犯罪が一年の間に一件も起きない都市と言うものは、通常は存在しない。
犯罪と言うものは治安の悪さ及び住人の層と言うものを土壌に発生する。
治安の悪い区画や通りがない都市と言うものもまた、存在しない。アウトローが稠密する場所と言うのは、何かしらの理由があるものだ。
空気が彼ら好みの所であったりとか、歓楽街であったりだとか、薄暗い路地裏であったりだとか、地価が安かったりだとか、
その場所にあった習慣に理解を示さない外人が集まりやすいだとか、理由は幾らでもある。
そう言った条件に該当する場所と言うものは、都市と呼ばれる所を探せば何箇所でも見つかるし、そう言った場所がない都市と言うものは、そもそもありえない。
犯罪と言うものは治安の悪さ及び住人の層と言うものを土壌に発生する。
治安の悪い区画や通りがない都市と言うものもまた、存在しない。アウトローが稠密する場所と言うのは、何かしらの理由があるものだ。
空気が彼ら好みの所であったりとか、歓楽街であったりだとか、薄暗い路地裏であったりだとか、地価が安かったりだとか、
その場所にあった習慣に理解を示さない外人が集まりやすいだとか、理由は幾らでもある。
そう言った条件に該当する場所と言うものは、都市と呼ばれる所を探せば何箇所でも見つかるし、そう言った場所がない都市と言うものは、そもそもありえない。
それは、彼が主に活動していた栃木県宇都宮から、遠く遠く離れた、此処冬木市においても、同様であったようである。
「おーおー、メタルスライム共がいそうな臭いがするする」
冬木市は新都の繁華街、その『いかにも』な場所に通じていそうな、外灯が少ない故に暗く、じめじめとした路地道を見て、青年が呟いた。
真っ当な人間だったら避けて通りそうな道である。進んで此処を入って行く人間は、そうそうはいないだろう。
そんな場所を、青年は面白そうな顔つきで見つめている。それはそれは嫌らしく、小憎たらしい笑みで。
真っ当な人間だったら避けて通りそうな道である。進んで此処を入って行く人間は、そうそうはいないだろう。
そんな場所を、青年は面白そうな顔つきで見つめている。それはそれは嫌らしく、小憎たらしい笑みで。
黒い学ランを身につけた黒髪の青年であった。
そして、人の目を引く程の体格の良さであった。此処に来るまで、結構な数の道行く人間達の目線を引いていた。
人より頭半分程も高い百八十を超える程の身長に、厚みのある筋肉を体中に百キロ以上程も搭載しているのだ。
肥満体ではない。むしろ脂肪の類は人より少ない位である。身についた筋肉全てが、地道かつ過酷なトレーニングで切磋されている事が、学ランの上からでも解った。
宛らこの男の身体つきは、ラガーメンか。しかもその上、その顔つきは明らかにまだまだ子供っぽさを残した高校生、どんなに贔屓目に見ても大学一~二年生程度のそれ。
兎に角、その年の子供にしては、度が過ぎる程の筋量と体格の持ち主であった。
そして、人の目を引く程の体格の良さであった。此処に来るまで、結構な数の道行く人間達の目線を引いていた。
人より頭半分程も高い百八十を超える程の身長に、厚みのある筋肉を体中に百キロ以上程も搭載しているのだ。
肥満体ではない。むしろ脂肪の類は人より少ない位である。身についた筋肉全てが、地道かつ過酷なトレーニングで切磋されている事が、学ランの上からでも解った。
宛らこの男の身体つきは、ラガーメンか。しかもその上、その顔つきは明らかにまだまだ子供っぽさを残した高校生、どんなに贔屓目に見ても大学一~二年生程度のそれ。
兎に角、その年の子供にしては、度が過ぎる程の筋量と体格の持ち主であった。
これだけの身体つきであれば、やはり自分に自信があるのだろう。
何の臆面もなく、堂々と路地裏へ続く道を歩み始めたのだ。見知らぬ街の、見知らぬ裏路地に。
悪そうな奴は大体友達だろ、とでも言わんばかりに……
何の臆面もなく、堂々と路地裏へ続く道を歩み始めたのだ。見知らぬ街の、見知らぬ裏路地に。
悪そうな奴は大体友達だろ、とでも言わんばかりに……
実を言うとこの学ランの男が、所謂不良だとかチンピラだとか言う人種とつるんだ年数は、それ程長くない。
恐らく一年だって経っていないだろう。だが、そう言った者達が集まりそうな場所と言うものは、凡そ臭いで解った。
この男、所謂アウトローと付き合って来た年数こそ短いが、その短い間に彼らと接して来た回数と、その経験の内容が異常なのだ。
だから、解る。そう言った者達が集まりそうな場所が。そして案の定――
恐らく一年だって経っていないだろう。だが、そう言った者達が集まりそうな場所と言うものは、凡そ臭いで解った。
この男、所謂アウトローと付き合って来た年数こそ短いが、その短い間に彼らと接して来た回数と、その経験の内容が異常なのだ。
だから、解る。そう言った者達が集まりそうな場所が。そして案の定――
「ゴールデンハンマーチャーンス、ってか」
絵に描いたような不良――メタルスライム――達がたむろしていた。
やや開けた路地裏に集まっている、十一名のはぐれ者達を、ニヤニヤ笑みを浮かべて男は眺める。男達の視線が、一斉に学ランの男に集中する。
何処ぞで買ったカップ酒をあおったり、地面に座ってチンチロリンをやっていたり、ヤニを吸っていたり。
男にしてみれば、典型的過ぎて笑える程の不良行為だった。しかもその殆どが十代、最年長で二十代前半程度だと言う事実が、より笑いを助長させる。
やや開けた路地裏に集まっている、十一名のはぐれ者達を、ニヤニヤ笑みを浮かべて男は眺める。男達の視線が、一斉に学ランの男に集中する。
何処ぞで買ったカップ酒をあおったり、地面に座ってチンチロリンをやっていたり、ヤニを吸っていたり。
男にしてみれば、典型的過ぎて笑える程の不良行為だった。しかもその殆どが十代、最年長で二十代前半程度だと言う事実が、より笑いを助長させる。
「んーだよ、時流が数十年遅れた西日本の田舎都市だから、てっきりろくでなしブルースから飛び出して来たような奴らが出てくるのを期待してたのによ……」
この場にいるメンバー全員が、それなりに洒落たパンク風だったので、男は落胆の態度を隠せないでいた。
男はそれこそ、今日日マガジンの不良漫画でも採用されないような、コッテコテの不良学生のような奴らがいるのではと、ワクワクしていたのだ。
それがこれでは、肩透かしだった。
男はそれこそ、今日日マガジンの不良漫画でも採用されないような、コッテコテの不良学生のような奴らがいるのではと、ワクワクしていたのだ。
それがこれでは、肩透かしだった。
「おい田舎モン、君達がどんなに服装を整えたってな、俺みたいな都会生まれのジュノンボーイからしたら、
『おっ、田舎者が東京に憧れて頑張ってるね~、でもここ東京じゃないからどんなに頑張ったって滑稽なだけだぞ~』としか映らないぞ」
『おっ、田舎者が東京に憧れて頑張ってるね~、でもここ東京じゃないからどんなに頑張ったって滑稽なだけだぞ~』としか映らないぞ」
「んだテメェ、どこ高の奴らだ?」
此処まで露骨に挑発されては、例え不良でなくても不機嫌な態度を表面化させてしまうだろう。
事実この場にいる全員が、殺気と怒気を放出させて、学ランの男を睨みつけていた。
