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  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • 霧けむる城

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

霧けむる城

最終更新:2009年04月30日 23:41

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だれでも歓迎! 編集

霧けむる城  ◆v5ym.OwvgI



梨々達は真夜中の放送を聞いてから眠っていた。
だがすぐに、今度は梨々が作った警報装置で目を覚ますことになった。

時間にして眠ってから2時間。
深夜2時を少し過ぎたあたり。

警報装置が鳴った。それはつまりここに誰かが来たということ。
それも梨々達は、相手が殺し合いに乗っている可能性は高いと判断した。
というのも、警報装置が鳴ってからやってきた人は、
結構時間がたったにも関わらず、こちらに向けて声を出さない。
それは相手がこちらにやってくることがばれたと思い、警戒しているからだ。

大抵の人間は、今の彼女らみたいに明日に備えて休息を取る人の方が多いだろう。
それでもなお動き回る行動力のある人ならこちらに呼びかけてくるだろうが、それがない。

流石に2時間もたち、ここに雨宿りに来るっていうのは考えにくい以上、
呼びかけがないということは、やってきた人はなにかやましいことを考えている人で、
警報装置で人がいるということに警戒をした人たちである。

そう予想し、彼女らは対策を取るため動いた。

最初はレックスが4人で会おうと提案するが、
それだともしこの予想が外れ、相手が殺し合いに乗っていない人間だったとしても、
レックスやアルルゥが殺し合いに乗ったままだという情報を得ている場合、
警戒される恐れがあった。

故に、やってきた人と最初に会うのは梨々とベルカナということになった。
ベルカナも、野上葵のことがあり、できるなら外れたかったのだが、
そのことを梨々達に話していないため、それができない。

結局、二人で入口に向かうことになった。
その間に、嫌がるアルルゥをなだめながらも、アリス・イン・ワンダーランドで迷いの霧を発生させ、
入口にいる侵入者と相対することになった。




   ※    ※




ブラックラグーン号から降りて、城に向いすぐにイヴは罠にかかった。
ガチャーンと響くガラスの音が、無人の城の中に響き渡る。


「な……なんなんだ?」
「おそらく、侵入者が来ることを警戒しての警報装置だったんでしょう」
「そんな罠にかかるなよ! お前それでもやる気があるのか!?」
「申し訳ありません、御主人様。注意不足でした」

罠にかかったことを糾弾する千秋。
主人役である千秋のその言葉に素直に謝罪するイヴ。

だが罠にかかったことで中にいる人を警戒させることになったが、
逆にこれはイヴ達にとっても、中に人がいるだろうという期待になる。


「どうしますか、御主人様。先に人がいる可能性は高そうですが」
「……わかってるよ! とっとと先を歩け、イヴ!」

その千秋の『命令』に従い、進もうとするイヴだったが、進もうとした足が固まる。
城の中が霧で満たされてきたのだ。

「この霧……私たちがここにきたからでたのか? ……中にいる奴は魔法使いだったりするのか?」
「あるいは、支給品による効果と考えることもできます。
 なんにせよ、罠といいこの霧といい、警戒するべき相手です」
「いちいちうるさいぞ! お前はただご主人様の命令を聞いていればいいんだ!」

千秋はそう言いながら手元の首輪探知機を覗く。
城の中にはいっても首輪探知機の反応は自分たちの分しかない。
そのまま入口でしばらく警戒をしていたが、人が来る様子はなく、
首輪探知機の反応も変わらずだ。

「……あちらから来るようすはなさそうですね」
「だったらこっちから……まった! 反応がある!」

千秋が焦れてこちらから向かおうと指示を出そうとしたが、
その間に首輪探知機がこの場に一人、向かってきていることを確認した。
その方向を見てみると、霧の中から二人の人間が現れた。

