《ゼクトバッハ叙事詩》
「やあ、皆。我の名はZectbach。通称Zectbach the ~(曲に則した言葉)、~(その日本語訳)のゼクトだ」でおなじみのトモs…もとい、ゼクトバッハ楽曲全体のストーリーの根底にある物語のこと。
このシリーズでもっとも最初に発表されたのが
歪寺収録の「Apocalypse ~Dirge of swans~」(アポカリ)であり、これの人気により続編がどんどん作られるようになった。ちなみにこのシリーズで本当の意味でのプロローグに当たるのは軍寺収録の第五弾「Ristacca(リスタチア)」。
なお一作目のアポカリのアレンジヴァージョンと、続く金寺収録の「Blind Justice ~Torn Souls, Hurt Faith~」(ブラジャス)は、それぞれAC15、AC16でポップンにも移植されている。
簡単に言うと、ある星の根源にまつわる魔法の宝玉「リスタチア」を軸にし、それに関る様々な超越者の物語を叙事詩として曲のイメージに盛り込んでいるわけで、その叙事詩=バックストーリーこそが「ゼクトバッハ叙事詩」になるのである。
基本が
TOMOSUKE節なので楽曲そのものの人気も高いが、弐寺ムービーの作画を担当するMAYAの絵と、世界設定とかがあまりに
ああいう系統を惹きつける傾向にあるようで、そういう面から「厨二病くさくて嫌」などと毛嫌いする人も居るという。
なお
公式サイトも存在し、ここではトm…もといゼクトバッハ自身が「超越者」というものを「一般的な歴史上における偉人のような存在」と語っている。
この論理で言えば
魏の太祖武帝曹操、ユーラシア大陸をまたにかける大帝国を築き上げたアレキサンダー大王やチンギス・ハーンなども
ノクスやマタンと同質の存在ということになるが、さて。
関係が深いアーティストには常盤ゆう(アポカリの歌唱担当)、堀江麻衣子(ブラジャスの歌唱担当)がいる。
余談だがAC16の解禁イベント「あつまれ!ポップンパーティ」で、それぞれの卓の解禁楽曲出現直前の周回でそれに関連したキャラが関連した
アイテムを持ってくるという演出があったが、ブラジャスの登場卓ではアンネースが「ゼクトバッハ叙事詩」を持ってきていたりする。
関連キャラ(年齢設定などはMAYA画集の表記に準ずる)
白鳥海に浮かぶ孤島「ファラリエン」に住む修道院の少女。十七歳。
ファラリエンはかつてノイグラードで猛威を振るった奇病患者の追放先であったが、この島に湧く神泉「ルルド」の水により、奇病を克服し超常的な力を得た人々が住まう桃源郷であった。アンネースはその地で、ルルドの水により処女生誕したという特異な経歴の持ち主。
あるとき、唐突にルルドの水が涸れ、間もなく彼女は神の啓示を得て退廃した世界を滅ぼすための罪狩りを命じられてしまう。時系列的にノクスとマタンが戦争を始めた頃であり、そのために世の秩序が乱れたのが原因であろう。
心優しい彼女は来る日も来る日も人類の免罪を求め続けたが、狂気にとらわれた双子の戦争は決着をみることはなく、その罪深さに対する怒りからついに狂気に陥り、審判の剣(アポカリプスソード)を手に取り世界の全てを断罪の炎へ包んだ。その狂いっぷりは凄まじいもので、孤児だった彼女を育てた村の住人すら、神の啓示に従い審判の剣から導いた炎で全滅させているほど。
なお彼女が罪狩りで振るう審判の剣もリスタチアのひとつ。
登場紀伝
第四章第一節「聖女アンネース」「見捨てられた楽園」
第四章第八節「白鳥の鳴く丘」
第八章第四節「アンネースの回想」
生まれはノイグラード王国の王室で、マタンの双子の弟。だが物心つく前に、ノイグラード王国を実質的に支配する諮問機関・アギオナにより、王家に伝わるリスタチアのひとつトリスアギオン(希望の剣)に相応しくない、ということで市井に追放される。捨て子となった彼は、王国の近衛隊長であったがアギオナのやり方に反感を抱き身分を捨てたアドフークに保護され、パナン森林を本拠とするレジスタンスの村で育てられた。
弱く過酷な世界に育った彼は、やがてこのような世界を作り出した王家そのもの、ひいてはその象徴となった双子の姉マタンを激しく憎悪するようになり、レジスタンスを率いて王国打倒の反乱を起こすまでになった。だが彼のその行動は結果的にアンネースを狂気に陥らせ、世界を断罪の炎に包むきっかけにもなってしまっている。
