小ネタ カイロ 1
「ちくしょー、寒い」
3月の中旬の放課後、ここ数週間暖かい日が多かったから上条当麻は今日も平気だろと天気予報も見ないで家を出たためコートを着ていないでいつもの学生服だった。
しかしそういう日に限って天気が崩れ、珍しく気温が寒かった。
しばらく歩いていて、ふと気がつくといつもの自販機に近くまで来ていた。
(ここは温かいお飲み物でも買って家まで頑張るか!)
「ちょっとアンタ! 待ちなさいよ!」
(いや、こういう早く帰りたい日はビリビリにからまれる気がするやっぱり少々辛いが買わずにすぐに帰ろう)
「無視すんな!」
怒鳴り声が聞こえてきて、振り返ると電撃が……それを条件反射で防いでいる自分が悲しい……
「なんというか、不幸だー」
「なによ!?私に会ったのが不幸だって言うの!?」
「あー悪い、悪い。で、何の用だ?」
相変わらずこいつはいつもビリビリしてるなー……
ってかこいついつものミニスカートの制服なのに寒くないのか?コートなんかも着ていないし……
「えーと、いや別に用事があるって訳じゃないんだけど…ただ見かけたから……」
というと困った顔でゴニョゴニョと言い始めた。別に用事無いみたいだしちょっと寒くないか聞くか、もしかしたら上条さんの知らないマル秘あったか術とか知ってるかもしれないし
「なぁ、お前その格好寒くないのか?」
「え?ああ、ちょっと体内の生体電気を操って体温を上げてるのよ」
なんだ、電撃使いだけの特権か……
「まぁずっと使ってると疲れるから普段はコートとか着るんだけど今日はコート忘れちゃって」
「ふーん……つまり人間カイロか」
俺はためしに御坂の手を握ってみた
「お!本当だ!手袋もしてないのに手がポッカポカだ!」
「なっ!アンタ……/////////」
右手を御坂の手から離して両手で御坂の頬を触る。そうすると御坂の顔がみるみるうちに真っ赤になっていった
「なんだ?さらに温かくなったけどサービスしてくれてるのか?」
「あふ……いや、その……あ…あ………」
(んー手だけじゃあな……体が冷たいだよな~まぁ相手は中学生だし良いか、いやむしろ中学生だから問題?まぁいいや、寒いし)
上条は御坂をガバッと抱きしめた。そう寒いから
(ちょっと!!!!!!えええガバっって!!!!!!なんで急に抱きついてるのよ!!!!!!!!!!!!!)
「うわー、本当にお前暖かいな……このまあ家に持って帰りたいですよ」
(家に持って帰りたいって////////)
「ふ……」
「もしかしたら今日の上条さんは幸福かも……」
「ふにゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
その瞬間彼女は意識を失いながら漏電した
「やっぱり不幸だ!!!!!!!!!!!!!!」