小ネタ コタツの中の戦争
3月の半ば、暖かくなってきたと思えば、低気圧があーだこーだで冬並みの寒さの今日。
当麻と美琴は当麻宅で勉強中だ。
「コタツって良いよなー」 カリカリ
二人はコタツで勉強している。
「そうねぇ。日本の文化の極みよね」 カリカリ
当麻はコタツの中で胡坐(あぐら)をしており、美琴はぺたんと正座をしている。
いわゆる女の子座りだ。
「うだーーもう駄目だ。疲れた」
突然、当麻は床に倒れこむ。
倒れこんだ当麻は胡坐をくずそうと足をのばそうとする。
ガタッ
「うわぁっ!?」
のばそうと、動かしたヒザがテーブルにあたったのだ。
「ハハハ、悪ぃ悪ぃ」
ヘラヘラと誤る当麻を見て、美琴は怒る気が無くなったのか、
「もぉ...気をつけなさいよ」
「スマン、悪かった」
その後も美琴は勉強を続ける。
当麻は当麻で、足の形がしっくりこないのか、何度も足をクネクネさせている。
ガタッ
「にょわっ!?」
訳の分からない言葉を叫んだ美琴は、そのまま当麻を睨みつける。
当麻は、
「ゴメンなさーーーいっ!!どうか、どうかビリビリだけはぁぁぁぁぁ。」
などと叫びながら、土下座をしている。
「わ、分かったから土下座すんなっ」
「マジ?しない?」
「しないわよ。だから、気をつけなさいよね。まったく...」
美琴は勉強を再開する。
しかし、当麻は足がムズムズする
「(やっぱ、最初の形だなぁ)」
と思いつつ、
「(さすがに、次揺らしたら、ビリビリ確定だよな)」
と、細心の注意をはらい、ゆっくりと足を動かす当麻。
テーブルに注意しすぎて、美琴に気づかなかったのか、
チョン
グラッ
美琴のヒザに当たってしまった。
「アンタは~~~~~~」
サーーーーっと、血の気が引いていくのが分かる。
「(ビリビリだけは~~~~~)」
と心の中で叫ぶ。
だが、美琴の反撃は意外だった。
「このっこのっ」
「痛っ、ちょ、痛いっつーの」
女の子座りをくずし、足で攻撃してくる。
「えいっこのっ」
「くそっ。負けるかぁぁぁぁ」
負けじと当麻も応戦するが、女の子に本気など出せず、押され気味になる。
戦争も終わりに近づく。
「「ハァ、ハァ...」」
美琴は本気の一撃を放つため、床に倒れこむ。
「これで、終わりよぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ」
腕で体を押し出し、右足を前に突き出す。
「ゴフゥっっっっっ」
当麻の体から、力が抜ける。
すべてが終わったそこには、
顔を真っ赤にした一人の女の子と、
顔を真っ白にして、下腹部をおさえる不幸な男の子が居た