上琴ドッキリマル秘報告 佐天&初春Ver
【某年 某月 某日 第七学区内 某ファミレス】
上条「はぃ!?『御坂にドッキリを仕掛ける』だぁ!?」
佐天「そうなんです♪それでぜひ上条さんにも協力して欲しいなーって♪」
初春「どうしても上条さんじゃなきゃ出来ない内容なので、ぜひ♪」
佐天涙子から電話で呼び出された上条当麻が待ち合わせ場所のファミレスに到着、用件を聞くと
先述の台詞通りの企画を持ちかけられた。おいおい、そんな事を考えていたのかよ佐天…。
上条「ったく、『上条さんにしか頼めない重大な相談があるんです』ーって聞いて駆けつけたらこんな事とは…」
佐天「こんな事とは何ですかこんな事とは!」
上条「お前らのやろうとしてるソレそのものだよ!なに友達に悪趣味なことしようとしてんだか…」
至極当然のコメントを返す上条。だが、この2人の勢いはそう簡単には止められないようだ。
佐天「その天は心配いりません。だって今、私たち柵川中学では『友人にドッキリを仕掛ける』のが流行ってまして♪」
初春「ちなみにこの流行している件は、すでに御坂さんや白井さんとの会話でもネタにしてあります」
上条「なんだその、やたらメーワクな流行は…」
確かに迷惑すぎる。されるのもイヤだが、されなさすぎるのも友人扱いされてなさそうで、それはそれで困る。
佐天「ちなみに親友同士である私と初春も、お互いに1度ずつドッキリをしたりされたりしております♪」
初春「本当に困りましたよあの時は…まさか豆粒大のラジコンヘリ使っての遠隔スカート捲りだなんて…」
佐天「初春だって、リモコン式の全自動落とし穴で春上さん・アケミ・むーちゃんと一緒に待ち構えてたじゃん」
上条「お前ら…どう見ても中学生のドッキリのレベルじゃねーだろ」
仕掛けるうんぬん以前に、よく機材を調達出来たなぁ柵川中学1年生2人。
佐天「まぁ今回協力して頂くドッキリはそんな大掛かりなモノじゃないので心配いりません♪」
上条「いや心配いるかどうかの問題じゃ…んで、ちなみにどんな内容なんだ?」
初春「はい、よくある定番の『背後から本人登場』パターンのやつです♪」
上条「あー確かAさんがBさんについて語ってる時に後ろからそのBさんが出てくるやつか」
佐天「そうです♪今回はそのAさんを御坂さん、Bさんを上条さんでやってみようかと♪」
初春「しかも今回は佐天さんが準備した『誰でも簡単! なんちゃって読心能力者』も使います♪」
上条「あぁソレうちのクラスの土御門も持ってたな。確か最近、相手の言葉がウソの時にブザーが鳴る機能が付いたんだっけ」
どう考えても、そっちの機能のほうが先に付くべきだろう。時代の流れがおかしすぎるだろ学園都市の企業たち。
佐天「はい♪…あー、そろそろ御坂さん着ますので、上条さんは初春といっしょにそこの衝立(ついたて)に隠れて下さい♪」
初春「あとで佐天さんが合図をしたら上条さんが登場するっていう、きわめて単純な筋書きです♪」
上条「まぁそういう簡単な内容なら協力するか。どうせ帰ってもヒマだし」
1分弱あと、ついにターゲット(美琴)が佐天の前に着席。美琴の後ろの衝立の陰に上条と初春がスタンバイ。
最初の数十秒ぐらいを軽いトークで流した後、ついに佐天が今回のメインイベントを開始する……!
佐天「ところで御坂さん」
美琴「ん?どうしたの?佐天さ――
佐天「結局のところ、上条さんのコトをどう思っているんですか?♪」
さっそく佐天はエンジン全開、美琴は赤面全開、上条と初春は聞き耳全開である。
美琴「ふぇ!?…ななな何を言ってるの佐天さん!?べべべ別に何とも思ってな《ブーーー☆》いわよ!?////」
佐天「ウソ言っちゃいけませんにょ御坂さん!最新型のコイツが、ブーーー☆っと鳴っちゃいましたからね♪」
美琴(えぇぇぇぇ!?またソレ持ってきてたの!?しかも最新式ってことはグレードアップされて…////)
上条(ほぅ、とりあえず「何とも思ってない」ワケではないのか…あれ?じゃあ俺のことどう思ってるんだ?)
初春(佐天さんのことですから、きっとその辺も含めて詳しくいろいろ聞いちゃいますよ♪)
佐天「おっと、コイツの画面もチェックしなきゃ。なになに…『当麻のこと?もっちろん大好き♪』ですか、なるほどなるほど♪」
上条(えぇぇぇぇ!?アレの性能は土御門と青ピで実証済みだけど、まさか御坂が俺のコトを…?!////)
初春(上条さん、落ち着いて落ち着いて!いま余計な動きすると合図の前に気付かれてしまいます!)
