1.訪問者
「ホントだ!チューガクセーだ!」
いきなり現れた茶色の髪の少女には見覚えがあった。
確か上条に罰ゲーム(と称した美琴にとってのデート)で上条にからんでいた妹達の一人だ。
しかし、目の前の少女は美琴の見た少女よりもさらに幼く見えた。
年齢にすれば5、6歳ぐらいだろうか。
チャームポイントに触角のように生えたアホ毛が愛らしかった。
確か上条に罰ゲーム(と称した美琴にとってのデート)で上条にからんでいた妹達の一人だ。
しかし、目の前の少女は美琴の見た少女よりもさらに幼く見えた。
年齢にすれば5、6歳ぐらいだろうか。
チャームポイントに触角のように生えたアホ毛が愛らしかった。
「やったなー、来た甲斐があったぞ!」
当瑠はふはははははは!となんだか妙なテンションで『美春』と呼ばれた少女を肩車して
そのまま「そーら喜びの回転肩車だ!」とかなんとかちょっとネジが外れた様子で回転している。
上に乗っている美春もなぜか嬉しそうだ。
そのまま「そーら喜びの回転肩車だ!」とかなんとかちょっとネジが外れた様子で回転している。
上に乗っている美春もなぜか嬉しそうだ。
「何勝手に盛り上がってんのよ!!」
そこで美琴の電撃が二人を襲う。
だが、当瑠はタイミングを読んだように肩車したまま横っ飛びし、それを避けた。
とてもじゃないが、ただの一般人には見えない鍛えられた俊敏な動きだ。
だが、当瑠はタイミングを読んだように肩車したまま横っ飛びし、それを避けた。
とてもじゃないが、ただの一般人には見えない鍛えられた俊敏な動きだ。
「ちょ・・・・・・いきなり何すんですか!」
「あんたが無視するからでしょうが!」
なんだか、どこかで見たような光景だが美琴は気にしていない。
さらにもう一度電撃を放つ・・・・・・がこれも避けられた。
さらにもう一度電撃を放つ・・・・・・がこれも避けられた。
「なんで当たんないのよーーーー!!」
これもいつも言っているようにな気がするが、それは重要ではない。
「いや、そりゃ、赤点取ったり、喧嘩したり、大怪我したりする度に
お母様から愛の電撃を受けそうになるからでございますが!?」
お母様から愛の電撃を受けそうになるからでございますが!?」
「え・・・・・・?」
三発目の電撃を放とうとしたが、急激にそれが収まってしまった。
原因は当瑠が口にした言葉だ。
原因は当瑠が口にした言葉だ。
「お・・・・・・かあ・・・・・・?」
少年をもう一度よく見てみる。
ツンツンした髪の毛、茶色に染まった髪が自分の色とよく似ている気がする。
目の色、髪と同じように茶色が強いが、これも自分に似ている。
比較的整った顔立ち、美琴は別に自分のルックスに絶対の自信があるわけでもないが
自分に言い寄ってくる男性がいたりするし、ナンパもよくされるので
悪い方ではないと思っている、少年は黙っていれば女性にもてそうではあった。
ツンツンした髪の毛、茶色に染まった髪が自分の色とよく似ている気がする。
目の色、髪と同じように茶色が強いが、これも自分に似ている。
比較的整った顔立ち、美琴は別に自分のルックスに絶対の自信があるわけでもないが
自分に言い寄ってくる男性がいたりするし、ナンパもよくされるので
悪い方ではないと思っている、少年は黙っていれば女性にもてそうではあった。
「ねぇねぇ」
思考の途中で声をかけられた。
そこには、美琴に対する止めが用意されていた。
そこには、美琴に対する止めが用意されていた。
「パパは何処?一緒に住んでるんだよね?美春、ママのご飯が食べたいよ」
