とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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とあるバカップルの極秘レポート



 上条当麻と御坂美琴は学園都市で一番有名なカップルだ。
 読み手側からしてみれば『無能力者と超能力者だから有名』や『上条当麻も御坂美琴も元々有名であったから』など有名人を理由に一番だと思うのが一般的であろう。だが、それらは大きな間違えだ。
 確かに、二人は元から有名であり、無能力者と超能力者の関係から一大ニュースにすらなりうるほどのインパクトはある。しかし、上条と美琴が有名になったのはカップルになった"あと"からだ。
 その実例として、被害者たちの証言をここにレポートとしてまとめようと思う。

 証言者、1
 Index-Librorum-Prohibitorum(インデックス)
「もうねー、とうまと短髪のいちゃつき度は異常なんてものじゃないよ。嵐や災害なんて優しいものだよ。地球温暖化の原因並みに酷いんだよ!
 毎晩毎晩、とうまの家に上がっては二人でいちゃいちゃするし、私をほったらかしにして出かけちゃう。それでいなくなったと思ったら、とうまと短髪はてれびでんわでニヤニヤ話したりしていい迷惑だよ。
 前なんて、電話でこんなこと言ってたんだよ」
 と、怒りながらインデックスは話してくれた。


 それは一週間前のある夜の話だった。
 上条当麻はいつものように、御坂美琴と愛を語るようにテレビ電話をしていた。
「なぁ、美琴。毎晩毎晩、夜遅くまで電話してて大丈夫か?上条さんからしてみれば、授業で寝てしまってる美琴たん、萌え~と想像したらニヤニヤがとまらないわけですが、他の方に見られるとものすっごく嫌なんですけど」
『安心して。私は当麻にしかそんな顔を見せないから大丈夫だよ♪それに私は、毎晩当麻と電話しないと寝つきが悪いから、問題ないわよ』
 もうこの会話の時点で二人がどれだけバカップルかを理解していただけただろう。
 だが、本題はここからだ。
「美琴が言うなら問題ないけど、無理はするなよ。倒れられたりなんてしたら、会う時間が減っちまうからな。あ、でもなったらなったで考えがある」
『…………そうなったら……当麻はどうするの?』
「んー……学校をサボってでもお前の看病をしようって思ってるんだけど、美琴の寮は厳しいから忍び込むのが難しいからなーどうしたものか」
『だ、だったら……待ってるから』
「へ……?」
『寮を抜け出して、待ってるから。それで当麻の家で治るまでずっと看病して…』
「あ……うん。治るまでずっと看病してやる」
『や、約束…だよ。当麻』
「『////////////////////////////////////////」』
 電話口の二人は顔を真っ赤に染めた。あまりにも恥ずかしい約束だが、内心では飛び上がりたいほど嬉しかった。
 しかし、このあたりはまだ二人は初であったため、これ以上の電話は恥ずかしく、そこが区切りだった。
「じゃ、じゃあ…お、お休み」
『うん、お休み。あ、それと当麻』
「ん?なんだ?」
『あ、愛…して、る』
 ガチャ……ツーツーツー。
「……………」
 美琴の言葉に上条は固まる…というよりも石になった。
 しかし、これはショックだからではない。あまりの幸福な現実であったため、驚きで現実を直視できなかったのだ。それを知らないインデックスは、上条に声をかけた。
「とうま。電話、終わったの?」
 そこで現実に戻った上条は、インデックスの方を向いて真顔で言った。
「インデックスさん。一つ、頼みがあります」
「さっきの電話で何を言ってたか聞いてたから予想はつくけど、私はシスターだから聞いてあげます」
「美琴が倒れたりしたら、部屋から出てけ」
「出てけってなによ!出てけって!!この、ばかとうま」
 その後、上条はインデックスに噛み付かれ、痛みで眠れない一夜を過ごしたという。


