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ダウンロード問題
コミックブックのダウンロード問題 数日前、『NEWSARAMA 』、『COMICON.com』などいくつかの大手コミックスファンサイトのBBSに「This is an open letter / appeal to comic fans.(たとえばhttp //www.comicon.com/cgi-bin/ultimatebb.cgi?ubb=get_topic;f=1;t=011217)」というマルチポストがされた。 これを読んだ『BoingBoing』のコリー・ドクトロウ(Cory Doctorow)が6日に「Downloading comics threat or menace?」って記事を書いていて、「ふーん」と思ってこれをクリップしておいたらここ数日の間になんだか話が大きくなっている。 すでにアメリカンコミックス界の2ちゃんねる(と私が勝手に呼んでいる)『Mill... -
My Cover Artist, Takeshi Miyazawa
My Cover Artist, Takeshi Miyazawa タケシ・ミヤザワ 1978年生まれ、トロント出身の日系カナダ人コミックスアーティスト。 幼少のころより絵描きを目指し、油彩画を学ぶために進学したアートスクール在学中に現在『Teen Titans Go!』(DC Comics)などのライターをつとめるJ・トレス(J. Torres)と出会い、2000年トレスの脚本で『SIDEKICKS』(全3号。このタイトルはのちにONIPRESSにて単行本化され、これに合わせてアートはTAKではないがフォローアップ的なワンショットが発売された。現在発売されているTPBはこのワンショットの収録作品を含めたコンプリート版)をFanboy-Entertainmentから発表。 2002年、この作品の発売元であったFanboyのパブリッシャー、C・B・セブルスキ(C. B. Cebu... -
研究/Research Overview
Research Overview コミックブックの持つ途方もないポピュラリティーに対し、芸術や文学について書くひとびとは長いあいだほとんどコミックブックに対して注意を払ってこなかった。だが、コミックストリップに関しては事情が異なる。一九四二年前半にはマーティン・シェリダン(Martin Sheridan)の新聞マンガを主題とした長編評論『コミックスとそのクリエイターたち(Comics and Their Creaters)』が出版されている。シェリダンはこの本の中で新聞のコミックス記事に対して文学的な地位を与え、その内容を紹介し、作家たちのキャリアを描き、コマ(パネル)を引用している。しかし、彼はコミックブックに対してはほとんど関心を払っておらず、シェリダンのこの本におけるコミックブックについての言及はスーパーマンのコミックストリップ版に関する部分のみである。 (「Introdu... -
オンラインコミックス
「アジアinコミック2005」の風景 四谷まで「アジアinコミック2005」のシンポジウムを見にいって、会場がわからなくなってしばらく道に迷う。 小雨そぼ降る土曜日の四谷はひともまばらで、雪にこそなってはいないもののえらく寒い。 文化庁傘下の国際交流基金が主催しているこのイベントも昨年に続き二度目、今年のテーマは「躍進する中国、韓国、日本のオンライン漫画の現状と将来」。一日目の今日は各国のオンラインコミックスパブリッシャーの社長クラスによるそれぞれの国の現状のレポートとそれを踏まえたうえでの今後を見据えた3者とコメンテーターの中野晴行(『マンガ産業論』)氏を交えた討論、という構成。 最初は横浜国立大学で修士号をとり、富士通の奨学金をとってアメリカ留学を果たしたという日本との関係も深い通力計算机通信技術(上海)有限公司(TriWorks)社長、梁鋼(リアン・ガン)氏による中国... -
資料/Birth of Comic Book
コミックブック誕生に関して Birth of Comic Book アメリカン・コミックスの元祖は新聞の連載マンガだ。新聞の1ページを横に何段にも区切り、1本を4コマとか5コマに割り、ほんのみじかいものだけど、何種類かが日曜日ごとに連載になっている。読み切りのギャグものから、えんえんとつづくストーリーものまで、いろいろだ。 この新聞連載のマンガを1冊にまとめたものが、コミック・ブックスのスタートだった。いちばん最初は1897年なのだが、本格的にコミック・ブックスがはじまったのは1930年代だった。大不況とその後遺症の日々に、新聞の連載マンガは、大人も子供も楽しめる娯楽としてたいへん人気があった。1933年、新聞連載マンガをいまのコミック・ブックスの大きさで32ページにまとめた『ファニーズ・オン・パレード』が、ギヴアウェイとして製作された。特定の商品を買ってたとえばそのボックスト... -
Friends of Lulu