純粋無垢な笑顔の少女だ。
くい、くい、と美琴の制服の袖を引っ張る姿は可愛らしいはずなのだが。
いまの美琴には一撃必殺の秘密兵器に他ならない。
茶色の少女と少年には『アイツ』と『自分』の面影が重なったからだ。
くい、くい、と美琴の制服の袖を引っ張る姿は可愛らしいはずなのだが。
いまの美琴には一撃必殺の秘密兵器に他ならない。
茶色の少女と少年には『アイツ』と『自分』の面影が重なったからだ。
「・・・・・・・・・・・・ふ」
「ふ?」
当瑠は嫌の予感がして、音速の三倍くらいの速度で美春を美琴から引き剥がし
嫌な予感の範囲外に逃走する、数秒後に予感は現実となる。
嫌な予感の範囲外に逃走する、数秒後に予感は現実となる。
「ふにゃー」
「美春うううううううううう!逃げるぞおおおおおお!」
その後、公園には正体不明の焼け跡があり奇跡的に生き残った
『お金を飲み込む自販機』がとある事件に巻き込まれるのだが、それはまた別のお話。
『お金を飲み込む自販機』がとある事件に巻き込まれるのだが、それはまた別のお話。
上条当麻は少女と肩を並べて歩いている。
少女とは歩きながら自己紹介をしたのだが上条のことはよく知っているらしい。
少女とは歩きながら自己紹介をしたのだが上条のことはよく知っているらしい。
「そんなの言われなくても知ってるわよ。
家にはいないことが多くて、帰って来たらボロボロになってて
そんで女の人に運ばれてきて喧嘩にしそうになったりして
でも、奥さんの事となると周りが見えなくなって、家にいればいちゃいちゃするし
息子娘ともどもにそれを見せ付けるのが大、大、大好きな上条当麻さん、でしょ?」
家にはいないことが多くて、帰って来たらボロボロになってて
そんで女の人に運ばれてきて喧嘩にしそうになったりして
でも、奥さんの事となると周りが見えなくなって、家にいればいちゃいちゃするし
息子娘ともどもにそれを見せ付けるのが大、大、大好きな上条当麻さん、でしょ?」
「え?未来の俺そんななの?」
なんだか、大人になりたくないと思う上条だがいつかは来てしまうものだ
今のうちに存分に青春を謳歌して行こうと決意する。
今のうちに存分に青春を謳歌して行こうと決意する。
「つか、お前の名前をそろそろ教えなさい」
上条としては聞きたいことの一つだったので、そろそろ言っておく。
他にも聞きたいことは山ほどあるのだが名前が分からなければ
まともなコミュニケーションも取れないと思う上条だった。
ちなみに名前を呼び合わなくてもコミュニケーションが取れている人物がいるのは上条は気づいていない。
他にも聞きたいことは山ほどあるのだが名前が分からなければ
まともなコミュニケーションも取れないと思う上条だった。
ちなみに名前を呼び合わなくてもコミュニケーションが取れている人物がいるのは上条は気づいていない。
「あぁ、そっかー言ってなかったわね。
私の名前は『上条美詠』≪みえい≫よ、お父さん♪」
私の名前は『上条美詠』≪みえい≫よ、お父さん♪」
「ふーん、美詠ね・・・・・・」
もっととんでもない名前がつけられていたらどうしようと思ったが
そこはそれ、一応変な名前を命名してはいないようだった。
そこはそれ、一応変な名前を命名してはいないようだった。
「そんでさ、何処に向かってんの?」
美詠がすぐ近く、と言っていたので聞かずにいたのだが
そろそろ歩いて五分ほどだ、だが目的地らしき場所は見えない・・・・・・訳ではない
いや、知りすぎていてどちらかと言えばあんまり予想したくないところだ。
