全て壊すんだ ◆YVlxKr3lBQ
この殺し合いの舞台となった島には本来あり得ない場違い施設が点在している。グランバニア城もその一つだ。そしてその頂点に一人の少年が立っている。紫電の眼光、白銀の髪、彼の名はゼオン。人間界とは異なる世界にて生を受けた魔物の子。その中でも特別な存在。王族に生まれた双子の片割れとして、幼少より大人の兵士に混じり文字通り血を吐く訓練を受けて育った子だ。
「やはり見たこともない場所だな」
支給品と地図、そして名簿を確認したゼオンは、グランバニア城を物見台にして島を見渡していた。全てを見通すことは不可能だが、グランバニア城の巨体とゼオンの視力をもってすれば広い範囲まで把握することができる。
そして記憶を操る力によって自分の記憶を検索したゼオンはこの島が彼の知るいかなる場所にも当てはまらないことを認識した。
「分かりやすい目印でも有ればガッシュと合流しやすかったが仕方無い」
小さく落胆するゼオン。その身に秘めた強大な力に見合うだけの傲慢な気性を持つ彼が心配するのは双子の弟であるガッシュについて。
かつて己の未熟な心から徒に傷つけ苦難を与えることとなった相手であり、それを乗り越えてゼオンに打ち勝った強く正しい心を持った新たな王。何としても生きて帰さなくてはならない相手だ。
だがそれはポーキーの言葉に従うことにはならない。ゼオンが進む道は反逆。あの醜悪な老人に従い命を拾うのではなく、それを打倒して未来を掴む。
ガッシュの選ぶであろう道だからでもあるが、何よりゼオンのプライドがその惨めな生き方を許容しない。魔界にいる両親に、そして人間界で生きているパートナーに顔向け出来ない行動は我慢ならない。
「仲間が必要、か……」
それはかつてのゼオンにとってはあり得ない言葉だ。制限によって一人では術が使えない今の状態であっても、ゼオンからしてみればポーキーを倒すのは自分の手で成し遂げたいという思いが有る。だが敢えてここは仲間を集める道を選ぶ。
敵は魔界でも上位に位置するゼオン、そして魔界の王ガッシュに気づかれることなく連れ去り、その力を封じることが出来る相手だ。この時点でポーキーは明らかな強者。一人で挑むには手強いだろう。どれだけの力を持っているか見当もつかない。
だがゼオンは知っている。
絶望的な戦力差を覆し、時に奇跡を呼び込むその力を。
言葉にすれば陳腐だが、王を決める戦いで大抵の場合は弱者とされていた弟が、圧倒的な強者であった兄を破り王となれたのもそれが在ったからこそだ。
ガッシュは必ずやこの殺し合いを打破するために動き、仲間を集めるはず。ならばゼオンもそれに倣おう。それがこの戦いを勝ち抜く最善の道と信じて。
月明かりに照らされた夜道を一人の少女が走っている。傷ついた体に喝をいれながら懸命に、神代璃緒は走り続ける。
しかし、その努力も後方から迫るもう一人の少女には通用しない。一息で両者の距離を零にした追跡者は片脚の具足で璃緒を蹴り上げる。人がボールのように跳んでいった。
「――ぐうっ」
「はーい、残念だったわね。それよりもっと良い悲鳴上げて頂戴。ハンターを楽しませるのが獲物の義務ってものでしょう? なってないわね」
「ず、随分、勝手なこと言ってくれますわね」
「フフ、今のは中々よ。その調子で頑張って」
苦痛に呻きながらも目の前の敵を睨み付ける璃緒。そしてそれを恍惚と見下す少女。月の女神に照らし出されたその姿は奇抜である。身に纏うものは袖が余るロングコートと足に付けた剣のように鋭い具足。全開にしたコートから覗く股間には申し訳程度の下着を付けているだけ。そして仕上げに背中と手に持つランドセル。どこからどう見ても痴女な彼女の名はメルトリリスといった。
璃緒は悔しげにメルトリリスを、正確には彼女の持つランドセルを睨む。メルトリリスが視線に気づくと愉しげにランドセルを振る。