が、何を思ったか、彼は唐突に「プッ」、と吹き出し、嫌なニヤニヤ顔を浮かべて、この場にいる不良達を一瞥し始める。
事実この場にいる全員が、殺気と怒気を放出させて、学ランの男を睨みつけていた。
が、何を思ったか、彼は唐突に「プッ」、と吹き出し、嫌なニヤニヤ顔を浮かべて、この場にいる不良達を一瞥し始める。
「どこ高ってお前よぉ……。現実でそんな言葉使う奴とか本当に実在したんだな、天然記念物飛び越えてもう幻想種だぜおい」
「冬木じゃ見た事もねぇ奴だが……お前、何処の誰様だよ? つか、俺達に何の用な訳?」
常ならばこの男のような舐めて掛かった口を利くような男にはすぐに飛び掛かりそうなものであるが、不良達はそうはしなかった。
単純である、学ランの男の、同年代にしては余りにも圧倒的過ぎる体格の良さに、ビビっているのだ。
見るに、この場にいる十一人の中には、下手したら塾通いのもやしっ子ですら勇気を奮って立ち向かえば倒せそうな程、貧相な体格の者も散見出来る。
服装と髪型、髪色だけを変えて、強くなれたと勘違いしている、哀れな人種。と言うより、此処にいる者達の殆どが、徒党を組んで強い気でいるはぐれ者達だ。
であれば、この場に現れた闖入者の、際立った身体つきに気圧されるのは、当然の事。それを学ランの男はしっかりと計算に入れていた。
単純である、学ランの男の、同年代にしては余りにも圧倒的過ぎる体格の良さに、ビビっているのだ。
見るに、この場にいる十一人の中には、下手したら塾通いのもやしっ子ですら勇気を奮って立ち向かえば倒せそうな程、貧相な体格の者も散見出来る。
服装と髪型、髪色だけを変えて、強くなれたと勘違いしている、哀れな人種。と言うより、此処にいる者達の殆どが、徒党を組んで強い気でいるはぐれ者達だ。
であれば、この場に現れた闖入者の、際立った身体つきに気圧されるのは、当然の事。それを学ランの男はしっかりと計算に入れていた。
「ん~、まぁ俺の素性に関しては、お前達に言っても無意味だから止めとくわ。目的だけなら話してやるよ」
ポリポリとこめかみを掻きながら、学ランの男は、言葉を続けるのだった。
「この場で俺の為に死んでくれね?」
「あぁっ!?」
学ランの男の物言いに、流石の彼らも沸点に達したらしい。
場に張りつめていた殺意の量が、一瞬で倍増する。それを感じてもなお、彼はふてぶてしい笑みを崩さない。
場に張りつめていた殺意の量が、一瞬で倍増する。それを感じてもなお、彼はふてぶてしい笑みを崩さない。
「んーとね、俺はチミ達の命とお金が欲しい訳よ。だから大人しく死んでくれねーかなぁ、って」
「テメェ、喧嘩売ってんのかオラ!!」
一番近くにいた、この場にいる不良たちの中では最も体格も良く、そして学ランの男と同程度の身長の不良が近づいて来る。
不良が学ラン男の襟を掴みかかろうとしたその時、目にも見えない程の速度で、学ランの男が右腕を動かした。
と同時に、不良が前方向に思いっきり倒れ込み、地面に沈んだ。ピクリとも、動かない。死んだのではないかと思う程であった。
不良が学ラン男の襟を掴みかかろうとしたその時、目にも見えない程の速度で、学ランの男が右腕を動かした。
と同時に、不良が前方向に思いっきり倒れ込み、地面に沈んだ。ピクリとも、動かない。死んだのではないかと思う程であった。
「臨戦態勢に移るのが遅ぇなぁオイ。これで喧嘩売ってないと思うんだったら、不良になんてなるんじゃなかったな」
言うと男は、男を気絶させるのに使った右腕を、だらりと垂らす。
右手の五本の指は、鉤爪状に折り曲げられ、まるで虎のようであった。学ランの男が不良を倒すのに使った技の名前は、顎(チン)ジャブ。
虎爪と呼ばれる独特の手の形を作り、それでもって相手の顎を押し上げるようにして掌底を放つ技である。
右手の五本の指は、鉤爪状に折り曲げられ、まるで虎のようであった。学ランの男が不良を倒すのに使った技の名前は、顎(チン)ジャブ。
虎爪と呼ばれる独特の手の形を作り、それでもって相手の顎を押し上げるようにして掌底を放つ技である。
学ランの男言葉を紡ぎ終えた後で、何の呵責もなく、倒れ込んだ男の後頭部を思いっきり右踵で踏みつけた。
ゴクンッ!! と言う嫌な音が響いた。尾を引くように、ジワリと血液が、不良の顔面から地面へと伝わって行き、水たまりを形成する。
ゴクンッ!! と言う嫌な音が響いた。尾を引くように、ジワリと血液が、不良の顔面から地面へと伝わって行き、水たまりを形成する。
「悪いなぁ君達、恨みは特にないんだけど、俺も割とマジで必死なんだわ。大人しくくたばってくれねーかな、抵抗するだけ無駄だから」
「な、何だよお前!! いきなりあらわれて、命寄越せとか、頭おかしいんじゃねぇのか!?」
今回に限り、不良たちの方が明らかにまともな事を言っていた。
学ランの男の方が異常である事は、誰の目から見ても歴然としている。急に目の前に姿を見せて、命と金を寄越せとのたまい、暴力を振るう。
不良達の目から見ても、横暴が過ぎる行為であろう。それを彼は、何の疑問も覚えず実行しているのだ。気狂いとしか思えないのも、当然だった。
学ランの男の方が異常である事は、誰の目から見ても歴然としている。急に目の前に姿を見せて、命と金を寄越せとのたまい、暴力を振るう。
不良達の目から見ても、横暴が過ぎる行為であろう。それを彼は、何の疑問も覚えず実行しているのだ。気狂いとしか思えないのも、当然だった。
「っせぇなぁ、生きた人間みたいにくっちゃべるNPCだぜ……大人しく生身で本当の人間様の為に働いてくれよな~頼むよ~」
「このキチガイが!!」
言って、一番学ランの青年の近くにいた、金髪を逆立たせた青年が、懐に忍ばせておいたバタフライナイフを取り出した――と同時に。
ブンブンと横方向に風車の如く回転しながら吹っ飛んで行き、建物のコンクリ壁に激突する。
カランッ、と、ナイフの刀身が地面に落ちる、乾いた音が響く。学ランの青年は、大儀そうに不良達の方に向き直った。
先程の金髪の不良に対して、高速の上段後ろ回し蹴りを見舞った為である。
ブンブンと横方向に風車の如く回転しながら吹っ飛んで行き、建物のコンクリ壁に激突する。
カランッ、と、ナイフの刀身が地面に落ちる、乾いた音が響く。学ランの青年は、大儀そうに不良達の方に向き直った。
先程の金髪の不良に対して、高速の上段後ろ回し蹴りを見舞った為である。
「――なあ」
学ランの男が、面倒くさそうに呟く。
だがその言葉は、どうも、不良達に向けられたそれとは思えない。彼の意識がどうも、不良達に向いていないのだ。
まるで、この場にいない誰かにでも話しているかのような。独り言のような空気すら感じられる。
だがその言葉は、どうも、不良達に向けられたそれとは思えない。彼の意識がどうも、不良達に向いていないのだ。
まるで、この場にいない誰かにでも話しているかのような。独り言のような空気すら感じられる。
「『魂喰い』はアンタしか出来ないんだろ? 俺の実力を測りたいとか来るとき言ってたが、、俺の実力は十分解ったろうよ。後はアンタが宜しくやってくれ」
「は、は……? お前、何言って――」
学ランの男から一番遠い場所にいる肥満体の青年が、そう口にした、刹那の事。
ボゥンッ!! と言う音を立てて、彼の身体が限度一杯にまで膨らませた風船のように、破裂!!