そろそろ歩いて五分ほどだ、だが目的地らしき場所は見えない・・・・・・訳ではない
いや、知りすぎていてどちらかと言えばあんまり予想したくないところだ。
「公園」
はい、予想的中。おめでとー。
「って、やっぱそこかい!!」
どこがおめでとうだ、バーカ!!と上条は叫ぶ。
美詠のほうはその様子は全く気にしていない、どうやら慣れている様子だ。
美詠のほうはその様子は全く気にしていない、どうやら慣れている様子だ。
「まぁ、まぁ、今から愛しの『すいーとはにー』?に会えるんだし落ち着いたら?」
「なにその表現、まだ全くフラグも立ててませんけどね!」
無自覚鈍感糞野郎レベル6の上条がクラスの男子が聞いたら
三日くらい半殺しにされることをサラッと言いのける。
美詠は呆れた顔をして、立ち止まる、公園≪悪夢の本拠地≫に着いたのだ。
三日くらい半殺しにされることをサラッと言いのける。
美詠は呆れた顔をして、立ち止まる、公園≪悪夢の本拠地≫に着いたのだ。
「さ、着いたわよ、お父さん♪」
「なんでそんなにはしゃいでんの?・・・・・・てなんじゃこりゃ!!」
上条の知っている公園がそこにはなかった。
『自然を大切に!』と書かれた看板は黒こげとなり
その近くの木やら花も同じように黒こげで、地面も所々黒々となっていた。
・・・・・・見覚えのある自販機の近くに、見覚えのある少女が立っていた
(その近くにはガタガタと震える見知らぬ二人がいたが上条の眼中にはなかった)
『自然を大切に!』と書かれた看板は黒こげとなり
その近くの木やら花も同じように黒こげで、地面も所々黒々となっていた。
・・・・・・見覚えのある自販機の近くに、見覚えのある少女が立っていた
(その近くにはガタガタと震える見知らぬ二人がいたが上条の眼中にはなかった)
「―――――御坂!!」
バチバチ!と電撃を放出している御坂美琴は呆然としている。
「にゃー」
獲物を見つけたように、電撃を飛ばす美琴。
それを上条は経験と勘で幻想殺しを使い打ち消す。
それを上条は経験と勘で幻想殺しを使い打ち消す。
「目を覚ませ!御坂!」
一度電撃を打ち消し、走って距離を詰める。
不思議と次からは電撃が飛んでこなかったのは、
上条が来るまでに大量の電気を使っていて電池切れ寸前だからだ。
不思議と次からは電撃が飛んでこなかったのは、
上条が来るまでに大量の電気を使っていて電池切れ寸前だからだ。
「うぉおおおおおおお!」
ただ、電池切れ寸前と言っても美琴はレベル5の『電撃使い』≪エレクトロマスター≫だ
放電しているだけで、普通の人間なら感電してしまうし迂闊には近寄れない。
だが、上条は一般人とは違う、彼女を止められる能力を持つものだ。
放電しているだけで、普通の人間なら感電してしまうし迂闊には近寄れない。
だが、上条は一般人とは違う、彼女を止められる能力を持つものだ。
伸ばした右手は美琴の頭に置かれ、それと同時に放電は止まった。
「ん・・・・・・?」
御坂美琴はふと目を覚ます。
どうやら意識を失っていたようだ。
どうやら意識を失っていたようだ。
(そっか、私・・・・・・)
覚えているのは突然現れた少年と少女が自分と『アイツ』にそっくりだったこと。
小さな少女が自分を『ママ』と母呼ばわりしたこと。
小さな少女が自分を『ママ』と母呼ばわりしたこと。
(・・・・・・また暴走させちゃった・・・・・・あの子達は大丈夫かな?)
怪我でもしていたら心配だ。
自分のせいだ、と美琴は自分を責める。
自分のせいだ、と美琴は自分を責める。
(それにしても、なんだか暖かいような・・・・・・?)
