608:選評 ホめられて伸びるSR少女たち ◆qWaiYlrR86:2025/08/10(日) 02:09:06 ID:74VVdFFc
タイトル:ホめられて伸びるSR少女たち
ブランド:MOONSTONE Cherry
定価:
パッケージ版:9,900円(税込)
ダウンロード版:9,000円(税込)
発売日:2025/07/25
企画・原案:呉
原画・キャラクターデザイン:日向奈尾
シナリオ:木葉尽 , 泰良則充<おまけパート>
SDキャラクター:まりオイル(SDキャラクター)
ジャンル:愛とエッチでSR少女を伸ばしちゃう❤ADV
■あらすじ
この世には、SR少女が実在する。
スペシャル・レアな女の子──極めて稀ということ。
SR少女……それは世界にたったひとりの女の子。
SR少女は、その特異性ゆえに、自分でも自分が何者かを理解できないでいる。
自分自身に戸惑いがある。アイデンティティに揺らぎがある。
それらを解決するには、“伸びる”ことが必要だった。
彼女たちを伸ばせるのは、周囲の大人とかではなくて。
それは、世界にたったひとりの男の子。
◆
主人公・高遠光希は、日々アルバイトとしてがんばって働いていた。
そんなある日のこと、突然目の前に現れた怪しい人たちに連れられ、『聖マリアンヌ女学院』へとやって来る。
そこで主人公は衝撃の真実を告げられるのだった。
彼もまた、SR──ということ。
◆
「バイトがあるんですけど…」と言う主人公に対して、学園の校長はきっぱりと告げるのだった。
「あなたが本来やるべき仕事は、アルバイトではありません」
「あなたの一番大事な仕事、最も輝ける仕事、それは、SR少女を伸ばすことなのです」
■キャラクター
●天戸原 日乃魅
我々が暮らす地球から遠く次元を隔てた異世界、ローレンタイド。
そのローレンタイドの中心に、天からの子孫がしろしめす(治める、の意)神国アマトが存在する。
日乃魅は、そのアマト国のお姫様だった。
なのだが…。ひょんなことから異世界転生をしてしまい、我々が暮らす地球・日本へと降臨する。
異世界転生の際、元々持っていた妖力を失ってしまい、元いた世界に戻るには、“伸びる”しかない。
そんなとき、学園へとやってきた主人公と出会うのだった。
●冥林 月子
“見えちゃう”女の子。
何を? 幽霊を。
そのせいで日々困って暮らしている。
本来は暗い性格でもないのだが、自身の異能ゆえに、俯いてばかりいた。
本当は笑ったらとても可愛らしいのに、笑うことができないでいた。
自身の異能に折り合いを付けて、素直に笑えるようになるには、“伸びる”ことこそ大事らしい…。
そんなとき、学園へとやってきた主人公と出会うのだった。
●後宮 深果梨
魔法のステッキに人々の想いを込めて、日夜、悪いアクマを退治する。
それが、魔法少女☆ミカリン。
だがしかし…肝心の“想い”が届かない。
“想い”がないと、魔法のステッキも曇ってしまって、ただの棒となってしまう…。
深果梨はこれまで一人で活動を続けてきたが、魔法少女としての更なる活躍には、頼りになる助手が必要…と本人は考えていた。
そんなとき、学園へとやってきた主人公と出会うのだった。
●麓天 音遠
実は主人公の幼なじみの女の子。
幼い頃から、お互い、ほのかに惹かれ合っていた。
ところが、音遠は突然姿を消してしまい、それっきり音信不通となっていた。
主人公もずっと気にかけていたのだが…。
音遠は、将来世界を救うことになる、救世主(メシア)…であるらしい。
もっとも、音遠自身にそんな気はまるでないのだが。
もし、SRとして伸びれば、救世主の自覚も生まれるかもしれない。
そんなとき、学園へとやってきた主人公と再会するのだった。
■問題点
①ゲームを開始してからキャラクターのグラフィックが登場するまで長い
