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某催事場

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某催事場 04/12/01

  二代目の五百円テントウムシ懐中時計が文字通り空中分解したので慌てて羽根螺子頭本体と部品を拾い集めてみたが、バネが足りない。そのまま組み立ててみると羽根がゆるゆるになって開きもせず閉まりもせずだらしなくかちかち鳴る。もう駄目かと思ったりバネになるものを仕込めばよいと思ったりしながら迷い込んだ何々祭と銘打った催事場の店、懐中時計の一角にテントウムシが集団で居た。すわ三代目かと考えたが一匹千円なのであり、段々値段が上がってゆくのが情けなくて、三代目は諦め長方形の革に腕時計の本体のみを植え付けたようなキーホルダー型の懐中時計にした。いかにも適当に作られた安物感溢れる印象が気に入り、またベルトの壊れた腕時計を流用交換出来るので本体ごと紛失しない限り飽きない筈だ。

  変り種の蝋燭を色々と売っていて、格別蝋燭が好きというわけではないが造形の妙に感心したくなるから変り種蝋燭が並んでいれば眺めるのだが、白眉はビールキャンドルであった。柔らかいラインのタンブラーで下三分の二は黄金色に透き通っていて正しくビールであり、上三分の一は白色泡が表現されていてその中央から芯が飛び出している。よく見ると黄金色の底まで芯が伸びている。透明の蝋でビールが表現されているのは斬新に思えた。点火すれば泡から消えてゆき時間が経てば経つほど温く不味いビールそのままの姿で燃えてゆくであろうと想像したら可笑しくてならない。

  余りにも写実的な動物の縫包があった。例え毛皮がその動物のものではないにしろ顔まで写実的に作っては剥製にしか見えない。剥製と縫包の境界はどこで線を引くべきなのだろうか。関節が自由に動いて思い通りの姿態を取らせることが出来る縫包であったならばこちらの思い違いであるが、売物に手を触れるのが憚られ、また写実的な顔も不気味だったから努めて気にしない素振りをしていた。

  喫煙室は建物の外に在ったが、基本的に休憩所だ。禁煙領域と喫煙領域は一応隔てられてはいるものの基本的に同じ空間であり、空間とは建物に添って横に長く天井と外側がガラス張りになっており、吹き付ける風は冷たい癖に陽は燦々と差しているからすなわち温室なのであって、暑いどころの騒ぎではなく、蒸す。堪らないから外に出たら凍えて一瞬動けないのであって、Calgary空港が再現される。

 
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