ぼやけていた視界がクリアとなっていく。
目に入ったのは心配した顔で覗き込んでいるツンツン頭の少年だ。
目に入ったのは心配した顔で覗き込んでいるツンツン頭の少年だ。
「ぎゃあああああああああああああああああああ!」
美琴はベンチに寝かされ少年に膝枕されていた。
しかも手もしっかりと握られて、だ。
突如叫び体を起こそうとした美琴を上条が驚きながらも押さえつける。
しかも手もしっかりと握られて、だ。
突如叫び体を起こそうとした美琴を上条が驚きながらも押さえつける。
「馬鹿!急に動いてんじゃねぇよ!」
「うぅ・・・・・・」
せめて、手だけでもと腕を動かしてみるが、思ったように動かない。
体を起こすのに力を使い果たしたようで、嘘みたいに体は固まってしまった。
体を起こすのに力を使い果たしたようで、嘘みたいに体は固まってしまった。
「な、なんでアンタが、ここに?」
しばらくしても、口を開きそうにない上条を見て
我慢が出来なくなった美琴が話しかける。
我慢が出来なくなった美琴が話しかける。
「あん?俺は、えっとその、あれだ・・・・・・」
上条はあまり答えたくないようだった。
また、女の子関係だろうか、と勘ぐってみたが、それとは違う気がする。
・・・・・・まず、美琴の目を見ようとしないのがおかしい。
いつもだったらどんな事があっても目もそらさずに、人の気持ちも知らないで
ケロッとした表情で答えるのだが、今日は視線が泳いでいるし、顔も多少赤い気がする。
また、女の子関係だろうか、と勘ぐってみたが、それとは違う気がする。
・・・・・・まず、美琴の目を見ようとしないのがおかしい。
いつもだったらどんな事があっても目もそらさずに、人の気持ちも知らないで
ケロッとした表情で答えるのだが、今日は視線が泳いでいるし、顔も多少赤い気がする。
(もしかして、意識してくれてる?)
上条も美琴を膝枕するのは気恥ずかしさがあったのだろうか。
自分が女の子だから、異性だからか、そう考えると美琴は少しだけ嬉しかった。
自分が女の子だから、異性だからか、そう考えると美琴は少しだけ嬉しかった。
結局答えは聞けないまま、数分がたった。
体に力が入ったところで、美琴は体を動かそうとする。
体に力が入ったところで、美琴は体を動かそうとする。
「大丈夫か?」
「う、うん・・・・・・」
膝枕から解放されたのは精神的には良かったが
気持ち的にはかなり楽になった。
気持ち的にはかなり楽になった。
「おー、復活しましたか~」
そこに、雰囲気をぶち壊すように当瑠と美春、そして美琴の知らない少女が近づいてきた。
美春には怪我はないようだが、当瑠の方は直撃はしなかったが少し火傷しているみたいだった。
当瑠の怪我を見て罪悪感がさらにのしかかって来てしまった。
美春には怪我はないようだが、当瑠の方は直撃はしなかったが少し火傷しているみたいだった。
当瑠の怪我を見て罪悪感がさらにのしかかって来てしまった。
「ごめんね、いきなり能力暴走させちゃって」
ベンチから立ち上がり、頭を下げる。
「え?いやいやこの程度の怪我、俺には日常茶飯事なので全く気にしませんよ」
手をひらひらさせて、いいよいいよと行動で示す当瑠。
だが、手にも怪我があったのに気づいて慌てて引っ込めた。
だが、手にも怪我があったのに気づいて慌てて引っ込めた。
「ママ、大丈夫?」
当瑠の隣にいた美春が泣きそうな顔で美琴を見上げている。
美琴はママと呼ばれた事に意識が飛びそうになるが必死に意識を保って
美春と目線を合わせる為屈んだ。
美琴はママと呼ばれた事に意識が飛びそうになるが必死に意識を保って
美春と目線を合わせる為屈んだ。
「大丈夫よ、ごめんね、ありがと」
よしよし、と頭を撫でてあげると途端に笑顔になり、美琴に抱きついてきた。
「えへへ、良かった」
「―――ッ!」
美春の笑顔を見ると美琴の何かが暖かくなった。
全身に暖かさは伝わり、美琴はギュッと美春を抱きしめた。
全身に暖かさは伝わり、美琴はギュッと美春を抱きしめた。
(・・・・・・本当にそうなのかな?この子は私と、アイツの・・・・・・?)
