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第一話;サイカイ】

二年生に上がって間もない日曜日、親から転校を告げられた。

母親と死別してから、親父は仕事が忙しくなり、たまにしか家に帰ってこなくなった。おかげで俺は適度に放任され、自分のことは自分でするようになった。
部活にも打ち込んだ。特に空手が好きな訳じゃなかったけど、自分を変えたかったんだ。
小学生の頃俺は微[ピザ]で運動神経ゼロのいじめられっ子だった。
たった一人庇ってくれる友達が転校すると、俺は自分の力で生きていくために男子校に入って空手を始めた。


「転校…」

たった一人の友達を奪ったのは【転校】だったからたぶん俺は転校って言葉に少し敏感なんだ。

「とりあえず前向きに考えるか…このまま部活で先輩に気に入られてアッーーーな展開望んでるわけじゃないし…」


数日後、新しい高校の編入試験にも合格し、引っ越しは正式に決まった。

「しかし埼玉とか遠すぎだろ。」

「『稜桜高校』か…」

もう、昔の弱い俺じゃないとは言え、新しい人間関係は心が変な感じがする。怖さとわくわくでグチャグチャになりそう。

つい朝四時に起きてしまった。仕方なくネットサーフィンして時間をつぶす。

「そろそろ行くか…………あっ飯食ってない……」

初日から遅刻は目立ちすぎる。いじめられて学んだことは『目立たないこと』だ。

とりあえず、学校までの道があやふやですwwwww

これは俺と同じ制服を着てる奴見つけてスネークですね大佐!

…前の学校の制服でしたね、俺…。


「あの…すみません…稜桜高校までの道教えてください…」

はい、遅刻です。


金髪の先生「担任の黒井や。男君…だっけ?初日に遅刻とはやるなーま、とりあえず教室いこかー?」

男「はい…すみません…」


黒井先生「…という訳で初日から遅刻して来た勇気ある男君や。男君挨拶しーや?」

男「名前は男です。今日は道に迷って遅刻してしまいました、すみません。まだ越してきたばかりで地理も分かりませんがこれからよろしくお願いします。」


青い髪の少女「…ほーぅ初日に遅刻とは…ポイント押さえてるねぇ…ん……おとこ…?」

青い髪の少女と目が合う。

男「………?!(似てるってレベルじゃねーぞ)」

黒井先生「じゃあ男の席はあそこなー」

窓際に座る青い髪の少女とは反対側…廊下側の一番後ろの席を、先生は指差した。

席に向かって歩くとき、もう一度青い髪の少女を見た。…瞬間目が合ってしまいすぐに逸らした。

心の中の恐怖がわくわくに押しつぶされた。何かが始まりそうな感覚。
隣の席の男が「よろしくな!男、今日は…」とか何とか言っていたが耳に入らなかった。(白石という名前は授業の後聞きました。)

午前の授業が終わった。

また目が合うのが怖くて黒板の方を見ながら考える。

『そういえば朝飯食ってないんだった…購買とかどこにあるんだろう?』

男「あのさー購買とかってどこにあるの?」

白石「おっ俺も行くから一緒に行くか?」


1――「おー行くわ。」
2――「いや、場所だけ教えて。」

※セーブ不可です。

男「おーじゃあ行くわー」

ちょうどいい。白石にあの青い髪の少女の事を聞いてみよう。それにしても腹減った。

白石「おい、急ごうぜ!売り切れちまうぞ!」

男「お、おう」


購買部は白石の言った通りものすごい混んでいた。

男「調理パンがほとんど無い…」

白石「ほら言わんこっちゃない」

そう言う白石の手にはラストの焼きそばパンが握られている。

男「お前…まぁいいや。菓子パンしかねーな…」

白石「菓子パン嫌いなのか?」

男「いや、そう言う訳じゃないけど今日朝飯食ってなくてさ…」

白石「そうか、今日遅刻してたもんな。」

?「じゃあチョココロネにしようか、主人公!」

男「みょっ?!」

しまった…驚いて変な声が出てしまった…

青い髪の少女「君はかなり才能がある!転校生、遅刻、そしてその優柔不断そうな女顔!ギャルゲの主人公としてはなかなかだよ!!」

男「えっと……?…君は……?」

青い髪の少女「だから、人類チョココロネ計画に参加すべきだと私は思うんだ。」

男「……うん、分かった。チョココロネ買うから。」

青い髪の少女「よーし!じゃ一緒にご飯食べようか!!あっ牛乳忘れないよーに。」

男「はぁ…(でも丁度よかったかもな。)」



白石「…………おーい…………………。」

E組の教室に入ろうとすると向こうから紫色の髪でツリ目の少女がやってきた。


ツリ目の少女「ん、こなた、隣の人は?」

青い髪の少女「聞いてよかがみん!ギャルゲの主人公だよ!!」

ツリ目の少女「意味が分からないわ。それと『ギャルゲ』とかフツーに言うのやめなさい。」


…ツリ目の少女は『かがみん』と言うらしい。少なくとも今俺の隣にいる人間より常識があるようだ。
教室に入ると、ピンクの髪のめがねをかけた少女と、紫色の髪のリボンをした少女がこちらを見て微笑んでいる。

