夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

ココ・ヘクマティアル&ネゴシエイター

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「いやいや~~~~! まっさか、ファンタジーな世界観に私が巻き込まれるとはね!!!」
「……その割には全く怯えてないのはどういった要件かね。
 もしや聖杯戦争が怖過ぎて、狂ったと言い張るのかな? いやはや、美人の狂う様は見苦しいからやめておいた方がいい」

夜の帳が下りる頃。
一組の男女が新都のホテル最上階にあるレストランで食事をしていた。
女性は、ワイングラスを傾け、男性は黙々と皿に盛りつけられた子羊のソテーを口へと放り込む。

「おいおい、私がそんな命が懸かった戦場でドンパチするぐらいで狂うと思うか?
 相互理解が足りてないなぁ、全くもう」

女性――ココ・ヘクマティアルはそれはもう笑顔だった。
ニンマリ笑顔の五倍増し、大層に身振りで表すぐらいには上機嫌である。
プラチナブロンドの長髪を振り回し、碧眼はぎょろぎょろと動く。
有り体に言ってしまえば、気持ち悪い。

「そりゃあ、怯えた所でどうにかなるはずもないし? 
 ま、商談前に巻き込むんじゃねぇ、せめてオフの時にしろクソッタレって言いたいのも山々なんだけどさ」

粘ついた笑みのまま、自分に対して不躾な発言をしたサーヴァントに対して、ココは口をへの字に曲げて抗議する。
くるくると頭を回しながら笑う姿は見かけの年齢よりも幼く感じさせる。
天真爛漫、と称されるだろう彼女は、むやみに内面の闇をひけらかさない。
この街が紛争地帯のように、銃弾が飛び交う荒れ果てた世界へと変貌しない限りは、今のペースを崩さないだろう。

「笑顔は大事だと思うんだ~~~、ふへへっ」
「うむ。まずは、その頭の中身を掃除してから出直してきたまえ。何、心配はいらない。
 今なら、新庄君と私のラブラブ記念日二百五十一回目大サービスで、佐山銀行がトイチで治療費を負担しようではないか」
「パース、信用出来ないでーす」
「嘆かわしい。私程信頼できるサーヴァントはおらんよ? 残念過ぎて、子羊のソテーが泣いているんだが」

ぺらぺらと口上を並べるココに対して、サーヴァントである彼――佐山・御言はやれやれと身振りを加えて頭を掻き上げた。
一房だけ白く染まったオールバックの髪に、きっちりと着用したスーツ。
これだけを見れば、何処ぞのヤクザにしか見えないが、全く持って違う。
もっとも、懇意にしている家はどう見てもヤクザなのは別の話だ。



「それで、方針は?」
「もち、聖杯狙い」
「嘘をつくのはやめたまえ。貴方の発言には真剣味が感じられん」
「ですよねー」

そして、明日の予定を聞くかのように、腹の探り合いが始まった。
聖杯戦争に参加するからには、マスターとサーヴァントの相互理解がどうしても必要である。
彼らは真っ向から戦って勝つタイプではない。
頭を回し策謀を練って、確実性を高めてから動くタイプなのだ。
その為には、まずは互いを知ることで、【底】を知ることから始めなくてはならない。

「でも、聖杯が欲しいのは事実。万物の願いを叶える黄金の器、燃えてこない?」
「燃えているのは貴方の頭の中だと思うがね」
「そうさ、私の頭はいつだって燃えている。戦場は、魂を燃やして生き様を散らす墓場みたいなものだ。
 私みたいなか弱い女性は気張ってないと、即座に死んでしまう」
「その意見には賛同するが、唯一つだけ――否定したい部分がある」
「言ってごらん?」

佐山は一息ついて、一言。

「か弱い女性だって? それは質の悪いジョークかね? だとしたら、お笑い芸人の才能はないから即座にやめたまえ。
 貴方のジョークは面白くない、もっとウイットに富んだ言語を学んで、新庄君好き好き大好き講座を十万回見て出直すことを薦めよう」

ストレートの暴言をココにぶつけた。
だが、ココもやられっぱなしでは収まらない。

「はぁ、こんなにも麗しき女性から放たれたジョークが通じないなんて。それとも、日本人には通じないジョークだったかな? それは申し訳ないことをした。
 その齢で白髪があるお爺ちゃんにはもっと優しい日本語を使うべきだったかな?」

