“帝國”は
イルドーレ王国から様々な物資を調達していたが、その中にはなんと“領土”まで含まれていた。
“帝國”がイルドーレ王国から調達した領土の名を、ピグニス諸島という。同王国は俗に“南クローゼ列島”と呼ばれるクローゼ列島南部の諸島群を国土としているが、この最北端に位置する諸島だ。これを、“帝國”は丸ごと一つ買取ったのである。
…買った“帝國”も“帝國”だが、売ったイルドーレもイルドーレ、としか言いようのない行為だった。
確かに、ピグニス諸島は最大のピグニス島(ピグニス本島)でも『数km四方しかない』という小島の集まりに過ぎない。が、それでも百人程の漁民が暮らすれっきとした有人諸島だ。
…それを統治権ごと売り払ったのである。いかなる事情かは知らぬが、およそ正気の沙汰とは思えなかった。
このような経緯でピグニス諸島は“帝國”領となったのである。
昭和17年7月には完全機械化された海軍設営隊(第一〇三設営隊)を送り込み、翌8月には飛行場(1500×100m)及び各種施設とこれ等を結ぶ道路網を完備した完全な航空基地と
ピグニス航空隊を全力稼動可能にしている。
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最終更新:2007年07月21日 14:32