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2021年総評案1 大賞:Cuteness is justice

【2021】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所
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3: 総評1 ◆kpIy6y/jcA :2022/02/04(金) 22:20:49 HOST:12.242.12.221.megaegg.ne.jp
修羅の国で開催されし闇の祭典KOTYeも13周年を迎えた2020年は、場外ホームランこそ出なかったものの毎月葬者を出し22本ものヒットが飛び出す乱打戦となった。

見付からなければセーフと言わんばかりにルール無用の手抜きが横行し、挙句の果てには歴史に残る場外乱闘まで飛び出した2020年度KOTYeは、胸糞主人公と地雷ヒロインが織り成す絶妙なハーモニーに渾身の自己満ルビを乗せたフルスイングでバットごとボールをバックスクリーンに叩き込んだ『LOVE・デスティネーション』が満場一致でMVPに選出されて幕を閉じた。
また、場外乱闘についても厳格な矜持を示し、『クソゲーとは何か』について改めて考えさせられた一年であったとも言えるだろう。

2021年度は昨年に引き続き、開幕から話題はあれども害を及ぼすような獲物は現れず、ハンター達は束の間の休息を堪能していた。
だが歴戦のハンター達が油断して武器の手入れを怠る事は無い。
雪解けの季節である3月、初の獲物は冥界から届けられた。
使者の名はウグイスカグラの『冥契のルペルカリア』
「可愛いヒロインたちとの幸せを追い求める、青春譚」
「恋焦がれるほど求めてしまう、恋愛譚」
「虚構が織りなす、切なくて恋しい、幻想奇譚」
と謳った本作であるが、その内正しいのは一番下のものだけである。舞台は現実世界で起こった悲劇から逃避する為に作られた幻想世界であり、主要な登場人物の多くは故人であって只の舞台装置の役割である。
安易な救済等は無く、キャラクターを攻略する都度不幸な真実が少しずつ判明してプレイヤーに鬱を刻み込んでいく仕様は青春や恋愛を求めた人には苦痛となった。
とは言え、このメーカーはこういう作風と理解する者も多く、鬱要素を除けば全体的に高品質とも言え評価は決して低いものでは無かった。
『クソゲーとは何か』
今年もこの命題との闘いの幕開けでもあった。

続いて4月にはCalciteの『女勇者と幻想カジノ』が巡回中のハンターにイカサマを見抜かれて御用となった。。
転生ファンタジーとギャンブルゲームとエロを融合させようとした本作であるが、その全てが中途半端だった為、悲惨な合体事故が発生。
まず宝くじに当たった事でショック死して転生という流れが意味不明でストーリーにあまり生かされていない。ギャンブルゲームとしてミニゲームも用意されているが、これもショボくてつまらない。さらにエロは本番が少ない上にCGの使いまわしまで指摘される始末で手に負えない。まるで良い所が無く、これでフルプライスではインチキであると言わざるを得まい。

GWにはevollが『とっても明るい!お嬢様の満喫☆夢のどすけべ生活』で昨年に引き続いて参戦を果たす。
借金苦でバスジャックした主人公が少女の口車に乗せられて、最終的には変態お嬢様3人から凌辱してくれないと警察に通報すると脅されるというシナリオが展開される。
とっても明るいどころか非現実過ぎてどう見ても狂気の沙汰だが、挙句の果てにはヒロインによるHの採点とか、どうやったらこんなシナリオが作れるのか問い正したいレベルである。
勿論絵・塗り・BGM・システムと、どれをとっても安定の低品質でまるで隙が無く、発売から4日間でKOTYeにダンクシュートを叩き込まれたのも納得である。

続けて6月にもSUKARADOGが『家出ギャルを拾ったので育ててみた』でまたもや参戦。
昨年はエロは安定ながら最初からビッチだったというコンセプト詐欺であったが、今年はシステムで攻勢を仕掛ける。音声やインストールの不具合もさながら、『マウスの左クリック以外の操作が出来ない』という新型兵器を投入して来た。低価格帯の抜きゲーで抜きたくてむ物理的に抜けないこの仕様はあまりにも斬新で、右手を負傷した選評者により発売から約一週間で被害届が提出されてしまった。

