「足りない」
始まりとなったのはその一言であった。
時は
たくっちスノー時代、誰もが時空を超え、既に世界というものが1つの国程度にちっぽけになるほど開拓が進み、時空間の設備も発達した時代。
全時空特殊警察連盟、通称『特盟(トクメイ)』。
いつどんな事が起こるかも分からない今の情勢を守るため結集された彼らは、ある資料に頭を悩ませていた。
現在七実は退場し1名欠番状態…残りの一枠を誰で埋めるか、という状態のまま長らく討論となり、やがて1つの結論に至った。
____
「で?前置きはいいとして、それで俺が呼ばれたわけですか」
たくっちスノーは生まれて初めて特盟本部のある世界に来ていた、もう
時空犯罪者扱いではない自分は二度とここにお世話になることはないだろうと思っていたが、そうでもなかったらしい。
彼がここに呼ばれた要件はただ資料を見ろということ、それだけ。
ただしこれは特盟総掛かりによる脅しでもあった、『これはお前も無関係ではない』というもちろん今の時空の状況を考えれば重要極まりない案件ではある、だが、その重要さは『七実が抜けた今』という前提での話。
「足りないのは分かってる」
過去にも1度リストは変わっている。
「代替え案として俺が加わるとは別にまあ…こういう役は慣れてるからいいと思っていた」
「でもこれは事情が違いすぎるだろ」
今と昔では事情が違う。
この区分が決められたのはまだ世界観を超えられる存在が限られていた時期の物。
誰もが善にも悪にもなって、どこにも安全が保証されない今では事情が大きく変わってくる。
【3人では足りない。】
このあまりにも広すぎる場所の危険を発信するのに最上級が3人というのはあまりにも数が少なすぎる。
時空犯罪者 この1文だけで語られている彼らは確かに過去の歴史から見ても常識の外の存在であり、誰もが恐れ、誰も想像つかないような事を平然と行う力を持つ彼らだが今はもうそれに輪をかけて複数の悪が台頭している時代でもある。
「足りないって…」
「まあいいたいことは分かるよ………本当は理解したくないんだけどな」
「でもこれ」
「多くね?」
資料というより白い紙に徹底的に塗りつぶされた汚れという感覚。
1ミリでも多く無駄にせずなるべく1枚に残しておきたいという徹底的なこだわり。
本当なら何枚も紙を用意したかったのだろうが出来なかった。
そこまで大人数を列挙してしまうと、もはや価値が薄れてくるのだから。
その上で必死に何よりも危険な存在をリストアップしたのだ。
紙を手に取った瞬間、全時空規模の治安維持組織に底知れぬ同情を感じたのも無理もない。
そして、これを見て記憶し、それを周囲に知らしめなくてはならない自分自身にも。
『
時空三大犯罪者』改めて『時空危険帳簿』
資料に書いてあるのは案の定、各地これまでのトラブルで知り合ってしまった身内ばかりだが、そうでない人間も数多く居た。
既に死亡した存在や除名された自身も影響力からか勝手に加えられてしまっている、いい迷惑だ。
+
|
これが、新たな高ランク時空犯罪者の中でも危険とされる『時空危険帳簿』の一部だ |
【結末を無くした者】シャドー・メイドウィン・黒影 本名カーレッジ・フレイン 故人
【正義の悪役】たくっちスノー
【元祖革命団】ボーマン
【正体不明】石動惣一
【時空の殺人鬼】鑢七実 故人
【真実の元凶】シュバルツ・バルト 本名マイクル・ゼーバッハ 故人
【最低最悪の無法者】音ノ小路奏
【究極天才】スターアベネス
【2代目魔トリョーシカ】ダリア
【英雄の悪魔】MX
【カーレッジの落し子】エルケー
【時空最古の天才科学者】ドクター・ジルトー
【史上最強の魔王】ブリザード
【エノルミータ首領】マジアベーゼ
【ヒーロー狩り】ガロウ
【超銀河ヒーローランキング1位】FU 本名ジェス・パディスト・6世
【機械王朝トジテンド】ボッコワウス(故人)
【龍を継ぐ男】悪魔王子
【平行世界のたくっちスノー】白狐
【冥王】木原マサキ
【ダイヤモンド・ファング】ウィル・ファング・アンデルセン
【ヒール・オブ・クロノス】ほねクッパ
【最低最悪の王】スウォルツ
【アンチェイン】ビスケット・オリバ
【正義商人】ピポクリッター
【新たなる時空の意志】うつろ様 本名 前田勇気
まだ、増える可能性あり。
|
最終更新:2024年04月19日 16:52