「……お前らがこの霧を出した張本人か?」

相対した二人少女に向けて、千秋が喋る。
イヴはその声を聞きながらも、いつ千秋が相手を殺害するよう命令してきても、
直ぐ動けるように身構える。

「……そう言うことになりますわね」
「あ、あの、あなた達は殺し合いに乗っていませんか……?」

その二人の少女のうち、後に話した白いタキシードの少女の声に、イヴは凍り付く。

(この……この声は……)

聞き覚えのある声。
人殺しをしてしまった自分に、だまされていた自分に、優しくかけてくれた声。
全ての感情を消し去る前に聞いた声。
自分が殺し合いに乗るきっかけを与えた、優しすぎる声。
全てを忘れて戻りたいという願いを持たせた、あの声。

(フェイトさん……? そんな、彼女は私が殺したはず……!)

だが彼女は自分がこの手で殺したはず。
彼女がここにいるはずがない。

そう思いながらも、この声はまぎれもなく彼女の声。
まさか彼女は、あそこで死なずにここにいるというのか?
そう思ってしまうと、霧で見えないその顔が、彼女の顔のように思えてくる。

「お前らは殺し合いに乗っていないのか?」
「そうですわね。私はベルカナといいます。あなた達の名前は?」

相手の質問には答えず、千秋が質問する。イヴの変化には気付かない。
その中で相手のうち一人が名乗るが、混乱するイヴの耳には届かない。
そして、イヴの身体は変化を起こし、腕に天使のような白い翼が生える。

「……!」
「おい、まだ早いだろ馬鹿!!」

千秋の静止も聞かず、イヴはタキシードの少女へと翼から羽根を飛ばす。
イヴの技、フェザーショットだ。
だが普段ならば確実に相手を捕らえるその羽根の弾丸は、
目の前の少女に当たらずに、その横を通り抜ける。
そうする間に、二人の少女は霧の中に隠れ、見えなくなった。

「なにやってるんだ、ばかやろう! まだこの霧のことも聞いてなかったんだぞ!」
「どうして……あなたが……」
「まあいい、とっととあいつをぶっ殺せ!!」
「……! はい、わかりました……」

千秋はイヴの様子には気付かない。気付かないまま、命令を下す。

(そうだ、フェイトさんは私は確実に殺した……あの人が、ここにいるはずがない……!)

「御主人様」の命令に、イヴは若干ではあるが冷静になり、さっきの想像が、想像でしかないと思いなおす。
自分の、捨てたはずの心が作り出した妄想に過ぎないと強く言い聞かせる。

あの声も、よく似ているだけの別物。
フェイトも、確実に自分が殺した。生きているはずがない。
そう考えるも、この妄想はイヴに深くこびりついた。


「依頼をするぞ! 相手はベルカナだ!!」

イヴが心の整理をしている間に、ランドセルから黒くて玉子のような形の人形を取り出していた千秋は、
10円玉を玉子のような形の人形に入れ、先ほど相手が告げた、相手の名前を叫ぶ。
ヒットマンの恰好をしたころばし屋というその人形の目がきらりと光る。

千秋達にはベルカナの姿は見えない。
しかし一流のヒットマンである彼には濃厚な霧で千秋達には見えない少女の姿もみえているのか、
玩具のピストルが鳴らすような発砲音を響かせる。

「っく!?」
「イヴ、あそこだ!」
「はい……!」

ころばし屋は、この濃霧の中でもその腕を見せつける。
イヴはバトルピックを構え、ころばし屋の向いている方角へ進む。

二度目の発砲音。

ほどなく霧の中に立ち上がろうとする少女の姿を確認し、
そちらへと駆けだす。

パキュン! 

ころばし屋の最後の一発も、確実に霧の中にいる少女にあたり、
再び転倒する少女へと、バトルピックを振り下ろす。

「させない!」
ガキン!