順調に獲物を狩るハンター達であったが、壮大な延期フラグや過去作の惨状から危険視されていた大型魔獣達との約束の刻が遂にやって来る。お待ちかねの祭の始まりである。
まずはPanacheの『ぱられるAKIBA学園』との対決である。
これも典型的な転生モノで、異世界に飛ばされた際にチート能力を与えられた主人公が、魔王と戦っていた4人の勇者パーティ(ヒロイン)の所に現れ、一撃で魔王を倒す所から始まる。ここまでの演出はムービー等中々の力作であったが、褒められる点はここまでである。
その後は褒美として擦り付けられた荒廃した土地の発展の為にオタク文化を広めようという話になるのだが、国創りとか経済とか設定が粗削りというよりいい加減で強引に話が進んでいく。ヒロインも設定や個性がブレまくり、性格が変わったり膜復活とか支離滅裂。3Pが売りでエロに救いを求めても巨乳なのにパイズリが無いとかエロ方面で悲鳴を挙げる者まで現れた。
一応ヒロイン選択型なのだが、事実上最後の一回以外共通部分と呼んで差し支えなく、個別ルートは最終話のみ。他の内容はエロ以外は消化試合でヲタの女子会程度のもの。残念を箱一杯になるまで詰めてみたような一品であった。

次いで今度は別の勇者一行がハンター達の前に立ちはだかった。だがその正体は勇者という名前が付けられた魔物であった。
魔物の名はキャラメルBOX いちご味の『下戸勇者 ~酒は飲まねど酒池肉林!』。
酒が飲めない下戸だった主人公勇者がボッチでチートになるまで旅を続けていたら他の勇者に魔王が倒されていたので、やる事が無くなった主人公は女だけのパーティ-を作って好きな事やろうというのが本作のストーリー。
この勇者は様々なチートスキルを以てハンター達に猛攻を仕掛けてきた。
まずはアリエヘン等ドラクエを捩ったと思われるパロネタのオンパレードでハンター達に吹雪を浴びせて来る。数打てばどれかは当たるだろうと思ったのかも知れないが、余りに多過ぎると意味の理解に時間を割かれる上、知らないものだと意味不明になる。その数が余りにも多すぎて寒いというより凍えるレベルでもはや極大冷凍呪文である。
これに不自由なシステムが無慈悲な追い打ちをかける。古臭くて使いにくい上に音声バグやフリーズまで完備し、老舗たるキャラメルBOX製だという事すら疑われる始末。
エロはそれなりにあるとは言え、テキストに加えエロシーンまでギャグ方面に走ってしまった事もあり実用性が低く、カカシまで混じる始末。
どこかの大魔王さながら勇者による天地魔闘の構えから繰り出される、テキスト・システム・エロの攻防一体の超技。討伐に当たったハンターからは犠牲者の墓標に二本の線香が捧げられた。

続いて魔王スワンの落胤にて2019年、2020年と連続して次点作を排出したKOTYeのプリンス、ももいろPocketから『ぶっかけ陰陽師絵巻 ~Hなお祓いいたします~』が今度こそ王座を奪取すべく約束の地に降り立った。
もとより大将首との期待値も高く、一番槍の手柄を目指してハンター達は我こそは突撃。発売から二週間足らずで陥落させ、選評者による首見分が行われた。
本作の大まかなあらすじは妖怪によるエッチで変な呪いが陰陽師である主人公の精液で解ける事が分かり、問題解決に当たりながらヒロインと仲良くなるというもの。やや強引さはあるが、そもそもココにシナリオを期待する方が間違いである。
最大の問題点となったのは『手抜き』。普通のCGの一部を使いまわすだけでも酷いが、立ち絵を切り抜いて使うという荒業まで駆使してコストの削減に努めている。見た目のCG数は60あるが、実質的には約半分が使いまわしのハリボテで伝説の銃騎士級と称された。
他に選択肢がノーヒントでCG回収に余計な手間を掛けさせる、服装が何故か現代風、背景が荒いといった地味な嫌がらせ要素に加えてフルプライスであった事もあり、一線級の大将首と認定された。
なお本作は8月末発売の新作でありながら、年間には諭吉10本セットに出されるという怪挙も成し遂げたが、それでも損した気分との声まで挙がった。