「どうしたの。そんな物欲しそうな顔をして、はしたないわよ」
「あら、物取りよりはマシだと思うわ」
「ふーん、生意気ね」
「ぐうっ」
璃緒の体を踏みつけるメルトリリス。璃緒はそれに対して呻くことしか出来ない。開始直後に強襲された彼女の支給品は全て、奪われたランドセルの中。メルトリリスが止めを刺すよりもいたぶることを優先したお蔭で何とか逃げてきた彼女だがもう一度はないだろう。
「まあ、それなりに楽しめたわ。でももう飽きちゃった」
そう言って脚を振り上げるメルトリリス。片足だけで10kgにもなる凶器が璃緒の頭上で輝く。
「バイバイ」
その言葉と共に振り下ろされる具足。少女に凶刃が触れる瞬間――
「それはこちらのセリフですわ!」
――璃緒からメルトリリスへ光弾が放たれた。
油断仕切っていたメルトリリスは直撃を喰らい吹き飛ばされる。その手からは璃緒のランドセルが零れ落ちた。神経障害を持つ指先は掴みきれなかったのだ。
璃緒は素早く拾い上げると駆け出してランドセルの中を確認する。光弾は人間を気絶させる程度の威力しかない。その為メルトリリスの隙を窺っていた。起死回生の手がランドセルに無ければいよいよ覚悟を決めるしかない。
「これは!?」
璃緒がソレを掴むのと後方のメルトリリスが支給品を発動したのは同時だった。
璃緒とメルトリリスの両者を囲むように赤く発光する四角形の板が大量に展開されていく。やがてそれは二人を宙に浮かばせると球体を形成した。
外界から遮断された二人はその中で向かい合う。メルトリリスが得意気に口を開いた。
「どうかしら私の支給品。なかなか面白いものでしょう? コレ、外界から完全に切り離された異空間を作るアイテムなんですって。決着が着くまで出られないの。残念だったわね、魔術師さん。折角不意を撃って逃げられると思ったのに」
勝利を確信したメルトリリスが嬲るように言葉を紡ぐ。璃緒を追いかける途中でこれを見つけたメルトリリスはいざという時のために準備していた。本来はこれを使わずとも追いかけることは出来たが、彼女の特性である加虐趣味が傷ついた獲物を更にいたぶる為に発動させたのだ。
その言葉に璃緒は黙り込み、やがて静かに笑いだした。
「あらあら、どうしたの? いよいよおかしくなったのかしらね」
「いいえ、私は正常よ。ただ、貴女が余りにも滑稽だったから」
「なんですって?」
空気が凍り付く。メルトリリスから放たれる殺気はその密度を増大させる。常人ならばそれだけで死に至るほどの重圧である。
だがズダボロに痛め付けられていた筈の璃緒はそれを涼しげに受け流していく。
「随分と余裕なのね。ハイサーヴァントである私を前にして」
「いえ、感謝しているの。おかげさまで一か八かの勝負に出る必要が無くなったわ」
不吉なものを感じたメルトリリスは璃緒に飛び掛かる。三柱の女神のデータを組み込まれた彼女の最高速度は、制限によって大幅に劣化していたとしても、死に損ないの少女一人には十分過ぎる。一瞬で距離を詰めるメルトリリス。
しかし、璃緒の言葉はそれより速く紡がれる。
「バリアルフォーゼ!!」
少女の持つバリアラピスが青く光り輝く。衣服が消滅し、傷ついた肉体を高次元エネルギーが包み込む。光はやがて白いドレスとなりその身を被い、顔には白き仮面が装着される。その腕に展開されたDパッドにはランドセルから取り出した彼女のデッキが差し込まれ、主の命令を待ちわびている。彼女は腕を一振りして光を払うと高らかに宣言した。
「灼熱の太陽すら瞬間凍結! 氷の剣 メラグ!」
メルトリリスは知るよしも無いが、神代璃緒は魔術師ではない。それどころか人間ですらない。
彼女はバリアンという高次元エネルギー生命体だ。彼らはバリアン世界という人間界とは別に存在する異世界に住んでいて本来は強大なパワーを持った存在だが、人間界では基本的に全力を出すことが出来ない。そのために璃緒はメルトリリスに抵抗出来なかったのだ。