Friends of Lulu 「Friends of LuLu」ってなんですか? 「Friends of LuLu」はコミックス業界への女性読者、クリエイター、就業者の参加を広報促進するための全米規模の組織です。 私たちが目標としているのは 1.コミックスの女性読者の増加 2.コミックスの世界における女性たちの仕事の広報 3.コミックスの世界で女性たちが求めるサポートネットワークの全般的な提供、 そして 4.この組織の目的に賛同してくれる女性、および男性のみなさんとのコミュニケーションの促進 です。 「Friends of Lulu」ってなにやってるんですか? FoLは出版社、小売店などコミックスにかかわるあらゆる組織が女性読者にいかにアピールし、女性読者にどうやってアプローチするかに関してお手伝いします。私たちは女性読者の増加が小売、流通、出版、そして創作な... -
Comic Book Politics
コミックブックにおける政治性の研究 アメリカではコミックブック(特にスーパーヒーローコミックス)と政治的な現実とのかかわりを論じた本はすでに何冊も発売されており、私の手許にもおもに第二次大戦から冷戦期のコミックブックのテーマを現実の社会的変化と関連させて論じた『COMMIES, COWBOYS, AND JUNGLE QUEENS Comic Books and America, 1945-1954』(William W. Savage, Jr.、Wesleyan University Press刊)や冷戦期アメリカのポップカルチャーにおける反共プロパガンダをまとめて論じた『RED SCARED! The Commie Menace in Propaganda and Popular Culture』(Michael Barson and Steven Heller、Chronic... -
資料/Comics Code
コミックスコードと関連情報 Comics Code もっとも重要な問題のひとつとなったのがテレビ中継された上院の小委員会による少年非行に関する聴聞会だった。ロバート・ヘンドリクソン(Robert Hendrickson)、ハーバード・ハノック(Herbert Hannoch)、それにエステス・キーフォーバー(Estes Kefauver)――組織犯罪撲滅のために小委員会を利用したことでもっともよく知られている――らの上院議員たちはそこでこんなに多くの少年たちが非行に走るからにはそこにはなんらかの理由があるはずだと結論づける。1954年4月、彼らはその矛先をコミックスに向けることに決めた。なにしろこれは白人の少年たちがロックンロールを発見する1年だか2年だか前の話なのだ。 彼らはそこで1冊の本を引っぱり出してくることにした、その題名を『無垢への誘惑(Seduction of I... -
7歳のプロマンガ家
7歳のプロマンガ家 「MEET THE YOUNGEST PROFESSIONAL CARTOONIST!(最年少のプロマンガ家に会おう!)」 『Comic Book Artist』Vol.2 #4掲載のパブリッシャー、ジョン・B・クークによる記事「Alexa the Great!」によると、去る6月におこなわれた今年のMoCCA(Museum of Comics and Cartoon Art)フェスティバルの会場のアーティストセクションにはこんな張り紙の貼られたブースがあったらしい。その「最年少のマンガ家」とはアレクサ・キッチン(Alexa Kitchen)、当時6歳の美少女である。 「美少女? 嘘だあ」と思うなら写真を見てみるといい、以下にオフィシャルページのフォトセクションにリンクを張っておく。 http //www.alexakitchen.com/photos.h... -
資料/Some Definition & Some History
『The Slings & Allows COMICS GUIDE』巻頭に収録された用語集。米英のコミックス業界、コミックスファンによく使われる用語の簡単な解説。 用語と歴史に関する簡単な説明(Some Definition Some History) アトラスコミックス(Atlas Comics) 1950年代のアトラスコミックスはのちにマーヴルコミックスになったコミックス出版社。1975年のアトラスコミックスはこれとは別な会社だが、ややこしいことに創業者は1950年代のアトラスと同じマーティン・グッドマン(Martin Goodman)である。 バッドガール・アート(Bad Girl Art) 1990年代のグットガールアート(同項目参照)の代替物。過剰に洋服をケチった衣装でひたすら大暴れする女性像を指す。 カラーリスト(Colourist) アメリカで「カラーリスト」とし... -
プロフィール
プロフィール 小田切博:ライター 単著『誰もが表現できる時代のクリエイターたち』『戦争はいかに「マンガ」を変えるか』(ともにNTT出版刊)、共編著『別冊本とコンピュータ:アメリカンコミックス最前線』(トランスアート刊) E-mail longboxman(a)hotmail.com -
キリスト教