大物を狩り安堵していたハンター達であったが、今度は本陣に奇襲の報が入り、慌てて駆け付ける事になった。
奇襲をかけてきたのは歴史原作物で定評のあるインレの『源平繚乱絵巻 -GIKEI-』である。
本作は主として治承・寿永の乱、いわゆる源平合戦を題材とした作品で主人公とヒロイン二人が現代からタイムスリップし、それぞれ源義経、静御前、朧の方としてその時代で役割を演じていく。
過去作同様複数章から成り、タイムリープを繰り返して進行していく。本作は三部構成。第一章は概ね史実通り、第二章は義経生存説の伝承を元に進む。ここまではうんちくの多さとエロの薄さに不満の声はあっても概ね良作とも言えた。
問題点は最終章。ここから呪いや妖怪等が登場し、全く別の作品に変貌を遂げる。前章までにも複数の伏線はあったが、丁寧に積み上げてきた史実は台無し。最終的には超サイヤ人みたいなチートキャラまで登場し、大ボス倒して現代に帰りハッピーエンドである。
元から最後の超展開がお家芸のメーカーではあったが、受け入れられるかは別の問題。これも全体的には高評価の声も多い作品ではあったが、クソ認定されても仕方無いものでもあった。

その後、あまりの見た目の酷さから「見えてる地雷」と注目されていた作品がKOTYeの門を叩く。
新ブランドVanille Macaronの『Cuteness is justice』である。
エルフの王国を題材としたファンタジー世界で、一時期流行したプリンセスメーカーの様な育成(調教)PRGであるが、真っ先にCGのレベルの低さが目を引く。事前公開されていたCGからしてどう見ても商業作品とは思えないレベルで、エロCGから敵モンスターに至るまで同人作品級、下手したら同人の方が上とまで称された。
更にこのゲームには公式HPどころかパッケ、取説のどこにも攻略情報が存在しない。プレイヤーは手探りでゲームを進める他は無く、育成した数値が足りないと簡単にゲームオーバーになる。過去に攻略本が別売りの説明書と称された一般ゲームはあったが、勿論本作にはそんなものすら無く、唯一の情報はBugBugの商品紹介記事で必読とまで言われた。
この理不尽仕様でありながら、数値及び実績によってエンドが分岐し、当然その情報もない。
熱意は伝わって来た、つまらなかった訳じゃない、同人なら許せると擁護する声も散見された本作であるが、最大の問題点はこの品質でフルプライスだという事であり、これについては擁護の声が出る事は無かった。
同じく「見えてる地雷」と称されたママⅡはミドルプライスであったが、こちらはフルプライス。時間を取らないクソと時間を取るクソ。どちらの方が罪深いのだろうか。価格と品質のバランスというものが商品の大事な一要素である事を考えさせられる作品であった。かんばれと生温かい目で見守るファンもいるようであり、第二部ではせめて価格は見直して欲しいものである。

大物討伐の報に湧いて宴を開いていたハンター達であったが、同日に発売されていた別のエルフも獲物として狩られて来た。
獲物はNorth Boxの『エルフのお嫁さん ~ハーレム婚推奨~』
1人でキャンプしていたら何故かエルフの国に迷い込み、エルフの女から魔力(精力)をくれと言われてハーレム状態になるという話である。
異世界ものなのだが、主人公は若返って青年になったおっさんで兎に角ウザく、基本話は食べ物とエロで進む。
異世界に学園とか要らないし、お嫁さんとあるが結婚もドレスも孕みも無い。
エロは悪いとまでは行かないがプレイ内容が似偏っており、誰を選んでもシナリオに変化が無い等で個性が薄く、選評者をして「あらゆる層からのヒットを避ける魔球」と絶惨された。

