レザード「ああ?」
そんな学校があり、まともに機能していたのも、今では1週間前の出来事だ。
その実態は、ミュータントとかを作成するやばい組織の研究所だったわけで、そのデータを消そうとしたら、うっかり学校の設備まで全て使い物にならなくしちゃった。
そして…………
レザード「おい、それでどうすんだよバカ彩月」
レザード「この学校、移動装置すら安物使ってたせいで時空間からの脱出も出来ねぇぞ」
そう、出られません。
いつものように
時空の渦を出すのは『世界の中』だけで、名無シ超人学園は時空間にあるわけ。
移動するには移動装置で一気に射出するのみです。
が、電気設備が止まった結果、これも動かなくなり……修理しても無駄でした
彩月「こんなクソみたいな学校で、今どきクソみたいなサバイバルとか……最悪すぎでしょ」
レザード「他人事みたいに言うんじゃねーーーッ!!テメェのせいでこんなことになったんだろうがこのスカタンっ!!」
『第2章』
『超人彩月サバイバル』
…………
ということで、完全に機能を失った学園内から出られなくなった彩月と生徒達。
彩月「うっわ………電話は当然繋がらないし、
マガフォンもねむ姉んところに置いてった」
レザード「異常を感じてレスキューを待つしかねぇのか………」
彩月「せめて通信機さえ作れればと思ったけど、いくらカービィでもメカ作りは出来ないからさ……」
レザード「一応飯は確保できる、能力者のおかげで綺麗な水もある、水道までは止まってねーしな」
彩月「とは言っても……ただでさえ設備がカスみたいなこの学校で、いつまで持つのやら……… 」
彩月「てか、他の皆は?」
レザード「まだ寝てる、っつーか俺が寝かしている」
レザード「この空間で最も節約できる行為は睡眠だからな」
彩月「なるほど」
レザード「言っとくが俺はサバイバル能力はお前より上だ」
レザード「逃亡者としていつ如何なる時でも活動及び休息ができるように、理想のパーソナル・スペース作成に力を入れているんだ」
彩月「よくもまぁそれだけの事を堂々と言えるものだね」
レザード「黙ってろクズ」
彩月「じゃあ今回貴方にほぼ任せるけど、何したらいいわけ?」
レザード「安定する寝床、食料、それと体温を調節できるもの……あとなるべく発電機になるものが欲しい」
彩月「寝床に関しては問題ないとして……問題は食糧難だよね」
彩月「ここ、全然保存食とかないし……一応コピー能力で野菜とかは作れる感じはするけど」
レザード「ああ、パックご飯はあるにはあるが、せいぜい1ヶ月程……それも目覚めてない奴が多いことを含めての計算だ」
彩月「あの時ちゃんとピザが頼めれば………」
レザード「この学校は何を加工してんのかは知らんが変な米みたいなやつばかり出てきたからな……あれに比べれば食えるならなんでもいいとはなる、だが…」
彩月「パックご飯でなんとかなるにしたって栄養偏るからね……何日ここに居ることになるか分かんないし」
レザード「移動装置を直そうにもコイツもデパートの玩具レベル、手を出したところで安全が確保されたわけでもない」
彩月「じゃ、何を作るの?」
レザード「……資源が鉄である分島とかでサバイバルするより面倒だな」
彩月「もう1回電気浴びせる?」
レザード「悪化するからやめろ」
…………
しずく「あ、彩月ちゃん……えっと、その」
彩月「ホント巻き込んですみません先輩、まさかこの学校の設備がこんなにもカスだったとは思わなかったんです。」
しずく「う、うん………それで、寝ている人はまだ目覚めないの?」
彩月「う、うん……およそ800人あまり、この学校の7割がね……」
彩月(逆に言うと3割も非ミュータントがいるんだなこの学園……)
(この学園はミュータントを能力者として育成している )
彩月「それでしずく先輩、今悩んでることはね……… 」
しずく「ん……食料?ああ……それなら大丈夫だよ!」
彩月「え?」