暴言には暴言を。
やられたらやり返すといった信条を持つココからすると、佐山に言いくるめられるのは当然、拒否である。

「どうやら、私は喧嘩を売られているらしい。よろしい、その安い一文にもならない喧嘩、買おうではないか!」
「フフーフ、生憎と私はそんじゃそこらの安いマスターじゃない!」
「ならば、言わせてもらおう! 私もそんじゃそこらのぼんくらサーヴァントではない!」

ああ言えばこう言う。まるで、小学生のように意地を張り、顔を強張らせていた。
最初は優雅に振舞っていた二人も、いつのまにかに声を荒らげ聞くに耐えぬ罵倒を繰り広げている。
そして、そうなると必然に――。



「……危うく追い出される所だった」
「些か、品が欠けていたようだね、私達は」

――店員に注意される。
聖杯戦争参加者のサーヴァント、マスターであっても社会常識から外れることをすると、咎められるのだ。
もっとも、肩をすくめて笑うココ達に反省は全く見受けられないが。

「ともかく、このまま煽り続けても埒が明かない」
「そうだねぇ。おふざけもここまでにして、真面目に話そうか」

一変。二人の纏う空気に緩みがなくなった。
鞘から抜き放った日本刀のように、輝きを伴った鋭さが互いの双眸に宿る。

「サヤマ。聖杯の存在、信じれる?」
「半々といった所か。この身がサーヴァントである以上、頭ごなしに否定はしないよ。
 ある程度の奇跡は叶えて然るべき。ただし……」
「ただし?」
「願いとは――自分を織りなす思いの詰まったものだ。そんな大切な願いを安い奇跡に頼って叶えるなど、失笑ものだね」

佐山は理想を抱いて前へ進むことができる男だ。
夢を説き、最良のハッピーエンドを選べる胆力もある。
しかし、その理想は自分の手で叶えるべきと彼は考えていた。
奇跡は大いに結構、素晴らしいものだ。けれど、その奇跡に縋って叶う程度の願いなど、持ち合わせているのだろうか。
否である、断じて彼はその主張をはねのける。
誰かの手を借りることはいいが、最初からそれを当てにすることは弱さだ。
人間は必ずしも強くあらねばならない、とまでは言わないが、少なくとも自分はその範疇に入らない。

「否定の論理はまだある。その聖杯が必ずしも、何の狂いもなく願いを叶えてくれる保証はあるのか。
 加えて、未だに【裁定者】が現れないことが不信を煽っている」
「不在なのかもしれないって考えは?」
「ありえん。【裁定者】無き聖杯戦争など、何の制限もないではないか。
 このモラトリアム期間は、【裁定者】のことを忘れて日常を楽しめという計らいだと予測はしているが、どうも、ね」

正確に言うと、まだ聖杯戦争は始まっていない。
今は、割り振られた役柄と日常生活に慣れろ、というメッセージと佐山は解釈する。



「少なくとも、私は思わないね。もしも私が聖杯を渡す裁定者ならトラップをしかけて掠め取る」
「フフーフ、同意見だ。勝ち残った一組にはいどうぞーって聖杯を渡す優しい裁定者なら、嬉しいけれど……ありえないよねーっ」

高みから見て、嘲笑っている【裁定者】がいることぐらいココ達は理解している。
それが、何よりも鼻持ちならないのだ。

「そもそも、よくもわからない街にいきなり放り込まれて、聖杯戦争のルールを勝手に頭に流されて。
 それで、最後の一人になるまで殺し合えって言われても困る。マナーがなってないぞ、【裁定者】!」

ぷんすことじたばたしながら、ココはグラスに残っていたワインを一気に口元へと運ぶ。
ぐいっと一杯、濃厚なアルコールと果実の味が口内で弾け飛んだ。

「最初にやるべきことは信頼性の構築から始めるべきだというのに。
 ともかく! 私達に与えられた信頼が足りない! 武器を売る時だってそうだ、どの商品が高く売れるか。この相手は何を是としているか。
 入念なリサーチをこなすことで、初めて商売は成立するんだ」

この問いが解決されない限りは、聖杯が手に入るといったことは到底信じることができない。
故に、彼らは聖杯に懸ける奇跡が真っ当に叶うとは思わなかった。

「とりあえず、現状は様子見。これで決まりのようだね。
 それでは今後の方針だが、まずは、情報を収集。他者との【交渉】に重点を置くことを進言する」
「いいんじゃない? けどさ、サヤマ――交渉できるの?」
「無論だ。そもそも、私が今回呼ばれたサーヴァントの座は――ネゴシエイターだ。
 交渉で発揮される異色のサーヴァント、それが私だ!」
「……その割にはパラメーターがそこまで低くないんだね」
「交渉の場に立つには、ある程度の武力が必要だ」