選評ラッシュはまだ続く。
QUINCE SOFTの『ごほうしアクマとオシオキてんし』が有毒植物である事が報じられた。
1月に発売され、つまらないシナリオと使いにくいシステム、挙動の重さ等で話題になっていた作品であったが決め手を欠き、ギリギリセーフとして見逃されていた作品であったが、挙動の重さの原因を突き止めたハンターによって有毒成分が判明。誤食されないようにと駆除される事となった。
本作は寂れていく温泉街に住む主人公の元に神様が現れ、悪魔を更生させて欲しいと依頼されて一緒に生活していくというお話。
CGやエロは良いが、まずはシナリオが凡過ぎて酷くつまらない。
更生といっても悪魔二人は全然悪魔らしくなく寧ろいい子で、ただいちゃついているだけ。天使も只のポンコツ。地元商店街の連中は主体性の無いクズで、主人公の適当な案で簡単に客が増えていく。要はヒロインの色気でお客さん集めて活性化しようっていう凡なお話。
前作までとライターが変更になっており、その内の一人がママⅡのライターだった点も影響しているのかも知れない。
システムもセーブ・ロードの際にいちいちポインターで動かなければならず、地味なストレスを与えて来る。
最後の挙動の重さについてが最大の問題で、フレームレートが無制限となっており、PCに強烈な負荷をかけるものだと判明したのである。現状では不具合の報告は上がっていないものの、PCクラッシャーとなる可能性を否定出来ない以上、危険物として駆除されても仕方あるまい。

祭の締めは魔王の落胤の片割れCalciteの『ニート娘を更生させよ!~性技があれば生きていける~』が勤める事となった。
ニートを更生させるニート更生員となった主人公が、ニートの娘三人をエッチなご褒美で更生させようというのが大まかなストーリーである。
本作はミドルプライスなのだが、その総容量は脅威の302MB、プレイ時間にして5時間前後である。この時点で伝説の魔物共を彷彿させるが、その中身も期待を裏切らないものであった。
シナリオは選択肢は最低限で、分岐の基本は恋人エンド1~2と風俗堕ちエンドである。だが、容量削減の為にヒロインとの交流等日常シーンの省略が目立ち、感情移入を困難にしている。
エロシーンはCG40と見た目はギリギリセーフに見えるが、テキストとボイスが極端に少ない。抜きゲーにとって重要なポイントで、抜く暇もなくシーンが終わってしまっては元も子も無い。我々は聖上では無いのだ。
この酷さでクイックロードとシーン回想に不具合まで搭載し、説明書記載の操作方法にすら誤記がある始末。過去の手抜きゲーと比較しても屈指の一作であろう。

長き祭も漸く終わり、ハンター達は鋭気を養うべく後夜祭の準備に入る。
年末間近にまずはシルキーズの『ふゆから、くるる。』が口火を切った。
本作は四季シリーズとして別メーカーから発売されていた作品であったが、諸事情により最終作はシルキーズからの発売となった。
ライターである渡辺僚一氏は過去作でもそうであったが基本何かを仕込む作風であり、緻密なシナリオと予想を裏切る展開は賛否両論はあれど高評価を受けていた。
今作も一定の評価を受けてはいるのだが、今回は仕込んだモノが悪かった。
学園SFミステリーADVとの看板には偽りは無い。ミステリーと称する以上事前に公開出来る情報は限られている事も理解は出来る。百合については事前情報から推測可能ではあった。
だが、「ふたなり」は流石にどうかと思われる。事前情報との乖離は立派なクソ要素。百合を求めた人、普通のエロを求めた人の双方にとっては地雷認定されても文句は言えまい。

年が明けて残敵掃討期間である1月の中旬にはCIRCUSの『D.C.4 Plus Harmony ~ダ・カーポ4~ プラスハーモニー』が打線を繋ぐ。
本作は一般作品として発売されていたダ・カーポ4にエロを追加した作品である。原作は高評価であり、過去にも一般作品にエロを追加して発売した事はあったが、今作はそのエロの追加の仕方に問題を抱えていた。
一般部分をそのままにして最後にオマケ程度のエロを追加しただけなのに加え、そのエロもCGの使いまわしだったのである。CV全替えとか努力した部分は認めるが、肝心のエロで手抜きを行っては移植の意味が無い。原作プレイ済みの人からしたら許されない仕打ちであっただろう。

