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  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • グランバニア防城戦

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

グランバニア防城戦

最終更新:2009年11月15日 12:03

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グランバニア防城戦  ◆v5ym.OwvgI


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ベルカナが展開したアリス・イン・ワンダーランド。
距離感や方向感覚を麻痺させる、相手を逃がさない不思議の国。
城の最上階にいた雛苺達も、広い範囲をカバーするこの支給品の範囲に含まれていた。

「な、なんなの! 何が起きたの!?」

霧が出てすぐには混乱しながらも、桜を守ろうと苺蔦を展開していた彼女だったが、
次第に落ち着いてくると、この霧が一体何なのかということに気付いた。

(この霧……あの時のやな感じな霧なの……)

思い出すのは雨が降る前に見た、城を覆っていた迷いの霧。
真紅が使っていたのと同じ、色々と厄介な霧。
それはすなわち、あの時は「面倒くさい」と相手をすることにするのをやめた、誰かがここにいるということだ。

雛苺の事情は、あの時とは全く違っている。
死のうがどうなろうが構わなかった存在の桜は、絶対に守りたい存在に変わり、
彼女の狂っていた精神は、やや安定の方向に進んでいた。
彼女の同行者である、桜の心によって。

(ひょっとして……桜を奪いに来たの?)

今の彼女は、それにより桜を絶対に殺させないという強い想いを持っている。
そして今まで自分と会う人達はみな、自分に攻撃をしてきたこともあり、
ここにいる桜以外の人は皆、自分とは非友好的な人ばかりだという認識を持っていた。
……半分以上は彼女の自業自得であるのだが。

(いや……いやなの! 桜と離れたくないの!)

逃げる……という選択肢をとることはできない。
外は激しい雨の中だし、風邪をひいている桜を動かすわけにはいかない。
桜を布団から出すわけにはいかない。
ならば、取れる手段は一つだけ――

(……桜を守るの)

相手を追いだし、桜を守る。
雛苺は桜を一目見て、決意するとジャック・オー・ランタンとともに階段へ向う。

「……ツー?」

朦朧としたまま、半覚醒した桜がその背中に声をかける。
雛苺が離れていく気配を感じたのか、若干の戸惑いを込め、
「どこにいくの?」と問いかけたそれは、彼女が服用したツーカー錠により、
簡単な言葉として雛苺に届いた。

「カー!」

その問いに雛苺は力強く答え、そのまま外へと出ていった。

(え……?)

その答えを聞き、驚く桜。
定まらない思考であわてて頭を起こす。
ベッドからはい出し、だがそこで力尽き床へと倒れる。
しかし再度少ない体力を振り起こし、無理に立ち上がる。
熱でおぼつかない足を動かし、雛苺を追いかける。

(だめ……! だめだよ、雛ちゃん……!)

先ほどの雛苺の答え。
ツーカー錠により簡略化され、「カー」という声で出されたそれは、
桜が自由に動かない身体を無理に動かさざるをえない回答だった。

桜を守る。
この城には厄介な相手がいる。
きっと桜を奪いに来る。
それは絶対いやだ。
だからなんとか桜が奪われないよう考えた。
奪われる前に、倒しに行く。
桜に嫌われるかもしれないけど、桜がいなくなるのはもっと嫌だ。

「カー」というひとことに、このような想いが込められていた。

それはすなわち、雛苺が再び誰かを傷つけるということだ。
他ならない、桜のために。
そのまま駆けだしていく雛苺を、止めたい。
倒れそうになる身体を心で支えて、桜は歩く。
廊下を壁に手をつけ、這うように進む。
階段を転げ落ちそうになりながらも、何とか降りる。

城の中は、見覚えのある霧で覆われている。
だが桜の行く先は、まるで目印のようにあちこち切り裂かれている。
雛苺がジャコに我武者羅に霧を払わせながら進んだからだ。

桜はふらつきながら、その後を追う。
友達になると誓った人形を追いかけて。




    ※    ※




雛苺は、梨々達を発見する。
霧の中とはいえ、人のいる場所は一つしかない。故に音のするところも一つしかなく、
迷いの霧の中でもなんとか梨々達の元へと行くことができた。
そして彼女たちの中には、雛苺が一度戦ったレックスの姿もある。
そんな彼らを見つけて、彼女がとる行動は一つ。