美琴はスキンシップと称して抱きついてくる自分の母、美鈴を思い出していた
いつも嫌がっているが母に抱きしめられると自分が暖かい気持ちになるし
美鈴もとても嬉しそうに笑ってくれる。
美琴が感じた暖かさは家族のそれ、なのだろう。
いつも嫌がっているが母に抱きしめられると自分が暖かい気持ちになるし
美鈴もとても嬉しそうに笑ってくれる。
美琴が感じた暖かさは家族のそれ、なのだろう。
「美春、もういいだろ?母さん、びっくりさせてごめんな」
「ううん・・・・・・もう少しこの子とこうさせて」
「母さん・・・・・・分かった」
もう、母と呼ばれるのには抵抗は感じなかった
「どう?お母さんはもう打ち解けちゃったみたいだけど?」
美琴が目を覚まして数十分後、上条と美琴は彼等が何者であるかを聞かされた。
「そうみたいだな」
彼等・・・・・・つまり、当瑠、美詠、美春の三人は未来の学園都市からやってきた能力者、らしい
三人は美春の能力(『時間転移』≪タイムトラベラー≫と言うらしい、ちなみにレベルは3だと言う)
を駆使し、今の上条たちがいる過去の世界にやってきたのだ。
理由を聞いてみると、美春が「パパとママのデートの話を聞いてみてみたかったの!」という非常に可愛らしい
(しかし、ある意味恥ずかしいイベントを見たい悪意)理由だった。
そして、美春の能力はまだまだ不安定で特定の条件化でないと時間移動が出来ない事
無理にしようとすれば時空の歪みに捕まり、二度と帰れなくなると説明された。
三人は美春の能力(『時間転移』≪タイムトラベラー≫と言うらしい、ちなみにレベルは3だと言う)
を駆使し、今の上条たちがいる過去の世界にやってきたのだ。
理由を聞いてみると、美春が「パパとママのデートの話を聞いてみてみたかったの!」という非常に可愛らしい
(しかし、ある意味恥ずかしいイベントを見たい悪意)理由だった。
そして、美春の能力はまだまだ不安定で特定の条件化でないと時間移動が出来ない事
無理にしようとすれば時空の歪みに捕まり、二度と帰れなくなると説明された。
つまり、時間移動したはいいがすぐには帰れないとのことだった。
最低でも三日、最長で一週間は確実に転移できる環境にはならない、との事だった。
最低でも三日、最長で一週間は確実に転移できる環境にはならない、との事だった。
「やれやれ、不幸だ・・・・・・」
「そんな事いわないの、ほら見てみなさいって」
美詠が指を差した方向を見ると、打ち解けた美琴と美春が楽しそうにじゃれあっていた。
美春は勿論笑顔なのだが。
美春は勿論笑顔なのだが。
(あいつも、笑ってんな)
美琴も笑顔だった、上条が裏路地で想像していたものとは比べ物にならないほど
可愛くて、綺麗だった。
その姿に少し見とれてしまったが、美琴が上条のほうを向くと音速で顔をそらした。
可愛くて、綺麗だった。
その姿に少し見とれてしまったが、美琴が上条のほうを向くと音速で顔をそらした。
「親父、母さんに惚れたか?」
いきなり声をかけてきたのは、自分にそっくりな少年の当瑠だ。
いや、姿かたちまで同じなのはともかく年齢まで同じなので
親父と呼ばれるのはかなり違和感がある。
・・・・・・美詠にお父さんと呼ばれたのもかなり違和感があったが。
いや、姿かたちまで同じなのはともかく年齢まで同じなので
親父と呼ばれるのはかなり違和感がある。
・・・・・・美詠にお父さんと呼ばれたのもかなり違和感があったが。
「うるせぇ、そんなんじゃ、ねぇよ・・・・・・てかニヤニヤすんな!」
当瑠の胸倉を掴むが、当瑠は動じない。
それどころかニヤニヤした顔をさらに歪ませた。
それどころかニヤニヤした顔をさらに歪ませた。
「ふっふっふ・・・・・・俺は知ってるぞ、親父」
「な、何をだよ」
「親父が母さんに言ったプロポーズの言葉」
「ぷ・・・・・・ぷろ、ぽーずだと!!?」
「もう頭は母さんでいっぱいなんだろ?好きで好きで仕方ないんだろ!