だがその攻撃は、横から出てきた子供に阻まれる。
バトルピックを受け止めたのは緑色で先が龍の形をした杖。
それを持つのは、金髪に青い服をきた少年だ。

イヴはすぐさま自分の髪を刃へ変化させ、その少年へと斬りかかる。
少年はというと直ぐに後方に飛び、その攻撃範囲から遠ざかり霧の中へ消える。
見まわしてみると、転倒していたはずの少女もいない。

「御主人様、どうして他に人がいるんです!?
 探知機で調べたんじゃなかったんですか!」
「う……うるさい! 首輪探知機の調子が悪いんだ!
 さっきから出たり消えたり……いったいどうなってんだ!?」

居るはずのない人間による妨害に、自身の主人へと詰め寄るイヴ。
それにこたえる千秋は、いらだった声で返事を返す。


普段ならば、これだけ近くにいたはずの少年も探知できるはずなのだ。
だが探知できなかった。それは首輪探知機の調子が悪かったからに他ならない。

この探知機は、城にきてから……正確には霧が出てから機能しなくなっている。

この探知機の「中にいる」P-Beeも、この霧の影響で、
他のP-Beeのいる位置が分からなくなっていたのだ。

千秋達にとって不幸にも、この状況下では首輪探知機は「壊れて」いたのである。
そしてそれに気付かずに、戦闘に突入してしまった。
支給品に対する過信。はじめて味わう戦闘。
千秋は混乱に陥っていた。

「ンアヴィワ!」

そんな千秋達であるが、戦闘は止まってくれない。
霧の中から響く、梨々とも先ほどの少年とも違う声。

それと同時に、霧の中に巨大なシルエットが浮かび上がる。
竜のようにも見えるそのシルエットの恐らく口に当たる部分に溜まる熱。

「武装錬金!」
「……っ!」

咄嗟に千秋はシルバースキンを展開。
イヴは自身の身体を変化させることで防御を整える。
その瞬間、シルエットの口から吐き出される巨大な炎弾。

巨大な炎弾は、距離感が狂う霧の中でも二人に当たるには十分だった。
防御の構えを取る二人に襲いかかる猛火。
だがその炎も、究極の守りの服を通せず、
熱に強い服をまとい、硬質化したナノマシンにも大したダメージを与えられなかった。

「はあああぁぁ!!」

霧の中から飛び出した少年が上段から杖を振りかぶる。狙いはイヴ。
イヴは腕を盾にし、その攻撃を受け止める。
すぐさま髪を刃に変化させ、攻撃で身動きの取れない少年に襲いかかる。
それに対し、少年は片腕を杖から離すと、

「ベギラマ!」

その掌から、閃光が放たれる。
その閃光に包まれ、燃える髪の毛。
イヴは燃える部分をあわてて切り離し、腕から翼をはやして少年へ羽根を飛ばす。
だがその羽根は全て少年に当たることなく、少年はまたも霧の中へ姿を消した。
追撃をしようとしたイヴだが、こちらに投げられた物体を確認。
再度腕を盾にすることでそれに対処。
投げられた石のようなものは千秋のシルバースキンへぶつかる。

その瞬間、爆発する石。
爆風にさらされた千秋は、しかしシルバースキンの防御により傷一つつかない。
だが爆発で起きた衝撃は消すことができず、後方に吹き飛ばされる。
イヴがそちらに注意がいっている間に相手は霧の中へと完全に隠れてしまった。

「ち……くしょう! そうやって隠れてばかりで……! 卑怯だぞ!」

なかなか姿を見せない相手にいらいらした千秋がそう叫ぶ。
だが相手は依然霧の中に潜んだままで、姿を表さない。

「くそ……! もう一回ころばし屋で……! って、ない!? そんな、どうして!」

再度ころばし屋を使おうとするが、落ちていた場所には人形の姿はない。

「く……ちくしょう、ちくしょう、とっとと姿を現せよ!」

千秋はなかなか姿を現さない相手に苛立ちを募らせる。
イヴは無意識にか、霧の中にフェイトを探す。ありえないと断じたのに。


霧の中の影は、その様子を静かにうかがっていた……




   ※   ※





霧の中、仲間の元へ向うレックス。

「ナイスフォロー、ベルカナ」
「いえ、こちらこそ危ない所をありがとうございます」

最後の投石、爆弾石を投げたのはベルカナだ。
ここに来るまでに、レックスは拾っていた爆弾石をパーティに分けていたのだ。

「名前に反応する支給品がある可能性を失念していました。すみません」
「ううん、もしかしたらって考えるなら自分の名前を言うのはある意味正解だよ。
 それに相手がベルカナの名前を知ったおかげであの道具を使ったんだし、
 効果が分かって結果オーライって感じだよ」