「みんなみんな、やっつけるのーーーーーーー!!!」

その叫び声とともに、襲いかかるジャコと苺蔦。

「!」
「え!?」
「なんだ!?」
「雛苺!?」

突然の乱入者。戸惑う梨々達。

突然の遭遇戦にもある程度耐性があり、いち早く状況を理解したレックスとベルカナが動く。
レックスがジャコの鎌による攻撃を受け止め、 ベルカナが苺蔦の絡まりを回避する。
しかしアルルゥと梨々は、対応が遅れて蔦に絡み取られる。
アルルゥは宙づりにされ、梨々は足元を絡み取られ、転倒する。

「うあ!?」
「こ……この!」

「今だ、やっちまえ!」
「了解……!」

元々霧で敵がどこからくるかわからず、周囲を警戒していた千秋達は、
この突然の第三者の介入にも梨々達ほどあせらず対応する。

「く!」
「やむを得ませんね……」

この事態に対し、レックスとベルカナは作戦を切り替える。
すなわち「情報を得るために可能な限り相手を弱らせて捕らえる」
ことから「自分達に被害が及ばないよう、ともかく敵を倒す」ことへ。

「アリス・イン・ワンダーランド……密集状態!」
「ライ………デイン!」

周囲の霧が密集し、蝶の姿を形作る。
その蝶の姿がイヴへと襲いかかり、同時にイヴと千秋へと、紫電が降り注ぐ。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!」
「うっ……!?」

シルバースキンを纏ったままの千秋にも、雷撃はわずかに通る。
イヴのほうは、降り注ぐ電撃をもろにくらい倒れた。
身体を何にも変化させずに。

レックス達は、今回もイヴは身体を硬質化させるなりして、攻撃を防ぐと思っていた。
故に時間という制約があるが、何度でも使えるアリス・イン・ワンダーランドを密集して展開、
相手が幻覚にとらわれている間に無力化させようとしていた。
しかしナノマシンで構成されるイヴは、電気による攻撃に非常に弱かった。

最悪はぐれメタルのように、防御しなくても魔法が聞かないことも考えていたため、
レックスは想定外のいい結果を出したことに内心喜ぶ。
しかし敵はまだまだいる。背後から斬りかかってきたジャコの攻撃をドラゴンの杖で受け止める。

(桜ちゃんは……? 桜ちゃんは、どこ?)

その間に梨々は蔦を銃撃で切り離し、雛苺から遠ざかる。
そして雛苺と共にいるはずの、助けたい人を探す。
だが雛苺の周囲には誰もおらず、桜の姿も見当たらない。

(どこか……別の場所にいるの? それとももう殺され……ううん、そんなことない!)

一瞬嫌な思考にとらわれるが、それを取り払い、梨々は懐から取り出した爆弾石を投げる。
爆弾石は途中で薔薇の花弁に防がれるが、構わず爆発し、雛苺はダメージとともに怯んだ。

「う、うにゅぅ……」

「く……てや!」

一瞬の隙を突き、レックスがジャコの頭部へと攻撃を加える。
巨大なカボチャの頭部の側面が破壊され、 崩れ落ちるジャコ。

あの時は苺蔦に邪魔されて、ろくに防御もできなかった。
だが今はあの時と違い仲間たちがいて、厄介な蔦はひきつけてくれていた。
意志を持ち、鎌を振りまわすだけのジャコに、今のレックスが負ける要素はない。

雛苺の元へと駆けるレックス。
その間、ベルカナはレックスの援護をするべく、魔法の詠唱にはいる。

「う……うわあああああああ!!」

崩れ落ちるジャコをみてやけになったのか、千秋が祝福の杖をもって我武者羅にベルカナの背後から襲いかかる。

「シルバースキン・リバース!」

だがその無茶な突撃はレックスと入れ替わるように千秋の方へ駆けていた梨々の叫びにより、中断される。
千秋の周囲に広がる核鉄。 展開される千秋が纏うのと同質の核鉄、それが裏返った服。
防護服としてではなく、拘束服として機能した梨々の持つシルバースキンが、
千秋を包み込み、拘束した。