バイブルマンを笑えるか? ちょっと前にここで触れた『Who Needs a Superhero?』(H. Michael Brewer、Baker Books刊)の表4にはロバート・シュリップというひとも推薦文を寄せている。 私は本当のスーパーヒーローではなく、コスチュームを着た普通の人間に過ぎないが、この本はいいと思う。『Who Needs a Superhero?』は私たちそれぞれが神に求められたヒーローたろうとすることを助けてくれる。ケープがクールだと考える大人にとっての必読書だ。 ロバート・T・シュリップ(Robert T. Schlipp)、a.k.a バイブルマン、元牧師 これを読んだ時点ではまだ「バイブルマン」をどこかの教会のイメージキャラクターかなにかだろうと考えていた。地元で教会がイベントでもやったときに子供向けのサービスに登場するだけのチ... -
Right Menu/2007年04月03日
Right Menu/2007年04月03日/RSS Right Menu/2007年04月03日/ECコミックスエディターの証言 Right Menu/2007年04月03日/Bittorrentによるダウンロード停止を呼びかけるダン・スロット #blognavi -
Right Menu/2007年03月30日/コミックブックの公式ダウンロードサービス
#blognavi トップカウなのが「らしい」 Top Cow Comics Available for Downloading カテゴリ [ニュース] - trackback- 2007年03月30日 03 56 42 #blognavi -
Right Menu/2007年03月30日
Right Menu/2007年03月30日/IMAGI Right Menu/2007年03月30日/J・トレスインタビュー Right Menu/2007年03月30日/コミックブックの公式ダウンロードサービス Right Menu/2007年03月30日/斬新なアーティスト Right Menu/2007年03月30日/「sodomy」が出版禁止用語化 #blognavi -
報道のギャップ
アニメ人気の分裂 マスメディアにおける欧米の「アニメ人気」報道で必ずといっていいほど無視されている……というよりはそもそも理解されていない点がひとつある。 それは欧米におけるアニメの人気、評価がじつは二極分化していることだ。 これは東海岸と西海岸の差ともパラレルなものなのだが、アメリカのメインストリームメディアにおけるクリティカルな「評価」と子供を中心とした一般ユーザーのコマーシャルな「人気」がはっきり分裂しているのである。 たとえば同じ『New York Times』のフィルムレビューでも宮崎駿や押井守のような作家の作品と『ポケモン』や『遊戯王』のようなマーチャンダイズがらみの作品ではその語られ方自体がまったく異なっている。 押井守の幻惑的な機械世界の影にある生の瞑想『Ghost in the Shell2 Innocence』の中ではアンドロイドは機械羊の夢... -
MANGAスタイル
「マンガスタイル」を考える ホントはもう少しあとで書くつもりだったのだが、竹熊健太郎さんのblogでちょうどよいエントリがあったのでそれに便乗して書かせてもらうことにする。 以前にも触れたようにいまやアメリカのコミックス界には「マンガスタイル」と呼ばれるアーティストがたくさんいる。 基本的にはUDON Entertainment Corp.やDreamwave Production(サイトにアクセスできなくなっているがどうかしたのだろうか?)に代表される中国系、韓国系の作家たちがこう呼ばれることが多いが、チャイナ・クラグストン=メジャーやレア・ヘルナンデスのような少女漫画の影響を受けた作家も、アダム・ウォーレンやジョー・マドレイラのようなアニメの影響の強い作家も、同様に「マンガスタイル」と呼ばれることがあり、じつは人種も絵のスタイルもはっきり決まった「これ」という定義があるわけ... -
資料/Definition of Comics
コミックスとはなにか Definition of Comics 『St. James Encyclopedia of Pop Culture』における記述。 コミックス コミックストリップとコミックブックは二十世紀アメリカ文化における二本の大きな柱である。コミックストリップは二十世紀最初の10年に国中の新聞に登場し、急速に新聞の一要素として確立された。コミックブックも同様に1930年代末から1940年代はじめにかけて、特にスーパーマン、バットマン、キャプテンマーヴルなどのコスチュームヒーローが登場して以降、多くのアメリカ人の想像力を捉えた。コミックスはそのはじめからはっきりしたわかりやすい他に転用可能なイメージを伴ったキャラクターをつくりだしていた。コミックスキャラクターはアメリカ文化に娯楽やビジネスとして偏在するものになった。 コミックストリップの起源は一般的に189... -
資料/NPO for Comics