それから様子を見ていたレックス達の元へやってくる見知った姿。

「っと、ただいま!」
「おかえり、梨々。君も大丈夫だった?」
「うん、こっちには攻撃はこなかったしね。それよりみて、これ」

そういって差し出す手の中には、黒い人形。

「これなに?」
「ベルカナさんは、この人形にこけさせられてたみたい。
 ほら見てここ。コインを入れるような穴があるでしょ?
 「ご主人様」って呼ばれていた子が依頼って言ってたし……」
「あ、そっか。そうやって使うアイテムなんだ」

あの一戦の中、梨々はちゃっかりところばし屋を盗んでいたのだ。


「ベルカナの予想通り、あいつらは殺し合いに乗ってたね」
「そのようですわね。できるならあたってほしくなかった予想ですが……」
「それで、どうする?」

レックスは相手の様子を窺いながら、そう問いかける。
その問いに、梨々はひとしれず息をのんだ。
このレックスの問いを正しく、「相手を殺すか、否か」と読み取ったからだ。

梨々も寝る前の情報交換で理解していたが、レックス、ベルカナ、アルルゥ。
この三人、人を殺すことをためらわない。

レックスは勇者としての使命を背負い、たくさんの襲いかかってくる魔物を殺してきた。
流石にこの島に来るまでは人殺しはしたことはなかったが、それをためらう人じゃない。
アルルゥは、父親のために戦闘に参加していたらしいし、
ベルカナも似たようなものだ。

無論、無差別に人を殺すような人達ではないのは知っているが、
こちらに危害を加える人間なら、殺すことに躊躇はしない。
それは理解していた。

それでも梨々はできることなら、相手も殺さずにいて欲しいとおもうが、
これまで何度も危険に会った手前、それが正しいとも言いきれない。

夕方ごろの戦い。ジーニアスやアルルゥと戦うことになったそれも、
たった一人の悪意ある人間がいなければ、回避できた。
そしてたった一人の人間のせいで、いくつもの命が奪われた。
その事実を考え、殺し合いに乗った人間は殺してしまった方がいいと冷静な部分は考える。

だが反面、自分を殺そうとしていたレックスは、今や頼れる仲間の一人だ。
アルルゥも、元々は殺し合いに乗っていたらしい。

彼らも殺し合いを止めてくれたのだ。
説得次第では、殺し合いに乗った人間も、説得できるかもしれない、と思う。


だがしかし、どうすれば今戦っている彼女らを説得できる?
彼女らが殺し合いに乗った事情は、レックス達が殺し合いに乗った理由とは恐らく違うだろう。


レックスが殺し合いに乗った理由、アルルゥが殺し合いに乗った理由。
レックスが殺し合いをやめた理由、アルルゥが殺し合いをやめた理由。
彼らが乗った理由、やめた理由は、どちらも共通した想いがある。

それは、家族への想い。
アルルゥは家族の元へと帰りたいという理由から、
レックスは妹を守りたいという理由から殺し合いにのった。

そしてアルルゥは父親に怒られたくないという理由から、
レックスは妹に嫌われたくないという理由から、殺し合いを止めた。

無論、アルルゥはともかく、レックスはそんな単純な問題ではなく、
様々な葛藤があった故の結論なのだが、
その根本はどちらも似たようなものであるといえる。

彼らは大切な存在に会いたい、大切な存在を守りたいが故に殺し合いにのり、
その大切な存在に嫌われたくないが故に殺し合いをやめたのだ。

殺し合いに乗った理由を、彼ら自身が否定したからこそ、今の彼らがあるのだ。


だが彼らのような想い以外の理由で殺し合う人がいたら?