「ち……ちくしょう! 離せ! この馬鹿野郎!」

それを横目に見つつ、魔法を唱えるベルカナ。

「『ファイア・ウェポン!』」

ベルカナの魔法により、レックスの持つドラゴンの杖に炎が纏われる。
レックスは焔の剣と化したその杖で蔦を焼き切り、進む。

「う……ま、まけないのよ!! 桜はヒナが守るのよ!!」

その気迫に負けたのか、やや怯えながら雛苺が叫ぶ。
それに連動してますます増える苺蔦と薔薇の花弁。
翠星石のローザミスティカを手に入れ、増した力。
その数はレックスが雛苺と戦った時より多い。
防壁のようになり攻撃を阻むそれらの植物。

「え……どうして? なんであなたが桜ちゃんを……」

梨々は驚く。雛苺の口から出た、桜という名前。それを守るといった雛苺。
その意味を図りかね、梨々の注意は一瞬雛苺に向く。

「梨々、危ない!」
「え?」

故に、反応が遅れた。
そんな梨々の背後から顔の砕けた死神が、命を奪う鎌を振るう。

「う、あ……」

袈裟斬りに振り下ろされる死神の鎌。
回避する暇もなく振り下ろされたそれになすすべもなく切り裂かれる梨々。
倒れる梨々。その身体は梨々自身の血で真っ赤に染まる。

「そんな……どうして……」

倒れたはずの、モンスタージャコ。
頭を砕いたにも関わらず動くということに、ベルカナは驚きを隠せない。

レックス達は、ジャコが意志を持ったモンスターだと思っていた。
他にもジーニアスが持っていたウツドンや、どうも誰かに支給されたらしい爆弾岩があることから、
それについて疑いもしなかった。
そして生きた人形なら、レックスは自分の世界でも戦ったことがある。
その人形と比較して、ジャコに戦闘不能なダメージを与えたと思っていたのだ。

だがジャコ……もといジャック・オー・ランタンは、もともと意志を持つ道具ではない。
雛苺の力により、命を吹きこまれた存在なのである。

その命が首を壊したくらいでは消えなかった。ただそれだけなのだが、
雛苺の力についてよく知らなかった梨々達がそれを知らなかったのは無理もない。

イレギュラーに続くイレギュラー。
さらにとどめを刺さんと梨々に斬りかかろうとするジャコ。
ベルカナが、手に持つマギステル・マギの杖でその攻撃を受け止める。
力で押してくるジャコに対し、受け流すように攻撃をそらすベルカナ。
これぐらいの相手なら、戦士の心得も多少も多少あるベルカナにも対応はできる。
だがベルカナでは、決定的なダメージをジャコに与えることはできない。

「……りり……」
「アルルゥ! 蔦に向けてンアヴィワを!」
「あ、う、あ、でも……」

そんな中、レックスは振りかかる蔦や花弁を燃える杖で払いながら、
血を流す梨々にショックを受けていたアルルゥに命令する。
だがアルルゥはその命令を躊躇する。
ワイヴァーンによる攻撃は、敵味方の識別なぞせず、
故にこの敵味方が混ざる状態で使うわけにはいかない。
だからアルルゥは、雛苺に捕らえられて以降何も攻撃することができなかったのだ。

「大丈夫だから!早く!」
「ん……! ンアヴィワ!」

だがレックスに再度催促され、意を決したアルルゥが、ワイヴァーンを召喚する。

中空から現れた竜の顎から炎弾が吐かれる。
雛苺の生やした苺蔦へと。そして、そこにいるレックスへと。

「フバーハ!」

ワイヴァーンの召喚を確認すると、すぐさまレックスは呪文を唱える。
優しい衣が、レックス達を包み込む。
この呪文は、熱や冷気に対する抵抗を強くする呪文だ。
炎弾が苺蔦を焼き尽くす。レックスの周りを包み込む。

「はあああああああああ!!!!!」
「レックスおにーちゃん!」
「う、うにゅ!?」

炎に包まれた中から、レックスが飛び出す。
フバーハで炎弾のダメージを減らし、突っ込んだのだ。
雛苺はとっさに花弁を散らし、防御する。

「火炎っっっ斬り!」

その花弁に叩きこまれる、炎を纏ったドラゴンの杖による一撃。
薔薇の花弁はそれに燃やしつくされ、レックスと雛苺の間を阻むものはなくなった。
そしてレックスは左手を雛苺へと突き出す。

