印刷 平成20年2月10日 発行 平成20年2月15日
発行者 滝川中・高等学校 校長 桐山智夫 編集 人権教育推進委員会
はじめに 学校長 桐山智夫
今年の人権映画は、7月3日に本校で起こった衝撃的な事件を受けて、「命の大切さ」をテーマに、映画「ありがとう」を全校上映することとなりました。
これは、1995(平成7)年1月17日未明、震度6の激しい地震が兵庫県南部を襲った、あの「阪神淡路大震災」での実話をもとにした映画で、そこから立ち上がった人々の勇気と感謝の気持ちが伝わってくる内容です。
本校で1998(平成10)年に発刊された瀧川学園創立八十周年記念誌には、この震災の大きな被害に対して次のように述べています。
「このような過酷な体験も時間が経つにつれて人々の脳裏からは次第に薄れていくかも知れないが、忘れてはならないのは、その苦しみ・悲しみの中ではあったが、近年私たちが忘れかけていた多くの大切なことを再確認できたことである。それは、不時に対する備えの必要性、人と人とが助け合う素晴らしさ、家族の絆の暖かさ、自然との調和を意識した生活の大切さ等々である。この貴重な体験を21世紀に生かすことが今の私たちの務めであろう」と。
しかしながら、あれから十三年の歳月が流れたが、私たちは、あれだけ貴重に思い、大切にしなければと思った水も今では依然と同じように浪費してはいないだろうか。
やさしく、いたわり合ってかけた言葉を忘れてはいないだろうか。7月3日の事件で、私はそのことを痛切に感じざるを得ませんでした。
この映画には、「どんな逆境でも『心の有り方』次第で、誰にでも奇跡は訪れるということへの感謝の気持ちが込められている」というメッセージが発信されています。
さて、当時は小学生にも達していなかった今の中高生たちの乏しい震災体験の中で、このメッセージはどのように心に響いたのでしょうか。
あとがきにかえて
昨年は、本校にとって、開校以来初めてと思われる、痛ましい事件がおこってしまい、本当に残念でなりません。
人権映画では、阪神・淡路大震災で被災、地元の復興活動に活躍、見事、プロゴルファーに合格した古市忠夫さんをテーマにした「ありがとう」を上映、また、10月5日には、「夜回り先生、水谷修先生」の貴重な体験談を聞くことができ、改めて「生きる」大切さ、難しさを実感することができたように思われます。
もっともっと、命の大切さを感じなければなりません。
最終更新:2009年04月26日 12:41