ぐろすてとかぶるくんの帽子とは、
くろすての2021年3月30日・31日の2回の夜の放送で
南柏が話した物語である。なお、作中に出てくる人物と実際の人物との関係は全くないので注意。作:南柏
本文
ある日、温泉旅行にハムちゃんずみんなで行き、夜温泉に入ることに。皆がワイワイ風呂に入っている中で、
かぶるくん[?]の姿が見当たらない。
どうやらかぶるくんは風呂に入るときは帽子を脱がないといけないので、恥ずかしくて脱げないようだ。かぶるくんは脱衣所で困っている。
そこへここの温泉の従業員である「ぐろすて」がかぶるくんを見かけて「どうしたの」と話しかける。
かぶるくんは「帽子を脱ぐのが恥ずかしくて風呂に入れないんだぞ」と言う。ぐろすては自信をつけさそうと一生懸命かぶるくんの説得に試みる。
10分以上の葛藤の後ようやくかぶるくんは納得し帽子を脱いで風呂に入る。ぐろすてはかぶるくんの帽子を脱いだ後、にやりと笑った。
かぶるくんは最初は恥ずかしがって物陰に隠れていたが、それを見かけたハム太郎が話しかけ、かぶるくんは恥ずかしさを忘れてバスタイムを楽しんだ。
問題はバスタイムが終わった後に起きた。なんとロッカーに入れていたはずの帽子がなくなっているのである。
ちなみに他のハムちゃんずの持ち物はすべてそろっている。かぶるくんの帽子だけがなくなっているのだ。
ハムちゃんずみんなが協力して脱衣所中を探したがどこにも帽子は見つからなかった。
脱衣所を出たところにぐろすてが立っていた。ぐろすては右手に何かを握っている。
かぶるくんは「ねえ僕の帽子知らない?」と問いかける。ぐろすては「君の帽子?とっくに加工したよ」と答える。そして握っていたものを見せる。
なんとそこには小さな雑巾になったかぶるくんの緑帽子があった。これは確かにかぶるくんの帽子だ。かぶるくんは言葉を失った。
ぐろすて「帽子は俺が貰ったよ。この雑巾狭いところを掃除するときに便利だからなあ。がっはっはっ」。かぶるくん「そ・・・そんな・・・」
かぶるくんは泣きだしそうになる。その瞬間、ぐろすてはかぶるくんの体を左手でつかんだ。
かぶるくんは抵抗しもがくが、ハムスターが人に叶うわけがない。手も大きなぐろすての指の中に入り、全く身動きが取れない。
ぐろすては、雑巾になった帽子を置き、ズボンのポケットから緑色のサインペンを取り出す。いったい何が始まるというのか。
他のハムちゃんずはドキドキしながら言葉を失う。ぐろすては油性ペンのキャップを取り、それをかぶるくんの頭の方向へ向ける。
「ふふふ。帽子の代わりに俺が毛に緑色のペンで帽子のように書いてあげる。じっとしておきなさいじゃないとうまくかけないから。」
ぐろすては頭にペンで書き始める。しかしかぶるくんは暴れられる限り暴れる。そのため、うまくかけない。そのまま5分がたった。
ほら、描きあがったよ。鏡を取り出しかぶるくんに向ける。他のハムちゃんずは唖然とする。そこには衝撃な姿があったのだ。
確かに遠目で見ると、緑のインクは帽子の形に確かに描きあがっているように見える。しかし、少し近づくとその光景は一変する。
かぶるくんが暴れたため頭にはムラが残り、しかもいかにもペンで描きました的な構図となっている。本来帽子で隠れていない部分にまで散乱している。
これは見るに見れないようなみっともない姿であった。ついにかぶるくんは泣きだしてしまう。ハムちゃんずにまで泣き出すハムがあらわれた。
かぶるくん「なんで、なんで・・・こんなの嫌なんだぞーーー!こんなの夢だ!夢だぞ!」。しかし、夢ではない。正真正銘現実である。
ハムちゃんずの皆が口々に「かぶるくんに何するんだ!」などと言うが、ぐろすてにとってはどこ吹く風。かぶるくんはついに手から解放される。
かぶるくんは泣きながらハムちゃんずの元へ向かう。ハムちゃんずらは全力でぐろすてに口論するが、ぐろすては無視してバックルームに入っていった。
とりあえず、ハムちゃんずはかぶるくんを慰めながら彼らの客室に戻る。かぶるくんはずっと泣き続ける。
そして次の日、かぶるくんは朝食のひまわりの種を食べる気にもなれなかった。チェックアウトの時、対応した従業員はぐろすてであった。
ぐろすてはニヤリと笑いながら「ふふふ、またお越しくださいね。」と言った。ハムちゃんずはお土産すら貰う気になれない。
タイショーくんが「もうこんなとこ絶対に来ないじぇ!」と言い。ハムちゃんずはホテルを去る。
ハムちゃんずはその後観光する予定であったがこんなことが起こったら到底できるはずもない。一同は地下ハウスに帰った。
かぶるくんはその後、そのショックから倒れこんでしまう。ハム太郎は、かぶるくんをねてるくんの横に静かに寝かせる。
2日後、かぶるくんは完全に回復した。油性であったためサインペンのインクはなかなか取れず、ずっと念入りに協力しながら洗った。
その後、かぶるくんは飼い主の待つ家へ帰る。飼い主はかぶるくんから事情を聞くとひどく悲しんだ。
かぶるくんは2週間の間地下ハウスに姿を見せなかった。2週間後、かぶるくんは地下ハウスに久しぶりに姿を見せた。
かぶるくんは緑の帽子をかぶっていた。どうやら、飼い主が新しい帽子を作ってくれたようだ。かぶるくんが見せる久しぶりの笑顔。
その後、ハムちゃんずの作戦会議が始まった。その内容とは、ぐろすてへ仕返しするという内容である。この後どのような展開となるのか。次回2話、お楽しみに!