アメリカのコミックス関連NPO。 NPO for Comics Friends of Lulu コミックス界における女性クリエイターおよび女性読者の権利擁護のための組織。 Comic Book Legal Defend Fund コミックス表現の自由に対する規制、検閲に対して法的な保護を提供する基金。 Xeric Foundation 自主制作でのコミックス出版を資金的にバックアップするための基金。 Prism Comics LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)のコミッククリエイター、コミックス表現への理解促進を目的とするNPO。けっこう意外な人物がメンバーで驚かされる。 A.C.T.O.R. コミックスクリエイターの生活保障を目的とする互助基金。ジーン・コーランやデイブ・カクラムなど往年の名クリエイターが病気や怪我などで困窮する例が相継ぎ、こうした場合に... -
Right Menu/カテゴリ/ニュース
(2007年04月11日) ジョー・カザーダ、イーグルアワード、ベストエディターノミネートを辞退 (2007年04月04日) 印刷業者Brennerがポルノコミックスの扱いを停止 (2007年03月30日) コミックブックの公式ダウンロードサービス (2007年03月26日) 『スターダスト』トレイラー (2007年03月23日) 司書が選んだ子供向けグラフィックノベル (2007年03月20日) The BEAT過去ログ消失 (2007年03月20日) TIME.Comix終了 (2007年03月18日) スタン・リーメディアがマーヴルを起訴 (2007年03月14日) Rising Star... -
戦争はいかに「マンガ」を変えるか-アメリカンコミックスの変貌-
戦争はいかに「マンガ」を変えるか-アメリカンコミックスの変貌- このページは本サイトの管理者、longboxman/小田切博の単著『戦争はいかに「マンガ」を変えるか-アメリカンコミックスの変貌-』(NTT出版刊)のサポートページです。 →NTT出版 商品詳細情報 →ビーケーワン →セブンアンドワイ → アマゾン →2007年4月1日毎日新聞朝刊書評欄『今週の本棚』で取り上げられました。 「「9・11」後、えがけなくなった光景とは 井上章一・評」 この書評、なぜか毎日新聞のサイトのほうには掲載されていません(w Not Actual Cover 編集さんの意向で没になった「夜」バージョンのカバーイラストを30分ばかりいじってつくったコミックブックカバーバージョン。80年代の売れないB/Wパブリッシャーがカバーだけがんばって有名アーティスト使いました風にしたつも... -
ROBOTECH
ROBOTECH Returns 最近知ったニュースの中でも極めつきになんだかわからない話題のひとつに「ROBOTECH20周年を記念して05年待望のアニメ新作の制作が決定!」という話がある(ちなみにこれに並ぶ「なんだか訳のわからないニュース」はカーマイン・インファンティーノがDCを訴えた裁判)。 まず「世界でも有数の広範なファンを持つサイファイユニバース」『ROBOTECH』についてよく知らないひとのために公式サイト(http //www.robotech.com/)の紹介ページのテキストを引いておこう。 『ROBOTECH』は異星人の侵略から故郷を守り抜こうとする人類の三世代に渡る戦いを描いた壮大なスケールの記念碑的なSFアニメである。『ROBOTECH』の物語は21世紀目前に地球へと墜落してきた謎の宇宙船に端を発し、以後連続しておこなわれた戦争の渦中に置かれたキャラ... -
Right Menu/カテゴリ/メモ
(2007年04月11日) ゴーストライダーのクリエイターがマーヴル他を起訴 (2007年04月10日) Topshelfのオンラインコミックス (2007年04月10日) レズビアンコミックスのまとまった研究 (2007年04月08日) バート・ビーティーインタビュー (2007年04月08日) コミックスビデオブログ (2007年04月07日) TIMEのおたく系ブログ (2007年04月07日) カレン・バーガー、MINXを語る (2007年04月07日) CLAMP『こばと』がNewType USAで新連載 (2007年04月05日) 2007年2月期月毎セールスレポート (2007年0... -
資料/About Comics Magazines
米英のコミック関連雑誌(情報誌、研究誌、批評誌)について。 About Comics Magazines 『Wizard』(Wizard刊) アメリカンコミックス界の『ニュータイプ』のような雑誌。アーティストによる描き下ろしイラストとスーパーヒーロー系の情報の早さと豊富さが売り。イメージコミックス成功の陰の立て役者でもある。コミックスブーム期のコミックスクリエイターの偶像化に多大な影響を及ぼした。あと、ヴァリアントカバーフィーバーにも。姉妹誌としてトイ情報誌『Toyfare』、アニメ情報誌『ANIME Invasion』がある。毎年夏にシカゴでおこなわれる「Wizard World Con」主催。いちおうプライスガイドの体裁をとっているが、実質的には情報誌である。 『The Comics Journal』(Fantagraphics刊) ゲイリー・グロス編集によるコミックス... -