しかしさっき、かがみんさんが言った言葉を俺は聞き逃さなかった。

…………………こなた…………。

予想が確信に大きく近付いて、空腹も合わせて、少し胃が気持ち悪くなった。

ピンクの髪は高翌良みゆき、リボンは柊つかさと言うらしい。

そして…青い髪の少女は泉こなた…小学校のときの唯一の友達…はっきり言って髪の長さ以外変化が見られない…

一通り自己紹介が終わると、俺は気になっていたことを聞いた。


男「かがみんさんはE組じゃないよね?」

かがみん「かがっ!!」バチャ!!
かがみんさんは変な声を上げてお茶をこぼしてしまった。

男「大丈夫ですか?!」
かがみん「私の名前は『かがみ』だ!『柊かがみ』!!」

こなた「エフッ…エフッ…wwwww」

みゆき「ふふふっ」
つかさ「あはははっ」

かがみ「こなた!わらうなー!」

こなた「なんで私だけ…」

男「なんか…ごめん…」

かがみ「いや、男は悪くないわ、でももう『かがみん』はやめて。それとクラスは別よ。」

男「オス。」

こなた「かがみんはねークラス違うけどいつもうちらとご飯食べるんだよねー」

こなた「友達がいn…」

かがみ「こなたっ!」

こなた「ごめんごめん、ウソだよかがみん。」

みゆき「それにしても男さんの昼ご飯は、どうして泉さんと一緒なんです?」

かがみ「どーせこなたが強要したんでしょ?」

こなた「いやいや、男はギャルゲの主人公だから女の子の言葉に振り回されるのさっ!」

男「えーと…食べてもいいでしょうか?」

つかさ「はうっ?わたし先たべちゃってたよ!みんなもたべようよー男君も」


俺がチョココロネを食べようと袋を開けると、こなたがじーっとこっちを見ている…


俺「えーと………何?」

こなた「なんでもないよーニヤニヤ」


意味が分からず、とりあえずチョココロネをたべるとこなたが言った。


こなた「つかさ派かー!」


もう、意味分からん\(^o^)/


チャイムが鳴ってかがみは自分の教室に戻っていった。

授業中、隣の白石が話しかけてきた。


白石「ヒソひどいじゃないかー!俺を置き去りにしてこなたについて行きやがって!!ヒソ」

男「(完全に忘れとった)ヒソすまんすまん!こなたにムリヤリ連れてかれたんだ!ヒソ」

白石「ヒソいいよなーお前は…俺なんか毎日コキ使われて…ヒソ」


なんか白石がブツブツ言い出すと、気付いた先生が白石を差した。
スマン、俺の身代わりとなって立派に散ってくれ…!

もう授業も終わる。
今日は色々疲れたからまっすぐ帰ろう…


1――帰ろうぜ白石!
2――こなたと帰ろうかな…

さてと…授業も終わったし帰るか。
今日はこなたと帰ることにした。
別に変な感情はないが、とりあえずこなたに確認したいことがある。
『こなたは俺の事、覚えてないのか…?』
こなたの素振りは、少なくとも俺の事を幼なじみとして扱っている様には見えない。
仕事(?)がある、とか何とか言って白石は急いで教室を出て行った。


こなた「おーい、男ー」

男「ん?」

こなた「私たち帰りにいいとこ寄っていくんだが、一緒にい か な い か?」

男「うん、ヒマだから着いてく。(私たちってさっきのグループかな…)」

こなた「おkwwwww!」


ゲマズ…まぁだいたいの予想はついていたがやっぱりか…
みゆきさんとつかささんは入り口付近で待っているが、意外なのはかがみさんはこなたと一緒にゲマズに吸い込まれていった。


