転移後のドクトリンの変化により零戦から撤去され、大量の九九式一号20ミリ機銃が余剰となった。
これを、やはり余り気味の
九六式陸攻に装備し、地上襲撃機としようと考えたのが、本機である。
九九艦爆に、九九式一号20ミリ機銃2挺を装備した機が、予想外に活躍した所からの発想である。
胴体下面中央に、地上に銃口を向けた九九式一号20ミリ機銃15挺を装備。
機銃は固定式だが、出撃前にある程度向きを変え、攻撃範囲を調節することが可能となっている。
各銃の弾数は、即応分こそ、装着されている箱型弾倉(60連発)の60発のみだが、予備の弾倉が各銃につき1個用意されているため、各銃120発、計1800発の20ミリ弾を保有――無論自衛用はまた別にある――していることになる。
初めてその実力を発揮したのは
ディジョン城攻撃時で、15挺の機銃から放たれる20ミリ弾は、大概の建造物を無効化し、建物内にも降り注いだ。
敵に反撃の暇もなく降り注ぐ『鉄の豪雨』。
……それは、もはや一方的な虐殺でしかなかった。
後に帝國支配地域における反乱鎮圧の最終手段として用いられ、『屠殺人』と呼ばれ恐れられた、悪名名高い大型襲撃機の原型機である。
最終更新:2006年09月06日 02:15