Comics Scholarship Citation Guidelines
Comic Art in Scholarly Writing A Citation Guide PCA/ACAのコミックス&コミックアート部会が提唱する論文執筆のための引用記法ガイド。 イントロダクション ここのところコミックアート(もしくは全米図書館協会(Library of Congress)がいうように「コミックブック、ストリップ等」)に対するシリアスな学術的研究が重大な進展をみせている。このことは『the Journal of Popular Culture』や『lamented INKS Cartoon and Comic Art Studies』などの学会誌に発表された論文記事やものすごい勢いで増加し続けているポピュラーカルチャー学会/アメリカンカルチャー学会(the Popular Culture Association/American Culture A... -
エスケーピズム
1930年代のあいだポップカルチャーの提供者たちはアメリカのひとびとに逃避を勧めた。たぶん彼らはただ大恐慌によってもたらされた経済的な災厄の巨大な影響を無効化し、アメリカ人がその困難な時代を生き抜くのを少しでも楽にしようとしたのだろう。そうだとしても、その戦略は彼らをを都合よく社会的な議論の場から引き離し、世論を堕落させた。共産主義者の活動に対する恐れ(1920年代の「レッドスケア」の遺産である)は労働組合への不信を生み、資本主義の崩壊――1930年代にはそれは簡単に想像できた――はひどく漠然とした根拠によって感情的に社会主義者の責任にされた。こうしてあっらゆる事柄について当時のほとんどの社会的な(そして必然的に政治的、経済的な)批判がこの事態を招いた容疑者に関する合意を形成した。そして大恐慌が熟考するには危険過ぎる事態だったからか、単に不快なことから目を反らしたかったからか、ポップカル... -
「9-11」以降のアメリカンコミックスの変化から学ぶべきこと
「9-11」以降のアメリカンコミックスの変化から学ぶべきこと そのようなぼくらの眼中には「まんがと社会」や「まんがと戦後」や「まんがと文学」「まんがと映画」「まんがとTV」「まんがと思想」その他もろもろの、まんがと他の物を対立させて展開するまんが論など、入っては来なかった。ぼくらにとっては、まんがはまんがとしてそのまま社会であり歴史であり、あるいは社会や思想すらがぼくらのまえにはまんがとしてしか存在せず、そのなかで、自身がそれにどうかかわるかについて思いめぐらすしかなかったのだ。 (『イッツ・オンリー・コミックス』、「まんが評論になにが可能か」、村上知彦、廣済堂文庫) 現実が表現を浸食する 先日、ひさしぶりにTVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』(サンライズ、TBS系)を見ていたら、いつの間にか主人公たちをとりまく物語の構図が「軍組織から切り捨てられた主人公たちが逃げ... -
日本でのマンガ規制
Anti Comics Campaign 以下は 『Pulp Demons International Dimensions of the Postwar Anti Comics Campaign』Edited by John A. Lent、Fairleigh Dickinson University Press刊 収録の論文 「Comics Controversies and Codes Reverberations in Asia」John A. Lent (「コミックスの議論と規制:アジアでの反響」) からの抜粋引用である。 国外の研究者から日本の現状がどのように考えられているかのサンプルとして参考にされたい。 まずイントロダクションとして軽くこの論文の趣旨説明がなされる。 ここではとりあげられた4ヵ国とアメリカの関係が簡潔にまとめられ、アメリカのアンチ... -
マンガブームがやってきた
2004年5月27日付けではてなに書いたもの。それまで特に反響もなく細々やっていたのにこれに対してはいきなり万単位のアクセスが来ていろんな意味でうんざりした。書いた理由自体はジャーナルとPWの記事がおもしろかったからでそれ以上の意味はなかったのだが。 マンガブームがやってきた 『The Comics Journal』#259(Fantagraphics刊)のマイケル・ディーンの手になるニュース記事「2004 - A good year to get out of the manga business」に触発されて、いろいろとアメリカでのマンガ出版の現状に関する資料を漁る。どうやらアメリカでのマンガ出版は東京ポップの成功と03年の日本ブームに乗ってそれ自体が完全に「ブーム」といえる状況にあるらしい。 この点は出版点数の異様な増加から予測はしていたのだが、その実態は想像以上のも... -
Right Menu/2007年02月23日/アメリカンアニメアワード
#blognavi プロモビデオがスゴイ American Anime Awards-Welcome カテゴリ [メモ] - trackback- 2007年02月23日 01 47 37 #blognavi -