「ベギラマァ!!」

至近距離から叩きこまれる炎の帯。
それはレックスの狙い通り、雛苺へとぶつかる。

「い、やああああぁぁぁぁ…………」

燃え上がる雛苺。
ジャコの時の失敗を踏まえ、その体が起き上がることがないことを確認すると、
レックスは踵を返す。

振り返ってみると、ジャコのほうも倒れていた。
命を吹き込んだ雛苺が倒れたことで、動かなくなったのだ。
無論レックス達には本当に動かなくなったと判断できる情報はないため、
レックスは倒れているジャコを蹴り飛ばし、梨々達のいるところから離した。

「りり……りり!!」
「ベルカナ! すぐに核鉄を梨々に!!」
「分かっていますわ!」

解放されていたアルルゥは、すぐさま梨々の元へと駆け、呼びかける。
レックスもすぐに梨々の所に向かい、回復魔法のベホマをかけ始める。
核鉄二つの回復とレックスの魔法、その二つを受け、梨々の傷口は徐々にふさがっていく。

(なんとか助かりそうですわね……)

その再生速度から、ベルカナはそう判断した。
これだけの回復力なら、梨々の体力が絶える前に、回復しきる。
レックスの魔力量も、多少寝ていたおかげかある程度回復しているし、
回復し切る前に魔力切れ、ということもなさそうだ。

多少のイレギュラーがあったが、仲間が誰一人死なずにすんだ。
相手もすべて、無力化できた。

(あとは、倒した敵の道具を回収して……どうやって情報を吐かせるかですわね)

そう考え、周囲を見渡すベルカナ

レックスの雷撃をくらい、倒れている金髪の少女、
全身に炎を受け、黒ずんでいる雛苺、
雛苺が倒れると同時に、動かなくなったジャコ。

……一人、足りない。

(もう一人は……!? 梨々がシルバースキンで……! 
 で、ですが今シルバースキンは核鉄の姿で梨々が……!)

「お前たち、動くな!!」

その疑問の答えに至った時、その声が聞こえた。


その声のしたほうを振り向くと、そこには千秋がいた。
だがベルカナ達は千秋よりも、千秋が抱えている少女に目が行った。
その少女こそ、彼らが最優先で探そうと思っていた少女であり、
雛苺に連れ去られたはずの桜だった。

その桜の頭へと、千秋は梨々の持っていた銃を突き付けていた。

「さくら!」
「おいお前! 桜を離せ!」

アルルゥやレックスがそう叫ぶ中、ベルカナは舌打ちする。
彼女は梨々がシルバースキン・リバースで捕らえた。だがその後になぜ気絶させておかなかったのかと。


核鉄は、使用者の闘争心に共鳴して変形する。
つまり所持者が気絶するなどして、闘争心がなくなってしまえば、
その形は元の六角形の金属片へと戻る。

だがベルカナ達は、それを知るすべはなかった。
インパスは万能ではないし、たとえ説明書があってもそこまでは詳しくはかかれなかったであろう。

加えてベルカナも、梨々が傷ついたことで視野が狭くなっていて、
いつのまにかいなくなっていた千秋の存在に気付かなかった。
明らかに注意不足だ。

おまけに、奴はいつのまにかここにいた桜を人質に取っている。
ここに桜がいるということも、この場所に雛苺がいるということから予想できてよかったはずだ。

予想しえた、注意をすれば回避できたミス。
ベルカナは唇を強くかみしめる。

「そこのお前! すぐそれをやめて立て!」
「今は回復中なんだ! やめるわけには……」
「なら、こいつが死んでもいいんだな!?」
「……く!」

そう言われてしまえば、回復魔法をかけることをやめることしかできない。
レックスは苦渋に満ちた目を千秋に向けながらも、立ち上がる。

「そうだ、そのまま壁の方に行け」

言われるままに、壁の方に向かう三人。
倒れたままの梨々は放置される。

千秋はというと、桜を引きずりながらも反対側の壁へと向う。

「そのまま壁に張り付きながら、こっちに向かって歩け」

そういって、千秋は桜を引きずりながらゆっくりとベルカナ達の方へ進んでいく。
その先には出口がある。
このまま出口に向い、逃げるつもりだ。ベルカナ達はそう気付くが、
気付いていても、行動することができない。

こちらが動けば、確実に桜は殺される。
それだけではない。下手をすれば桜以外にも被害が及ぶ可能性は高い。

今は千秋が持っているこの銃、普通の銃ではない。
超能力の研究される学園都市で作られた、特別な銃だ。
まるでオモチャの鉄砲のようなその外見に反し、
赤外線で相手を捕捉し、電子制御で弾道を調整する。
すなわち、素人がでたらめに撃ってもちゃんと当たる銃なのだ。