しかしバリアンの一人、
ドルベは人間界で戦う為にあるアイテムを作り出した。それこそがメルトリリスが使った支給品――バリアンズスフィアキューブ。メルトリリスは自身の悪癖に足を引っ張られることとなったのだ。
「チィッ」
止めの一撃はメラグの展開したバリアに防がれる。メルトリリスは直ぐ様バックステップで距離を取る。メラグは格闘戦に疎そうな雰囲気ではあったが、氷の剣という名乗りを警戒した結果の行動だ。
しかしその判断は間違いだった。
「出でよ! No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ!!」
「な、召喚魔術!?」
メラグはメルトリリスの隙を逃がさない。メラグ自身の魂にして力の結晶であるNo.を召喚する。そう、彼女は決闘者(デュエリスト)だ。例えビームを出そうが、バリアを張ろうが、空を飛ぼうが、彼女の最も頼みとする戦力はカードである。
呼び出されたラグナ・ゼロは主の意思に従い、メルトリリスに襲いかかる。
振り下ろされた巨大な鎌を回避したメルトリリスはメラグに肉薄するために壁を蹴る。だがラグナ・ゼロは手に持つ鎌を回転させて二人の間に斬撃の壁を作り、それを通さない。人よりもずっと巨大なラグナ・ゼロと同等クラスの大きさを誇る得物だ。それを無視することは出来ない。メラグの放った光線を避けると、メルトリリスは苛立たしげにラグナ・ゼロへ飛び掛かっていった。
ココまで読んだ
「ふーん、経験値の足しにもならない雑魚かと思っていたのだけれど、なかなか粋がるじゃない」
そう言い放つメルトリリスは、ボロボロになったロングコートの袖を揺らしながらメラグを見据えた。
メラグには新しく刻まれた傷は無い。しかし彼女の傍らのラグナ・ゼロはそうではなかった。身体中をボロボロにしながらメルトリリスに相対している。
両者の戦いは互角。否、若干メルトリリスに傾きつつある。当初はラグナ・ゼロの豪快かつ俊敏な攻めとメラグの光線に押されていたメルトリリスだったが、慣れてくるにつれて一方的な攻撃を加えていた。
圧倒的な瞬発力と格闘能力を持つメルトリリスはその能力を生かして、パワーと耐久力に勝るラグナ・ゼロを手玉に取る。メラグもむざむざやられていた訳では無いが、援護しようにも巧みにラグナ・ゼロを射線上に置くメルトリリスに押されていた。
ラグナ・ゼロ以外のカードも、負傷の為か精彩さを欠いている今、三次元的な軌道で襲い掛かる俊敏なメルトリリスに対しては温存するしかない。
元々は非戦闘員である巫女だったメラグと、衛士として造られ、生まれながらの戦士であるメルトリリスの差がここに来て現れつつあった。
しかしそれでも千日手だ。メラグがメルトリリスを捉えることが出来ないように、メルトリリスもメラグに攻撃を与えることが出来ない。メラグを守るラグナ・ゼロが今だに衰えを見せないのだ。
メルトリリスは初め、ラグナ・ゼロを始末してからメラグを倒そうと考えていたが、ラグナ・ゼロはどれだけダメージを与えても一向に倒れる気配がない。傷を受けても平然と戦い続けるのだ。
(この感じ。耐久力が高いんじゃないわね。どちらかと言えば私のクライムバレエみたいな無敵能力……)
ラグナ・ゼロの猛撃をかわしながら思考するメルトリリス。戦闘中に考えることは彼女にとって最も苦手なことの一つだが、自分の能力との類似性から辺りをつける。そしてそれは正しかった。全てのNo.は『No.はNo.でしか破壊出来ない』という共通の能力に護られている。この能力が有る限り、メルトリリスはラグナ・ゼロを倒すことは出来ない。
