魔法幼女リリカルヴィヴィオ◆SahQEsospM


「いつまでも……泣いてちゃ、ダメだよね」
 高町ヴィヴィオは目元を赤く腫らしながらも、泣くのをやめた。
 体の震えは止まらない。人の死ぬ姿が怖かった。あの老人が怖かった。自らの首にきつく巻かれた首輪を意識すれば、呼吸が止まってしまいそうになる。
 それでも、ヴィヴィオには希望があった。
「大丈夫……、大丈夫。ママ達が、助けに来てくれる!」
 以前誘拐されたときも、ママは来てくれた。今回も、きっと来てくれる。
 だから、自分は自分にできる事をしよう。泣いて立ち止まっているのは、強い子のする事じゃないから……!
「えっと、この中に何か入ってるって」
 ヴィヴィオがランドセルを開けると、名簿があった。
「知らない人ばかり……」
 名簿の名前に、自分以外見知った人物はいなかった。
 続いて、キャラクターが描かれたカードが2枚出てきた。
「何だろ?」
 2枚のカードは、裏の模様等からして同じ種類だろう。違うのは、キャラクターとその名前だと思われる部分。
 とりあえず置いておく。
 次に、ぬいぐるみが出てきた。白い羽が生えたオレンジ色のぬいぐるみ。

「ん~、なんやさくら~。朝か~」
 ケルベロスが寝ぼけ眼を擦っていると、見知らぬ女の子に持ち上げられていた。
「へ?」
「あ、はじめまして。私、高町ヴィヴィオ」
「け、ケルベロスや……」
「ケルベロス……じゃあ、ケロちゃんね」
「なんでやねーん!……はっ」
 寝ぼけた頭で状況に流され自己紹介してしまい、さくらと同じように蛙みたいなあだ名をつけた相手に思わずツッコミを入れてしまった。
 もはや、ぬいぐるみの振りは不可能。せめて、口止めしなければ。
「あのね、ここは危険なの。空を飛べるなら、助けを呼んできてくれない?」
「カッコエエわいを自慢したい気持ちは解るけど、家族や友達には黙って……危険?」
 説得しようと考えていたケルベロスに投げ掛けられたのは、予想外の言葉だった。
「うん。そうだ、この名簿の中に、知ってる人は……いる?」
 ヴィヴィオの声は、途中から震えていた。

「ん?さくらと小僧の名前やないか」
「そんな、二人も……」
 先程は知り合いがいない事を嘆いたヴィヴィオだが、ケルベロスに名簿を見せたときに気付いた。ここに知り合いがいるという事は、知り合い同士で殺し合えと言われているのだ。
 ヴィヴィオは、ケルベロスにあらましを伝えた。
ココまで読んだ


「殺し合いて、なんやそれ……」
「わかんない。でも、首輪が爆発するって」
 ヴィヴィオの細い首に巻かれた首輪が、不気味に光って見えた。
「人を勝手に攫っといて、殺し合え?文句言うたら殺す?なめとんのかアホンダラー!安心せぇヴィヴィオ!あんさんはわいが守ったる!」
「え、わ、私はいいよ。それより助けを呼んできてほしいの。その間に私は、ケロちゃんの友達を探しておくから」
「さくら達を?おおきに。ヴィヴィオはええ子やな。けどな、空飛べても多分脱出はできん」
「え、どうして」
「こんな事やらかすやっちゃ、結界くらい張っとるやろ。せやから、まずは首輪を何とかしよ。そうすりゃ、後は結界破って爺さんシバいて終いや!ところでヴィヴィオ、何か食いもん持ってへんか~?わい、腹減ってもうて~」
「あ、うん」
 ランドセルから食料を取り出そうとしているヴィヴィオの横で、ケルベロスは地面に置いてあったカードを拾い上げた。
(『闘』と『撃』、なら他のカードもさくらの手許に無いんか?早よ探さんと。しっかし、さくらにしか使えんもんを渡すやなんて、意地悪な爺さんやな)

 ケルベロスには想像すらできなかった。
 この場では、カードの主でなくともカードを扱えるという事を。


「殺し合いて、なんやそれ……」
「わかんない。でも、首輪が爆発するって」
 ヴィヴィオの細い首に巻かれた首輪が、不気味に光って見えた。
「人を勝手に攫っといて、殺し合え?文句言うたら殺す?なめとんのかアホンダラー!安心せぇヴィヴィオ!あんさんはわいが守ったる!」
「え、わ、私はいいよ。それより助けを呼んできてほしいの。その間に私は、ケロちゃんの友達を探しておくから」
「さくら達を?おおきに。ヴィヴィオはええ子やな。けどな、空飛べても多分脱出はできん」
「え、どうして」
「こんな事やらかすやっちゃ、結界くらい張っとるやろ。せやから、まずは首輪を何とかしよ。そうすりゃ、後は結界破って爺さんシバいて終いや!ところでヴィヴィオ、何か食いもん持ってへんか~?わい、腹減ってもうて~」
「あ、うん」
 ランドセルから食料を取り出そうとしているヴィヴィオの横で、ケルベロスは地面に置いてあったカードを拾い上げた。
(『闘』と『撃』、なら他のカードもさくらの手許に無いんか?早よ探さんと。しっかし、さくらにしか使えんもんを渡すやなんて、意地悪な爺さんやな)

 ケルベロスには想像すらできなかった。
 この場では、カードの主でなくともカードを扱えるという事を。

【G-2 トキワの森/深夜】
【高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、さくらカード『闘』@カードキャプターさくら(アニメ)、さくらカード『撃』@カードキャプターさくら(アニメ)
[思考・行動]
基本方針:助けが来るまで、自分にできる事をする
1:ケロちゃんにご飯をあげる
2:ケロちゃんの友達を探す
3:首輪を外す方法を探す
※参戦時期は、StrikerS終了後です。
※ケルベロスの知り合いの名前を、きちんと教えてもらってはいません。
※ランダム支給品の説明書は、ランドセルの中です。

【ケルベロス@カードキャプターさくら(アニメ)】
[状態]:魔力消費(大)、仮の姿
[装備]:無し
[道具]:無し[思考・行動]
基本方針:ポーキー・ミンチを懲らしめて、二度とこんな事をさせない
1:食事
2:ヴィヴィオを守る
3:さくらと小僧を探す
4:首輪を外す方法を探す
※参戦時期は、最終回後です。
※ヴィヴィオから、OPの出来事を聞きました。
※今の魔力では、元の姿に戻れません。
※その他の制限は、後の書き手の方にお任せします。

※共通備考
 会場には、結界が張ってあるかもしれないと考えています。

支給品解説
【さくらカード『闘』@カードキャプターさくら(アニメ)】
さくらカードの一枚。攻撃カード。
格闘の達人になれる。
ここでは、一度使うとしばらく使えなくなる。

【さくらカード『撃』@カードキャプターさくら(アニメ)】
さくらカードの一枚。攻撃カード。
魔力の弾を打ち出す。
ここでは、一度使うとしばらく使えなくなる。

【ケルベロス@カードキャプターさくら(アニメ)】
カードの守護者の一人。封印の獣。選定者。
配下のカードは『光』『火』『地』等。
普段はぬいぐるみだが、真の姿は白い翼を持つ大型獣。
自ら燃え盛る太陽をシンボルとしている為、食事による魔力の補給が可能。

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最終更新:2014年03月11日 15:40