説明書を見て、梨々の説明を聞いてそのことを理解していたベルカナ達は、
故に相手のミスを誘発する、ということもできない。

相手を混乱させれば、暴れるように銃を連射する可能性もあるのだ。
そうなれば被害がさらに広がってしまう。
しかしこのまま逃がしてっても、桜はきっと殺されてしまう。
それが分かっていながら、ベルカナ達は何もできない。

何もできないまま、千秋は出口へとどんどん近付いて行く。
そして、千秋とベルカナ達は最も近くなり、そしてどんどん離れていく。

「よし……そのまま向こうへ歩いていけ……!」

離れていくベルカナ達を見ながら、千秋はこれで逃げ切れると確信していた。

「……私は、怪盗」

だがここで千秋も、ベルカナと同じミスをしていた。
背後で倒れていた少女を、完全に死んだものと思って警戒していなかったのだ。

血だまりに倒れていたはずの怪盗が起き上がる。
今こそ、白き衣をまといし怪盗が動く時。




    ※     ※




身体が動かない。
頭にもぼうっともやがかかってるみたいで何も考えられない。
私、死んじゃったのかな?

だけど身体はじんわりと暖かい。
この暖かさは知ってる。核鉄の力だ。
前に気絶した時も、同じ暖かさを感じたことがある。
前よりも暖かい感じがするけど、これはレックス君の魔法?

そっか。私雛苺の人形に斬られたんだ。
こうして痛みを感じているってことは、私また助かったのかな?

そう考えているうちに、温かさがほとんど消えちゃった。
それからまたどんどん、身体が冷たくなってくるのを感じた。

だけど、がんばって目を開けてみる。
目の前にレックス君達がいると思って。

見えたのは……桜ちゃん!?

桜ちゃんが、目の前にいた。
後ろを向いているけど、これは桜ちゃんだ。間違いない。
きっと雛苺からレックス君達が助けだしたんだね。

だけど、不思議としっかりしてきた視界には、桜ちゃんがつらそうにみえた。
それに桜ちゃんの隣にいるのは……レックス君たちじゃない。
雛苺が来るまで戦っていて、私がシルバースキンでとらえたはずの子だ。


……そのことを認識した瞬間、梨々の頭は覚醒する。
そして、今の状況を理解する。

桜が千秋に捕らえられて、殺されそうだと。

レックス達は動く様子はない。
桜の頭に銃口が向けられているからだ。
このままいけば、千秋は桜を抱えて外へと逃げてしまう。
今この場で動けるのは梨々だけだ。

「……私は、怪盗」

誰にも聞こえない音量で、紡ぐ。
まるで別の存在みたいに動かない自分の身体。
だがそれでも、彼女は踏ん張り立ち上がる。

その闘志に反応したのか、梨々の持つ核鉄に熱がこもる。
ふらつく身体が、その熱に反応するように熱くなる。

彼女はあるものを盗むと誓った。
怪盗であるが故に、盗んで助けだすと誓った。

(怪盗白色……行きますっ!!)

心の中でそう叫び、桜を救うべく、千秋へと覆いかぶさる梨々。

「な…なに!?」

梨々の持つ核鉄が変形し、防護服を形作る。
それを纏うのは、梨々ではなく桜。

そのまま前に崩れ落ちる梨々。
それに巻き込まれる千秋。

シルバースキンに包まれた桜は横へ転がり、千秋のもとを離れる。
地面へ倒れる梨々と千秋。
梨々は千秋の持つ銃を押さえつけ――


  バン


爆竹でもなったかのような音があたりに響く。


「梨々!」
「りり!」
「梨々!!」


「く……くそ!」

千秋がそう叫んだかと思うと、突然その姿がその場から消える。
それに巻き込まれたのか、梨々もその場から姿を消した。

「な!?」
「テレポート!? 梨々は……?」
「りり!?」


響いた銃声。銃のある場所。
突然消えた敵と、仲間。


ガッ!!

かつてはやてとトマに似たようなことをされたレックスは、
いち早く現状を理解し、そして壁に腕を叩きつける。

「桜が助かっても……! 君がいなくなったらだめじゃないか……!」

城の中ではレックスのそのうねり声が、むなしくこだましていた。


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