まず気になったのはゲームを開始してからなかなか立ち絵が表示されない事だった。
主人公がバイトに出かけようとしたら黒服から事情を説明されてお嬢様学園で働くことに。
そして校長から世の中にはSRというレアな能力を持つ人間がいて、主人公もSRを伸ばすことのできるSRであるということ。
SRを持つSR少女たちを伸ばすために公務員として働いてほしいと説明をうけ、今より待遇もいいので働く事に決める……という事を長々と説明される。
が、この間黒服も校長も立ち絵が用意されていないためずっと背景だけが表示されているだけである。
一応どれくらいでキャラクターのグラフィックが出るのか時間を計ってみたところ、13分30秒もかかっていた。
大事な導入でこれは致命的だ。
ここまで引っ張っておきながら、ヒロインのグラフィックはなぜかヒロイン視点に移り変わったときに表示されたので印象的な出会いへの溜めにしたいわけでもないようだった。
②抜きゲーの足を引っ張る設定
また、イチャラブ系の抜きゲーにしては設定が重すぎるというのも本作の特徴だろう。
公式サイトやOPなどを見ると明るくエッチなノリなのかと思っていたら、ぜんぜんそんな事はなかった。
異世界から転移して戻れなくなってしまったという設定の日乃魅、魔法少女でアクマと戦っている深果梨はまだ軽めだ。
しかし月子と音遠は設定が重い。
まず音遠だが、目を合わせると魅了されるという能力があり、両親はもともと新興宗教をやっていたが音遠の能力に気づくと利用するようになる。
音遠を教祖に担ぎ上げて信者を魅了して破産するまで多額の寄付をさせていたという過去が明らかになった。
今現在両親は逮捕されて塀の中にいる事が明らかになる。
過去に教祖をやらされていた時のグラフィックをわざわざ用意しているなど無駄に力を入れている。
そして月子だが、この設定が最も問題であろう。
過去に連続少女殺人事件の犯人に誘拐されたが、犯人に殺された幽霊の助言により脱出。
月子の通報により、犯人は逮捕されて裁判で死刑が確定していたという過去があった。
そして現在この犯人は死刑判決後に自殺未遂をして昏睡状態。
月子を逆恨みして生霊としてつきまとっている。
タイトルと公式サイトなどの事前情報からはとても想像できなかった重い過去に面食らってしまった。
しかもこの生霊は常に月子の近くにいると明かされるので、その後のHシーンも描写こそないがどうしても意識してしまう。
月子のシナリオでは主人公にも子どもの頃仲の良かった友達とため池に落ち、自分は助かったが友達は死んだという過去が明らかになった。
③広げた風呂敷の上でセックス
13分30秒もキャラクターのグラフィックを出さずに設定を説明し、抜きゲーとは思えない激重展開をして何をするのか。
それはセックスである。
長々と説明していた設定や、ヒロインの激重展開で忘れていたがこれは抜きゲーである。
主人公とセックスをする事でSRの能力が伸びるので、とにかく唐突におっぱじめる。
タイトルはホめられて伸びると入っているが、実態はタイトルロゴを見るとホのハの部分だけ色が違っていることからわかるようにハめられて伸びるが正解である。
そのためストーリーが展開している時でも問題解決のためにSRを伸ばす必要があり、ストーリーの途中で唐突にセックスする。
日乃魅の能力が伸びて異世界への扉を開こうとしたら別の世界に繋がってしまい淫魔が出現。
逃げた個体がいて放っておけない。どうする?
→
夜の屋上で月に照らされながらセックスをしておびき寄せよう。
淫魔は間合いに入ったけど絶頂して脱力したから普段通りに動けない。
もう一度絶頂して淫魔をもっと近づけよう。
深果梨とその幼馴染のコスプレ女といっしょにアクマの巣窟になっている廃病院に行ったら閉じ込められてしまった。
コスプレ女とも連絡ができない。どうする?
