《ヴィジュアル》
「視覚的な」の意味。
ほとんど日本独自のものであるらしく、日本のインディーズシーンにて1980年代にX(後のX Japan)などが活発な活動を始めたのがその黎明といわれる。
やがて90年代にはバンドブームの終焉とともに、Xをはじめとしたインディーズのヴィジュアルバンドが日本のメジャーシーンに台頭し始めたことで、一般的に認知されるようになる。だが、それとともに「音楽性を二の次とした、派手な衣装やメイクなど視覚的なインパクトでブレイクしたバンド」というネガティヴなイメージが(特に男性の間で)広がり、忌避されることもあったようだ。ある意味、悪い意味で「
産業フォーク」の後継となった存在ともいえる。
それゆえ、
メジャーデビュー当初ヴィジュアル系のカテゴリーに入れられていたL'Arc~en~Cielのhydeなどは、自分たちがそう呼ばれることを酷く嫌っていたという逸話もある。
結局そうしたイメージもあったのか、それとも単に流行の流れゆえか、やがてヴィジュアル系の流行は廃れていく。
だが、2000年代に入ってなおもバンドを支持するコアなファンや、あるいは新たに台頭した新機軸のヴィジュアルバンドの存在で、再び流行の兆しを見せているという。
その意味ではポップンでヴィジュアル(AC2の「White Bird」)が登場したのは、丁度ヴィジュアルブームが下火になった頃合であったのだが、それでも担当となった
ユーリに爆発的な人気が出たのも不思議な話である。
ユーリの初登場時の衣装が、全盛期のヴィジュアル系を匂わせる風体で、恐らくはポッパーの中にも多数いたと思われる、中~高校生時代にヴィジュアル系に魅せられたファンが、それだけいたということなのだろうか。
なお
あさきは厳密に言うとこのカテゴリーにはまらない。
ヴィジュアルバンドの中心的な音楽形態がロック、パンク、メタルであり、自身の音楽を「フォーク」と称する以上あさきの曲は(それっぽく聞こえても)ヴィジュアルではないのである。
故に「
月光蝶」のジャンルが「ビジュアル」(古くはヴィジュアルをこう表記している)というのは大きな間違いなのである。
わざとなのかも知れないが。
最終更新:2008年09月04日 15:02