頭からつま先に至る全ての部分が弾け飛び、周囲に、彼を形成していた皮膚や筋肉、毛髪や骨格、内臓の類がが四散する。
ボゥンッ!! と言う音を立てて、彼の身体が限度一杯にまで膨らませた風船のように、破裂!!
頭からつま先に至る全ての部分が弾け飛び、周囲に、彼を形成していた皮膚や筋肉、毛髪や骨格、内臓の類がが四散する。
何が起こったのかを理解する前に、砕け飛んだ肥満体の男の直近にいた二名の男達が、「ぶぁっ!!」と言う声を上げ、打っ飛んだ。
学ランの男から見て左方に居た男は、頸椎をほぼ真横に圧し折られて即死していた。右方に居た男は、頭の、顎より上の部分を消し飛ばされていた。
学ランの男から見て左方に居た男は、頸椎をほぼ真横に圧し折られて即死していた。右方に居た男は、頭の、顎より上の部分を消し飛ばされていた。
この場に散開していた不良達の中心部分に、スゥッ、と男が現れた。
まるでそれは、今まで大気と同化して透明になっていたものが、その状態をゆるゆると解いて行く様にも見えた。
良い歳の取り方をした中年男性であった。よく手入れのされた美髭を唇上に蓄えた、黒髪オールバックの壮年。
街に繰り出し女性を口説けば、年の若い女子高生ですら口説き落とせそうなナイスミドル。だが同時に――余りにも異様過ぎる男でもあった。
それは、学ランの男が子供に見える程の偉丈夫である為か? 彼を超える程の筋量を搭載している為か?
それとも青いマントを肩にかけ、鎧状の服装を身に纏っていると言う奇抜極まりない服装の為か?
違う。見る者に異様な印象を与える訳は、その男から薫る血の匂い、闘争の香り、そして――理性のない猛獣ですらが恐怖に歪みかねない程の、その死の気配。
まるでそれは、今まで大気と同化して透明になっていたものが、その状態をゆるゆると解いて行く様にも見えた。
良い歳の取り方をした中年男性であった。よく手入れのされた美髭を唇上に蓄えた、黒髪オールバックの壮年。
街に繰り出し女性を口説けば、年の若い女子高生ですら口説き落とせそうなナイスミドル。だが同時に――余りにも異様過ぎる男でもあった。
それは、学ランの男が子供に見える程の偉丈夫である為か? 彼を超える程の筋量を搭載している為か?
それとも青いマントを肩にかけ、鎧状の服装を身に纏っていると言う奇抜極まりない服装の為か?
違う。見る者に異様な印象を与える訳は、その男から薫る血の匂い、闘争の香り、そして――理性のない猛獣ですらが恐怖に歪みかねない程の、その死の気配。
……そんな気配に、不良達は、呑まれていた。
マシンガンを持ったとて、この男には敵わない、いやそもそも、核を以ってしても……?
茫然と、自分達の矮小さに気付かされていた彼らを、その口髭の男はつまらなそうに一瞥する。
マシンガンを持ったとて、この男には敵わない、いやそもそも、核を以ってしても……?
茫然と、自分達の矮小さに気付かされていた彼らを、その口髭の男はつまらなそうに一瞥する。
その時――残りの六名が、意味不明な叫び声を上げて、即死した。
ある者は分厚いコンクリート塀にめり込み、ある者は身体を破裂させ、またある者は身体を十字に寸断された状態で。
そこいらじゅうに、血液が飛び散る、内臓の破片めいたものが散乱する、骨片が中空を舞う。
鮮やかな褪紅色と野暮ったい赤黒色、そして白色の骨片が舞い散る、地獄めいた景観の只中に佇みながら、口髭の男は、静かに口にした
ある者は分厚いコンクリート塀にめり込み、ある者は身体を破裂させ、またある者は身体を十字に寸断された状態で。
そこいらじゅうに、血液が飛び散る、内臓の破片めいたものが散乱する、骨片が中空を舞う。
鮮やかな褪紅色と野暮ったい赤黒色、そして白色の骨片が舞い散る、地獄めいた景観の只中に佇みながら、口髭の男は、静かに口にした
「北斗琉拳奥義、魔舞紅躁」
目線を、学ランの男の方に向けて、更に言葉を続ける。
「俺の拳は、兄弟子である男達と、俺を破った北斗の漢以外には遂に存在せなんだ。坊主、貴様には見えたか?」
酸鼻を極る光景に、顔を強く顰めていた学ランの男は、わざとらしく「うぇっ」と呟いてから口を開く。
「全然みえねぇな、腕を動かした事実すら解らなかったよ、フレディ・マーキュリーのおっさん」
「……つくづく思うが、そのフレディとやらは誰の事を指しているのだ? 会う時に言っただろう、俺の名前はアサシンで、真名は――『ハン』である、と」
「だったら俺の事も坊主呼ばわりしないで、マスターか本名で呼んで貰いたいね。忘れたのなら教えてやろうか? 俺の名前は――」
其処で一区切りおいてから、ビッ、と。自分の事を親指で指差して、自信満面のツラでこう言った。
「妻夫木聡だ」
「意識を通して俺に伝わってくる情報には、『佐藤十兵衛』だと記されているが?」
半ば呆れたような調子で、ハンが言葉を返した。
すぐに十兵衛は、芸名みたいなもんと言って、茶を濁すのだった。
すぐに十兵衛は、芸名みたいなもんと言って、茶を濁すのだった。
ハッキリ言えば佐藤十兵衛なる男は、性欲と物欲と煩悩の塊のような男である。
聖杯、実に魅力的なものであると言えるだろう。万能の願望器の名を冠するその器物は、ありとあらゆる望みを叶える聖遺物であると言う。
何を願おうか。自分の仮性包茎を治すか、いやいや流石にこれは論外だろう、ソロモン王並のハーレムでも築くか?
いやいや、それは金持ちにでもなれば即座に解決する、でも童貞と処女厨を滅茶苦茶拗らせた十兵衛は、純粋無垢な大和撫子で童貞を捨てると決めているのだ。
やはり金だろう、正直現状でも金に困ってはいないのだが、ある目的を達成するには、全くの資金不足であると言わざるを得ない。
彼が生きている内に達成したい目的。それは――そう!! あの『Google』を買収し、十兵衛ドットコムを世界最大の情報通信業会社にする事である!!