言ってみろよ!親父!いや、上条当麻!お前は御坂美琴の事が好きなんだろ!」
言ってみろよ!親父!いや、上条当麻!お前は御坂美琴の事が好きなんだろ!」
なんか熱く語ってくる息子(仮)にじりじりと追い詰められる上条。
助けを求めようと娘(自称)を見るが
助けを求めようと娘(自称)を見るが
「お父さん、言っちゃったら?」
どうやら味方はいないようです。
「ふ・・・・・・不幸だあああああああああ!」
本日何回目かの口癖が公園内に響いた。
時刻は夜十一時、日が変わるまで一時間問うこともあり
ほとんど人通りはない、そして、そんな道を上条と美琴は歩いていた。
あの三人組は今はいない。
上条としては自分の部屋に泊めるのはまずいと思っていたし
今日は流石に急すぎて無理だ。
そして美琴はもちろん不可能、いくら美詠が常盤台の制服を着ていると言っても
説明はしても信じてもらえるはずがないし、未来の生徒は籍を置けない。
ホテルを取ってあるということなので、明日また会うことを約束して別れてきたのだった。
ほとんど人通りはない、そして、そんな道を上条と美琴は歩いていた。
あの三人組は今はいない。
上条としては自分の部屋に泊めるのはまずいと思っていたし
今日は流石に急すぎて無理だ。
そして美琴はもちろん不可能、いくら美詠が常盤台の制服を着ていると言っても
説明はしても信じてもらえるはずがないし、未来の生徒は籍を置けない。
ホテルを取ってあるということなので、明日また会うことを約束して別れてきたのだった。
「・・・・・・もう少しで寮の前ね」
「そうだな」
今まで無言だった美琴が急に口を開いた。
(な、なんだか残念そうなのはなんででせう?)
チラリと横顔を見てみると、俯いていて表情は見えない。
ただ、美琴の両頬が僅かに赤く染まっていることに気がついて慌てて目をそらす。
ただ、美琴の両頬が僅かに赤く染まっていることに気がついて慌てて目をそらす。
(い、いかん!御坂が可愛いとか思ったらダメだ!そんなことになったら
あの二人・・・・・・当瑠と美詠に何言わされるか!!)
あの二人・・・・・・当瑠と美詠に何言わされるか!!)
美春は遊んでいる途中に度々「パパ、ママって可愛いよねー」と
無邪気な顔で言ってくるので上条がどう思おうとどうしようもない事が判明している。
無邪気な顔で言ってくるので上条がどう思おうとどうしようもない事が判明している。
「あー、今日は大変だったなぁ・・・・・・なんて」
「そうね」
気まずい空間が漂うが、そのまま寮の近くまで来てしまった。
「じゃぁ、俺こっちだから」
上条は美琴から離れようとするが、不意に体重が重くなり前に進めなくなる。
「・・・・・・どうした?」
美琴が上条の腕を掴んでいる。
もう少し寄れば恋人同士に見えなくもないが
二人の距離は恋人と言うには遠かった。
もう少し寄れば恋人同士に見えなくもないが
二人の距離は恋人と言うには遠かった。
「あんたはさ・・・・・・」
「ん?」
「私とけ、結婚するの、嫌?」
「――――んなっ!?」
聞きようによってはプロポーズなんじゃないかと疑うが
上条は何とか理性を保とうとしたが美琴の顔を見て数秒黙った。
理性よりも本能が勝ろうとしている。
上条は何とか理性を保とうとしたが美琴の顔を見て数秒黙った。
理性よりも本能が勝ろうとしている。
―――――――俺は御坂の事を・・・・・・?
「俺は・・・・・・」
それは、言葉ではなく行動で示された。
少しだけほんの2、3秒のことだっただろう。
たったそれだけの時間でも上条は離したくなくなってしまった、離れたくなかった。
気づかされた自分の気持ちに戸惑いながら、なんとか美琴から体を離す。
少しだけほんの2、3秒のことだっただろう。
たったそれだけの時間でも上条は離したくなくなってしまった、離れたくなかった。
気づかされた自分の気持ちに戸惑いながら、なんとか美琴から体を離す。
「・・・・・・また明日な」
美琴の返事も聞かず、顔を真っ赤にして走り出す。
訪問者によって始まった二人の物語。
それは、現在≪いま≫と未来≪さき≫を交差させる大きな事件となっていく。
訪問者によって始まった二人の物語。
それは、現在≪いま≫と未来≪さき≫を交差させる大きな事件となっていく。