彼の持つ剣はティルヴィング(絶望の剣)といい、それを入手した経緯は現在のところ不明。名称が北欧神話のティルフィング(持ち主に絶対の武力をもたらす代償として、三度目に鞘から抜いた後に持ち主を破滅させる呪いがかかった剣)と酷似している辺りこの剣も魔剣と思われる。
ちなみに名前はラテン語で「夜」の意味。
登場紀伝
第二章第五節「失われた系譜」
第三章第一節第二話「マングローブの名もなき村で」
第三章第三節「テトロア海戦」
ノイグラード王国の女王。
王家に伝わるトリスギアオンに選ばれた彼女は、強く幸福な世界で慈愛に満ちた優しい少女として成長した。故に狂気にとらわれてしまったノクスのことを救おうと願うが、盲目的にそのことを考えるうち、やはり彼女もある種の狂気にとらわれてしまっているのかも知れない。
十四歳という幼さで既に相当なカリスマの持ち主であることが窺え、瞳に他人を癒す力があったり、物心つく前に生き別れたノクスの存在を本能的に察知するなど超常的な力も有していたようだ。女王となっても城下町に出て市民と気さくに語り合うといった面もあったが、一方で彼女に心から忠誠を誓い、かつ唯一彼女が心を許していたのは王国近衛騎士団の隊長であるファロただひとりだけであったという。
ちなみに名前はフランス語で「朝」の意味。あらゆる意味でノクスとは対称的。
登場紀伝
第二章第五節「失われた系譜」
第三章第一節第一話「女王マタン」
第三章第三節「テトロア海戦」
ガルキア大陸東方の小国アゼルガットの軍総督と、有名な
踊り子の間に生まれた娘。長じて父に仕込まれた剣術と、母から仕込まれた舞踊を融合した実戦剣舞術を編み出し、武芸百般に通じる女傑となる。
やがてアゼルガットの将軍となるが、軍務に些か退屈気味だった彼女は、討伐した山賊から類稀な名剣の話を聞き、軍務をほったらかしにして名剣捜索に旅立ってしまう。当然周囲は大慌てとなったが、彼女は見事それを入手して帰還。折りしもそのとき迫っていたノイグラード王国の大軍をその十分の一に満たない兵で撃破してしまった。
それを皮切りに勲功を重ね、やがてアゼルガット随一の猛将となり、王国の発展に尽力する。だが王国中枢部は彼女を危険視して誅殺しようとし、拿捕される間際彼女は入手した名剣コラーダの魔力に導かれるまま、そこに居合わせた者全てを斬殺し逃亡。この事件の数日後(恐らくノイグラード王国に攻め滅ぼされ)アゼルガットは滅亡する。公式設定では、このとき彼女は三十四歳であったという。
以降の詳しい足取りは不明だが、リスタチアに関連する方舟の遺跡で、リスタチアに導かれてその地を訪れたリアンを斬り捨てている。
ちなみにコラーダはフランク王国に実在したといわれる名剣。ティソーンという対の剣があり、金二千マルクの価値があるといわれ、敵の重装兵を鎧ごと真っ二つにするほどの切れ味があるのだそうな。ここではリスタチアのひとつ。
登場紀伝
第一章第一節「その名はシャムシール」
第一章第四節「アゼルガットの悲劇」
第二章第五節「すぎたる武と智」
元々は、リスタチアに絡んだ終末戦争による世界の破滅の際に生き残った二つの種族のうち、その片方の種族が自らの肉体を捨て形成された総合意識体。ガルキア大陸北方のオリビエ岩礁の辺りで長く眠りについていた。
長くもうひとつの種族の中に埋め込まれていた、彼女を作り出した種族の知識をすべて集積して生を受けたリアンがこの地を訪れた際、その目の前に現れ、謎の数式を解こうとするリアンに七つの試練を課し、その全てを解き明かしたリアンに世界の設計図とも言える膨大な知識を与えている。
登場紀伝
第二章第四節「目覚めし刻印」
第二章第五節「ゼータの小道」
公式ページで語り部を務めるロシアンブルー種の騎士猫。ゼクトバッハとはかつて闘技場の対戦者として出逢ったが、彼との対戦に破れたもののその行動に惹かれ、以後行動を共にするようになった。なお彼が操る人語も、闘技場のルールにより敗北した対戦相手から奪い取ったものであり、彼に勝利したゼクトバッハが彼から奪ったのは「猫舌」であったという。
オスティヌスという伝書鳩を相方として連れており、時折彼(?)とチェスに興じていることもある。雷に弱いらしいが、マクイルショチトルという伝説のエペ(レイピアよりも簡素なつくりの細身剣)を持ち、シャムシールの編み出した舞踊剣術も嗜んでいるらしい。
好物はカルカンウィスカス(リーデン風キノコソテー味)。
なおこの物語の特性上、ゼクトバッハやニョアのいる世界はアンネースが一度滅亡させ、その後復興を遂げたと思われる世界が舞台になっていると思われる。
最終更新:2008年12月13日 00:07