2012年3月5日〆 図書紹介文
200914029 平中隆義
- 図書名:『ツキの波』
- 著者:竹内一郎
- 出版年:2010年
- 出版社:新潮新書
- 要約
運は良い場合であっても悪い場合であったとしても終わりなくその状態が継続し続けることはありえない。人ひとりにある運の量は性別、年齢を問わず同じであり、また、起こる幸運が必ずしも人一人の運によって引き起こされるわけでもないことについて述べている。(121字)
第2章 直感は考えた末に出来上がる
麻雀を用いて説明しており、点棒のやり取りではなく「運」のやりとりであると解説している。麻雀にアガれるのは「運」が関係しているがその運は前章でも述べたとおりで皆同じためそのサイクル獲得のためのやり取りの末に直感は生まれるとのべられている。(118字)
第3章 勝利は終末への第一歩
「運」の総量が一定ということは幸運な事象の連発は確実に不幸のサイクルに突入する前兆である。世界は常にプラス+マイナス=ゼロという傾いた天秤は最終的に水平に保たれるという理によって成り立っていると述べられている。(105字)
第4章 ヒットを打つよりフォームを固めよ
野球を例に上げ、ヒットを狙い相手に合わせた対応をするのではなく、自分のフォームを崩さず自分のポテンシャルを活かすことが重要である。なぜなら相手に固執すればするほどに相手の策に嵌りやすくなるからであると述べられている。(108字)
第5章 心理は市民社会の外にある
この章では、丁半賭博や政治を用いて大きなルールの中に見えないルールが働いており、これを踏まえた上でことを成さなければ流れを変えられてしまいかねない。世界は常に二律背反であると述べられている。(95字)
第6章 「運の達人」たちに学ぶ
昔の偉人たちを用いて運を自在に操るという分けではなく、自分の感性を磨き、感を鋭くすることこそが真髄である。負け慣れると負け続きになるので負ける可能性の高めの賭けは絶対にしないことが結論であると述べられている。(104字)
- 紹介文
この本は賭け事のみに留まらず、人生にも「ツキ」を制することは大きく影響を与えた。要するに人間誰しもベースとなる「ツキ」の量は一定であり個人差は存在しない。そこで優劣を分けるのが情報力と感性である。この二つがかけていると不運のサイクルに取りこまれてしまう。逆に二つを備えていれば幸運のサイクルに巡り合える確率が上昇するといえるのである。結論として勝てる人は引き際を見つける「感」の強い人である。
この本は勝つことに執着している人にこそおすすめしたい。なぜなら私自身がパチンコなどの賭け事において情報収集こそ欠かなかったが勝つことにより視野が狭くなり引き際を見つける「感」が鈍くなることは何度となく経験しているためこの本の効果は確実にあると断言できる。もしその「感」を取り戻したいと思うのであれば一読の価値ありと進言する。
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