Right Menu/2007年04月03日/Bittorrentによるダウンロード停止を呼びかけるダン・スロット
#blognavi あらゆる意味で立派 Dan Slott on downloading comics カテゴリ [メモ] - trackback- 2007年04月03日 02 22 42 #blognavi -
マンガブームの今後
2004年12月17日にはてなに書いたもの。向こうではマンガブームがらみで他にもいくつかフォロー的なものを書いたが、自分であとから参照するような資料性のあるものはこれくらいだと思う。 マンガブームの今後 マガジンスタイルになってからはじめてコミックスが表紙になった『Comics Buyers Guide』#1600に「マンガブームの今後は」的な記事「MANGA Striding - or Stumbling - into 2005」(Fred Patten)が出ていたのでメモ。 この本は本来コミックスショップやディストリビューター、あるいはコレクターのための完全な業界紙なので、過剰にリベラルな『The Comics Journal』なんかに比べると姿勢的には保守もいいところ。この記事もそういう意味ではそれほどおもしろいことが書いてあるわけではなく、一言でいうと「出すぎだ」と... -
Right Menu/2007年02月26日/ショップの不満
#blognavi コンベンション合わせのプロモーションのためにリリース情報の発表時期がズレるのはどうよ? という話がおもしろい。 Blog@Newsarama ‘Rama Rampage Who needs Civility when you’re counting down to more War? カテゴリ [メモ] - trackback- 2007年02月26日 00 00 31 #blognavi -
Comics Magazine Association of America Comics Code 1954
Comics Magazine Association of America Comics Code 1954 編集上の問題に関するコード 一般的基準A 1.犯罪に対して犯罪者への共感を催させる表現や、法と正義の執行者に対する不信を表わした作品、また読者が犯罪を模倣したくなるような表現はおこなってはならない。 2.広範に読まれるコミックスは犯罪固有の方法やそのディティールを表現してはならない。 3.警察、裁判所、政府機関、および尊重すべき法制度に対し、確立された権威に対する不信をつくりだすような表現をしてはならない。 4.仮に犯罪が描写される場合はそれが卑劣で、好ましからざる行為であることが描かれるべきである。 5.犯罪者は魅力的に見えたり、そうなってみたいような役柄として描かれてはならない。 6.どんな場合でも善が悪に勝ち、犯罪者はその悪行の報いを受けなければならない。 ... -
出版社
コミック出版社 出版社 DC Comicsスーパーマン、バットマンを擁するアメリカ二大コミックス出版社のひとつ。 Marvel Comics スパイダーマン、Ⅹメンといったスーパーヒーローコミックスの本家、アメリカ二大コミックス出版社のひとつ。 Dark Horse Comics『Star Wars』、『Alien』といった映画版権もののコミックスで80年代に成長してきた中堅コミックス出版社。 Image Comics90年代初頭、マーヴルコミックスのスターアーティストたちが独立して立ち上げた出版社。現在はスーパーヒーローコミックスというよりはインディペンデント作家の自費出版作品をディストリビューションする活動がメイン。 Oni Press97年創業の「スモールプレスエキスポ」世代のインディペンデント作家の牙城的な出版社のひとつ。 Top Shelf Productions9... -
研究
アメリカのコミックス研究について 研究 Research Overview 団体 Comic Art and Comics Area(CAC) アメリカにおける最大のポップカルチャー研究団体、PCA/ACA(Pop Culture Asociation/American Culture Asociation)の「コミックスおよびコミックアート研究部会」。どうもアメリカでのカルチャラルクリティーク的な方向でのコミックス研究を主導しているのがここのようだ。コミックスをテーマにした研究に対するスカラーシップ(研究助成金制度)「M. Thomas Inge Award|」の審査母体でもある。また、このサイトにはコミックス独自に基準の必要な図版などの引用記法を定めた「Comics Scholarship Citation Guidelines」もある。 Cartoon Research... -
オリジナルアート