みゆき「私たちの事は気にせずに男さんは行ってきていいですよ?」

男「うん。(余り興味無い方だが…)2人はいいの?」

つかさ「私きっと迷子になっちゃうよー」

こなた「男ー」

みゆき「ほら、呼んでますよ?」

男「あ、うん。」

みゆきさんは家の方角が違うと言うことでゲマズを出ると別方向へ帰って行った。
柊姉妹、こなたと共に電車に乗った。俺の降りる駅はこなた達の降りる駅の隣の駅だった。


つかさ「えっ?じゃあ電車の距離を歩いて来ちゃったの?!」

男「うん…」

かがみ「それは遅刻するわね。」

こなた「ところで男は家にパソはあるかい?」

男「あるよ。何で?」

こなた「実は貸したいゲームがあるのだよ。時間あるなら家まで来ないかい?ニヤリ」

かがみ「またそーやって人を巻き込もうとする!男も断っていいのよ?」

男「いや、家帰って結構ヒマだから借りようかな?」

こなた「ほらほら、男はその気だよー!」

かがみ「むぅ…」


俺はこなた達と同じ駅で降りた。

柊姉妹の家は途中だったので2人とは別れた。


かがみ「じゃあ、また明日ね。」
つかさ「ばいばーい!」


こなた「さてと…それじゃあ行きますか!」

男「うん。」


話をしながら、こなたと二人で歩くなんて何年ぶりだろう、と考えた。こなたが引っ越して行ったとき、もう二度と会えないことを覚悟した。だからこうして歩いていることはもう記憶の中にだけ封じ込めていた。


こなた「ついたよー」

男「あ、うん。お父さんとかいるんじゃない?突然来て大丈夫?」

こなた「居ないみたい。平気だよ。」


こなたは自分の部屋から大量のパソゲーを持ち出して来た。


こなた「とりあえず、これとこれとこれとこれとこれとこれとこれはオススメだよ。あとこのオンラインゲームもやってね!」

男「ほとんどエロゲーじゃないか!」

こなた「いやいや、むしろ泣きゲーだよ?」

男「カバンがパンパンなんだけど…」

こなた「それは夢が詰まっているからですよ?全部やって会話の中に散りばめられたフラグを拾っていけるようになるんだよ、主人公!!」


限界まで膨らんだカバンを背負い、俺はこなた邸を後にした。


『こなたは…俺の事気づいてないな…』
『会話のフラグって…お前が気づいてないだろ。普通家にいるのは父親じゃなく母親だろ?』
『まぁ…でも気付かないなら仕方ないな。お礼位言おうかと思ったけど、こなたはちゃんと仲のいい友達が居て…』
『友達(こなた)が幸せならそれでいいかな。』

そうじろう「ただいまー」

こなた「…」

そうじろう「こなた?」

こなた「…あっ!おっおかえりー!」

そうじろう「どうした?」

こなた「何でもないよ!寝不足でさー」

そうじろう「そうか…?」

こなた「うん。」


『見た目は変わったけど、やっぱり…男だよね…。』
『もう会えないと思ってた…これってフラグかな?』
『私の事気づいてないのかな…』
『なにも言わずに引っ越したから怒ってるのかな…?』
『でも男、明るくなったなー』
『男が幸せそうならそれでいいかな…』
『男が…私の事気づいてくれるまで…待とう…。』



誰も気付かない所で、小さな亀裂が入り始めた…。

一週間ほど過ぎて、新しい高校生活にも慣れてきた。
俺は自分から話すタイプでは無いので、白石みたいな話しかけてくれる奴はありがたい。
クラス内に男友達も何人かできた。

