We won.
However,the world is not reborn.
I cannot find an answer.
アタシはルフトシュトロームから出た。
あの子と離れたくは無かったが、
ラーテイルの事を色々調べてみたかったからだ。
と、言っても兵器としてのラーテイルではなく、
人間であった頃のあの娘の事だ。
ルフトでのアタシの貢献は評価されたものの、
元フェアシュタントは危険分子とされた。
生活の保障という名の付いた監視下におかれた優遇措置を、
蹴っ飛ばして飛び出したのだ。
脱走したと言えなくも無い…追われてるし…(^^;)
自由という名の風は、アタシ達が奪ってしまった彼女達の翼。
それを思うと心は苦しいが、
あの子は黙って、そして笑って送り出してくれた。
あの子もラーテイルの事を好きだったのかもしれない。
今、アタシは小さな町に居る。
ノルト・リヒトとの戦闘状態に入るさらに前に、
戦争で破壊され、忘れさられた無人の町…
その外れの小高い丘、
外界から隔離されたようにひっそりと建つ、
崩れかけの古く小さな教会がある。
ラーテイル…
いえ、親から名前すら貰えなかった彼女が育った場所…
…そしてそんな彼女がクロムと生きた場所。
不憫に思った彼は彼女に名前をつけた。
もちろん、ラーテイルではなく、人の子としての名だ。
別にそれは特別な事じゃない。ごく普通の当たり前の事。
街の喧騒から離れ、
緑豊かな場所だったであろうその孤児院にあったのは、
二人だけの場所…
二人だけの時間…
そして二人だけしか知らない名前…
彼女の瞳は、彼をどう映していたんだろう…
人の住み着かない瓦礫の廃墟で過ごす夜は、
心地よくもあり…どうしようもなく悲しい。
大した成果も無いままに、アタシは明日ここを発つ…
もう戻って来る事も無いだろう…
不幸な少女が、
不幸な男から貰った名前で過ごした思い出の場所…
そんな辛気臭い場所にアタシは入っていけない…
この時間…あの子は最後の訓練飛行を終え、地上に降りてくる。
それを出迎えるのが好きだった…。
あの子を見ているのが好きだった…。
あの子に会って過ごした時間…
アタシは彼女に心を奪われ、そして同時に嫉妬した。
それは昔の彼に抱いた感情と似てる…。
自分を持たないアタシにとって、それは羨ましかった。
あの子は前を見て生きている。
いや…初めて会ったときから、前を向いて生きていた…
だから好きになった。
そして余計に自覚した…過去を引きずる自分自身を。
ここに来て…またそれを知った…
それはまるで二度フラれた気分…
子供だな…アタシは
でもそうしてまた前へと進む…
間違えたなら、やり直す。失ったなら、取り戻す。
それがアタシの生き方だから。
最終更新:2017年05月17日 01:59