765： ニート娘を更生させよ ◆K17zrcUAbw ：2021/12/02(木) 21:07:54 ID:KKBccNGA
ニート娘を更生させよ！～性技があれば生きていける～
Calcite 11/26発売 定価7,480円 税込
■公式紹介文抜粋
〇PR文章
体はエロい。それでいい。
エロのためなら努力を惜しまない。それは男女問わず、ニートも同じ！
＜あらすじ＞
働かざる者、ニート。
それは年々増え続け深刻な数となり、社会問題へと発展した。
そこでニートの数を減らすための企業が多く登場した。
公設民営の「ニートを更生」させる為の機関。
主人公はそこで訓練を受けた正式なニート更生員だ。
「お兄さん誰？ お医者さん？」
「いいえ。貴方を治療するのではなく、更生させるために来ました」
「まあ、誰でもいいよ。一人でするのも飽きてきたから」
そう言って、ニート娘は不敵に笑う。
美少女だけどぐーたらで性欲が強くてダメダメな女子達。
ニート娘を更生させるドタバタえっちな日々が始まるのだった…！
〇キャラ紹介
残念美人な社会人ニート
夏目 愛衣（なつめ めい） CV：柚原みう
面接で失敗を続け心が折れてニー娘へ転職。
Hカップの爆乳で背も高い。
何をするにも動作が遅く、ずぼらで家事も苦手。
しかしどこか憎めないタイプで養ってあげたい、とさえ思ってしまう。
感情が顔に出づらく、Hの最中もあまり表情が変わらない。
しかし気持ちいいことは好きらしい。
「主婦になったら家事をしなきゃいけないんだよね…嫌だなぁ」
地雷系女子大生ニート
弓槻 鏡（ゆみつき かがみ） CV：月永りと
いわゆる地雷系と呼ばれる服装を好む。
見た目の良さから大学生活で色々あってニー娘へ。
大学を辞めて就職しようとも考えたが難しく、だらだらとニート生活を継続中。
本人は大学生活をやり直したいと考えている。
自己肯定感が低く、被害妄想強めでストレスに弱い。
しかしHに関してはマゾ気質で、性欲をこじらせている。
「皆が私を馬鹿にしてる気がするの。貴方だって、信頼してないから」
甘え上手、世渡り上手な学生ニート
須田 楓子（すだ かえでこ） CV：榎本ねむ
妹系キャラのロリ巨乳。その見た目から特に甘やかされがち。
本人も甘え上手で、自分のかわいさに自覚がある。
しかし学園生活を送る中、同性に妬まれることが多く、
いつしか学園に通わなくなってしまった。
世の中をなめている性格で、世渡り上手。
恋愛でもＨでも、自分が主導権を握りたい。
「人生の夏休みですよ。このかわいさに免じてください」
三木 祐太朗（みき ゆうたろう）
カウンセリングの知識を持つニート更生員。
新人だがニートの数が尋常ではないのでいきなり3人を担当する事になった。
同時に彼の苦難の日々が始まった…。
■概要
本作のコンセプトは、ニート更生員である主人公が3人のニート娘の社会復帰を
サポートする中でエッチな事をご褒美に頑張らせる展開である。
本作の流れは大体こんな感じ。
１，3人にそれぞれカウンセリング。社会復帰のアドバイスを送る選択肢が各1回。
２，選択肢次第では前戯エロシーンもあるが、無くてもいきなり告白相手を決める選択肢。
３，その後、ルート分岐用選択肢で恋人エンド1～2種。風俗堕ちエンド1種に分岐する。
以下個別ルートの概要と雑感を述べる。
(愛衣ルート)
やる気のない愛衣にエロをご褒美に何とか履歴書を書かせて面接までこぎつけるも失敗。
面接に合格してしまうと、主人公が来なくなる事が嫌でわざと落ちているようだ。
→(就職)何とか面接を合格させて離れるも、三年後に愛衣が主人公の職場に転職し結ばれる。
→(ニート)結局主人公から告白するも、養って欲しいと愛衣はニートに。後日談で結婚。
→(風俗堕)底知れぬ性欲を満たす為、主人公の提案により、愛衣が風俗嬢を天職にする。