最終日前日、ハンター達は狩り残しが無いか再確認を行う。その結果、最終日にはもはや恒例となりつつある駆け込み選評が二本、追加選評一本が届けられた。

駆け込み選評の一本目はPrincess Sugarの『プリンセス☆シスターズ!~四姉妹は全員あなたの許嫁~』
エロについては高品質な本作であったが、そのエロを繋ぐシナリオ部分が凡過ぎる上に無駄に長く、空気を超えてゴミと苦痛のレベルに達している事が問題とされた。これを万超えのオーバープライスで掴まされたら腹が立つ者がいても不思議は無い。

続いて下戸勇者の追加選評が投下され、駆け込み選評二本目にして2021年度の締めくくりを勤めたのはDESSRT Softの『彼女(ヒロイン)は友達ですか?恋人ですか?それともトメフレですか?Second』であった。
シリーズ物である以上、前作との比較は当然される訳であるが、本作は前作の問題点であった冗長な展開を短くして改善したのは良かったが、同時に長所であったヒロイン描写までもが削減されてしまった。その分ハーレム描写が強化されているのなら辻褄が合うがそうではなく、結果的に前作から見て劣化ゲーの印象となってしまった。

以上、2021年度のエントリー作16本の紹介を終えた所で、次点及び大賞の結果発表を行いたい。

次点は
『ぱられるAKIBA学園』 (ぱら学)
『下戸勇者 ~酒は飲まねど酒池肉林!』 (下戸勇者)
『ぶっかけ陰陽師絵巻 ~Hなお祓いいたします~』 (陰陽師)

そして栄光の大賞は
『Cuteness is justice』 (cuteness)
に捧げたい。

「クソゲーとは何か」
2021年度は選評者からも「クソ」かどうかについて悩む声が多い年度であった。この命題については未だ明確な解答は得られていないが、納得出来ない「何か」があるからこそ人は不満の感情を抱く。
人それぞれに好みがあり、料理に例えるなら同じ料理でも「美味しい」と思う人がいれば、「不味い」と思う人もいる。美味しいと評判の店に行ってみて「こんなもんか」と思った経験は誰しもがあるだろう。結局はそう思う人が多いか少ないかの相対的評価の問題なのだ。
ではこれをクソゲーに置き換えた時、「クソ」と思う判断基準は何なのであろうか。
当然解答は一つでは無いが、ゲームはユーザーが楽しみたいという動機を以て金銭と時間という対価を支払って購入するものである以上、ゲームの製作者がユーザーに対して行った「約束」、与えた「期待」、そして求めた「対価」を裏切ったモノに「クソ」の烙印を押されるのは当然の摂理であろう。

2021年度のエントリー作はこの裏切りがあった作品が多かった。これは「クソ」では無いと思う作品も多かっただろうが、何かに対する裏切りがあった事は事実である。ならばそれは「クソゲー」と呼ばれる資格を有しているのだ。
それを踏まえてエントリー作を検証した際、次点以上の作品はその裏切り方のレベルが一段上のものであった。

約束の期日を守らなかった挙句、掲げたコンセプトを放り投げて適当なエロを購入者にぶつけた「ぱら学」
ユーザーの事を一切考えず、不自由なシステムと終始一人よがりの寒いギャグを購入者に浴びせた「下戸勇者」
過去作からの反省など一切せず、CGの使いまわしによる手抜きに全力を傾けて購入者に一切の満足を与えなかった「陰陽師」
は次点となるにふさわしい作品だったと思われる。

そして、訴えるコンセプトなど存在せず、ユーザーの事など一切考えず本来必要な情報すら与えず、手抜きと呼ぶレベルにも至らぬ品質の作品をフルプライスでぶつけてきた「cuteness」に栄えある大賞を進呈したい。

最後にデビュー作で至高の冠を戴いた「cuteness」のセリフ、を借り、2021年度KOTYeの締めくくりとしたい。

KOTYe、待っててね
 このクソゲーを終わらせないと
  わたし、選評のためなら何でもするわ
最終更新:2022年02月05日 18:14