「なんで短髪が倒れたぐらいで家を追い出されなくちゃいけないの!!!ああーーー!むしゃくしゃして来た!帰って来たらとうまに噛み付いてやる!!」


 証言者、2
 白井黒子
「あの殿方とお姉様のお話ですって?思い出すだけで腹立たしいですが、仕方ありません。お話しして差し上げましょう。
 わたくしとお姉様は毎日毎日。朝も昼も夜も夢の中でも一心同体でしたのよ。どんな時でもわたくしはお姉様を、お姉様はわたくしを愛しておりました。
 思いっきり抱きしめてキスをしたり、甘い言葉を囁いたり、さらには肉体関係まで。あるときは路上でキス。あるときはお互いに「あーん」と言って食べさせあいました。またあるときは(法に引っかかる発言のため、略)、とわたくしとお姉様はハードなラブラブ生活、愛して愛して愛する日々をすごしておりました。
 だというのに、あの殿方がお現れになって、御姉さまはどんどん遠ざかっていきました。黒子とラブラブの生活をしておりましたのに、なんで…なんであの殿方なのですの?!
 ですが、これはきっと黒子に与えられた試練!あの女ったらしの類人猿からお姉様を取り戻すことこそが、お姉様との愛を絶対にするために必要な試練ですの!だから黒子は絶対に諦めません!
 必ずやお姉様を取り戻し、黒子のもの……に………」
 白井の顔はどんどん真っ青になっていく。
 それもそのはずだ。白井は話の話題に上がっていた二人の姿を見つけてしまったのである。
 ついでなので、その二人の会話を少し覗いてみよう。

「まったく。当麻の頭がもっと良くなれば私も待たされずに済むんだけどな~」
「本当にすいません、御坂美琴様。上条当麻は日々勉強しておるのですが、すぐに頭が良くなるほどの力は持ち合わせておりません」
 上条は美琴に土下座をして謝った。
 通行人から見れば、おかしな光景だが冒頭で言ったとおり二人は学園都市で一番有名なカップル。つまり通行人からは「またお前か」と嫉妬の目を向けられていた。もちろん、上条にのみである。
「でもさ~もっと頑張って欲しいな。なんてったて……その……」
「???」
 美琴は顔を真っ赤にして俯いた。上条は、美琴の変化に気づけず「どうしたんだ?」と言って肩に触れた。
「あの!えっと……あ、アンタは、ね」
「あ!……ああ」
 いきなり上目遣い言われ、上条は途端に美琴を直視できなくなり真っ赤になって俯いた。
 お互いが真っ赤になりながら俯く光景は通行人かしてみれば「また始まった」だが、当の二人はまったく気づいていない。今この空間は『上琴空間』と名づけられた空間(命名者は土御門元春)となっていたのだ。
 そして、その『上琴空間』で二人は真っ赤になって俯いていたが、美琴は上条を上目遣いで見ながらとても小さな声で言った。
「アンタ……当麻は、私の……だだだだだだ、だんなさまになるんだから……その、えっと」
「……………………美琴さん。上条さんは一瞬意識が消えるほどの衝撃を受けたのでもう一度聞きたいです。何になるんですか?」
「だ、だから……だんな…さまよ。何度も言わせないでよ、ばかとうま」
 そういうと、美琴は顔を手で覆い隠した。それほどまでに、今の言葉は破壊力抜群であった。
 一方の上条は今の言葉に喜びというよりも人生最大の幸福を感じた。
(それってつまり、御坂美琴は上条さんと結婚前提ということでお付き合いしております、と言っていると判断してよろしいのですね!よろしいことよよろしいんだの三段活用!
 上条当麻、ついに不幸人生から幸福人生へ!!!)
「美琴、よく聞いてくれ!」
 上条は美琴の手を取って、ぶんぶんと勢い良く振った。
「上条さんは今、超幸せです!美琴が結婚前提でお付き合いしているときいて、もう死んでもいいと初めて思いました」
「そ、そう……なんだ……嬉しい」
「ですから、美琴。お願いがあるんだけど」
 というと上条は美琴の両肩に手を置いた。
「わたくし、上条当麻と"恋人"でのお付き合いではなく、"結婚前提"でのお付き合いをしてくれませんか?」
「そ、それ……って」
「ご察しの通りです。美琴は俺の妻になるんだ。当然、さっきの発言が本心であればの―――」
「嘘じゃない!!嘘じゃ…ない。だから………つき合わせてください」
 そして、二人は結婚式でやるような誓いのキスを――――。