美琴「ななな何言ってるの佐天さん!私がアイツのこと好きだなんてコトあるワケな《ブーーー☆》いでしょ////」
佐天「ふむふむ、『大好きに決まってるでしょ!じゃなきゃペア契約なんて頼めないじゃない♪』ですか…」
上条(はいぃぃぃぃ!?あのペア契約ってゲコ太ストラップが目当てだと思ってたけど違ったのか!?////)
初春(へぇ~上条さんにはそんな言い訳してたんですか…いやぁ可愛らしいですねぇ御坂さん♪)
佐天「いやぁ本当に上条さんって幸せ者ですね♪御坂さんからこんなに好かれてるなんて。もちろん恋愛対象として」
美琴「ちちち違うったら!アイツに恋してるとかそんなコト全然な《ブーーー☆》いわよ!////」
佐天「ふむふむ、『当ったり前よ!何を今さら♪』ですか。どうもごちそうさまです♪」
上条(ッ~~~!?まままマジでせうか!?マジでそういう方向の「好き」なんでせうか御坂さぁぁん!?////)
初春(あららら、御坂さんの反応も可愛いですけど上条さんの反応も良いですね♪顔が真っ赤です♪)
上条(見るな!そんなニヤニヤ顔で俺を見るなぁぁぁぁ!)
美琴「ぐぬぬ…」(こ、これ以上このオモチャが正常に機能したまま質問攻めはキツすぎる…いっそ私の電撃で…)
ビリビリッ
《ピピピピピピピピピピピピピピピピピピ☆》
美琴&上条&初春(((!?!?!?)))
佐天「あー御坂さん、ついにやっちゃいましたねソレを」
美琴「ゑ?」
佐天「コイツの機能強化の最大ポイントは『電撃使いの妨害電気を感知した瞬間に警告音が鳴る』というモノなんです♪
今この場でソレが可能なのは御坂さんただ1人。というコトは御坂さん、今この流れで妨害電気を出したってコトは…」
美琴「ぐっ……////」
上条(待て待て待て待て!!この流れで妨害工作ってコトはつまりアレの解析が真実だってコトで、つまり…////)
初春(つまり、御坂さんは本気で上条さんのコトが大好きだってコトですね♪もちろん恋愛対象として♪)
美琴「……………よ」
佐天「へ?」
上条(ん?)
初春(はい?)
美琴「えぇそうよ、私はアイツが…上条当麻のことが大ッ好きよ」
佐天(おおぅ♪ついに御坂さん本人が上条さんへの気持ちを認めちゃいましたよ♪)
初春(しかも、この発言に対しては例の機械からのブザー音なし…というコトは♪)
上条(…………………………////)
美琴「初めて会った時は『何このヘンな奴は』って感じだったんだけど、老若男女や能力レベルを全く気にせずに
私のことをレベル5や超電磁砲じゃなく私として見てくれたり、他人のピンチに対し見返りなんか一切求めず
ただ自分の信念のためだけに助けに来てくれたり、しかもアイツそれらをまるで普通のことみたいにやって、
そりゃ好きになっちゃうわよ…能力も何も関係なく、ありのままの私を受け止めてくれる、遠慮も何もなく
真っ直ぐ向き合ってくれるヤツなんて、世界中探したってアイツぐらいしか居ないわよ…特に最近じゃあもう、
夢の中でさえアイツのことばっかりよ。この前なんて夢の中でアイツと同棲とか結婚式とかまでしちゃって、
その度に翌朝起きたら黒子が布団の中で頭抱えて転がっていたわよ…どうやら寝言にまで出てたみたいで…」
佐天「ふむふむ…今の台詞、一字一句たりとも相違なく表示されてます。それが御坂さんのホンネなんですね♪」
上条(マジでせうか御坂さん!?あれだけの台詞に一度もブザー音なし…しかも夢の中でとか寝言にまでとか////)
初春(ありゃりゃ、こりゃ御坂さんもですけど上条さんもそろそろピンチです…佐天さーん、そろそろ頃合いかと)
上条と美琴に気付かれないように、初春が佐天に手振りで合図を送る。
美琴「はぁ…アイツにこの気持ち、ちょっとでも伝わってくれると良いんだけど…」
佐天「えぇ、伝わってると思いますよ?だって『さっきからずっとすぐ後ろに居ますから』♪」
美琴「んな!?////////////」
上条「み…御坂、さん……その…////」
美琴「な……な…で……こ…こ…////」(訳:な、なんでここに居るのよ…)
佐天「おやおや、御坂さんもそうですけど上条さんもかなりイイ反応っぷりですねぇ♪」
初春「そうですね…って、ささささ佐天さん!御坂さんの様子が…!」
佐天「え…って、うわ!?なんだか真っ赤なままバチバチ言ってる!」
美琴「ふにゃー////」
(数分後)
美琴(あれ…ここは…あ、確か私さっき佐天さんに色々いじられてアイツに聞かれていて、漏電して、それで…)
上条「お、やっと起きましたか」
美琴「にゃぁぁぁぁぁあ!?////」
起きて早々にあわてるのも無理はない。さっきの今で、しかも上条が絶賛膝枕キャンペーン実施中なのだから。
初春「起きましたね御坂さん♪いやぁずっと待ってましたよ♪」
佐天「そうですよ御坂さん♪実はさっき上条さんが―――――
上条「ちょっと待て」
美琴&佐天&初春「「「はい?」」」
上条「その先は、俺が『美琴に』言うべきだと思う」
佐天(おぉう♪そう来ましたか上条さん♪)
美琴(え、ちょっと…このシチュでそれって…しかも今、私のこと『美琴』って…)
初春(上条さん、頑張って下さい!!!)
その後、上条の渾身の台詞に美琴が再び「ふにゃー」し、上条が右手で電気だけは防いで、
再び起きた後も佐天と初春がいじって、上条と美琴が思いっきり赤面して慌てふためいていた。
まぁ要するに、さっきまでと同じような感じで4人のお茶会がまったり進行していったのだ。
ただ1つ、美琴が上条に寄り添い、上条も美琴を右手で抱き寄せていた、その点だけはさっきまでと違っていたのだが。