例えばジェダに叶えてもらいたい願いがある場合。
レックス達とちがい、他人がどうなっても自分だけは助かりたいと思う人は?

誰だって自分の命は惜しい。野心だってあるだろう。

そう言う人たちに、どのように言えば説得してもらえる?
そもそも、説得うんぬん以前に、殺し合い自体を楽しんでいたらどうする?

彼女らの情報をろくに得ていない現状、彼女らを説得できる手段はない。
多少話をできればとも思ったが、相手はそれをせずに戦闘に突入した。


相手を殺す。彼らはそう言う結論しか出してくれない気がする。
かといって、それを止められるほど、梨々は現実を見ていなくはなかった。

「そうですわね……できるなら、殺さずにとらえたいですわね」
「……え?」

故に、ベルカナのその答えに、呆けた。

「えっと……なんとか説得するのかな? 殺し合いに乗るなって」
「いえ、相手の様子を見る限り、それは難しいでしょう。
 ですが、彼女らも何らかの情報を持っているはず。無力化して
 可能なら彼女らの持つ情報を得たいと思っています」

その言葉に、あっとうなる梨々。
ベルカナの提案は、相手の説得ではなく、相手の情報を求めてのことだった。

相手が殺し合いに乗ったとはいえ、情報はほかの人間同様持っているだろう。
それを相手が正直に話すか、そもそも話してくれるかという問題もあるが、
無力化したうえでじっくり話せば、いくつかの情報は得られるかもしれない。

梨々はすぐに同意した。
これは今すぐに殺し合いをやめるよう説得はできなくても無力化して、
ゆっくり時間をかければ説得できる可能性はあると思ったからだ。


「オピァマタ、よぶ?」
「それだと情報を得る前に毒で死んじゃうよ……
 できるだけ傷つけずに、相手を無力化しないと」
「んー……ん!」

レックスとアルルゥも、乗り気のようだ。
早速戦闘に優れたベルカナとレックスが話し出す。

「『ご主人様』は……どうやら一般人のようですわね。
 支給品には恵まれているようですし、何人か殺したのか数も多そうです。
 ですが、能力自体はなにももっていないようです」
「そうなると、問題は金髪の子かな。髪を剣みたいにして襲ってくるし、
 腕から翼を出して攻撃もしてくる。普通の人間じゃないみたいだ。
 他にも攻撃手段を持ってるかも知れない」
「それにどうやら、あの赤い服は防炎効果がありそうです。
 こちらは梨々のシルバースキンで捕獲したほうがよさそうですわね。
 アリス・イン・ワンダーランドの密集攻撃は……相手がどうなるかわかりませんわね。
 なら『ご主人様』を私のスリープクラウドで眠らせて……」
「二人とも、来たよ!」

その間、話を聞きながらも相手を警戒していた梨々が、相手がこちら側に向かってきたことを告げる。

告げながらも、銃であちらへ牽制する。
普段なら、相手を傷つけてしまうと積極的に撃てない銃だが、
相手は鉄壁のシルバースキンを持っているし、
もう片方もレックス曰く「アストロン」という魔法のような、攻撃を防ぐ力を持っている。
相手に当たってしまっても、殺してしまうことはないと分かってる故の攻撃だ。

「それじゃ、ンアヴィワ?」
「うん、そうだね。頼める?」
「ん!」

アルルゥが再度ワイヴァーンを召喚し、炎弾を敵へと吐きだす。
その攻撃にも、彼女らはそれぞれの防御で対処する。

「……あれ?」
「……どうしたの、梨々? どこか変なところあった?」

相手との距離を取りながら、梨々は疑問の声を上げる。

「あの子……『御主人様』って相手を呼ぶ割には、
 その『御主人様』を守ろうって気が感じないんだ……
「え? でもあいつはシルバースキンでとても防御力が高いし、必要ないって思ったんじゃない?」
「それでも、相手を気遣うぐらいはあっていいとおもう。
 あの二人は……なんていうか、こちらを殺すことしか考えてなくて、仲間を気遣ってる様子がないんだ」
「う~ん……だったらそう言うものじゃないかな? 僕も殺し合いに乗ってた時に欲しいと思った仲間は、そんな感じだし」


