夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

伊佐木要&セイバー

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荒れ狂う嵐の中、彼が最後に見たのは大切な存在。
その大切な存在が別の男《友人》を抱いている姿だった。

気付いていた。彼女がその友人を好いていたことを。
知っていたんだ。自分ではなくてその男が好きだってことを。
解っていた。でも、その現実を受け止めたくないから目を逸らしていた。
認めたくなかったんだ。だから、かっこつけて一歩引いて、気取って。

強引に思いを伝えた。自分のことしか見てない。彼女の心に歩み寄ろうとしなかった。
焦っていた。海を出て、地上で出会ったあの男に惹かれている彼女を見ていたから。
もうあの頃には戻れない。気持ちも想いも。全てが過去の出来事になってしまった。

好きな想いと日常を望む気持ち。
そんなことを考えながら、冷たくも暖かい海の底に堕ちていった。








「それがマスターの過去ってことなんだね」

やり直しの願いを望む彼が招かれた最後の希望、その名は聖杯戦争。
彼に言葉を投げたのは参加者のシルシでもあるサーヴァントだ。

「ちょっと自分でも面倒なことやって……結局は目の前で失うのが怖かったんだ」

「うーん、僕もその気持は解るよ。好きな人も、友達も大切だからね」

友情は紡ぐのは難しい。些細な事で簡単に崩れ去るから。
しかし人は時に大きく一歩を踏み出す事がある。
それが青春、少年少女は夢に生きて、憧れを追い続ける。
例え傷付こうが、涙を流そうが彼らは人生の物語を彩っていく。

過去の恥ずかしい体験も、失敗も、後悔も。
その全てがアルバムの一ページとなり、未来の笑い話に花を咲かせるのだ。

「僕ならそんな時は……ってやめとく。マスターにはマスターのやり方があるもんね」

「はは、こんな時は真剣に相談に乗ってくれるのが理想じゃない?」

「マスターが望むなら、ね。僕には慰めて欲しいように見えなかったけど?」

サーヴァントは笑顔を絶やさない。しかし巫山戯ている訳ではないのだ。
マスターの心情を彼なりに読み取り、同世代の存在らしく語りかけ、話に付き合い、前を向かせる。
彼が望んでいることは慰めではない。求めているのは勇気と後押し。
聖杯戦争の現実を受け入れるための覚悟が必要なのだ。

「セイバー……人を殺してまで叶えたい願いなんて」

「うん」

「……」

その先の言葉を紡いで貰うのが理想だった。
やり直したい。戻れるならば、戻りたい。あの頃に、心に嘘を築かないで笑っていたあの頃に。
でも、それは殺しをしてまで……誰かを不幸にしてまで叶えたい願いなのか。
他人は他人、関係ない。そう決め込めばどれだけ楽になるだろう。
簡単に割り切れる程、人間は出来ていなく、責任を負ってもらえるなら発言を。
しかしセイバーは黙る、マスターの心を理解しているのだ。

此処で甘やかし自分が肯定すればマスターは願いのために他者を殺すかもしれない。
それは望んでいることではなく、願いへ続く長く険しい道の過程だ。
例え絶望したとしても《セイバーがあの時言ったから、他人を殺した》責任逃れの小道が出来てしまう。
故にセイバーは黙る。選択は己の手で選ぶものだから。

「……」

「願いなんて……そこから?」

やり直したい……違う。
同じ状況に戻ったとしても、自分が変わらなければ結果は変わらない。
変わったとしても。それはズルだ。自分だけ選択肢の結果を知っているから。

その先に求める光景が存在するのか。
彼女はソレを赦してくれるのか。
そもそも彼女は振り向いてくれるのか。

「こっちの方が先に好きだったのに、後から出て来た奴に盗られるのが嫌だった」

出てくる言葉は先の言葉と繋がらない孤独で独りな独白。

「でもさ、好きな人が彼女にも居たんだ、それで……知っていたんだ。解りやすいんだ、見てると」

だから自分の心を隠し続けて、想いを伝えて日常が壊れるのを恐れていた。
あの笑顔が二度と見れなくなるのは――嫌だから。

「一歩引いて、気取って……馬鹿だよね。それで自分が苦しんでいる。
 動いた時には遅かったさ。火に油、でも止めれなかった……ッ」

自分で話しているのに続きを聞きたくない。
でも、抑えられない。

「あの頃に戻りたい……でも――それで誰かを殺すなんて絶対に駄目だ。
 戻っても変わっていなくちゃ繰り返すだけだ……それに


 人を殺した僕を、ちさきが……みんながっ……それじゃ駄目なんだ、意味が無いんだ」


叶えたい願いは在る。
求めている、海の底から天高く輝く光を見るように切なく、淡く。
だがそれを叶えるために他人を殺す道は最初から存在しない。
理由にならないのだ、願いのために他人を殺すなんて方程式は存在しない。
戻ったとしても、あの頃《思い出》の再現は不可能だろう。