消耗戦でも勝ち目は有るだろうが、それはメルトリリスの趣味に合わない。どんな相手も一方的に踏み潰すことが彼女の理想的な戦闘なのだ。壊れない盾を持つならば盾ごと押し潰してしまえば良い。メルトリリスは己の宝具の使用することを決意した。。
「まさかアナタにこれを使うことになるなんて思わなかったわ。アレの言ってた殺し合いもあながち間違いじゃ無いのかも」
距離を取ると構えるメルトリリス。
濃密な魔力と先程までとは比べ物にならないプレッシャーがスフィアフィールドを駆け巡り、本来外力によっては破壊されないはずのそれを軋ませる。
「くっ、これ程のパワーが!?」
宝具の予兆に驚愕するメラグ。
バリアンの持つカオスの力に匹敵するその波動にメラグの決闘者としての勘が警鐘を鳴らす。敵の放つ必殺の気配に対抗するため、彼女も己の切り札を発動させる。
メルトリリスもまた自身の女神の力を開放するため真名開放を行った。
「RUM―七皇の――」
「弁財――」
二つの強大なパワーが放たれようとしたその時、バリアンズスフィアフィールドは崩壊した。
「な!? これは、スフィアフィールドが限界を!?」
「え? なんなのこれ。もしかして不良ひ――」
轟音を撒き散らしながら爆発していくスフィアフィールド。内部で戦っていた二人に逃れる術などなく、両者纏めて爆風に呑み込まれた。
バリアンズスフィアキューブ。
それは確かにバリアン七皇が全力を奮うことを可能にする。しかしその全力にフィールドが耐えきれるかは別問題だった。
かつて七皇の一人ミザエルが使用した時は、対戦者の切り札『超銀河眼の光子龍』とミザエルの切り札『超銀河眼の時空龍』が共鳴した際に発生したパワーに耐えきれずに崩壊を起こしたという前科を持つアイテムなのだ。
メラグとメルトリリス。二人の切り札は共通点を持つ。時すら凍りつかせる邪神のCNo.と流れるものを操る女神の宝具。相反する二つの力が起こした共鳴は、ポーキーによって量産されたことで品質の劣化したスフィアフィールドを見事に爆砕したのであった。
「ハァハァ……クッ、ぐう……」
スフィアフィールドが爆発した場所より離れたところに璃緒はいた。
ボロボロだったが致命傷は受けていない。ラグナ・ゼロを咄嗟に盾にしたことによって爆発のダメージを抑えたのだ。寧ろ長時間の戦闘の方が彼女の身を苦しめていた。
やがて、彼女は物影に這い入って隠れると糸が切れたように意識を手放した。
ゼオンはあっさりと璃緒を発見した。
本人からしてみれば隠れたつもりだったのだろうが、ゼオンからすれば一目瞭然である。
グランバニア城の周辺で大きな力が発生したのを感じとったゼオンは、力の残滓を辿ることで璃緒の下へ来たのだった。
「いきなり騒がしい奴等がいると思ったが、まさかこんな奴だとはな」
眠る璃緒を見下ろしながら、ゼオンは彼女の頭へと手を添える。記憶操作発動のためだ。
「さて、何があったのか。教えて貰うぞ」
暫くして、璃緒の記憶を読んだゼオンは手早く彼女をマントに包み、城へと歩きだした。
「バリアンにハイサーヴァント、魔術師という奴等もいるのか。どうやらこの戦い、オレの思っていた以上に複雑らしい」
(まずはコイツを仲間に引きいれる必要がある。だが、もし殺し合いに乗るようなら……)
改めて決意を強めたゼオン。その先に待つ結末はまだ誰にも分からない。
【B6/深夜】
【ゼオン・ベル@金色のガッシュ!!】
[状態]:健康
[装備]:ゼオンのマント@金色のガッシュ!!
[道具]:基本支給品一式、ゼオンの本@金色のガッシュ!!、ランダム支給品
[思考・行動]
基本方針:ポーキーを倒して殺し合いを打破する
1:手始めに神代璃緒を仲間にする
2:ハイサーヴァントを名乗る痴女(メルトリリス)、新月零を警戒
3:ガッシュと合流するか仲間を集める
4:危険な参加者は始末する
5:色んな相手の記憶を確認する必要がある?