こなた達はどうやら完全にグループで、他の友達と居るところは余り見ない。
かがみさんは自分のクラスに中学からの友達が居るようだ。


つかさ「ねえねえ男くん!」

男「ん?何?」

つかさ「明日からゴールデンウイークだよねっ!みんなで遊びに行こうって計画してるんだけど男くんも一緒に行かない?」

男「うん、ヒマだし行ってもいい?」

つかさ「よかったー!じゃあ場所決めるから今日うちで話そー!」

男「了解です。そういえば今日来てないけど、こなたは?」

つかさ「うーん、多分遅刻だよ。もうすぐ来ると思うよー」

男「そっか。」


『ネトゲーだな…てかフラグとかいう言葉が頭をよぎった俺はずいぶんとこなたに侵され始めてるな…』

昼休み。
こなたはいつの間にか教室に居た。


こなた「おーとーこー」

男「どうした?」

こなた「『どうした?』じゃない!教えたネトゲーやれよー!」

男「なぜやってないと知ってるんだ?」

こなた「昨日あたりログインしてくるかと思い張り付いていた。」

男「遅刻するほど張り付くな!」

こなた「いやーギャルゲを同時進行してたら止まらなくてさー」

男「お前は…あ、そういえばつかささんがさっき言ってたけど…」

こなた「ゴールデンウイークの計画かい?」

男「うん。」

こなた「あーそれだけど私行けないなー」

男「なんで?」

こなた「今日は前々から予約してたギャルゲの発売日なのだよ!初回特典のストラップはnot for sale!」

男「お前…」

こなた「そう言うわけで行き先は頼んだよ!私としてはゲマズがいいな」

男「日課じゃないか…」

放課後。
言葉通りこなたは一目散にゲマズに走っていった。


つかさ「こなちゃん後で来るかなー?」

男「どうだろ?買ったゲームをいち早く楽しむんじゃないか?」

つかさ「うーむ…それにしてもお姉ちゃん遅いね?」

みゆき「そうですね。委員会でもあるんでしょうか?」

つかさ「こなちゃんもお姉ちゃんも困ったさんだねー」


そうこうしているうちにかがみさんが校舎から出てきた。しかしその顔はどこか浮かない。怒っているようにも感じる。


かがみ「…」

つかさ「おねーちゃん…?」

かがみ「あ…つかさ、みゆき、男。」

男「え…と…大丈夫?」みゆき「どうしたんですか…?」

かがみ「大丈夫よ!ちょっと体調が悪くてね。」

つかさ「風邪ひいちゃったの?栄養いっぱいのご飯作るよ?」

かがみ「大丈夫大丈夫!それよりゴールデンウイーク遊び行くとこ決めるんじゃなかった?」


かがみさんの様子は気になったが、ひとまずいつものかがみさんに戻ったので俺たちは柊邸に向かった。

柊邸、かがみの部屋。

かがみさん、みゆきさんと部屋で待っていると、四人分の紅茶とクッキーを持ったつかささんが現れた。


つかさ「お待たせー」

男「あ、ごめん言えば手伝ったのに。」

つかさ「大丈夫ーそれより見てークッキー作ったの。みんなで食べよう!」


男「クッキー美味しいね。」

つかさ「ほんとー?ありがとうー?」

みゆき「つかささんは本当に料理が上手ですね。うらやましいです。」

かがみ「こなたが居たら一人で黙々と食べてるわね。」

男「こなた…自業自得だな…」


つかさの作ってくれたクッキーを食べながら、俺たちはゴールデンウイーク遊びに行く場所を話し合った。こなたの案(ゲマズ)も言ったがかがみさんにより即却下された。


つかさ「私ちょっと行きたいとこあるんだー!」

みゆき「どこですか?」

つかさ「ちょと遠いんだけどねー東京の『わんこシティ』ってとこ!」

かがみ「あっ、この前言ってたトコね。チーズケーキフェアやってるっていう。」

つかさ「うんー!」

みゆき「いいですねー男さんはどうですか?」

男「なんかテーマパークみたいなとこだよね?いいと思うよ。」

かがみ「じゃあこなたには私から言っておくわ。」

明日の朝は7時に糟日部駅集合と言うことで、今日は解散となった。


みゆき「それじゃあ私は帰りますね。明日は早いですし。」

男「俺も帰るね。」

かがみ「あ、私も一緒に出て買い物してくるわ。お留守番お願い。」

つかさ「はーい。」


かがみさんが買い物に行く方向は駅とは反対だ。俺は…


1――みゆきさんと駅まで一緒だな。
2――かがみさんに聞きたいことがある。

やっぱりさっきのかがみさんの様子が気になる…。


男「あっ俺も晩飯の材料買うから買い物着いて行っていい?ゴトーヨーカ堂でしょ?家との中間地点位なんだよね。」

かがみ「…いいわよ。じゃあ行きましょうか。」
男「うん。じゃあみゆきさん、また明日。」

みゆき「はーい、それでは。」


俺はかがみさんと歩き出した。


かがみ「夕食の支度って、男って家事とかするの?」

男「あ、うん一応。うち母親いないし、父親も仕事で家にあんまり居ないからね。」

かがみ「…そっか…変なこと聞いてごめん。」

男「あっ大丈夫だよ!それより買い物なんてかがみさんも晩御飯作ったりするの?姉妹で料理出来るなんていいね!」

かがみ「…私は料理全然出来ないわよ。」

男「…なんかゴメン。」

かがみ「まぁおあいこね。」

かがみ「…」

男「ところでさ…その…さっき何か落ち込んでるみたいに見えたけど…何かあったの?」


かがみさんは一瞬考えるみたいな表情になったがすぐにこちらに目を合わせ言った。


かがみ「大丈夫よ、何でもないわ。」

男「そっか…まだ会って二週間も経ってないけどさ、俺が力になれることがあったら言ってね。」

かがみ「うん…ありがとう。男って……ん、何でもないわ。」

かがみ「…あのさ!」

男「何?!」

かがみ「私の事『かがみ』でいいよ。」

かがみ「勘違いしないでよ!みんなそう呼ぶのに男だけに『さん』付けられると違和感感じるのよ!」

男「う…うん、分かった(みゆきさんはどうなんだ…?)」


俺はゴトーヨーカ堂で買い物を済ませるとかがみと別れた。かがみはポッキーを買っていた。コンビニで買えばいいのに…
かがみと分かれてしばらく歩くと、こなたからメールが入った。