理論上不可能な事を、聖杯は達成可能なのだ。これはもうやらなきゃ損だ。もと居た世界じゃ、何年かけた所でGoogleの買収する事など不可能なのであるから。
聖杯、実に魅力的なものであると言えるだろう。万能の願望器の名を冠するその器物は、ありとあらゆる望みを叶える聖遺物であると言う。
何を願おうか。自分の仮性包茎を治すか、いやいや流石にこれは論外だろう、ソロモン王並のハーレムでも築くか?
いやいや、それは金持ちにでもなれば即座に解決する、でも童貞と処女厨を滅茶苦茶拗らせた十兵衛は、純粋無垢な大和撫子で童貞を捨てると決めているのだ。
やはり金だろう、正直現状でも金に困ってはいないのだが、ある目的を達成するには、全くの資金不足であると言わざるを得ない。
彼が生きている内に達成したい目的。それは――そう!! あの『Google』を買収し、十兵衛ドットコムを世界最大の情報通信業会社にする事である!!
理論上不可能な事を、聖杯は達成可能なのだ。これはもうやらなきゃ損だ。もと居た世界じゃ、何年かけた所でGoogleの買収する事など不可能なのであるから。
――と、自分が聖杯にかける夢をクッソ真面目に、自分に呼応して現れた、アサシンのサーヴァント、ハンに表明する佐藤十兵衛。
そしてそれに対するハンの答えは――
そしてそれに対するハンの答えは――
「貴様を殺して座に帰るとしよう」
スッと戦いの構えを取り始め、十兵衛を睨みつける、と言うものであった。当たり前と言えば、当たり前の反応。
さしもの十兵衛も肝を冷やしたのか、冷や汗をかきながら、右手を前に突きだしてハンを制止させる。
さしもの十兵衛も肝を冷やしたのか、冷や汗をかきながら、右手を前に突きだしてハンを制止させる。
「オイオイ何でだよ、真面目に夢を表明したつもりだぞ俺は」
「ふざけるな、俺は貴様のような俗物に呼ばれた覚えはない。これならばまだ、座で退屈していた方がマシだ」
「それに……」、と、更にハンは言葉を紡いで行く。
「貴様は俺に、本音を語っていない。それが貴様の本当の夢じゃない事は、俺は知っている」
「オイオイ、拳法家拗らせるとエスパーでも使えるようになるのかよ。格闘タイプとエスパータイプの複合だから、チャーレムだな」
「貴様が抱く、最も強い渇望を俺に話せ。話さねば、或いは、その話がつまらなければ、俺は貴様を葬る」
「結局殺すのかよフレディ・マーキュリー似のおっさん、交渉が下手過ぎるぞ」
「その強気は、令呪に裏打ちされてるのか? だとしたら無意味な事だ。北斗琉拳、疾火煌陣。この間合いなら、貴様が令呪を消費する前に殺す事など容易い。
選べ、死ぬか、話すか、だ」
選べ、死ぬか、話すか、だ」
ハンと十兵衛との間の距離は、三~四m。喧嘩においても、一足飛びで詰められる短い距離であるが、相手は拳法家のサーヴァント。
この程度の距離など問題にならないだろう事は、十兵衛も流石に理解している。だから、彼は、観念したように口を開く。
この程度の距離など問題にならないだろう事は、十兵衛も流石に理解している。だから、彼は、観念したように口を開く。
「何で出会ったばかりの奴に、自分の恥晒さなくちゃいけないのかね……」
重い溜息を吐いて、十兵衛は語った。
「俺は人間的に重大な欠陥を患ってる。……普通の奴なら、それも、幼稚園児のガキにだって出来る事がある時出来なくなっちまった」
ハンの、獰猛な光を宿す瞳を強く睨みつけて、十兵衛が言った。
「ある時を境に、自分から”諦める”と言う能力が欠如しちまった」
「ほう」
十兵衛の言葉に興味を持ったのか、そんな言葉をハンは漏らす。
「……ぶっ殺したい位憎い奴がいる」
そう語る十兵衛の顔は、酷い怒りと憎悪、そして、後悔に彩られていた。
ハンの表情に、感嘆の念に彩られた。それは、ハンが評価する感情であったからだった。
ハンの表情に、感嘆の念に彩られた。それは、ハンが評価する感情であったからだった。
「俺は、そいつと喧嘩をした。絶体絶命の状況で、俺は自分の策謀で奴をビルから突き落として、俺は成り行きでビルの屋上から川に飛び込んで……。
絶対に勝ったと思った。……だがそいつは生きていた。不死身の肉体でな。油断して川から上がった所を突かれて、俺はボコボコにされた」
絶対に勝ったと思った。……だがそいつは生きていた。不死身の肉体でな。油断して川から上がった所を突かれて、俺はボコボコにされた」
ギリッ、と、歯軋りの音。
「顔面の形が変わるんじゃないかって程殴られて……マジで死ぬって思って命乞いして……、ションベンまで漏らして……。
挙句の果てに、県知事のおふくろの七光りに救われて……。悔しくて、悔しくて、悔しくてなぁ……ッ」
挙句の果てに、県知事のおふくろの七光りに救われて……。悔しくて、悔しくて、悔しくてなぁ……ッ」
――あの時十兵衛は、絶対に勝ったと思ってた。相手を倒したと言う安心感から、完全に油断し切っていた。
今にして思えば、馬鹿な話である。どんな事にも絶対何てある訳がないのに……。
師である入江文学は言った、「お前がやっていたのは喧嘩じゃない、遊びだ」と。本当にその通りだったと思う。
生半な覚悟で喧嘩に臨んだ代償が、忘れたくても忘れられない屈辱と、命の危機。……二度と、あんな目になど遭いたくなかった。
そして……一刻も早くこの記憶を抹消したかった。……自分をそんな目にあわせた喧嘩師、工藤優作を倒して/殺して。
今にして思えば、馬鹿な話である。どんな事にも絶対何てある訳がないのに……。
師である入江文学は言った、「お前がやっていたのは喧嘩じゃない、遊びだ」と。本当にその通りだったと思う。
生半な覚悟で喧嘩に臨んだ代償が、忘れたくても忘れられない屈辱と、命の危機。……二度と、あんな目になど遭いたくなかった。
そして……一刻も早くこの記憶を抹消したかった。……自分をそんな目にあわせた喧嘩師、工藤優作を倒して/殺して。
「そいつを殺したいのか」
「ちげーよフレディ野郎、女心が読めねーな」
盛大に舌打ちを響かせて、十兵衛が補足する。
「そいつにな、俺が味わった屈辱と同じ位の恥辱は味あわせてやりたい。そいつを同じ目に遭わせたいからこそ、俺は歯食い縛って地味できつい鍛錬にも耐えて来た。
お前の言う通り、俺が現状で一番渇望してる事はそれさ。だが、それはあくまで聖杯じゃなく、俺の力でやりたい。自分の願いは自分で何とかするんでね。
聖杯にはGoogle買収でも願うってわけ」
お前の言う通り、俺が現状で一番渇望してる事はそれさ。だが、それはあくまで聖杯じゃなく、俺の力でやりたい。自分の願いは自分で何とかするんでね。
聖杯にはGoogle買収でも願うってわけ」
十兵衛はプライドの高い男でもある。
工藤優作の事を今も恨み続けていると言う点からも推して知るべき事柄だろう。
そんな男だからこそ、あの喧嘩師とは自分の実力でケリをつけたかった。でなきゃ、今までの自分の修行が無駄になってしまう。