→
一度セックスしてパワーを補充しよう。
でも前日ヤりすぎてキンタマが痛い。
一度キンタマを舐めた後に本番しよう。
電話が通じそうだったのでかけてみたらコスプレ女がアクマに追われてる。
もう少しでイクから待ってて。
と、絶妙に集中できないシチュエーションが多い。
だがこれは抜きゲーのシチュエーションとしてはまだ理解できる。
しかし理解できなかったのが月子のエッチシーンについてだ。
まず最初のエッチシーンだが、月子と手を繋いで幽霊を見た主人公が気絶してしまい、起こすために月子がフェラをするという導入だった。
ヒロインの一人称視点の初々しいフェラはなかなかにエッチで興奮した。
この導入までは良かった。
だがその途中で何故か主人公の精神世界に突入して幽霊との会話が始まる。
この幽霊は先述のとおり主人公が子どもの頃の友達で、一緒にため池に落ちて主人公だけが助かった事で恨まれているのではと負い目を感じていた。
だが精神世界で会話をする事で負い目が消えて目を覚ますというものだった。
制作者が何を考えているのか理解に苦しむ。
エッチシーンの途中で無関係な主人公の精神世界など見たい人などいるわけがない。
導入がエッチだったのでこっちはズボンを下ろしてシコる気マンマンだったのだがこれでは台無しである。
MOONSTONE Cherryはいち早く射精カウンターの導入をしたり、エロプロデューサーというクレジットがあったりエッチシーンには真摯なブランドではなかったのか。
こちらはエッチシーンがはじまったら射精するために全力でシコっている。
それの邪魔をするようなシナリオ、しかも過去に死んだ友人との会話という重たいシーンを入れてくるとは正気の沙汰ではない。
興奮は一気に覚めてガン萎えしてしまった。
抜きゲーを作るならエッチシーンには真摯に向き合ってほしい。
ポルノの途中に感動ポルノを混ぜないでほしい。
これは単なる構成ミスではなく、抜きゲーというジャンルに対する冒涜である。
主人公が目を覚ました後も主人公はまだ金縛りが続いているので一度射精するまで続ける必要があるとのことでフェラを続けるというようにエッチシーンは続く。
しかしこっちがすでに萎えた後である。
機械ではないのだから一度萎えたものをもう一度盛り上げる事などすぐにはできない。
何主人公だけで気持ちよくなろうとしているのか、と怒りが湧いてしまった。
月子のエッチシーンの問題はこれだけではない。
個人のシナリオに入ると月子には害意をもった幽霊に憑かれていることが発覚する。
鏡に映る幽霊の目をわざわざグラフィックとして用意するくらいの力の入れようで、作風に合わないくらい怖かった。
月子が近づく事ができれば払うことができるが、絶妙な距離を保たれていてすぐにはできないので放っておくことに。
この状態が続く中で始まるHシーンで興奮できるとでも?
どんなにエッチなシーンでもこの幽霊がチラついて集中できなかった。
制作者が何を考えているのか理解に苦しむ。
抜きゲーに求めているのは明るくエッチな展開であり、ホラー要素は求めていない。
幽霊が見えるという設定こそフレーバー程度にあれば充分だが、何故か設定を活かすために頑張ってしまった。
幽霊という設定を活かそうとする事自体は悪くないが、少なくともその正体を連続少女殺害事件の犯人の生霊にするべきではない。
エッチシーンは諸々の問題が片付いてリラックスできる状態で見たい。
少なくとも「愛とエッチでSR少女を伸ばしちゃう?ADV」で求めるエッチシーンにはそれを求めている。
また、ここまでエッチシーンに異物を混入させておいてストーリーの最後はあっさりしている。
異世界からやってきた日乃魅は、SRを伸ばしても結局もとの世界への門を開く事なくこちらの世界に残る事を決める。
月子はずっと憑いていた生霊が遊園地で楽しそうにしているのが我慢できずに襲いかかってきて数行で自滅。
深果梨は自分のファンの女の子の父親についていたアクマを数行で払う。
音遠にいたっては救世主という設定こそあるが、何から救うのか全く回収されない。
昔両親に人を魅了する力を宗教に利用された過去で自暴自棄になっていたが、主人公と子どもを作ることで自覚を持てるようになるというテーマらしきものはあるが、いまいち納得感はない。
抜きゲーにシナリオを求めるなという声もあるだろうが、だったら抜きゲーで余計なシナリオを展開しようとしないでほしい。
④最終的にハーレムとなる一本道のストーリー
ここは賛否両論分かれる部分ではあるが、個人的には否の感想だった。
というのも各ヒロインのストーリーで恋人として結ばれるというのを4回繰り返す事になる。
一人のヒロインと恋人同士になりイチャラブした後に他のヒロインに乗り換えるというのがどうも受け入れられなかった。
前作も最終的にハーレムに合流していたが、設定やストーリーから納得感はあった。
だが本作はヒロインとエッチをしながらお互いに結ばれていくというものだ。
特に日乃魅は異世界に戻らずこちらの世界で主人公と一緒になると決断し、主人公もそれに「ずっと愛し続ける」と約束する。
だがその後別のヒロインのストーリーに入るのは心苦しさがあった。
■まとめ
抜きゲーにしては設定にクセがありすぎる。
シナリオにこだわって作りたいのであれば終わり方が雑すぎる。
個別のストーリーと最終的にハーレムに合流するストーリーがマッチしていない。
と、結局何がしたかったのかわからない。
自分は発売前から公式サイトなどの情報で月子が一番気になっていたから集中できないエッチシーンがとても多かったのはとても残念である。
問題点として挙げた一部のHシーン以外はちゃんと実用性があるし、ストーリーを見なければ途中の月子のエッチシーンも使えると思う。
スキップでHシーンだけ回収すると割り切って買う分には問題ないと思う。