(鏡ルート)
告白選択肢直後に、鏡が難病で失明の危機であることが発覚する。
そこで闘病資金を得るために就活させるが、雇う側のリスクを無視する更生員の主人公に
ツッコみたいところであり、それを考えないとしても重すぎて途中の実用性に響く。
→(就職)大学を辞め、親から金を借りて手術し就職、交際はしてないが肉体関係継続。
→(無職)結局主人公に助けてと頼み、主人公が手術費用を負担。恋人として結ばれる。
→(風俗堕)大学を辞め、すぐに稼げる風俗の仕事を志願し、AVデビュー作を見る。
(楓子ルート)
なかなか更生がうまくいかず、自分の立場が危うくなってきた主人公に対し、
楓子は授業に出る事を引き換えにして、肉体関係を要求してくる。
→(就職)最初は拒否するも、楓子のアプローチを受け交際。後年、一緒に更生員として働く。
→(風俗堕)突然学園を辞め、処女のまま風俗嬢になってしまう。十分金を稼いだ後、
職場で立場を失った主人公の前に現れ、ダメな大人が好きと交際を始める。(風俗は続ける)
全体的に雑な展開が目立つ。風俗堕ちありき、恋人になって養分にされる展開ありき等、
キャラ設定とENDを先に決めて適当にエロアソートを追加したようなイメージである。
■問題点
〇驚異の低容量
ミドルプライス7,480円の本作は総プレイ時間5時間未満、総容量302MBと
超人的ダイエットに成功している。(公式の推奨容量は1.5GB以上)
ニート娘を更生させるアドバイスを送る流れは各選択肢1回ずつで終了してしまい、
上述の通りその後はヒロインを選んで、各ENDに分岐する選択肢１つがあるだけである。
だが、単に文章量が少ないだけではこの容量削減は成しえない。
シーン数は36だが、前戯と本番を分けたようなシーンが存在し、およそ30シーン程度。
ヒロインの声優のセリフだが、１行のセリフが多く、喘ぎ声が抑制されているように感じる。
あまりに長すぎるのも問題だが、抜きゲーのくせにほぼワンパターンで短い喘ぎ、
ヒロイン視点も含めモノローグを多用しセリフを抑制する等、コストカットされている。
最中なのにモノローグだけで10クリック音声無しの箇所が見受けられるほどである。
画像は例であるが、とにかくクリック数の水増し感が強く、語彙力も無い。
挙句の果てには、挿入したと思ったら4～5のセリフで「もうイキそう」と言い始める。
1回戦当たり、15程度のシーンが目立つ有様である。(画像例のシーンのセリフ数は15)
こうした手抜きの結果で、いざ咀嚼しようとしても興奮しない自分に気づく。
しゃべれよ！ちゃんと喘げよ！イクの早すぎるよ！の三連打である。
補助するBGVやSEもなく、風俗堕ちだろうが変更の無いBGMだけが鳴り響く。
二回戦があるシーンに限り一般的抜きゲーの一回戦くらいのボイス量になるので、
実用性が皆無とは言えないものの、明らかに後述の風俗堕ち展開が優遇されている。
Hシーン以外でも「ここじゃ見つかるとまずいですからと言われ」等のモノローグで
セリフを省略してくる始末。そこをしゃべらせるのがエロゲじゃないのか。
ボイス抑制術は「彼女はくすくすと笑った」等のエロシーン内にも存在する。
内容自体も序盤に外へお出かけや面接対策の指導等の交流要素の詳細描写を省略。
結果として全く感情移入できないままに各個別ルートは1時間もせずにENDに到達する。
スキップスピードが速めとはいえ、最初からだとオールスキップで50秒を切る。
愛衣 差分なし15枚(非エロ１) 14シーン
鏡 差分なし13枚(非エロ1) 10シーン
楓子 差分なし12枚 12シーン
合計で40枚と最低限1jksは超えており、使いまわしは無いように見える。
最低限画集としては使えなくもないが、お世辞にもクオリティは高くない。
〇風俗堕NTR(もしくはネトラセ)要素について