しずく「ここの能力者さん……別のクラスにベジッタって人がいるんだけど」
彩月「何そのどっかの戦闘民族の王子みたいなネーミングのキャラ」
……
ベジッタ「しゃあっ!!」
しずく「全身から体液の代わりにスムージーが出るの!」
彩月「うわ気持ち悪ッッ!!どんな野菜だよ逆に病気になりそうだよ!!」
レザード「この際贅沢は言えねーけどな………」
しずく「うん、あとはおべんとボックスが復旧されるまでの間……」
彩月「お……おべんとボックス?」
しずく「うん、さくら組には無いんだけど……自動でお弁当を宅配、制作してくれる機械があるとか……」
彩月「………」
………
彩月「どうよ先生」
レザード「この学校にしてはまだマシな構造をしてるな……多分外部の人間が作ったんだろ」
レザード「しかも作り自体は単なる転送装置……弁当を作ってここに送ってきてる奴がいるわけだ」
しずく「じゃあ、そこに連絡を取れれば……!」
レザード「無理だ、直ったはいいが座標が一切わからん」
レザード「今こうしてホカホカの弁当が届いたのはいいが、俺としてはコレが本当に食っていいものなのか心底怪しい」
彩月「さくら組には無いのが逆に怪しいし、ミュータントが食うような飯だからね…」
しずく「ミュータント?」
彩月「あっこっちの話」
………
レザード「そういえばお前、今更だがなんでこの学校に来たんだ」
彩月「今聞く?うちのクソみたいなバカ神に立て直すように実質送り込まれた形だよ」
レザード「それがこんなことになるんだからお前もお前で疫病神だな」
彩月「
時空犯罪者にそれ言われたらおしまいだよ、本当に」
名無シ超人学園生活
5日目。
………
彩月「食料はなんとか確保出来た……一応まともな弁当が届く」
レザード「が、それじゃまずいんだよな……能力者が昨日1人凍死した」
彩月「確かロウソク体だっけ、火が消えたら死ぬヒトカゲよりデリケートなやつ」
レザード「そろそろ冬場だ、ヒーターも暖房もストーブも止まってる今、学校内はマイナスの寒さに到達するぞ」
彩月「トカゲなら冬眠しといた方がいいんじゃないの?」
レザード「バカ言え、トカゲ顔とウロコがあるだけで八割が人間だ」
………
レザード「火に関しては能力者はカスみたいな火しか出せないから期待できん、原始的に火を起こしてそこから………」キコキコキコ
しずく「………あ、あの、レザード先生」
レザード「なんだ、俺見ての通り忙しいんだが」
しずく「あの、えっと……その体とか……能力とかに、一体何があったのかなって……確かに今する話じゃないとは思いますけど………」
レザード「ん……そうだな、いや、今でいいか、人が少ない分話せるのは今ぐらいだな」
レザード「俺も、お前らみたいに能力者とかがゴロゴロいる世界で生まれた、なんか突然変異だったんだな」
しずく「じゃあ、トカゲの体なのも」
レザード「いや、頭イカれた男がイグアナをファックして生まれたのが俺らしい」
彩月「既に経歴が凄まじい」
レザード「で、生まれてからの俺の能力というのが、お前らも知っての通り血を水鉄砲みたいに飛ばせることだった」
レザード「つっても、水みたいに垂れるだけだったから肉体改造や機械を使用してようやくレーザーみたいになったんだがな」
しずく「えっ、それってつまり……」
レザード「ああ、俺の世界もお前らと対して変わんないレベルのカス能力者ばかりだったよ」
レザード「その中の貴重な有数は
正義の味方ごっことかしてたもんだ、組織もいっぱいあった」
レザード「昔は俺もレザートリガーとか呼ばれて……いや、これはいいか」
彩月「その世界にマシな能力者はいたの?例えばいちばん強いヤツとか 」
レザード「さあな、1番強いは思い浮かばないが、一番人気で一番ムカつくやつなら知ってる」
レザード「名前は『
グローリースター』、時空進出はしてないがそのうち出てくるだろ」
彩月「グローリースター……ふーん、どんなヒーロー?能力は?」