訝しげな視線をぶつけるココに対して、佐山は不敵に笑う。
多種多様の種族、世界の面々と交渉をしてきた彼にとって、この聖杯戦争も一種の交渉なのだろう。
要求をぶつけ、境界線を探し当てる。そして、その先へと踏み出して、自分の意見を押し通す。
正当な理由を直球で投げて、相手をノックダウンさせてこそ、真のネゴシエイターである。

「譲れぬ願いもあるだろうが、ここは一つ、協調といこうか」
「そうだね。今だけは、私達二人だけの軍団だ。名前、付ける?」
「それはもっと人数が集まってからでいいだろう。とりあえず、互いの願いを打ち明けて、此度の議論は終了としよう」
「オーケー。それじゃあ、二人合わせて――」

互いに交渉を生業にする者同士、思う所もあるが四の五の言ってられる状況ではない。
戦わなければならないのなら、戦おう。ただし、その舞台は交渉という得意分野が活きる場所で大いにしようではないか。
両人、グラスを持ち、軽く前へと突き出して誓いを打ち鳴らす。



      「世界平和の為にも」     「世界変革の為にも」


かちゃん、とグラスの小気味いい音が響いた。




【クラス】
ネゴシエイター

【真名】
佐山・御言@終わりのクロニクル

【パラメータ】
筋力:C 耐久:C 敏捷:C 魔力:D 幸運:A 宝具:A

【属性】
秩序・悪

【クラススキル】
交渉:A
  あらゆる世界、人種を相手にとって弁論をした彼は、交渉においては無敵と言っていいだろう。
  どんな理屈も無理矢理納得させるスキル。ただし、交渉の結果、戦いになることも多い。

【保有スキル】
カリスマ:A
大軍団を指揮・統率する才能。
全竜交渉部隊、尊秋多学院生徒会で培った彼のカリスマは留まることを知らない。
ただし、留まらなすぎて、よく反抗される。

まロい:E
新庄・運切のお尻を丁寧に、そしてハードに触る技術がスキルに昇華された。
なお、新庄・運切以外には全く通用しない。

戦闘技術:C
幼い頃から鍛え上げた技術の結晶。銃器、格闘、サバイバル技術など精通しているものは数知れず。
様々な敵を相手取る実戦を踏まえて、練り上げたスキル。

不屈:B
どんな逆境でも、決して自分を見失わず前に進める意志。
彼は立ち塞がる壁がどれだけ分厚くても、初志を貫徹するだろう。


【宝具】
『全竜交渉(ゲオルギウス)』
ランク:A 種別:対概念宝具 レンジ:1~80 最大補足:1人
グローブ型概念兵器。プラスのメダルが嵌める左手用と、マイナスのメダルが嵌める右手用の一対で、メダルは脱着が可能。
概念の増幅や効果を逆転させる機能を持ち、メダルを本来とは逆にはめる事で概念破壊機能を発揮する。

『貘』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人
手の平大の猪に似た姿をしている7th-Gの獣。
条件が満たされると【過去】を夢として周囲の人間に見せる能力を持っている。

【weapon】
ゲオルギウス。

【人物背景】
尊秋多学園・生徒会副会長を務める二年生の少年。
“悪役”になる事を望み、両親のしてきたことを追い求める為に、異世界との交渉部隊――全竜交渉部隊のトップに就任する。
ちなみに、服装はスーツ、もしくはブレザーの制服をよく着用している。

【サーヴァントとしての願い】
世界変革――というのは冗談である。
願いとは自分で叶えるものであって、聖杯に託すなどもっての外だ。
ただ、本物の聖杯が自分の手に転がってきたらまあ、使ってやらんこともない。
新庄君のエロい姿を大画面高画質で見れるプロジェクターや、新庄君の等身大フィギュアだったり――以下略。


【マスター】
ココ・ヘクマティアル@ヨルムンガンド

【マスターとしての願い】
世界平和。とはいっても、聖杯に託すものではなく、自分で叶えるべき願いだと自覚はしている。

【weapon】
拳銃。

【能力・技能】
ビジネスマナー。
多国語を話せる。
射撃に関してはそれなりの技術。

【人物背景】
武器商人を営む二十代半ばの白人女性。
常に笑顔を絶やさず、交渉の時も大胆不敵。
しかし、武器を売るのは【世界平和の為】と称すなど、謎が多い。

【方針】
死ぬつもりもない、殺人に躊躇はないが、定められたルールに踊らされるのは気に食わない。
まずは情報収集を行うことから始める。
後の方針は、その時に決める予定。

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