MBS10月18日放送 シリーズ『ウラドリ』 自殺招いた「ネットいじめ」

シリーズ『ウラドリ』 自殺招いた「ネットいじめ」
今年7月、神戸の私立高校で3年生の男子生徒が自殺し、9月に同級生3人が恐喝未遂容疑で逮捕された事件。背景に浮かび上がってきたのは、『ネットいじめ』の実態でした。

■名門私立高3年生の突然の死、その背景は・・・

2007年7月3日。
神戸市須磨区の名門私立高校で、1人の生徒が、自ら命を絶った。

3年生のA君。
放課後には友人たちとフットサルを楽しむ、活発で笑顔の絶えない少年だった。

彼の残した遺書には・・・。
『金を要求されたが払えない。死ぬしかない』

A君の自殺から2ヵ月半後、同級生でフットサル仲間だったB少年が、A君に対する恐喝未遂容疑で逮捕された。

手口は、携帯メールでの脅し。
『5万くらいでええよ。払えないと、クラスのメンバーにリンチさせる』

その後、別の2人の同級生も、恐喝メールの共犯として逮捕された。
逮捕された少年たちは、当初、警察の調べに対し、異口同音にこう話していた。
『メールを送ったのは事実だが、冗談のつもりだった。本気で金を取るつもりはなかった』

捜査関係者は、「少年たちの言葉や態度からは、自分たちの行為が友人を死に追いやったという自覚が全く感じられない」と漏らす。

一方、逮捕された少年の弁護士は、はっきりと容疑を否定する。
【逮捕された少年の弁護士は・・・】
「『お金を取る気は全くなかった』、『これは本心です』と。日頃から、非常に仲が良かった。自殺した直前も親しく話をしていた」

クラスメイトの作文にも、こんな文字が並ぶ。
『仲の良い2人だった』『(メールは)100パーセント冗談』

しかし、捜査関係者によると、逮捕された少年は「最初は冗談のつもりで、最後は本当に金を取れるんじゃないかと思うようになった」などと話している。

徐々に行動をエスカレートさせていった少年たち。
友人からの『金銭要求メール』といういじめを、A君はどう受け止めたのか・・・。

「いじめていたのは、逮捕された少年らだけではなかった」という証言もある。
【A君や逮捕された少年らをよく知る人物は・・・】
「本人が『**君にいじめられとう』って言ってたらしいから。別のグループか知らんけど、帰る時に荷物を持たされていたみたい」

【逮捕された少年の弁護士は・・・】
「逮捕されていない別の少年も、自殺した生徒さんに頻回にお金を要求するメールを送っています。2回どころじゃないです。この生徒さんは、遺書に名前が書かれている」

警察は、別の生徒の立件も視野に入れ、慎重に捜査を進めている。

学校で誰かが手を差し伸べることはできなかったのか・・・?
【自殺直後の教頭会見より】
「全く変わった所はなく、にこやかな感じだったと聞いています」
事件直後、学校はいじめを否定。しかし、生徒の逮捕後に再度アンケートを実施し、前言を翻した。
【逮捕直後の校長会見より】
「いじめがあったと判断を致します。本当に、申し訳ありませんでした」

後手後手に回った学校の対応・・・。

学校がいじめの全容を把握できなかった理由のひとつに、現代のいじめの持つひとつの形があった。
【逮捕直後の校長会見より】
「携帯メールなどネット関係の対応について、私たちは手元に何もありませんでしたので、そういったことが真相の究明を遅らせたかなと・・・」

A君のフットサルグループのホームページは、『5人の仲良しページ』と名付けられていた。
結束の証のはずだったこの場には、次第に誹謗中傷が書き込まれ、陰湿なネットいじめの場と化していったという。

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最終更新:2009年04月13日 22:25
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