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昭和19年1月時点での燃料補給の実態

現在石油を精錬できるのは、当たり前の事であるが帝國、それも本土のみである。

流れとしては、①バレンバンを始めとする油田地帯から石油を採掘。→②近くの港へ輸送。→③タンカーで帝國本国へ運搬。→④製油所で精錬。→⑤各地へ。

…という具合である。各方面軍への燃料補給ならば、⑤精錬した重油を再びタンカーに積み込み、大陸各地の艦艇に給油。だ。その後全ての給油を終えたタンカーは、再び大陸の港で原油を受け取り、本土へ帰還する。大陸と本土を行ったり来たりで、忙しい事この上ない。こうして見ると、軍艦艇への給油も『ついで』に過ぎない事が良く分かるだろう。この合間に整備も行うのだから、いかに軍艦艇といえども一部の都合で日時をずらす事など不可能(逆ならいくらでもある)だ。何しろ全てのタンカーの予定は、一時間単位でキッチリと決まっているのだから。

そうでもしなければ、とても石油を回せないのだ。

いや、既に回っていない。今ですら大陸の港に、運ばれるのを待っている原油が貯まりつつあるのだから。まあ情けない事に、ドラム缶の数には限りがあるので、溢れかえったりはしないのだが。

これは本土と大陸が数千キロも離れているせいもあるが、やはりタンカーの絶対数が足りない事が根本的な原因(軍の動きが活発化したのも、この原因の一因として挙げられる)であろう。そしてこの話は、通常の輸送船にすら当てはまるのだ。

無論、帝國とて努力はしている。廃船一歩手前の輸送船やタンカーですら老骨に鞭を打って第一線で働かせているし、造船所では輸送船やタンカーを建造しているのだ。

しかし旺盛な経済活動により需要は伸び続け、そのゴールは逃げ水の如く遠ざかっていた。

帝國の経済成長も、好景気も、破滅と背中合わせのものに過ぎず、未だ帝國は綱渡り的な国家運営を迫られていたのである。


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最終更新:2006年06月06日 23:16