オリジナルアート残酷物語 いわゆる「オリジナルアート」、つまりマンガ原稿の売買がいつごろからおこなわれていたかはいまのところよくわからない。だが、アメリカでも当初はオリジナルアートがずいぶん邪険な扱いを受けていたことは確かであるらしく、『Comics Between The Panels』(Steve Duin Mike Richardson、DARK HORSE Comics刊)の「Original Art」の項には愉快なエピソードがいくつも並んでいる。 たとえばこんな話 アル・ウィリアムソン(Al Williamson)がある朝キング・フィーチャー社の内装工事の現場に行くと、現場でハル・フォスター(Hal Foster)の『Prince Valiant』の原稿がペンキのマスキングに使われていることに気付いた。 あるいはこんなのも ニール・アダムス(N... -
ジョン・A・レント
ジョン・レントと国際レベルのコミックス研究 ジョン・A・レント、Ph.D. インターナショナル・コミュニケーションと第三世界のマスメディア研究のパイオニアのひとりであり、55冊以上の論文及び編著を持ち、記事の執筆は数百を下らない。その業績のいくつかはコミックアートに対してのものであり、特にアジア、アメリカ合衆国、カリブ諸国のそれに詳しい。彼はまた、『Animation in Asia and the Pacific』、『Illustrating Asia』、『Pulp Demons』、『Themes and Issues in Asian Cartooning』という4冊のコミックアートに関する書誌的な研究書の著者でもある。他にも『Witty World』では創刊以来編集長を務めており、1984年には国際マスコミュニケーション研究協会(International Associatio... -
ディック・ジョルダーノ
エディター、ディック・ジョルダーノ Two Morrows Publishingの『Dick Giordano Changing Comics, One Day at a Time』(Michael Eury)にパラパラと目を通し、ディック・ジョルダーノはアーティストとしてよりエディターとしてのほうがはるかに重要な存在だったのではないかという思いを強くする。 もともとこの本は彼のチャールトン時代のキャリアに興味があって買ったものなのだが、読んでみるとDCの編集それもバイスプレジデント時代の話がすばらしくおもしろい。 ジョルダーノは日本のファンのあいだでは主にバットマン、スーパーマンのアーティスト、それにニール・アダムスの名インカーとして記憶されている人物だが、1980年からはDCコミックスのエディトリアルオフィスの中心人物のひとりとして活動し、ジョー・オーランド、ジャネット・... -
Xeric Foundation
Xeric Foundation ゼリック財団とは? ゼリック財団は、『Teen Age Mutant Ninja Turtles』と『Planet Racers』の創作者のひとりであるピーター・A・レアードによって私的に設立された非営利組織です。 本財団は、フルタイムで自費出版をおこなうコミックブッククリエイターたちと、我々が資金援助に値すると判断したチャリティー目的のの非営利団体(NPO)に対して財政的な援助を提供しています。なお援助の対象となるコミックブックアーティストはアメリカおよびカナダ在住者、NPOはマサチューセッツ州西部に限ります。 財団は人種、皮膚の色、国籍、ジェンダー、性的嗜好あるいは身体障害に基づいたあらゆる差別に対する禁止をそのポリシーとします。 ゼリック財団は作家が自分の作品を出版するためのコストの何割かを援助します。ひとりのアーティストも... -
Right Menu/2007年02月26日
Right Menu/2007年02月26日/アメリカンアニメアワード2007の結果 Right Menu/2007年02月26日/スーパーマンショートムービー Right Menu/2007年02月26日/ショップの不満 #blognavi -
Justice League
Justice League 『ブレイブ&ボールド(Brave Bold)』誌での3号の試験運転(スタートは28号から)を経て、私の新しいジャスティスリーグ・オブ・アメリカは『ジャスティスリーグ(Justice League)』1号(1960年10/11月)で本格的なデビューを飾った。開始時のメンバーラインナップはフラッシュ、グリーン・ランターン、ワンダーウーマン、ジョン・ジョンズ=マーシャン・マンハンター、そしてアクアマン。これにすぐバットマンとスーパーマンのふたりが加わるはずだった……ところが私はここでくだらない社内政治の問題に足を引っぱられることになる。 ジャック・シフ、当時のバットマン担当編集と当時スーパーマンの担当編集だったモートがいきなり自分たちのキャラクターが露出過多になることへの危惧を表明しはじめたのだ。彼らはいっしょになって自分たちのキャラクターをジャスティス... -
アメリカンMANGA
