今でこそ過去収録曲は(削除やら何やらで時折変化はするが)大体全部選曲可能になっているものの、最初に全曲収録が始まったと思われがちなAC9以前にも、AC4がAC3までに収録した全楽曲がプレイ可能だったシリーズとして発表されていた。
当時、本家本元と言える五鍵
ビートマニアでも「Complete MIX」の登場で(全曲ではなかったが)過去作品全シリーズの楽曲を選曲可能だったこともあって、一般的にはポップンもAC4がひとつの節目と目されていたことは想像に難くはない。
だがしかし、そこにはとんでもない罠が隠されていた。
ポップンミュージックというゲームが徐々に認知されて人気が上昇してくるにつれ、ポップンにもまた「人気税」ともいえる「お約束」な事態が起きつつあった。
すなわち「同人作品としてポプキャラメインのアレな同人誌が横行しだした」ということだ。こればかりは業界の宿痾(しゅくあ)とも言うべきものであり、裏返せば「その需要がある=人気がある」ことを示すひとつのバロメーターとも言うべきものである。
苦笑はしても人気が出ていることを受け取るべきところ、ところがここで
常にユーザーの想像の斜め上を行くのがコンマイというものである。
実際に何をやったかというと、AC4発表の際「ポップンはAC4を最後の作品とする」旨を公表するという、概ね正気の沙汰とは思えない行為に出たのである。つまり、AC4でこれまでのシリーズの全収録曲が遊べたのは「それが最後の作品である」ということを示唆していたためと言ってよい。
「これが同人の所為かどうかわからないじゃないか」という方もおられようが、実際KONAMIという会社は過去、それが発表した恋愛STGの金字塔ともいえるゲーム「ときめきメモリアル」の18禁同人誌が出た際に、その制作者を訴えて裁判沙汰にしているということを平然とやっている。
確かに当該の同人は度を越した内容になっていたらしいのだが「こんなことで普通大企業が目くじら立てるか…?」とユーザーから眉をひそめられ、KONAMIの致命的なマイナスイメージをアピールしてしまう結果を生んだ。だからこそおおっぴらに制作者を叩くなどという器の小さい真似を繰り返さないために問題の元を断とうとしたのだろうが、結局のところ音に聞こえた大企業が取る行動としてはあまりに大人げないと言わざるを得ない。つまりはまたしても墓穴を掘ったのだ。
ゲームのキャラグッズなどの二次的な商業展開に定評のあるKONAMIのこと、こうした「キャラ(及びゲーム)イメージの崩壊につながる要素を可能な限り排除したい」というのが言い分であろうし、実際に自分の漫画のキャラで18禁(もしくはやおい系)の同人誌を作られてると知って寝込んだ漫画家もおり、気持ちは分からなくもないが…あまりにも一企業の取る態度としては寛容さに欠け、なおかつ狭量さが目立ち見苦しい。
不祥事を起こした某アイドルに変わるイメージキャラクターが「
スク水を着ている」みたいなイメージが横行し、そうしたイラストが氾濫していると知った某団体が規制を公言したのと同様に、結果的に自分の首を絞めていることに気づいていない好例ともいえよう。
結局この件が明るみに出ると、そんな「大人の事情(笑)」など知る由もない一般ユーザーが猛反発するのも当然と言えた。
そうしたユーザーからの大量の抗議や、続行を希望する嘆願書や署名などが続々とKONAMIに届いたことで、結局KONAMIも「公表」を撤回。翌2000年にAC5が制作・発表されるに至る。
もしこの時のユーザーの声を無視して終了を強行していれば、おそらく
熱帯が始まることもなくこのようなwikiが世に出ることもなかったに違いない。
おお、こわいこわい。
最終更新:2010年08月18日 01:35