中山演奏会実行委員長より~ゆるりと参ろう
花と歌と大空と(3)  
公開合唱講座も皆様のご協力を頂き。無事終了することができました。結果、まだ確定ではないのですがこれからのフォロー次第で4~7名程度の新しい仲間を迎えることが出来そうな感じです。大成功と言っていいと思います。
特に最終日の団員の皆様と受講者とのお話タイムを勝手に設定いたしましたが、その折の団員の皆様の奮闘ぶりが嬉しくて楽しくて!!
秋もだいぶ深まってきました。この時期、普段はあまり気づかないで通り過ぎていた街路のあちこちで金木犀の香りが漂います。金木犀は私にとって母の花。
金木犀は神秘の花。その紡ぎだす甘い香りは。若かった母が外出先から帰って来て、幼い私をぎゅっと抱き締めてくれた時の香り。晩年、母を車椅子に乗せて病院の周囲を散策していた時、見た大きな金木犀。木の下は散り敷いた金木犀の花で、まるで緋毛氈を敷きつめたよう。そこだけ甘い香りに包まれた別世界。
母が一言少し若やいだ声で『すてきだね!』
私が一言『うん!』
何だか夢の世界に足を踏み入れたよう。来年の今頃、合唱団は演奏会という夢の世界の中にいるのでしょうね。夢の世界だから、何でも思い道理にできるかも、できないかも!
いづれにしても素敵なこと、皆と同じ夢を楽しめるのだから。やっと合唱講座という一つのハードルを越えただけなのに、こんな事を考えるのは、金木犀の甘い香りに酔ってしまったせいなのかも。
 
花と歌と大空と(2  
 9月になりました。あんなに猛々しく降り注いでいた日差しも8月の頃の勢いは
既になく、朝夕には気持ちの良い風が私の体や心の中をさやさやと吹き渡っています。
10月に第2回の合唱講座が実施されます。前回は初めてという事もあり、開催当日
まで、いろいろと気をもんだりしていたことがつい昨日の事のように思い出されます.
今回は講座に何名の人が参加していただけるのか、又参加者の中から何人の方が、正式に団員として活動に参加してくれるのでしょうか?
始まる前からこんな事を考えても詮無い事と思うのですがつい色んな事が頭の中をよぎります。こんな私の想いとは関係なく、季節はゆるやかにそして着実に移ろい、私自身
も否応なくその流れに身を任せています。暖かな水気をたっぷりと含んだ春の空や、
光輝く夏の空とは違い、秋の空はどこまでも澄み渡りその深い青はそのまま宇宙にまで
思いを馳せることができます。夏にはあんなにふさふさと花をつけていた色鮮やかな百日紅も今では消えかかった打ち上げ花火のよう。雄々しく立ち上がっていたひまわりの
花も今ではややうつむき加減になり、もうしばらくすると柿の実が夕日を浴びて茜色の
輝きを増すのでしょうね。離りゆく貴女の両肩の上で消え残った夏の思い出が、ちらちらと揺れていますね。小さな溜息をひとつついてからまた歩き出しましょうか。新たな
季節の訪れの中に身を委ねて寛いでいるのは本当に心地よい事だけれど、やらなくては
ならない事が沢山ある。あふれ出る歌への思いが私を駆り立てる。少し休息したらまた
みんなで一緒に長い坂道へ歩き出しましょうか。
みんなと一緒ならどこまでも行けそうな気がするから!
 
花と歌と大空と(1
 8月も立秋を過ぎると透きとおってきた夏の向こうに秋の気配が漂い始める。夕方 草原を散歩すると虫の合唱がもう始まっているし、空にはぽってりとした夏雲の上の更なる高みに刷毛で刷いたような秋の雲がかいまみえる。とはいえ昼中の日差しは相変わらず容赦なく降り注ぎ、熱気を孕んだ空気の中で花がけなげに咲いている。夾竹桃・百日紅・向日葵・日日草・等々 中でもこの時期、私は槿に一番心引かれる。朝顔を思わせる蕾や、花の中心に小さく紅をさしてひっそりと咲く様は、竹下夢二の描く大正ロマンを漂わせた女性を思わせる。
 来年の今頃は、演奏会を控えて何を考え何をしているのだろう。
 演奏会までのこの一年余りの期間、演奏会目がけてまっしぐらなんていう事ではない方が良いな。時期が来れば咲くべき花が咲き、季節が来ればその季節の鳥がさえずるように、そんな風に季節の移ろいの中のひとつの出来事として演奏会ができるといいな!
 演奏会を開くため、みんなで色々な事に熱い情熱でチャレンジしつつも、一方で花をめで、時には歌に酔い、時には大きな空のカンバスに描かれた雄大な雲にうっとりと見とれているのもいいね。
 お盆の最中、ゆったりとした時間の中でこんなことが取り留めもなく頭に浮かぶ。
なんという贅沢!
 

                             

 

   

 

最終更新:2012年10月25日 16:06