「嘘ですわぁーーーーーー!!!!!!わたくしの…黒子の……お姉様が……お姉様が……おねえさまがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
 という声を上げて白井は気絶して病院に搬送された。
 余談だが、起きるまでの間「黒子の嫁はお姉様。婿もお姉様…えへへ」という発言を何度も繰り返していたとかいなかったとか。どうやら夢の世界では、黒子が望む世界が繰り広げられていたようだ。


 証言者、3
 土御門舞夏
「上条当麻と御坂美琴についてー?ああー、その話なら二人の友人である私が一番良く知ってるんじゃないかー。
 順番に行くとして、最初は上条当麻からだなー。上条当麻からは色々と女の子の好みを質問されたぞー。
 例えばだな―――」

「なあ、女の子ってどういったものをあげれば喜ぶんだ?」
「上条当麻、それは御坂自身に言ってあげることじゃないのかー?」
「………い、言えねえから質問してるんだろうが。上条さんだって、恥ずかしいことはあります」
「うぶよのー。御坂と付き合う前の上条当麻からは絶対に出ないセリフだなー」
「うるせえ。俺だって好きな子が出来たら変わるっつーの」
「ほうー?好きな子のねえー………上条当麻、その子の名前を教えてくれたら、細かいことを教えてやってもいいぞー?もちろん、私が知ってればの話だがなー」
「ああ!わかったわかった!美琴の好みについて教えてください!!」

「―――そのあと、上条当麻はアドバイス通り、御坂にプレゼントして喜ばしてたなー。あの時の御坂はなかなか面白い反応だったなー。と言っても、あのころはまだ付き合いたてだったから今はそんなことありえないが、いいネタにはなると思うぞー。
 では次は御坂の方だなー。御坂はいつまでたっても御坂だったぞー。今も時々、相談を受けたりするほどだから御坂も御坂で苦労してるみたいだなー。
 そうだなー、最近のネタでいいのと言えば―――」

「ねえ、土御門。人のために仕える時に大事なものって何?」
「おおー。ついに御坂もメイドになるのかー」
「なっ!ち、違うわよ!なんで、アイツのメイドなんかに……はっ!違う違う!今のなしなし」
「なるほどー。上条当麻専属のメイドになるのかー。うんうん、友人としても応援したいし興味があるなー」
「だから!違うってば!!」
「まあ、そのあたりはあとにして『人のために仕える時に大事なもの』だったなー。
 御坂はメイドという柄ではないからなー………そうだなー、『その人のために善意を持って仕え、期待に答える。そして何事にもその人のことを思う』じゃないか?」
「………それ、今の私の状態を言ってるんじゃない?」
「その通り!結局は、御坂は今のままで上条当麻と付き合えばいいのではないかー?何かを変えようとしなくとも、上条当麻はきっと答えてくれるぞー」
「…………そっか」

「御坂がどれだけ上条当麻のことを思ってるかわかる質問だったなー。でもあの二人はもう結婚まで話が言っているようだし、あのような質問をする御坂の質問も頷けるぞー。
 なんだかんだいって、上条当麻も御坂も羨ましいほど相思相愛だぞー。もし結婚したら、あの二人の家にでも仕えたら、面白いかもしれないなー」


 これら身近な証言の元、上条当麻と御坂美琴は結婚前提で付き合っていることとなっている。
 しかしながら、上条当麻は無能力者であり御坂美琴は超能力者であることから、前途は多難であると推測される。だが、現状ではそれらを打ち破る可能性は十分ありうる。
 結論として、二人の結婚は近いものであると『学園都市、ベストカップルレポート』をまとめるものとする。
 より細かなものに関しては、『学園都市、ベストカップルレポート2』を参照。
 以上。


「――――というレポートを見て未来のパパとママはどんな反応をするか見てみたいから見せてみたって、ミサカはミサカはパパとママの反応を楽しみにしたり」
「「これを作ったやつはだれだーーーー!!!!!!」」


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