レザード「俺の知る中では最も効果が強いやつだったな……能力は『催眠』だ」
しずく「さ……催眠?」
レザード「そ、対象に催眠をかけて意のままに操るとかそういう奴、グローリースターは定期的にかけなきゃならんとはいえ完全に人心掌握していたよ」
彩月「貴方は効いてないわけ?」
レザード「あいつは人気の為と女にしか催眠をかけない、だから俺みたいなのは微々たるものだよ」
レザード「というか、金と女遊びと名誉にしか興味無い、ある意味人間らしい奴だったからな」
彩月「ナンバーワンの正義のヒーローなのに」
レザード「ま、ヒーロースーツさえありゃヒーローになれるくらいレベルが低かったからな」
しずく「その人は今何してるの?」
レザード「知らね」
レザード「いつだったか、俺に金の無心してきて、あしらおうとしたら銃で撃たれそうになって逃げたら、民間人を殺した殺人犯扱いだからな」
しずく「えっ、じゃあレザード先生の犯罪って……」
レザード「もちろん俺はやってないが、どうやら死んだのはガチらしくてな、逃亡生活を余儀なくされた」
彩月「それでマジモンの犯罪者になっちゃ世話ないよね」
レザード「うるせーお前も同レベルじゃ」
………
レザード「で、それがどういうわけかこんな能力者共の学園でサバイバル生活って……」
彩月「ま、暖房くらいなら有り合わせを加工して暖炉くらいは作れるよね」
レザード「暖炉が出来たはいいが燃料がねえぞ」
彩月「この辺りに燃やせそうなものあったっけ?」
しずく「火事防止で全部燃えにくいように出来てるから……」
レザード「ま、普通はそういうもんだよな……アルコールもねえし」
彩月「せめて石炭になりそうなもんでもあれば………」
レザード「おい、よそのクラスに穴掘れる能力者とかいないのか」
彩月「いるっちゃいるけどミュータントだから目覚めてない」
レザード「役立ずしかいねぇのかこの学園は」
………
しずく「とりあえず、いらなくなった古着とか持ってきたけど………」
レザード「気休め程度だが、これで少しは暖かくはなるか」
彩月「もうどうしようもない奴らが死に始めた以上、死活問題だからね」
レザード「こいつら義務教育や生活していく上での必須スキルもなしにこの学校きてたんかよ」
しずく「ここ、結構設備が充実してたから………」
レザード「ちっ………学校全部を暖めるのは無理だ、可能な限り外出ないように放送かけろ!」
彩月「なんかポストアポカリプスとかゾンビパニック物みたいになってきた 」
レザード「立場的には似たようなもんだろ!」
……………
彩月「ああ………しずく先輩布団みたいな感触で気持ちいい」
しずく「う……それ褒めてるの?」
彩月「スライム化が役に立ってるってことだから褒めてる」
しずく「ならいいけど………ところで彩月ちゃん、神葉先生見てない?」
しずく「もうここで暮らすようになってからずっと見てないんだけど」
彩月「え、ミツキ先輩?そういえば見てないかも……」
………
レザード「生徒総数約1200人……ミュータントおよそ数百人、システムダウンと共に心肺停止、ほぼ死亡……非ミュータントの突然変異もこの環境に耐えきれず死亡者続出」
レザード「なんてヤワな能力者共だよ、これと同じレベルでいきがって楽しいか?」
レザード「グローリースター……ここから出たら、またぶん殴るためにあの世界軽く寄ってみるかな、あれから何年も経ってるしな」
レザード「…………あれから、マジで犯罪者になっちまったけどな」
………
彩月「あ、居た、ミツキ先輩」
ミツキ「………桜井か」
彩月「どこにいるだと思ったら、やっぱ地下ですかー」
ミツキ「ああ………」
彩月「なにか探し物?データ消せって言ったのは先輩だよー?」
ミツキ「全部丸ごと消せとは言ってないがな」
彩月「それはそう」
……………
彩月「研究員を探してる?」
ミツキ「そうだ、この地下で研究していた人間達を見ていなくてな」