「アメリカンマンガ」の背景 フレッド・ギャラガー(Fred Gallagher)の『Megatokyo』Vol.2#3(Dark Horse Comics刊)が2月20日付けの「Bookscan」の週間書店売り上げリスト「Graphic Novels」部門で第三位を獲得した。これはアメリカで制作されたマンガタイトルの売り上げとしては最高のものである。 (「 Megatokyo Reaches Number 3」、『ICv2.com』、http //www.icv2.com/articles/home/6520.html) アメリカにおけるいわゆる「マンガスタイル」のコミックスはじつは80年代からインディペンデントでは延々と出版され続けてきた。その先駆であり、中心的な存在といえるのがベン・ダン(Ben Dunn)のAntarctic Pressである。 Anta... -
Superman
SUPERMAN 読む人の心に真実、正義、アメリカンウェイを呼び起こすコミックスはそう多くはない。ジェリー・シーゲルとジョー・シャスターがつくりあげた「マン・オブ・スティール」はけっしてオリジナルな存在ではないが、彼らは正統的なアメリカ芸術の伝統を継承している。 (「Superman」『Comics Between the Panels』、Steve Duin Mike Ricardson、DARKHORSE Comics刊) 自分たちの空想世界の外側ではシーゲルとシャスターは古典的な「おたく」だった。眼鏡をかけ、運動嫌いで、女の子にはシャイ。彼らの夢想の多くが神のような全能の力に集中していたのも無理はない。シャスターがウェイトリフティングに精を出すあいだに、シーゲルは無限のパワーに想いを馳せていた。彼の漠然とした現代の神話創造への道程は、思春期の不安とその痛みを緩... -
ナイバーグ関連
Fighting the three Cs Cults, Comics, and Communists The Critic of Popular Culture as Origin of Contemporary Anti-Cultism(Massimo Introvigne、http //www.cesnur.org/2003/vil2003_introvigne.htm) コミックスコード関連の資料を漁っていてのメモ。 あまりにおもしろいタイトルにひかれて読んだのだが、意外なことに真面目な論文だった。新興宗教を対象とした宗教学系研究団体のコンフェレンスでの発表。多少節々に怪しげというか「これ偏向してねえか?」と感じる部分もないではないが、基本的にはまじめで参考になる研究で、別にトンデモなものではない(そういう意味では期待外れだった訳だ)。 欧米各国でのアンチコミックスキ... -
ニュース
ニュース情報系サイト ニュース Comic Book Resource Newsramaと並ぶ巨大コミックス情報サイト。コミックスに関するプレスリリースはほとんどがここかNewsramaで入手できる。インタビューや連載コラムも多数ある。 The BEAT ヘイデイ・マクドナルドによる代表的なニュース系ブログ。06年にMileHigh Comics提供のComicCon.Com内のコンテンツからPublisher s Weeklyの公式ブログに出世したが、なぜか過去ログへのリンクはない。 The Comics Reporter トム・スパージオンのニュース系ブログ。エッセイ、批評色の強いThe BEATに対してエディトリアルカートゥーンからメインストリームのコミックブックまで非常に広範囲のニュースをすばやく、かつバランスよく紹介している。 BLOG@NEWSRAMA BBS中心にサ... -
デジタル化
コミックスの制作現場の変化 これはいまのところ確証はなくて、仮説に過ぎないのだが、どうも最近のコミックスアーティスト系のサイトを見ているとアメリカンコミックスにおける制作プロセスがかなりドラスティックに変わってきている気がする。 90年代以降のもっともドラスティックな変化は当然デジタルカラーリングとDTPの導入になるわけだが、これとフォントによるレタリングをあわせたコミックス制作におけるデジタル化が完全に一般化したために、コミックスの分業体制そのものが変わってきている感じがある。というのもアーティストが「個人としてのアーティスト」ではなく「制作集団としてのスタジオ」で活動しているケースが多くなってきているからだ。 もちろんこれまでのアメリカにもスタジオはいろいろあった日本でいう「虫プロ」とか「石森プロ」みたいな「作家とアシスタント」で構成される工房的な「ウィル・アイスナースタジ... -
Right Menu/2007年03月30日/IMAGI
#blognavi 絶賛ヒット中(アメリカで)のTMNTムービーの制作会社。予定されてるプロジェクトがものすごい(ハイランダー!) IMAGI カテゴリ [メモ] - trackback- 2007年03月30日 05 31 25 #blognavi -
Right Menu/2007年03月13日/グレッグ・ルッカ52インタビュー
#blognavi ワーキングプロセスがわかる部分がおもしろい REFLECTIONS TALKING "52" WITH GREG RUCKA カテゴリ [メモ] - trackback- 2007年03月13日 04 42 51 #blognavi - @wiki全体から「アップロード」で調べる