【from】
泉こなた
【タイトル】
初回限定ゲット!
【本文】
おーす!CRANAD限定版ゲットだぜ!!
うらやましいかい?(=ω=.)
で、明日はどーなったの?


【to】
泉こなた
【タイトル】
Re:初回限定ゲット!
【本文】
ゲャルゲーはともかく、明日は東京のわんこタウンに行く事になったぞ。
朝7時に糟日部駅集合な。
今日はギャルゲーすんなよ?遅刻するぞ。


【from】
泉こなた
【タイトル】
Re:Re:初回限定ゲット!
【本文】
まーかがみんとか怒らせると怖いからなー
男こそネトゲやりすぎて遅刻すんなよー
じゃあ明日(=ω=.)ノシ


男「お前じゃなんだから…」


俺は簡単な夕食を済ませると風呂に入って自分の部屋に戻った。
さて…



1――明日は早いからもう寝るかな。
2――ちょっとだけネトゲにログインするか。





【第二話;ナカヨシ】


六時半。余裕を持って家を出た。
『ちょっと早すぎたな…』
そう思った俺は、自分の家の最寄り駅でなく、柊姉妹やこなたの家の最寄り駅まで歩くことにした。
こなたの家は通り道にはないが、柊姉妹の家は駅に向かう途中通過する。
柊家を通過して、謂われは知らないけど由緒有り気な大きな神社を通過する頃、後ろから声がした。


つかさ「おとこくーん!」


振り返るとつかささんがダッシュでこちらへ向かってくる。少し後ろから、かがみも小走りで着いてくる。


かがみ「ちょっと…つかさ待ってよ!ハァハァ」

つかさ「ほら、やっぱり男君だったでしょ?お姉ちゃん。」


かがみも追いついた。


男「早いね、二人とも。」

かがみ「つかさがね、みんなの分のお弁当作ろうって言うから二人で早起きしたのよ。」

つかさ「おねーちゃん!お昼までヒミツにしとこうって言ったのにー!」

かがみ「あっごめん!」

男「二人ともありがとう。昼ご飯楽しみにしてるね。」

つかさ「うん!えへへ」


つかささんの少し後ろにいるかがみと目が合った。かがみは一瞬、これまで見たこと無いような自然な笑顔を見せて、すぐにいつものツリ目に戻った。

待ち合わせ場所に着いた。時間は五分前。みゆきさんもこなたもまだ来ていないようだ。
七時ちょうどにみゆきさんが走ってきた。俺たちの目の前で自分の足に引っ掛かって転びそうになったので、とっさに抱きかかえた。


男「大丈夫?!」

みゆき「すっすみません…よくやるんです///」

かがみ「…ところで、こなたおそいわね。」

つかさ「うん、私たちと同じ電車かなーって思ってたんだけどねー」


…二十分後、こなたが現れた。

こなた「やあやあ皆の衆。」

かがみ「遅い!」

男「おいこなた…顔が(=ω=.)から(≡ω≡.)になってるぞ…」

こなた「ごめんみんな、いやー昨日ちょっとだけログインしたらレアアイテム拾っちゃってさー祭りになっちゃったんだよねー」

かがみ「はぁ…私、自分の子供があんたみたいにだけは成らないようにするわ。」

みゆき「まぁまぁ、皆さん揃った訳ですし、電車に乗りましょう?」


電車に乗った。わんこシティの最寄り駅は多磨中央駅。九時半位に着くようだ。
ゴールデンウイークだけあって混んでいたが、少し乗るとみんな座ることが出来た。柊姉妹は向かい側に、通路を挟んでこちら側にみゆきさん、俺、こなたが座る。