ミツキ「この学校の設備は全て止まっている、自力で脱出出来る小物でも持ってなければ出ることは不可能だ」
彩月「で、見つかったの?」
ミツキ「現状は1人も」
彩月「じゃ、持ってたんだね………クソ、やっぱ仕留めておけばよかった」
ミツキ「………」
ミツキ「俺の組織にはそんな技術はなかったはずだ」
彩月「んーー………じゃあ隠してたんじゃないの?わりとあるよ、そういうの」
ミツキ「…………」
彩月「時空って、わりとそういうのありふれてるから、ミツキ先輩悪いわけじゃないし」
ミツキ「ただの小学生だったらこんなこと言われてムカつきたくもなるが、これまでの件からお前はどう考えても普通扱いは出来ん………」
………
ミツキ「校内の方はどうだ」
彩月「暖房・水・食料はなんとかなったけど気休め程度」
彩月「私にも責任ってもんはあるから頑張って外部への通信手段を作ってはいるけど凄い上手くいかないわけ」
ミツキ「お前でも無理なのか」
彩月「ん、地下に行けばマトモな設備があるかと思ったけど、まるで昭和のテレビみたいに不安定な電波を使ってる」
彩月「これに関しては手抜きというより高等なスパイ防止法なんだけどね、ハッキングや解析を避けるためにわざと古い機械を使うって時空じゃ珍しくないんだって」
彩月「その分メンテナンスとか面倒だけど……くっ!ミツキ先輩こそ組織に連絡は?」
ミツキ「いや………反応すらしない」
彩月「ミツキ先輩は無能ってわけじゃないから見捨てられる事は無いと思うのに」
ミツキ「組織も全リセでそれどころでは無い……と思いたいところだが」
彩月「ん、きっとそうだよ」
………
レザード「で、あいつもあいつで連絡手段を取ってたわけか」
彩月「うん……アルカナも死んじゃったし、労働力が無くなってきてまずいんだと思う」
レザード「あの分身能力のやつか……耐えきれないやつ多すぎだろ」
彩月「いや、このサバイバル空間で酷使されすぎて過労死だって」
レザード「もしかしてこの学校バカみたいな極端しかいないのか」
………
サバイバル生活1ヶ月目
彩月「これが結末のない世界とは信じられないほど追い詰められていく、雰囲気では感じられないけど結構追い詰められている」
レザード「日光があるから太陽発電は出来るし発狂もしないが、時空の渦が作れないってだけでこんな不便とはな」
彩月「ってかあのバカ神は何してんだ、もう1ヶ月は私が遭難してるってのに探しもしないのかよ、誰がアンタの世界救ってやったってんだ」
レザード「俺がそのバカ神の立場ならそうやって文句タラタラ言ってる時点でまだ余裕あるなって思うけどな」
彩月「この時ほどカービィのコピー能力を有難いと思った日は無いんだよ、マジで」
レザード「………そういやお前、どうやってここに来た?」
彩月「え?普通に時空タクシー」
レザード「そのタクシーの番号は」
彩月「ほい」
レザード「よしこれで………クソが!悪徳なタイプじゃねーかよ!!」
彩月「しょうがないじゃん、一応私小学生だから金そんなに持ってないんだよ」
レザード「マジで八方塞がりじゃねーか………こうなったら逆にエンジョイ路線で映画を観れる環境でも作るか……?」
彩月「やめろってほんとミュータントのリソースも欠けてきたんだから」
彩月「ついにしずく先輩も栄養失調で倒れ始めたんだから、もう1週間近くでケリつけないと私ら3人しかのこらなくなるんだよ!」
レザード「なにがおべんとボックスだ!!最近はちっともうまくねえし栄養すらないただの模倣食材だったじゃねえか!」
彩月「さすがミュータント……あんなの食って生きていんだなぁってなるわ」
レザード「お前を初めとしてさくら組は人間が多いからな、あれがないのも納得だ」
彩月「これ作ったヤツ訴えてやりたいけどその前にくたばりそう」
レザード「俺はこんな所でテメーと心中するなんてゴメンだ」
……