※原作終了後からの参戦です。
※自身にかけられた制限を理解しています。
※遊戯王ZEXALの世界観に関する知識を得ました。
【ゼオンのマント@金色のガッシュ!!】
特殊な糸で編まれたマント。魔力を込めてイメージを加えることで操れる。
攻撃や防御にも使えて、使用者次第で防御時は上級クラスの術も防ぐことが出来る。
ブローチの力でどんなにボロボロになっても一晩も経てば元に戻る。
使用には訓練が必要。
【神代璃緒@遊戯王ZEXAL】
[状態]:睡眠中、負傷(中)、疲労(大)
[装備]:決闘盤(璃緒)@遊戯王ZEXAL
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品
[思考・行動]
基本方針:殺し合いからの脱出
1:体を休める
2:状況を確認する
3:ハイサーヴァントを名乗る痴女(メルトリリス)を警戒
※原作127話以降からの参戦です。詳しい時期は次の書き手の方にお任せします。
※No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ使用済みです。
※バリアンズスフィアキューブ無しでバリアルフォーゼ出来るかは不明です
璃緒がゼオンによって持ち運ばれている頃、メルトリリスは海に浮かんでいた。
爆発の際、RUM発動前だった璃緒とは違い不完全ながら宝具を発動していたメルトリリスは足下の爆風から逃れる為、宝具によってスフィアフィールドから逃れていたのだった。
彼女の誤算はそのまま爆風に煽られて海にまで跳んでいってしまったこと。本当なら爆発を無傷でやり過ごしたメルトリリスは消耗した璃緒に止めを刺すはずだった。
しかし現実は無情。こうしてメルトリリスは海上で波に揺られている。宝具の流れるものを操る力によって浮かんではいるが、岸にたどり着くのは骨が折れそうだ。
それにメルトリリスも戦闘中は余裕ぶっていたものの、実はかなり消耗していた。今はまだ休んでいたい。
「まさかハイサーヴァントの私がここまでやられるなんて。BBったら何を考えているのかしら」
メルトリリスの口から疑問が漏れる。彼女はこの殺し合いの裏に自身の創造主BBが絡んでいると考えていた。何故なら彼女はBBに対して野心を気取られた結果、ここにいるのだから。
「あろうことかこの私にあんな不良品を掴ませるなんて、許しがたいわ」
メルトリリスの脳裏には、かつて趣味の人形集めの折、邪神と呼ばれる不良品に引っ掛かった時の記憶が浮かんでいた。その時の怒りは今も鮮明に思い起こすことが出来る。
「それにメルトウィルスも発動しなかったし、BBは本気で私が嫌いなのかしら。まあ、お互い様だけど」
思い出すのは先程の戦闘。クライムバレエの無敵能力が完全に無効化されていただけでなく、出会い頭に打ち込もうとしたメルトウィルスが使えなかった。
絶対的な防御能力であるクライムバレエと他人のレベルを奪い取れるメルトウィルス。メルトリリスの強さを支えていた二つの能力が使えない今、彼女の力は大きく制限されている。
しかしメルトリリスの表情に不安の色は無い。
「待ってて。私はあなたの最良の理解者なんだもの。こんなゲーム直ぐにクリアしてみせるんだから」
思い浮かべるのは今も月の裏側で足掻いているはずのあの人。波に揺られながら、己の愛のため狂気の乙女が笑みを浮かべた。
【B5/深夜】
【メルトリリス@Fate/EXTRA CCC】
[状態]:負傷(中)、疲労(大)
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2
[思考・行動]
基本方針:このゲームをクリアして、月の裏側に帰還する
1:体を休める
2:メルトウィルスを試したい
※原作5章からの参戦です。
※クライムバレエとメルトウィルスの制限に気づいています。
※メルトウィルスは少なくとも人間態の璃緒レベルの相手には使えません。
※バリアンズスフィアキューブが何個か海に落ちました。海岸に流れつく可能性があります。
「あら? あの不良品、何処かに落としたみたいね」
【バリアンズスフィアキューブ@遊戯王ZEXAL】
バリアン七皇の一人ドルベの作った品の劣化品。耐久性に不安が残る。
展開すると球状のフィールドになり、閉じ込められたら勝負が終わるまで出られない。
崩壊した時の爆発の程度はランダムです。
バリアン七皇はこの中でなら全力で戦える。
最終更新:2014年03月11日 16:00