ならば聖杯に懸ける願いはやり直しではない。
やり直しに含まれるが直接的なことではなく、自分自身を見つめ直すこと。

「マスターの気持ちは解った、言ってくれてありがとう。
 なら僕はマスターの力になるさ、マスターが青春に戻るために全力を尽くす」

サーヴァントは従者だ。主に尽くす召使。
だがこのセイバーはそんな様式だけの形に囚われる男ではない。
聖杯戦争なんて関係ない、目の前で困っている人間を助けるために、救うために。
その身、銀河の果てまで輝かせてあげようじゃないか。

「ありがとう……戻れたらもう少し素直になってみるよ」

「そうだね、そのためにも絶対に戻ろうよマスター。
 マスターの物語はまだ続く、青春なんて全部が良い思い出だけじゃないよ。此処で終わっちゃいけないんだ。
 足りない、マスターはこれからたくさん思い出を創ろう、最後に笑っていればそれで充分さ」

見上げた空に馳せるは広がる夢。
心を閉ざさないで、現実から視線を逸らさずに。

綺麗事だけでは終われない、でも血で汚すつもりもない。
その男、銀河美少年。周りの人間を自然に導く光り輝く銀河からの使者。
暗い暗い海の其処だろうと照らし、人々を笑顔にさせる輝きの指揮者《タクト》。

「マスターを元の世界に還す……その願い、僕が引き受けた!
 さぁ、行こうじゃないか! 僕達の青春《物語》はまだ終わっちゃいない!」




【マスター】
伊佐木要@凪のあすから

【マスターとしての願い】
元の居場所に戻りたい、やり直しではなく、前に進みたい。

【能力・技能】
水中内を息継ぎなしで潜り続けることができる。
また、他人の恋事情には敏感だが自分の事に関しては鈍感である。

【人物背景】
元々は幼馴染達と一緒に海の村で過ごしていた。
時が流れ陸の学校に通い始めた時、彼らの時間は大きく動いていく。
最初は海出身、という理由だけでクラスから浮き物になっていたが徐々に仲を育んでいく。
やがて大人達と衝突しながらも海と地上の人間が協力して行うおふねひきを実現させる。
しかしそれが原因で彼らの関係と思い出は全て海の中へ消えてしまった。

【方針】
元の世界に還ること。他人を殺すつもりはない。



【クラス】セイバー


【真名】ツナシ・タクト@STAR DRIVER 輝きのタクト


【パラメータ】
 筋力B 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A


【属性】秩序・善


【クラススキル】
 対魔力:B
 魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。

 騎乗:B
 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。


【保有スキル】

 直感:C
 戦闘時、つねに自身にとって最適な展開を”感じ取る”能力。敵の攻撃を初見でもある程度は予見することができる。

 第一フェーズ:EX
 シルシを持つ者が所有する超能力のようなもの。
 ツナシ・タクトの能力は明かされていないが一説は《出会った人を笑顔にする力》と言われている。 

 夢追い人:A
 どんなに馬鹿にされようが、笑われようが、自分を見失わず貫き通す。


【宝具】
『颯爽登場! 銀河美少年!』
 ランク:A種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:4
 胸に刻まれたタウのシルシを光らせ、銀河美少年とタウバーンはアプリボワゼ(関係)する。
 姿も変わり、彼自身の戦闘スタイルとなる。
 主な武器は対のスターソードによる近接戦。ビームやミサイルでの遠距離戦もこなす。
 また、バイルを展開させることにより幅広い戦闘も行える。副産物として停止している時の中でも行動可能。


【Weapon】
 スターソードを始めとするタウバーンの武装。


【人物背景】
 青春を謳歌するために南十字島という南の孤島まで泳いで渡ってきた少年。
 明るく、誰とでも仲良く接せる彼は学園の人気者になっていき幅広い交友関係を持つようになる。
 彼が島にやって来たこと影響から島の物語は大きな変貌を遂げることとなる。
 彼は父親、友人、青春――色々なモノを背負い、銀河美少年となりて世界を輝かせる存在になっていく。


【サーヴァントとしての願い】
 マスターの願いを叶えること。


【基本戦術、方針、運用法】
 セイバーらしくスターソードを主に使い戦闘を行う。
 遠距離攻撃も可能だが近接共に決定打に欠けてしまう。
 タウバーンが呼べれば話は別だがセイバーとして現界しているため、難しいモノとなっている。

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