彩月「冗談抜きにしてしずく先輩を始めとして普通の人達がもう限界だ」
レザード「というか、俺らが普通に動いているだけでも奇跡だよな」
彩月「まぁ、それも今のうちだけ……前にレザード先生が言っていたパックご飯の貯蔵も底を尽きた、動物なんか飼ってないから飯が本当にない」
レザード「俺のシッポはまずいから食うなよ」
彩月「トカゲのしっぽとか食い始めたらもう人間として終わりだから、カービィでも食べないよ」
レザード「カービィ……カービィ!!」
レザード「あ!!」
………
彩月「え?ワープスター?」
レザード「そうだよ!!お前は能力のコピーが出来るんじゃなくてカービィっぽいことならなんでも出来るんだろ!」
レザード「そいつで空を飛んで別世界に行けるんじゃないのか!」
彩月「あーはいはいワープスターね……その発想はなかったわ、確かに前スターロッドとかきらきら星とかやった記憶はあるけど………」
彩月「来い!!ワープスター!!」
彩月「でいいのかな、正直どう呼べばいいか分からないしやったことな」
【ドゴォ!!】
彩月「…………」
レザード「……………」
彩月「来たァァァ!!!」
レザード「マジで来やがった!!」
彩月「まさか本当に来るとは思わないじゃん!!」
レザード「最初からこれ使えばよかったじゃねえか!!」
彩月「…………で、乗ったはいいけど!」
彩月「これどうやって操縦すんの!?」
彩月「カービィとか当たり前のように乗りこなしてるけど、どう乗ってるのか全然分かんないんだけど!」
レザード「バイクみたいにならんのか!」
彩月「なるか!!ハンドルもブレーキも無いんだぞ!!」
彩月「筋斗雲みたいにいけるかと思ったけど、全然ピクリともしないし!」
レザード「そりゃお前の心は邪悪そのものだからな」
彩月「そりゃお前も同じでしょ!!」
彩月「動きなさい!このポンコツ!!動けっての!!」
レザード「てかそいつ何が燃料で動くんだ」
彩月「桜井政博さんに聞け!!」
………
30分後
彩月「と……とりあえず念じたら浮遊は出来た……」
レザード「おい、マジでそいつが頼りなんだぞ、しっかりしろ」
彩月「うっさい!行っとくけどこれで別世界行けるかも怪しいんだからな!」
彩月「オラッ!!発進!!」
キーーーン!!
レザード「………やっとうるさいのが消えたか」
……
ガシッカジッ
ミツキ「何をしている」
レザード「決まってんだろ、穴掘ってんだよ」
ミツキ「それをしてなんになる」
レザード「一説によるとな、時空間ってのは自然に繋がることもあるっていう、神隠しとかもそうか」
レザード「地中なら別世界に繋がる……ってこともあるんだよ!」
ミツキ「お前一人で行く気か?」
レザード「あのバカが上からなら俺は底からだ!」
…………
2時間後
レザード「でかい穴は出来たが世界突き抜けるところだった」
彩月「居けども居けども進まず壁に激突した」
ミツキ「何故このバカ二人が五体満足で生き残ってしまったのか………」
彩月「でもこれでひとつ分かった、この世界は通常に比べて特殊ってこと」
彩月「世界を行き来できるはずなのにそれが出来ないって、箱庭的な閉鎖的な世界なんだよ」
レザード「だったら話は決まりだな」
ミツキ「お前まさか」
彩月「サバイバル生活はもうやめだ!!」
レザード「この方が俺達には性に合う!!」
レザード「破壊祭りだ!!」
ミツキ「おい!」
彩月「大丈夫!!外にやってくるから!!」
ミツキ「そういう問題では無い!」
レザード「しゃあっ!!ブラッドレーザー!!」
カンカンカンカンカンカンカ
レザード「本当に途中で弾かれるな」
彩月「だから言ったでしょ、ガラス張りみたいになってるって」
レザード「血のレーザーすら弾かれるってなるとちょっと面倒だな」
彩月「なら、やっぱ私の力だよね………そのアーム、思いっきり私をぶっ飛ばすこと出来る?」
レザード「なるほど、ストレス解消にももってこいだな!くらえ!!」
バビュン!