キリストの血を受け止めた聖遺物を、あんなバカヤクザの抹消に使うだなんて、勿体ない事この上ない。
だから、聖杯は自分の欲望――Google買収――の為に使わせて貰う。こう言う事であった。
工藤優作の事を今も恨み続けていると言う点からも推して知るべき事柄だろう。
そんな男だからこそ、あの喧嘩師とは自分の実力でケリをつけたかった。でなきゃ、今までの自分の修行が無駄になってしまう。
キリストの血を受け止めた聖遺物を、あんなバカヤクザの抹消に使うだなんて、勿体ない事この上ない。
だから、聖杯は自分の欲望――Google買収――の為に使わせて貰う。こう言う事であった。
「……フン、面白い男なのか、俗な男なのか、よく解らんな。小僧、お前、聖杯戦争を勝ち抜く覚悟はあるのか。
お前も時と場合によっては、人を殺す状況がないとも言えぬのだぞ」
お前も時と場合によっては、人を殺す状況がないとも言えぬのだぞ」
「フレディ、英霊になるほどの拳法家であるアンタに聞きたいがよ、喧嘩……って言うか、闘争だな。それにおいて先ず真っ先に求められる才覚って何だと思うよ」
「知れている。それは――相手を殺す事について悩まないか、と言う事だ」
「ビンゴ。存外、似た者どうしだな」
ピッ、と人差し指を上げて十兵衛が言った。
「喧嘩ってのはさ、相手を慮っちゃいけないのさ。俺の喧嘩の師匠である、いい歳こいて童貞で、AT限定免許しか資格のないおっさんが聞いたよ。
勝利を得る為にその時必要な技が相手を殺っちまうかも知れないものだった時、お前はそれを相手に使えるのか、ってよ」
勝利を得る為にその時必要な技が相手を殺っちまうかも知れないものだった時、お前はそれを相手に使えるのか、ってよ」
「だから俺はこう答えた」。
ニッ、と、本当に悪辣な笑みを浮かべて、十兵衛が口を開いた。
ニッ、と、本当に悪辣な笑みを浮かべて、十兵衛が口を開いた。
「負けたくないから放ちますってな。負ける位なら、殺した方がマシなんだよ、俺は。縦しんば相手が生きてて、相手にどんな障害が残ろうが、知ったこっちゃねぇ」
十兵衛が表明を終えてから、沈黙が流れた。
言葉を返すべきである筈のハンが、緘黙を貫いているからだった。
値踏みする様な目線が、十兵衛を嘗め回す。底冷えする程の殺意を宿した瞳である。十兵衛に拭えぬ恥をかかせた工藤優作だって、あんな瞳ではなかった。
如何なる死線を潜り抜けたら……あんな目が出来て、あんな身体つきになれるのか。学ランの下のシャツを汗でグショグショにしながら、冷静に考える十兵衛。
言葉を返すべきである筈のハンが、緘黙を貫いているからだった。
値踏みする様な目線が、十兵衛を嘗め回す。底冷えする程の殺意を宿した瞳である。十兵衛に拭えぬ恥をかかせた工藤優作だって、あんな瞳ではなかった。
如何なる死線を潜り抜けたら……あんな目が出来て、あんな身体つきになれるのか。学ランの下のシャツを汗でグショグショにしながら、冷静に考える十兵衛。
「……成程。存外、つまらない男ではなかったようだな」
フフッ、と相好を崩して、ハンが言った。十兵衛が、嘗て感じた事のない程の緊張感から、解放された瞬間でもある。
「正直な事を言えばな、内心ではかなり恐れていたよ。俺はつまらない人間にだけは従いたくはないからな。
かと言って、この聖杯戦争を勝ち抜きたくないと言う腑抜けに従うのも御免だ。俺はこの聖杯戦争で退屈を紛らわすのが、何よりも楽しみだったのだ。
そんな機会を、早々に失いたくなかった。俺が一時的に従ってやるマスターとしては、小僧。貴様は及第点だ。認めてやる」
かと言って、この聖杯戦争を勝ち抜きたくないと言う腑抜けに従うのも御免だ。俺はこの聖杯戦争で退屈を紛らわすのが、何よりも楽しみだったのだ。
そんな機会を、早々に失いたくなかった。俺が一時的に従ってやるマスターとしては、小僧。貴様は及第点だ。認めてやる」
思い起こすのは生前の日々。
一言で言えばハンは、強い男だった。拳格も高く、拳法の才覚も、格上であるカイオウやラオウに引けを取らぬ位あったと言える。
彼は拳法修行が何よりも楽しかった。日々強くなって行き、その力を戦闘で存分に揮う事が、何よりの楽しみになるのには時間はいらなかった。
だが彼にとっての最大の不幸は、北斗琉拳を学んでしまった、と言う事であろう。この拳法は、強すぎた。そしてハンの才能が、ありすぎた。
琉拳を極め、強者の頂に辿り着いた時には、彼と同等の才能を持っていた男は、カイオウとヒョウ、ラオウ以外にいなかった。
強者となってからの日々は退屈を極まりなかった。誰もが自分の実力に恐れをなし、誰もが自分に媚び諂おうとする。
強い男と戦うのに相応しい拳法である北斗琉拳を学んだと言うのに、その拳法が余りにも強すぎたせいで誰も挑む者がいなくなってしまったと言うのは皮肉な話だった。
一言で言えばハンは、強い男だった。拳格も高く、拳法の才覚も、格上であるカイオウやラオウに引けを取らぬ位あったと言える。
彼は拳法修行が何よりも楽しかった。日々強くなって行き、その力を戦闘で存分に揮う事が、何よりの楽しみになるのには時間はいらなかった。
だが彼にとっての最大の不幸は、北斗琉拳を学んでしまった、と言う事であろう。この拳法は、強すぎた。そしてハンの才能が、ありすぎた。
琉拳を極め、強者の頂に辿り着いた時には、彼と同等の才能を持っていた男は、カイオウとヒョウ、ラオウ以外にいなかった。
強者となってからの日々は退屈を極まりなかった。誰もが自分の実力に恐れをなし、誰もが自分に媚び諂おうとする。
強い男と戦うのに相応しい拳法である北斗琉拳を学んだと言うのに、その拳法が余りにも強すぎたせいで誰も挑む者がいなくなってしまったと言うのは皮肉な話だった。
退屈で退屈で、退屈で、退屈で……。気の狂ったふりをして兄弟子であるカイオウに挑みかかろうとした事も、少なくなかった。
兄弟子と言う手前、そんな暴挙を犯す訳にも行かず、さてどうしたものか、と悩んでいた時に、あの男がやって来たのだ。
思い出しても血が滾る、長い人生で、あれ程楽しく、血肉が湧き躍った戦いはない。北斗神拳伝承者・ケンシロウ。
修羅の国にて広く信じられている救世主伝説の主人公、ラオウでこそなかったが、ケンシロウもまた強かった。事実、ハンはその男に敗れた。
全力で戦い、奥義を披露し、それでも及ばなかったのならば、最早悔いはない。拳法家としての本懐は、十分果たされた。
兄弟子と言う手前、そんな暴挙を犯す訳にも行かず、さてどうしたものか、と悩んでいた時に、あの男がやって来たのだ。
思い出しても血が滾る、長い人生で、あれ程楽しく、血肉が湧き躍った戦いはない。北斗神拳伝承者・ケンシロウ。
修羅の国にて広く信じられている救世主伝説の主人公、ラオウでこそなかったが、ケンシロウもまた強かった。事実、ハンはその男に敗れた。
全力で戦い、奥義を披露し、それでも及ばなかったのならば、最早悔いはない。拳法家としての本懐は、十分果たされた。
聖杯戦争!! なんと素晴らしい催しなのだろう!!