確かに序盤で風俗嬢になる事を匂わす発言を愛衣がしている為、このような
バッドENDが全く想像できなかったわけではない。ある意味タイトル回収ともいえる。
しかし、いくらなんでも途中の選択肢が少なく、愛衣と両想いを自覚しながら告白もせずに
いきなり風俗勤務を勧める主人公のネトラセ展開は不快に感じた。想定外も甚だしい。
風俗堕ち展開は3人ともに存在するが、あまりに急転直下の為、全体的に雑すぎる。
改めて確認したら本要素はパッケージやHPそのものでは触れられず、
HPにリンクが乗っているBugBugの記事の末尾に少し触れられる程度である。その為、
本作はこの記事を最後まで読まないと不意打ちで不快属性を投げられる可能性がある。
加えて、記事の公開は発売6日前であり、その時点で予約している人がいたらどうする。
(検索で見る限り他の記事には記載されていないが、確認はしきれないので参考までに)
むしろ明らかに風俗堕展開に力を入れており、なけなしの実用性が集中している。
(BugBugでは「プチ寝取られ展開」との表現だが、全面的にプチ展開とは思うはずがない)
〇システム周りの不具合
事前のBugBug記事を推奨する本作だが、内容についても同様にバグバグである。
画像は本作に付属していた説明書の操作方法であるが、大きな間違えがある。
右クリック・スペースキー→左クリックと同じくページ送り
右クリックは完全に左クリックと同じ挙動の為、誤動作を誘発する。
加えて、メッセージウィンドウの消去やバックログから戻るのに
いちいち右下の各アイコンをクリックする必要が出る。デバッグ、仕事しろ！
プレイ中にクイックロードをするとなぜかタイトルに戻される。
序盤選択肢の3択で使ったときに鬱陶しく感じ、それ以降使う事はなくなった。
共通序盤の鏡のエロシーンを回想すると終了後に、そのまま次の楓子の会話シーンへ
これはさすがによく確認しないと見つからない不具合と思うが、お粗末である。
クリックしたら音声停止する機能が存在しない。個人的には必須機能なのだが、
あったらあったでさらにボイス不足感が増していた気はする。
タイトルの「continue」は「前回の続きから」ではなく「クイックロード」である。
プレイ中のクイックロードがバグってるので、タイトルに戻してこれを使えって事か？
シーン回想の順番が結構めちゃくちゃな為、CGを覚えていないとわかりづらい。
その上、CGも似たようなものが多いので、わけがわからなくなる。順番通りの所もあるが、
プレイの前後半を分割水増ししているシーンが離れて配置されている事も拍車をかける。
小ネタだが、鏡のAVシーンで男優の名前欄が「Man」なのはなぜ？名前つけ忘れか？
加えてCG背景がまんま主人公の部屋なのだが、AVの背景としては不自然すぎる。
最後にエンディングでデバッグが無かったのは、そもそもデバッグしていないという事か。
■まとめ
低い完成度、ボイス節約体制にやっつけNTR展開で見事クソゲー堕ちを果たした本作は
本編全体の尺が短いが故にダメージ自体は控えめなものの、
肝心のHシーンの尺まで短いので、金ドブ感が半端ない作品である。
発売元のCalciteは前作でCGの拡大流用を指摘されていたが、
流用しなかった結果、価格に見合わない薄味となってしまった。
一応フォローしておくと、狙いは悪くなく、風俗堕NTRを積極的にPRしたうえで、
展開を更生成功・失敗で2極化し、Hシーンを改善すれば良作になった可能性はある。
最後に、ニート娘を更生して働かせる前に「お前が働け」と言われてしまったCalciteに、
公式PR冒頭の文を改変し以下の口上を述べる事でこの選評を終いとする。
「これはひどい。スワンけい。
KOTYeの為なら努力を惜しむ。それはブランド名問わず、Calciteも同じ！」
