」
「えー」
「まあ、いいや、ほい」
「ん?」
{あい?}
美琴はインデックスを受け取っていた。
インデックスの視線と美琴の視線が交差する。
瞬き数回。
インデックスの視線と美琴の視線が交差する。
瞬き数回。
「じゃあ、インデックスを任せた」
「え?」
「哺乳瓶やおむつはここに来る途中で買ったし」
「ぱーぱ?」
「流石に赤ちゃんを野宿させられないからな」
「あ、アンタはどうするのよ!!」
「オレはどうとでもなるさ」
「ぱーぱ!! ぱーぱ!!」
出ていこうとした上条の袖をインデックスが掴む。
上条が振り向くと、
不安そうな顔をした二人がいた。
不安そうな顔をした二人がいた。
でも、
「後は頼んだぞ、御坂」
ここに、とどまるわけにはいかない。
ドアが、無情にも閉められた。
止められなかった。
美琴はインデックスを抱え、座り込む。
何と言えばよかったのか、
なんといえばとどまってくれたのか、
なんといえばとどまってくれたのか、
「まーま?」
そもそもとどまらせようという考えが正しいのか、
美琴にはわからなかった。
美琴にはわからなかった。
上条は疑問符を抱えながら歩く。
どうして無理に出て来たのか?
御坂の好意に甘え、あそこで一泊してもよかったはずだ。
今までのように、風呂場で寝ればそんなに問題は無い。
そうした方が、今後の対策を立てやすい。
なのに、
御坂の部屋というだけで、
どうして無理に出て来たのか?
御坂の好意に甘え、あそこで一泊してもよかったはずだ。
今までのように、風呂場で寝ればそんなに問題は無い。
そうした方が、今後の対策を立てやすい。
なのに、
御坂の部屋というだけで、
「……ゲコ太の視線が嫌だったのかねー?」
上条にもわからない。
そんな時電話が鳴った。
『もしもーし、カーミやーん!!』
電話を切った。
また鳴った。
『ちょい、ちょい、カミやん、酷くね?』
「黙れ陰険グラサン」
『ねぇ、友達に使う言葉じゃないよ?』
「友達は部屋を焼け跡にした後放置はしないと思うんだよ」
『あれ? 結構切れてる?』
「当然だろ!!!」
『まあまあ、やることがあったんだニャー』
「やること?」
『インデックスがどのような状態なのか』
「!!!」
『インデックスに今までの記憶は無い。
しかし、魔道書の知識はそのまま』
しかし、魔道書の知識はそのまま』
「つまり……いままでと、オレに会う前までと、同じってことかよ!!!」
『落ち着け、カミやんそうじゃない』
「なに?」
『脳が赤子の頃に戻っているんだ。当然、それ以降の記憶がなかったことになっている』
「……」
『つまり、元に戻れば元に戻る』
「……そっか、」
『逆に言うと、戻らなければ戻らない。
元に戻す方法すらわからないのが現状だ』
元に戻す方法すらわからないのが現状だ』
「……」
『大丈夫か?』
「いや、大丈夫じゃない。でも……」
『……』
「それなら、元に戻す方法を必死に探すだけさ」
『そうか』
「……その前に、おかしくないか?」
『気付いたか?』
「どうして、魔道書の知識が残ってる?」
『ああ、つまり、赤子の頃からその知識があったってことになる』
「話が違うぞ」
『それについては調査中だ、気を引き締めて行けよ』
「……」
『オレは今からやることがある』
「そうか、そっちも気を付けろよ」
『ああ、舞夏の料理がうますぎていつ死ぬかもわからないからな』
「そのまま死んでしまえ!!」
電話を切る。
蝉の声がえらく不愉快だった。
蝉の声がえらく不愉快だった。
また電話が鳴る。
不機嫌になりながらも電話をとる。
しかし、掛けて来たのは、
不機嫌になりながらも電話をとる。
しかし、掛けて来たのは、
先ほど別れたばかりの御坂美琴で
その声を聞いた瞬間、上条は走った。
その声を聞いた瞬間、上条は走った。
内容は、たった一言。
『……助けて!!……』