こなた「いやー男は美少女達に囲まれてまさにsneg状態だねーニヤニヤ」

男「ていうか昨日ゲームするなって言っただろ!」

こなた「男が言う通りCRANADはやってないよ?」

男「おま…」

みゆき「まぁまぁ男さん、こなたさんも悪気があった訳じゃ無いんですし。」

男「…(いや、あるんじゃないのか?)」

みゆき「それよりも私、すごく楽しみなんです。」

男「わんこシティ行きたかったの?」

みゆき「何て言うか、今まで皆さんとこんなに遠くまで遊びに行くことは無かったんです。きっと男さんが来てくれることがきっかけになったんだと思いますよ。」

男「そ…そうかな?」

ふと向かいの椅子を見ると、つかささんはかがみに寄りかかって眠っていた。
多分お弁当を作るために慣れない早起きをしてくれたのだろう。
一方かがみはいつもと変わらない表情でこちらを見ている。
『確かに、かがみは早起き慣れてるイメージあるな…。』

ふと、かがみの切れ長な目が大きくなった気がした。
瞬間、こなたが俺の肩に頭をもたれてきた。
びっくりしてこなたの方を見ると、こなたは完全に爆睡していた。

さすがに(おそらく)徹夜明けはキツいようだ。起こすのは可哀相なので放っておくことにした。

再びかがみと目が合う。かがみは少し目を逸らすと、カバンからカバーの掛かった本(おそらくライトノベル)を取り出し読み出した。

アナウンス「腰ヶ谷~腰ヶ谷です」

人が乗り込んできた。かがみの姿はひとごみで見えなくなった。

わんこシティは室内型のテーマパークだ。
開園は十時なので俺たちは駅を出てすぐのパン屋で軽い朝食を食べた。


つかさ「ふぁー…よく寝たなぁ…モグモグ」

こなた「んー…チェーン店はどこにでもあって便利だねぇ…モグモグ」

みゆき「それにしてもやっぱり東京は遠いですね…モグモグ」

かがみ「…モグモグ」


かがみはずっと本(おそらくr)を読んでいたためだろうか、わんこシティに入るまで終始無言だった。


わんこシティ。

かがみ「あら、室内なのにジェットコースターがあるのね。」

こなた「おやーかがみん、絶叫系は苦手かい?」

かがみ「し…失礼ね!そんな事無いわよ!」

みゆき「それは良かったです!私こう見えてジェットコースターなど大好きなんです!さぁ行きましょう!」

つかさ「お姉ちゃん…」

男「かがみ…その…無理しなくていいぞ。」

かがみ「あなたまで何言ってるの!?さ…さぁ早く乗りましょ!!」


列に並んでいると、みゆきさんが小声でかがみに話し掛けた。
「かがみさん、ジェットコースターは出来るだけ前に乗った方がいいですよ。ジェットコースターは降下する際の力は一般的に重力に頼っています。従ってコースターの前半部分が下りに差し掛からなければ下降は始まらないんです。ですから前であれば前である程体にかかるGは少なくなります。」

かがみ「あ…ありがと、みゆき。」

どうやらみゆきさんの助言のおかげで、かがみは平気だったようだ。

男「かがみ、誰だって苦手なものはあるんだからダメならダメっていいと思うよ。」

かがみ「そんな事っ…!!……そうね…私、もう少し素直になるわ…。」


次はホラー迷宮…お化け屋敷風の迷路みたいだ。
つかさ「あっ…あの…私怖いのダメだから…外で待っててもいい…?」
かがみ「うん、つかさはここで待っててね。」

こなた「おーし、ここは迷路になってるみたいだからさーみんな別々の道行って誰が早く出るか勝負と行こうかー」
みゆき「いいですよー勝負です。」
かがみ「面白いじゃない、勝負ね。」

はじめの分かれ道。
男「俺左行くよー何となくこういう時は左な気がする。」

かがみ「私は男と行くわ。」

こなた「甘いよ男ー!こういう時は右だってクラピカも言ってたよ?」

みゆき「じゃあ私はこなたさんと行きますねー」

次の分かれ道。
男「うーん、なんかしゃくに障るからまた左行くわー」

かがみ「私も…一緒に行こうかな?」

男「えっ…みんなバラバラに進んだ方が面白いんじゃない?」

かがみ「…そうね。じゃあ右行くわ。」


男「何て言うか、つかささんが居るって事は出口出たんだよね…お化け的なものに一度も会わなかったぞ…」

つかさ「あれ、みんなは?」

男「えーと…」

五分経過。
つかさ「みんな遅いね。」
男「多分、俺が早すぎたんだと思うよ…」

つかさ「ねぇ…男君?」

男「何?」

つかさ「…変なこと聞いていい?」

男「えっ……うん。」

つかさ「…」

つかさ「俺君てさ、こなちゃんと仲いいよね。」

男「えっ?」

つかさ「なんだかつい一週間前に会った、って感じじゃないよね…?」


俺は一瞬躊躇った。こなたと俺の関係―――。
多分こなたも気付いてないこと。言ってしまっていいんだろうか?