レックスも、一人で戦うことの限界を感じた時、
仲間がほしいと思ったことがある。
その時に欲しいと思った人間は、殺し合いに忌避感のない存在、
人格者よりも悪人を求めた。

故に彼女らも、利害の一致の上で組むことに決めたのだろうとレックスは考える。
そんな人間同士が、戦いのフォローを考えるとは思えない。
むしろ、隙あらば殺されるという緊張感が必要なくらいだ。

だがそれとは別に、レックスは金髪の少女の方に違和感を感じていた。
その違和感は彼女と斬り組みあった時にみた、目。


相手を殺すことを考えた、殺意に満ちた目。
まるでキラーマシンのように感情を移さない目
何もかもに絶望したように空虚な目。
それらのまじりあう、殺し合いにいかにも乗っていそうな目。

だがレックスは数多の戦いで数多くの目を見ていて、
また双子の妹ほど色濃くはないが、魔物使いの血をひいた彼の目には、
それらの殺人者の目に隠れている、自分の行いに悔いている目が見えた。


レックス達は知る由もないが、それは梨々の声が影響を与えている。
梨々の声。それは今はもう死んだ、フェイト・テスタロッサの声に似ていた。
イヴがその優しさに耐えられずに殺した相手の声。
もしかしたら、イヴの友達になれたかもしれない、優しい心の持ち主の声。
そんな声に似た声を聞き、イヴの心は揺れていた。

そのわずかな揺れを、レックスは感じ取っていた。

「……まあ、もしかしたら金髪の子の方は説得に応じてくれるかもしれないね」

レックスはそう返してみる。

「え、本当?」
「確証はないし、何となくだけどね。僕の勘違いの可能性の方が高いし」
「そのあたりの詮索も、後にしましょう。今は彼女らを無力化することが先決です」
「そうだね。じゃあもういちど攻撃して見る。今度は『ご主人様』のほうに。
 もしかして、使い捨ての強力なアイテムがないとも限らないしね」

そういって、相手に斬りかかるタイミングを見極めるレックス。



皆、相対している相手と余裕を持って戦っている。
これがレミリアのように、本気でかからなければ勝てないような相手なら話は違った。

その余裕は、パーティとしての余裕。

彼らは十分な情報交換の元、それぞれの役割とできることを理解した。
加えてベルカナやレックスは、そのパーティによる戦術を常日頃から実践している人たちだ。
もしもの時、自分がどうするべきなのかということも理解し、
そして他の仲間達に指示を与えるのも的確だ。
アルルゥも、戦法云々は分からずも、仲間と戦うことによる安心感は知っている。

それに対し相手は、即席のパーティだからか、
足並みもそろわない。
こちらの先制攻撃のアリス・イン・ワンダーランドにより、冷静な判断力も失っている。
霧の中で、いつこちらの攻撃が来るのが分からない以上、集中力もどんどんなくなっていく。

これだけの好条件がそろっていたのだ。
もしこのままいけば、レックス達は誰も傷も負うことなく、
しかも消耗もできるだけ抑えて、相手を捕えて話をする。
そうしたことが可能だったのだ。






そう、もしこのままいけば。








「みんなみんな、やっつけるのーーーーーーー!!!」

レックスが千秋へ攻撃を仕掛けようとしたときそれはやってきた。

束ねられた苺蔦、舞い散る花弁、
巨大なカボチャの頭部に、まるで首を狩るためにあるような鎌を持った「ジャック・オーランタン」
そしてそれらの中心にいる彼らの宿敵、倒すべき存在。

ローゼンメイデン、第6ドール。



雛苺が現れた。


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