洋の東西、いや、世界の壁と時間軸の隔てなく、あらゆる時代あらゆる世界から英雄猛将大悪人共が集まる、戦いの場。
これにハンが滾らぬ理由がない。ケンシロウと同格いや、それ以上の戦士がいるかもしれないのだ。修羅の国に敷かれていた、修羅制度よりも魅力的である。
こんな、まさに自分の為に用意されたとしか思えない程おあつらえの戦場から、つまらない理由からハンは退場したくなかった。
佐藤十兵衛は、悪くない。当分は自分と共に行動する事を許してやる程度には。
洋の東西、いや、世界の壁と時間軸の隔てなく、あらゆる時代あらゆる世界から英雄猛将大悪人共が集まる、戦いの場。
これにハンが滾らぬ理由がない。ケンシロウと同格いや、それ以上の戦士がいるかもしれないのだ。修羅の国に敷かれていた、修羅制度よりも魅力的である。
こんな、まさに自分の為に用意されたとしか思えない程おあつらえの戦場から、つまらない理由からハンは退場したくなかった。
佐藤十兵衛は、悪くない。当分は自分と共に行動する事を許してやる程度には。
「だが、小僧。仕方のない事と言えばそれまでだが……お前はどうも魔力が不足し過ぎている。これでは、十全の力を発揮出来ぬかも知れない。……出るぞ、小僧」
「出るって……あぁ、なるほどね。そう言う事か。」
マントを翻し、背を向け始めたハンに対し、当初は怪訝に思った十兵衛だったが、すぐに何をするのか合点が行ったらしい。
ニヤリ、と笑みを浮かべながら、早歩きで彼を追い越す。そして示し合せたように、両者は同時に言葉を紡ぐのだ。
ニヤリ、と笑みを浮かべながら、早歩きで彼を追い越す。そして示し合せたように、両者は同時に言葉を紡ぐのだ。
「魂喰い(しょくじ)の時間だ」
「魂喰い(メタルスライム狩り)の時間か」
ニヤリ、と笑みを向けたのは、今度はハンの方だった。
彼の姿が、空気と同化して行く様に透明なそれとなった。成程、これが霊体化か、と感心する十兵衛。覗きには大層便利な能力である。
彼の姿が、空気と同化して行く様に透明なそれとなった。成程、これが霊体化か、と感心する十兵衛。覗きには大層便利な能力である。
一陣の風が吹いた。寒い、どこのクソ田舎なんだよ冬木は、と、平時は悪態を吐く所であるが、今はそうではなかった。
今の自分の心境を、静かに彼は呟くのである。その顔つきは、今までの彼からは想像もつかない程真面目で、遊びのない顔つきであった。
今の自分の心境を、静かに彼は呟くのである。その顔つきは、今までの彼からは想像もつかない程真面目で、遊びのない顔つきであった。
「燃えるぜ」
――新都の路地裏で不良を尽く惨殺する十五分程前の、冬木某所の公園での一幕が、以上であった。
最強のマスター/サーヴァントは誰か!?
多種あるマスター/サーヴァントがルール無しで戦った時……
出来レースではなく策謀暗殺ありの『戦争』で戦った時
最強のマスター/サーヴァントは誰か!?
今現在、最強のマスター/サーヴァントは決まっていない
【クラス】
アサシン
【真名】
ハン@北斗の拳
【ステータス】
筋力B 耐久B 敏捷B++ 魔力D 幸運D 宝具B
【属性】
混沌・中庸
【クラススキル】
気配遮断:A++
サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。
暗殺拳の一種である北斗琉拳を高いレベルで会得しているアサシンの気配遮断能力は極めて高く、
かつ後述する宝具効果により、攻撃の態勢に移っても気配遮断のランクが下がらない。
サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。
暗殺拳の一種である北斗琉拳を高いレベルで会得しているアサシンの気配遮断能力は極めて高く、
かつ後述する宝具効果により、攻撃の態勢に移っても気配遮断のランクが下がらない。
【保有スキル】
北斗琉拳:A++
一子相伝の暗殺拳である北斗神拳を源流を同じにする、1800年前に創始された暗殺拳。またの名を、北斗劉家拳と呼ぶ。
凄絶な修行を経ねば技の会得は許されず、アサシンの高いステータスはその修練に裏打ちされている。
北斗神拳同様、矢や銃と言った飛び道具に対する見切り技や返し技、経絡『破孔』を利用した拷問、人体に備わる自然治癒を活性化させる術を持つ。
ランクA++は流派の中でも最高峰の使い手であり、正統伝承者と全く引けを取らないレベルで、様々な奥義を使用する事が出来る。
但しアサシンですら北斗琉拳を極めたと言う訳ではなく、アサシンの場合は『魔界』と呼ばれる境地に足を踏み入れていない為に、
ランクがややダウンしている。
一子相伝の暗殺拳である北斗神拳を源流を同じにする、1800年前に創始された暗殺拳。またの名を、北斗劉家拳と呼ぶ。
凄絶な修行を経ねば技の会得は許されず、アサシンの高いステータスはその修練に裏打ちされている。
北斗神拳同様、矢や銃と言った飛び道具に対する見切り技や返し技、経絡『破孔』を利用した拷問、人体に備わる自然治癒を活性化させる術を持つ。
ランクA++は流派の中でも最高峰の使い手であり、正統伝承者と全く引けを取らないレベルで、様々な奥義を使用する事が出来る。
但しアサシンですら北斗琉拳を極めたと言う訳ではなく、アサシンの場合は『魔界』と呼ばれる境地に足を踏み入れていない為に、
ランクがややダウンしている。
勇猛:A+
威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。また、格闘ダメージを向上させる効果もある。
命のやり取りをこそ最高の愉悦とし、周りの部下を敢えて自分に敵対心を抱く者や『修羅』と呼ばれる拳法家で固めているアサシンの勇猛ランクは、最高クラスである。
威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する能力。また、格闘ダメージを向上させる効果もある。
命のやり取りをこそ最高の愉悦とし、周りの部下を敢えて自分に敵対心を抱く者や『修羅』と呼ばれる拳法家で固めているアサシンの勇猛ランクは、最高クラスである。
気力放出:B
武器ないし自身の肉体に闘気を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。いわば『魔力放出』の闘気版である。
闘気の扱い自体は、北斗・南斗の名を冠した他の拳法でも可能であるが、北斗琉拳は闘気の扱いにおいてはそれらの拳法から一歩抜きんでている。
武器ないし自身の肉体に闘気を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。いわば『魔力放出』の闘気版である。
闘気の扱い自体は、北斗・南斗の名を冠した他の拳法でも可能であるが、北斗琉拳は闘気の扱いにおいてはそれらの拳法から一歩抜きんでている。