ハムちゃんずはある話を聞いていた。それはぐろすては今大流行中の千葉が舞台のアニメ「翔んで千葉」の主人公である
チーバくんを溺愛しており、
それを見るとたとえ仕事中でも我を忘れて熱中するという話である。そこでハムちゃんずは協力して大きなチーバくんの絵を描いた。
1週間後ハムちゃんずは針とチーバくんの絵をもってぐろすてが勤務する西横インのホテルへ向かった。フロントへ入ると奥にぐろすてが見える。
ハム太郎はニヤリと笑った。皆はぐろすてへ向かい、正面にチーバくんの絵を広げる。するとぐろすては座り込み絵をまじまじと眺めこむ。
その間にハムちゃんずはぐろすての後ろへ回りいっせーのでさした。ぐろすてはトムのような叫び声をあげ飛び上がる。
そしてぐろすては土下座し「ごめんなさい!でも俺がやりたくてやったわけじゃないんです!実は、実は・・・」ハムちゃんずは息をのむ。
ぐろすて「実はここのホテルの上の人が俺へ向かいかぶるくんの帽子を脱がしてこいと言ったんです。反論しましたが給料を0にすると脅されまして。」
そこで渋々やってしまったのです。本当に申し訳ございませんでした。少し待っててください。皆さんにお渡ししたいものがあります。
ぐろすては暫くすると手に何かを持って出てきた。「これは皆さんへの高級ひまわりの種詰め合わせと次回無料になる宿泊券です。」
「上の人は何とかしますので、これでぜひまた西横インへお越しください。最後にかぶるくん、本当にごめんなさい。こんなことをしてしまって・・・!」
ハムちゃんずは納得できない部分もあったものの、ホテルを去った。しかし出口の外に虫かごと小さな檻を持った例の上の人が立っていた。
その人はニヤリと笑い、出てくるハムちゃんずを待ちかねている。ハムちゃんずは話をしながら出口から外へ出た。
その時だ。虫あみが勢いよく振り下ろされ、かぶるくんが捕らえられた。かぶるくんは小さな檻に閉じ込められ、例の人は奥へ走っていった。
例の人は「実は俺は1匹のメスハムスターを飼っているのだが、その子がかぶるくんに一目ぼれをしてしまった。しかし帽子は大嫌いで外してほしいとのことだ。」
メスハムスターは檻に閉じ込められたかぶるくんへ近寄り「あたしあなたが好きなの。子供を作りたいの」と言う。かぶるくん「ええ・・・」
例の人は「おいかぶるくん、この子の希望をかなえてあげなさい。さもないとまた帽子脱がす。」と言うが、かぶるくんにそんなことができるはずがない。
かぶるくんはまだ子供。子供を作る能力はまだないのだ。そんなかぶるくんが希望をかなえることはできない。かぶるくんは帽子を渡すことを覚悟した。
その時だ。西横インの社長が部屋へ駆け込む。「お客様に無礼な行為したのはお前か。今すぐクビだ。明日からもう来なくていいぞ。」
その後社長はかぶるくんに「ごめんな、うちの社員がこんなことをしてしまって。本当にすまない。」と言った。かぶるくんはまだ言葉が出せない。
例の人はメスハムスターの願いを叶えるためにそのような許すことのできない暴挙に出たというのだ。しかもまだ子供のかぶるくんにだ。
かぶるくんはメスハムスターに「ボクはまだ、子供を作れない。だから君の願いを叶えることはできないんだぞ。」という。その後かぶるくんは檻から解放された。
かぶるくんは社長の手に乗り、ハムちゃんずのもとへ帰った。社長がみんなへ事情をすべて説明するとハムちゃんずは納得し、笑顔になった。
ハムちゃんずは皆で笑顔で帰っていった。例の人はその後、警察のお世話にまでなったとのことだ。1か月後、ハムちゃんずは西横インへやってきた。
今回はぐろすての温かいおもてなしもあり、かぶるくんも皆も楽しく過ごすことができた。しかし、ぐろすてはかぶるくんに対してはまだ気まずいようだ。
しかしかぶるくんが「もう気にしなくていいんだぞ」と歓迎してくれた。「なんて優しいんだ・・・」とぐろすては言う。
これでこの話はおしまいだ。めでたしめでたし。
関連項目
最終更新:2023年04月06日 08:40