ミツキ「外への被害は大丈夫なのか!?」
彩月「何回こんなことやったと思ってるの!」
ミツキ「待てお前何回も世界を破壊したことがあるのか!?」
彩月「クラッシュ!!最大規模!!」
ンボボボボボボ!!!
………
プルルル
彩月「あ」
カチ
【おい!彩月!聞こえるか!!お前1ヶ月以上半何してんだ!そろそろ俺が鈴蘭に殺される!!】
彩月「…………はぁ、やっと繋がった」
【は?】
………
【お前それ………メイドウィンを必要としない電動世界の昨日全停止したら、そりゃ遭難するに決まってるだろ】
彩月「何電動世界って!?時空も全部止まったらやばくなるようなもの造らないでくれる!?」
【普通はハッキングして権限
リセット出来ないように出来てんだよ!】
彩月「ってことはメイドウィンがその世界を捨ててたみたいな状況だったのな……いやマジで危なかったんだ………」
【お前の話で言うミュータントも、電動世界から元に作成された生物だな、世界が停止したらそら生物も停止するだろうさ】
彩月「………つまりこれ全面的に私のせい?時空犯罪ひっかかる?」
【………まぁー引っかかるっちゃ引っかかるが、どうせお前のことだ、どうにかして誤魔化すんだろ】
彩月「私に対する信用が一切ねえなお前」
【なんでもありのホムンクルスって分かっちゃなー】
レザード「えっ」
彩月「うん、言ってないけど私も人間じゃないから」
彩月「まぁそれは後にしてちょっとどうにかならない?体調不良者とか多いし………」
彩月「………これでも私はあなたの世界の人間だ、私にも責任があるっていうならそれなりには果たす」
【まあ心配はいらん、時空犯罪者なんて誰でもうっかりなっちまうものだし、時空の前科は通常の罪より重くない】
【にしたって、電動世界を外部から無理矢理させて、それでサバイバル生活っていうのもネタになるしな】
彩月「………それはそれとして」
【分かっている、この世界を誰が作ったのか、組織のこととかな】
彩月「………
神葉ミツキ先輩はいつの間にかいなくなってる、レザード先生も開通してからトカゲの尻尾切りのように消えてった」
彩月「実はね、消したんじゃなくてデータを全部移しておいたの、これを提出する」
彩月「せめてしずく先輩を救いながら………ためになることをしたい」
【………いや、なんかこっちも悪かったな、ダメダメ能力者の矯正を頼もうとしたら、まさかミュータント培養施設とは思わなかった】
彩月「ん……ま、結果的にはオーライだよ、それでね……もうひとつ頼みが」
…………
たくっちスノー「で、彩月に言われた通り来てみれば………なんだこのタイムカプセルみたいなの」
たくっちスノー「絶対にドクロ丸で斬れって言っていたが………」
たくっちスノ「たあ!!」
【流石にこの空間で無能力者は生きていられないと思ったから、私の友達をそこに入れていたんだ】
アズ「う………うう……」
たくっちスノー「なっ………マジでどうかしてるぞ、桜井彩月………」
【彩月超人学園】
本当に終わり
最終更新:2023年05月20日 16:36