【宝具】
『疾火煌陣』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大補足:1~15
北斗琉拳を扱うアサシンの戦法そのものが、サーヴァントとなって宝具となったもの。常時発動型の宝具。
修羅の国を跋扈する修羅や、彼らを束ねる郡将ですら、『拳の影すら捉える事が出来なかった』と言わせしめる攻撃速度をアサシンは持つ。
己の肉体のみを用いたアサシンの攻撃は、影も見えず、音も立てず、残像すら確認出来ない。
宝具ランクと同等の宗和の心得を持ち、ランク以下の見切りに類するスキルを無効化させる。
アサシンが攻撃態勢に移っても気配遮断ランクが下がらない理由の正体がこの宝具である。
但しこの宝具の恩恵を受けるのはあくまでも『肉体のみ』を用いた攻撃だけで、闘気を用いた範囲攻撃であったり、闘気を目に見える形で纏わせた場合は、
この宝具は機能しなくなる。
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大補足:1~15
北斗琉拳を扱うアサシンの戦法そのものが、サーヴァントとなって宝具となったもの。常時発動型の宝具。
修羅の国を跋扈する修羅や、彼らを束ねる郡将ですら、『拳の影すら捉える事が出来なかった』と言わせしめる攻撃速度をアサシンは持つ。
己の肉体のみを用いたアサシンの攻撃は、影も見えず、音も立てず、残像すら確認出来ない。
宝具ランクと同等の宗和の心得を持ち、ランク以下の見切りに類するスキルを無効化させる。
アサシンが攻撃態勢に移っても気配遮断ランクが下がらない理由の正体がこの宝具である。
但しこの宝具の恩恵を受けるのはあくまでも『肉体のみ』を用いた攻撃だけで、闘気を用いた範囲攻撃であったり、闘気を目に見える形で纏わせた場合は、
この宝具は機能しなくなる。
【weapon】
北斗琉拳:
1800年前に、北斗宗家の者達が、北斗神拳の創始とほぼ同時期に創始した、とされる暗殺拳。開祖はリュウオウとされる向きが強い。
北斗神拳では人体の気孔を秘孔と呼ぶのに対し、北斗琉拳は破孔と呼び、その秘孔と破孔の数が違うと言った細やかな差異はあれど、概ねの箇所は似通っている。
北斗神拳と戦い方は似通っている。が、戦いに対するスタンスが違い、北斗琉拳の優れた使い手及び伝承者は、
身体から放出される圧倒的な闘気を用いて空間を歪め、相手との距離感や、空間の把握能力を狂わせ、其処を突く事を旨とする。
そう言った戦い方の都合上、闘気の扱いにも長け、北斗琉拳以上に闘気に長けた拳法は、現状元斗皇拳をおいて存在しない。
そして北斗神拳との最大の相違点は、北斗琉拳には所謂、『魔界』と呼ばれる技術の領域が存在し、これは、
拳の使い手が大きな怒りや憎悪を抱いた時に踏み入れる事が出来る境地とされ、北斗琉拳の究極の頂とされる。
魔界に足を踏み入れた者は元の人相の原型がない程邪悪なそれに代わり、その影は幻魔影霊と呼ばれる魔人の姿を地面に映す。
更に扱う闘気が『魔闘気』と呼ばれるそれに変貌。これを戦闘に利用すると、空間の把握能力が狂うのではなく、
相手は一時的な無重力状態に陥ったような錯覚を覚え、まともに立っている事すら叶わなくなる。
非常に強力な拳の境地である事は確かだが、この状態に入った者は正気を失い、いたずらに殺戮を繰り広げる状態となる。
この『魔界』の存在のせいで、一時北斗琉拳は魔道の拳であり北斗神拳に及ばぬ屑星の拳とされた、と言う事実がある。
但し本来的には北斗の名を冠する通り非常に拳格の高い流派で、そもそも北斗琉拳の創始者が北斗神拳の創始者と兄弟だったと言う事実から、
古の昔より交流が深く、『北斗神拳に伝承者なき場合はこれを劉家拳より出す』という掟が存在するなど、非常に密接な関係にある。
1800年前に、北斗宗家の者達が、北斗神拳の創始とほぼ同時期に創始した、とされる暗殺拳。開祖はリュウオウとされる向きが強い。
北斗神拳では人体の気孔を秘孔と呼ぶのに対し、北斗琉拳は破孔と呼び、その秘孔と破孔の数が違うと言った細やかな差異はあれど、概ねの箇所は似通っている。
北斗神拳と戦い方は似通っている。が、戦いに対するスタンスが違い、北斗琉拳の優れた使い手及び伝承者は、
身体から放出される圧倒的な闘気を用いて空間を歪め、相手との距離感や、空間の把握能力を狂わせ、其処を突く事を旨とする。
そう言った戦い方の都合上、闘気の扱いにも長け、北斗琉拳以上に闘気に長けた拳法は、現状元斗皇拳をおいて存在しない。
そして北斗神拳との最大の相違点は、北斗琉拳には所謂、『魔界』と呼ばれる技術の領域が存在し、これは、
拳の使い手が大きな怒りや憎悪を抱いた時に踏み入れる事が出来る境地とされ、北斗琉拳の究極の頂とされる。
魔界に足を踏み入れた者は元の人相の原型がない程邪悪なそれに代わり、その影は幻魔影霊と呼ばれる魔人の姿を地面に映す。
更に扱う闘気が『魔闘気』と呼ばれるそれに変貌。これを戦闘に利用すると、空間の把握能力が狂うのではなく、
相手は一時的な無重力状態に陥ったような錯覚を覚え、まともに立っている事すら叶わなくなる。
非常に強力な拳の境地である事は確かだが、この状態に入った者は正気を失い、いたずらに殺戮を繰り広げる状態となる。
この『魔界』の存在のせいで、一時北斗琉拳は魔道の拳であり北斗神拳に及ばぬ屑星の拳とされた、と言う事実がある。
但し本来的には北斗の名を冠する通り非常に拳格の高い流派で、そもそも北斗琉拳の創始者が北斗神拳の創始者と兄弟だったと言う事実から、
古の昔より交流が深く、『北斗神拳に伝承者なき場合はこれを劉家拳より出す』という掟が存在するなど、非常に密接な関係にある。
【人物背景】
核の炎に世界中が包まれ、地球上からあらゆる緑が失われ、殆どの生命体が死滅してしまった地球。
その地球の中に存在した、修羅の国、つまり昔で言う中国に興った『修羅の国』と呼ばれる国を統治していた、三人の羅将。その一人がハンである。
彼の過去については謎が多い。いつ北斗琉拳を学んだのかと言う事実を筆頭に、ケンシロウとヒョウの関係やラオウの事をどこで知ったのか、等。
ただ言える事があるとすれば、彼は常軌を逸した戦闘狂であると言う事、そして彼が学んだ北斗琉拳は、一子相伝の暗殺拳、北斗神拳の正統伝承者、
ケンシロウを大いに苦戦させる程に磨き上げられたそれである、と言う事だった。
その地球の中に存在した、修羅の国、つまり昔で言う中国に興った『修羅の国』と呼ばれる国を統治していた、三人の羅将。その一人がハンである。
彼の過去については謎が多い。いつ北斗琉拳を学んだのかと言う事実を筆頭に、ケンシロウとヒョウの関係やラオウの事をどこで知ったのか、等。