つかさ「…。」

男「誰にも―――勿論こなたにも、言わないって約束できる?」

つかさ「………うん。」

男「実はこなたと俺は幼なじみなんだ。でもこなたは気付いてないみたい。俺の外見は随分変わったから。」

つかさ「えっ?!…なんでこなちゃんに言わないの?」

男「気付かないなら、それでいいかなっ…て。」

つかさ「そっ…か…。男君が決めたことなんだよね。…うん、誰にも言わないよ。」

男「ありがとう。」

つかさ「それとね」


つかささんは続けた。

つかさ「今日、お姉ちゃんの事『かがみ』って呼んでるよね………なんで?」

男「………!」


俺は、つかささんの鋭さに驚いた。それだけじゃ無く、今のつかささんの発している雰囲気はいつもの柔らかい感じが無い。

男「何か昨日言われたんだ。他人行儀だから呼び捨てでいいって。」

つかさ「…お姉ちゃんに?」

男「うん。」

つかさ「そっか。」

男「うん。」

つかさ「私の事も『つかさ』でいいよ。なんか仲間外れみたいでやだなー」

男「うん、そうだね。そうするよ。」

つかさ「えへっ」


そうやって笑うつかさの顔はいつもの優しいものに戻っていた。
たぶん…俺の勘違いだろう。
確かにつかさだけ『さん』をつけるのはヘンな感じがする(みゆきさんは別として)。


そうこうしているうちにみんなが迷路から脱出してきた。


お腹が空いてきたので、とりあえず昼食を食べることにした。


みんなは、休憩所にあるオープンテラスに座った。


つかさ「じゃーん!みんなのお弁当作ったんだよー」

みゆき「まぁとても美味しそうですねー」

かがみ「今日は私も作ったのよ…ってなに先食べてるのよ!」

こなた「いやー美味しいねーと言うことはコレはつかさのかな?」

かがみ「どういう意味よ!」

男「まぁまぁ、みんなも食べようよ。」


どうでもいいけど、俺のポジションはみゆきさんと同じ位置に成ってきたな…
お弁当はどれも美味しかった。でも明らかに卵焼きはしょっぱかった。


つかさ「チーズケーキ行こうよー」

みゆき「行きましょー」

『天然の人がたくさん食べるのって本当だな』

チーズケーキは全部で七種類あって7つ全部を一個ずつ買ってみんなで食べようということになった。

つかさ「五等分は難しいなー」

男「あ、俺ちょっとでいいよ。」

みゆき「チーズケーキ、嫌いですか?」

男「いや、そう言う訳じゃないけどさ。」

かがみ「じゃあ四等分して、一個を男と二人で食べるわ。」

こなた「ちょっとぐらいじゃ大して変わらないよ、かがみん」

かがみ「うるさいわね、大切なのはダイエットするって気持ちなのよ!」

こなた「少しでも痩せたい女心ですか。」

かがみ「だから、前も言ったけどあんたも女だろーが。」


四人のやりとりを見ていると、何だか心が安らぐ。この四人が仲良くなったのは高校に入ってからだと聞いたけど、本当に気の合う仲間なんだろう。
そんな中に俺が入って良いんだろうか?4人の仲を壊してしまわないだろうか?
この時はまだそんな事は考えられずに、こなたが、昔から知る親友が、楽しそうにしているのを単純に喜んでいた。

