「その文字が読めますか?」
「そ、そりゃあ……母国語だし」
はっと我に返り、疑惑丸出しの視線で
ルネを睨み付ける
舞人。
だが、ルネの表情に「引っかかった~」などと馬鹿にするような色は見えない。
むしろ、どちらかといえば喜びとか希望とか、そういう単語が似合うような表情だ。
「やっぱり伝承は本当だったんですね……」
「な、なんかアリガチな単語が聞こえたけど、伝承って……」
「その呪文書に記された文字を読めたものはこの魔術大国の中では誰一人存在しません」
「こんなファンタジーな世界に日本語が読める奴がいることのほうがびっくりだ」
「ですが、これを理解したものが国外に一人だけいます」
「は?」
「それが勇者アシュレイの末裔、
勇者ルーシィです」
「ルーシィ?」
舞人の2メガバイトの頭脳は、つい数分前の話をすでに忘れているようだった。
「魔王討伐に向かったフォスタリアの勇者です」
「ああ、
魔王にボッコボコの返り討ちにされたやつか!」
「……仮にもこの世界の勇者相手に、ひどい言いようですね」
「お前の『仮にも』ってのもなかなかにひどいと思うぞ」
「……こほん」
「誤魔化すなよ」
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最終更新:2007年05月04日 14:46