ただ言える事があるとすれば、彼は常軌を逸した戦闘狂であると言う事、そして彼が学んだ北斗琉拳は、一子相伝の暗殺拳、北斗神拳の正統伝承者、
ケンシロウを大いに苦戦させる程に磨き上げられたそれである、と言う事だった。
【サーヴァントとしての願い】
ない。聖杯戦争で強者との戦いを楽しむ。
【基本戦術、方針、運用法】
アサシンらしからぬ、高いステータスと、攻撃態勢に移ってもランクがガタ落ちしない、高ランクの気配遮断が最大の武器であるサーヴァント。
格闘戦は寧ろ、固有スキルと宝具、そして北斗琉拳の技の数々を考えれば平均よりも遥かに秀でていると言っても良く、下手な三騎士クラスであれば、
返り討ちに合わせる事も可能である。一対多との戦闘も得意であり、闘気を用いた範囲攻撃で、軍団を生み出す宝具もカバーできる。
アサシンのセオリー通りである、マスター暗殺が最も強力かつ驚異的な手段であるのだが、ハンは兎に角戦闘狂であり、アサシンクラスでありながら、
マスターを無視しサーヴァントと戦う傾向にある。恐らくハンのこの性情こそが、唯一にして最大の弱点となるだろう。
格闘戦は寧ろ、固有スキルと宝具、そして北斗琉拳の技の数々を考えれば平均よりも遥かに秀でていると言っても良く、下手な三騎士クラスであれば、
返り討ちに合わせる事も可能である。一対多との戦闘も得意であり、闘気を用いた範囲攻撃で、軍団を生み出す宝具もカバーできる。
アサシンのセオリー通りである、マスター暗殺が最も強力かつ驚異的な手段であるのだが、ハンは兎に角戦闘狂であり、アサシンクラスでありながら、
マスターを無視しサーヴァントと戦う傾向にある。恐らくハンのこの性情こそが、唯一にして最大の弱点となるだろう。
【マスター】
佐藤十兵衛@喧嘩商売
【マスターとしての願い】
Google買収。工藤優作を倒す願いは、聖杯では叶えない
【weapon】
【能力・技能】
富田流の継承者である入江文学から師事しており、流派の奥義を幾つか伝授されている。
心臓に重い一撃を叩き込んで相手を一瞬で気絶させる『金剛』、自己暗示をかけて火事場の馬鹿力を引き出す『無極』、
投げ落とす際に股間に通した手で睾丸を握り潰し、その痛みで相手の受け身を封じる『高山』。以上三つを使用可能。
またこれ以外にも、進道塾の高弟達にしか伝授されていない秘奥義である『煉獄』も、不完全ながら使う事が出来る。
だが十兵衛の戦闘の骨子は、勝つ為ならば何でもする、と言うそのスタンスである。
打撃や組、投げ技を利用するのは勿論の事、ルール規定がなければ凶器攻撃も平然と行うダーティさは、彼を語る上で外せない要素。
また非常に頭が良く、機転も利き、様々な知識・雑学を用いて罠や策略を巡らせることにも長け、洞察力も優れている。
これを利用して戦う前から自分の有利な状況を作り上げて置き、相手のペースを大いに乱す。これが十兵衛の恐ろしさである。
彼と戦った者は皆口を揃えて言う。十兵衛は、追い詰めてからが本番である、と。
心臓に重い一撃を叩き込んで相手を一瞬で気絶させる『金剛』、自己暗示をかけて火事場の馬鹿力を引き出す『無極』、
投げ落とす際に股間に通した手で睾丸を握り潰し、その痛みで相手の受け身を封じる『高山』。以上三つを使用可能。
またこれ以外にも、進道塾の高弟達にしか伝授されていない秘奥義である『煉獄』も、不完全ながら使う事が出来る。
だが十兵衛の戦闘の骨子は、勝つ為ならば何でもする、と言うそのスタンスである。
打撃や組、投げ技を利用するのは勿論の事、ルール規定がなければ凶器攻撃も平然と行うダーティさは、彼を語る上で外せない要素。
また非常に頭が良く、機転も利き、様々な知識・雑学を用いて罠や策略を巡らせることにも長け、洞察力も優れている。
これを利用して戦う前から自分の有利な状況を作り上げて置き、相手のペースを大いに乱す。これが十兵衛の恐ろしさである。
彼と戦った者は皆口を揃えて言う。十兵衛は、追い詰めてからが本番である、と。
【人物背景】
東京から栃木県宇都宮へと引っ越してきた高校生。官僚の父と、県知事の母を持つ。
父親の仕事の都合から転校が多く、またその体格の良さからいじめのターゲットにされていた過去を持ち、中学1年の時、偶然出会った、
進道塾で空手を学んでいた高野照久に助けられた。が、この時高野から言われた「見た目は強そうなのにお前弱いんだな」、と言う言葉をバネに、
いじめられっ子から脱却する事を決意。後の師である、富田流の入江文学から指導を受け、喧嘩に明け暮れる生活を送るようになる。
嘗て自分を助けてくれた高野を、自分の強さを見せつけると言う意味で喧嘩を売り、彼を倒す。
しかし、喧嘩三昧の毎日を送る過程でヤクザをボコボコにした事がきっかけで、彼に向けて送り込まれた工藤優作に完膚なきまでの敗北を叩き込まれる。
命乞いまでし、失禁すらしてしまったその時の屈辱が忘れられず、再び十兵衛は、嘗ての師である入江文学から再び師事。
工藤へのリベンジマッチの為に、文学の下で修業をし、その力をつけて行くのであった。
父親の仕事の都合から転校が多く、またその体格の良さからいじめのターゲットにされていた過去を持ち、中学1年の時、偶然出会った、
進道塾で空手を学んでいた高野照久に助けられた。が、この時高野から言われた「見た目は強そうなのにお前弱いんだな」、と言う言葉をバネに、
いじめられっ子から脱却する事を決意。後の師である、富田流の入江文学から指導を受け、喧嘩に明け暮れる生活を送るようになる。
嘗て自分を助けてくれた高野を、自分の強さを見せつけると言う意味で喧嘩を売り、彼を倒す。
しかし、喧嘩三昧の毎日を送る過程でヤクザをボコボコにした事がきっかけで、彼に向けて送り込まれた工藤優作に完膚なきまでの敗北を叩き込まれる。
命乞いまでし、失禁すらしてしまったその時の屈辱が忘れられず、再び十兵衛は、嘗ての師である入江文学から再び師事。
工藤へのリベンジマッチの為に、文学の下で修業をし、その力をつけて行くのであった。
嫌いなものは春菊とピーナッツ。事あるごとに女性の知識を披露するが、実際には童貞かつ仮性包茎のエロ孔明(経験はないけどエロ知識だけは豊富と言う意味)
過去に教育実習生の多江山里から、細木数子を見ると勃起してしまう体質に調教されており、過去に戦った柔道家のキンタマを潰した際に、
彼が上げた苦悶の声を携帯の着信音にしている。
つまり佐藤十兵衛と言う男は――滅茶苦茶性格が悪い。
過去に教育実習生の多江山里から、細木数子を見ると勃起してしまう体質に調教されており、過去に戦った柔道家のキンタマを潰した際に、
彼が上げた苦悶の声を携帯の着信音にしている。
つまり佐藤十兵衛と言う男は――滅茶苦茶性格が悪い。
【方針】
さしあたって冬木の様子見。フレディのおっさんを何とか操りたい。
さしあたって冬木の様子見。フレディのおっさんを何とか操りたい。