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過去の国内外の口蹄疫の事例 - (2010/05/17 (月) 19:25:52) の編集履歴(バックアップ)



2001年イギリスにおける口蹄疫の流行は
2001年にイギリスで広まった口蹄疫の流行。
農業や観光業に多大な影響を及ぼした。

確認されただけでも2000件の報告があり、
1000万頭ものウシ、ヒツジが殺処分された。
カンブリア地方は843件確認され最も影響を受けた地域である。
被害の広がりを防ぐため多くの公共施設や道路が封鎖された。
観光被害は深刻で特に人気のある湖水地方では推定で80億ユーロの
経済損失を被った。

感染拡大の経緯

2001年2月19日にエセックス州で発見されたのが、
この時の口蹄疫の最初のケースである。
イングランド南東部のバッキンガムシャーとワイト島産の
豚が口蹄疫に感染しており、更に2日間に渡って
数件の感染例が同州で発見されたことが公表された。

2月21日、欧州連合(EU)は家畜や肉、動物製品全ての英国の輸出を
禁止する旨を決定。

2月24日、イングランド南西部のデヴォン州において、
口蹄疫に感染した家畜が発見、週の後半には
北ウェールズ地方でも感染が認められ、
3月初旬までにデヴォン州の隣にある地域、
コーンウォールにまで口蹄疫の被害が拡大した。

イギリス農業食糧省(MAFF)の方針は、家畜の死体を現地で
処理することを認めておらず、 イギリス西北部にあるランカシャーの
ウィドネスという地域の処理場に運ばなければならないと
いうものであったが、 それ自体は感染が認められた死体が
口蹄疫の感染が認められていない地域を通るというものであった。

3月16日までに、感染件数は240件に増加し、農業食糧省は
「症例が確認された地域から3キロ以内の全ての動物を
殺処分する」という対策、 「予防屠殺」を採用した。
ただし、この予防屠殺がすぐに適用されたのは牛や豚ではなく、
羊のみであった。 同時期にはオランダでも小規模の口蹄疫が発生したが、
予防接種によって拡大を食い止めることができた。
予防接種を受けた動物は、その後にEUの取引要求により解体された。

3月末までに被害の伸びは最高潮に達し、
1日あたり最大50件が確認されるほどに達した。

口蹄疫の拡大を防ぐ効力を上げるために、口蹄疫が
完全に根絶やしにされたことを確認するまでイギリス産の
豚や羊や家畜の売買を禁止し、 感染が確認された農場の近くで
動物の処分や焼却を行う作業のみに絞った。 更に家畜や動物の
移動を完全に停め、人が着用している靴や服を介して、
別の場所に細菌が移動しないよう 大規模な対策が取られ、
細菌の移動を抑え込む努力が夏の間に行われた。
その対策により、5月から9月にかけて1日5件ほどの
感染報告に抑えることができた。

殺処分に必要な人手はすぐに足りたわけではなく、
1日あたりおよそ80,000~93,000頭の動物を屠殺するために、
農業食糧省当局はイギリス陸軍部隊の支援を受けた。

口蹄疫の終息

最後の症例が報告されたのは、2001年9月30日に
イングランド北西部カンブリア群の町であるアップルバイ近くの
農場で発見された症例であった。 11月29日に
イギリス環境食糧農林省(DEFRA)は、「高危険度地域」と
されていたカンブリア群を「伝染病汚染地域」に格下げした。
イギリスでの最後の殺処分は、2002年元旦にイングランド最北の
地域であるノーサンバーランドの農場で行われた2000頭の羊であった。

口蹄疫の発生中、拡大を止めるためにワクチンを使用することが
何度も検討されたが、政府は全国農民組合(NFU)からの
圧力を受けるまで 使用を決断しなかった。
ワクチンは口蹄疫に対して効果があると考えられていたが、

背景

イギリスでは1967年にも流行が起きたが、イングランドと
ウェールズの国境付近の非常に狭いエリアであったため多大な被害は出なかった。
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