つかさ「男君はどれが一番美味しかった?」

男「どれも美味しかったけど、このスフレっぽいのかな?つかさは?」

つかさ「私はフルーツがいっぱい乗ってるやつー!」


俺達はその後、いくつかのアトラクションを楽しんだ。とりあえず犬の着ぐるみがたくさん居た。


五時を過ぎたので、家に着く時間を考えてそろそろ帰ることになった。
近くに動物園もあるらしい。


みゆき「楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいますね。」

つかさ「今度は動物園も来たいなー」

帰りの電車。

よく遊んだ(そしてよく食べた)ので、帰りは俺も含めみんな睡魔に襲われ余りしゃべらなかった。


?「……さん。」

?「男さん?」

男「…ん?」

みゆき「男さん?次の駅で乗り換えですよ?」


気がつくと俺はみゆきさんの肩に寄りかかっていた。


男「あ、ごめん。」

みゆき「ふふふ、お疲れ様です。今日は私達に付き合ってくれてありがとうございました。」

男「い、いやそんな事ないよ。むしろこっちが居て迷惑じゃなかったかなって。」

みゆき「そんな事無いですよ。とても楽しかったです。」

男「よかった。」


みゆきさんはタフだな…電車では寝てないみたいだ。
ふと気付くと左側に違和感を覚えた。
かがみが俺の服の裾を掴んだまま眠っている。

アナウンス「神宿~神宿です」


男「かがみ、かがみ、乗り換えだよ。」

かがみ「あ…うん……あっ!おとこっ!…ごめん!」

男「い…いや、そんな驚かなくてもいいと思うけど…」

かがみ「うん…その…寝言…言ってなかった…?」

男「言ってないよ。どんな夢見てたの?」

かがみ「ばっ…バカ!夢なんて見てないわよ!」

…余程面白い夢見てたんだな。

みゆき「それでは私はこれで。また行きたいですね。」

みゆきさんと別れ、俺達の降りる駅が近づいてきた。今日は疲れたし、一緒に歩いて帰るのはきつい。
柊姉妹とこなたは先に降りて、俺も次の駅で降りた。



家に着いてシャワーを浴びた。
『今日はさすがに飯は要らないな…』
ベッドに横になろうとすると電話が鳴った。


「もしもし、男さんの家でしょうか ?」

男「はい、男ですけど。」

こなた「おー男―。オレだよオレー」

男「詐欺かよ!こなただな。どうした?」

こなた「うん。あのさーちょっと話があるんだけど、明日家行っていい?」

男「えっ…うん。何?」

こなた「宿題教えて。てゆーか写させて。」

男「高校にもなって自分でやるって気は起きないのか?」

こなた「終わってるのだけでいいからさーそれに私がこんなに早く宿題始めるのは奇跡だよ。」

男「お前…もういいや。家の位置分からんだろ。駅まで行くから何時に待ち合わせにする?」

こなた「んー今から今朝録画したハヤテとニア姫に会いに行くから11時位かなー。」

男「分かった。ゲームはすんなよ。」

こなた「ほーい。」

男「クレしんやめて。」

『はー…』
『あいつ、よく俺がもう宿題やってんの分かったな…』
『…部屋掃除するか…』



次の日。
こなたは時間通りに駅に現れた。


男「おはよう。で、何故ゲマズの袋を持っている?」

こなた「男の家にパソコンがあると聞いて。」

男「勉強するっていう、やる気を見せてくれ。少しは。」

こなた「宿題(写し)終わってからやるからさー」

男「全く…」

家に向かって歩き出した。
このとき俺はまだ、こなたの真の目的が宿題を写すことでは無い、と言うことに気付いていなかった。

男邸。
こなた「おーす!…あれ男の親は居ないのかな?」

男「居ないよ。親父仕事だし、母親は居ないよ。」

こなた「えっ…?(おばさん…居ないの?)」

男「事故で死んだんだよ。」

こなた「そか…。ハッ!じゃあこの家には、わかいだんじょがふたりきり!!」

男「高校生と小学生な。」

こなた「かがみんが二人居るようだよ…」


柊邸。
かがみ「なんかイラッてきた。」


男邸。
男「とにかく宿題やっちまうぞ。」

こなた「うん。」

男「…だからな、この公式は覚えるしかないんだ。でな…」

こなた「うん。」

男「…理論はいいから、とにかく単位を消すんだ。…」

こなた「…。(ノートに必死に写している。)」

『なんか今日は真面目だな…』
『あ…パソゲーやろうとしてるんだったな。だから頑張ってるのか…?』

こなた「おーとこー。終わったぞー。」

男「お疲れ。」

こなた「いやーいつもはかがみんに教えてもらう(写させてもらう)んだけどさー、何か男のが分かりやすいよー。」

『そりゃ俺はお前の性格よく知ってるからな…』

男「で、そんな事よりパソゲーやりたいんだろ?」

こなた「おや、バレバレユカイですかー」

男「やっぱりか。」

こなた「ん、まーパソゲーもあるんだけどさ、実がそれとは別に話があって。」

こなた「あのさー」

男「…うん。」

こなた「ゴールデンウイークの最終日空いてる?」

男「五月六日?特に予定は無いけど。」

こなた「アキバ、い か な い か?」

男「おまえの趣味100%だな…てか最終日はよさないか?次の日に響くぞ。」

こなた「日曜じゃなきゃ意味ないんだよ!ハルヒと写真撮れるよ!!」

男「つーか二人で行くのか?」

こなた「かがみんが素直に来ると思うかね?」

男「…」

こなた「そーいう訳で『私をアキバに連れてって!』」

男「季節違うし、お前何歳だ!」



オートセーブしました。(重要分岐①)


2――週末は次の日に備えて家でゆっくり。

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最終更新:2008年09月10日 11:58