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ヴァーミンズ・スナイのラットクイーン

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lupinduke

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ヴァーミンズ・スナイのラットクイーン
The Rat Queen of Vermin's Snye
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ケイノス側、南Qyの販売本。
タイトルどおりヴァーミンズ・スナイでのクエスト本です。

ヴァーミンズ・スナイのラットクイーン

哀れなAyamiaによる著作『あたしの生活』。そして、非営利組織スカラー・インスティチュート・フォー・チェンジによる『Rat Queenに対する所見』。後者は、Ayamiaの原文を引用しつつ、必要な箇所に論理的な考察を加えた内容になっている。
「第1章 - 地下生活開始までのいきさつ」あたしについての噂は決して真実ではないとここではっきりとさせなくては。夫はあたしを見捨てたのよ。だから、子供たちと一緒に暮らすためには新しい住みかを見つけるほかなかったわ。慈悲のかけらもない大家は冷たくあたしたちを路上に放り出した。昔ほどではなかったけど、それでもまだあたしには自分で道を切り拓く才能があった。地下で暮らすことで子供たちとあたしは世間と断絶したかもしれない。でも、これこそ自分たちの生活だと心の底から呼べるくつろぎの場を得ることができたわ。 「第1章に対する所見」明らかに患者は彼女自身の現況に対して否定的な見解を示している。夫の名が”Lord Selien”と記されているように当時は裕福な生活だったようだ。彼女が家を追われたというのは事実である。だが、それは彼女の心の病が進むにつれて夫の家にさまざまな不浄の生き物を持ち込むようになったためである。彼女自身はそれらの生き物を自分の”子供たち”と呼び、本当にそう思い込んでいたのだ。夫が戦で命を落とすと、夫の家族は彼女との一切の関わり合いを避けるようになった。彼女は一層孤独感を強め、夫の実家の外に逃げ場を求めた。
「第2章 - 子供たち」あたしは7人もの子宝に恵まれ、あの子たちはみな体力的にも精神的にも若者としての絶頂期を迎えていた。最年長のVarionは特に死んだ父親の面影をよく残している。息子たちには皆、同じ文字を冠する名を与えたかったのだけど、夫はそれを許してくれなかった。末っ子の出産であたしが病を患うと夫は態度を変え、VolandというVで始まる名前を付けることを許してくれた。あたしはTunareの祝福を十二分に受けたのだわ。だって7人もの息子を授かったのだから! 唯一の心残りは娘がいなかったこと。でも不平は言わないわ。娘と違って、息子たち全員が父親の家名を残せるのだから。 「第2章に対する所見」ここでも患者はある部分では真実を述べている。子供は男ばかりで7人だったことや長男と末子の名前も彼女の記憶のとおりだ。また、末子の出産後に病気で倒れ、それが原因でそれ以上子供を産めなくなった点も事実と一致する。患者は一年近く病床に就き、そのあいだ、子供たちは彼女の姉妹に育てられた。患者が健康を取り戻してまもなく、彼女の姉妹は反逆罪で逮捕の後、処刑されたという。
「第3章 - 苦難のとき」地下墓地への引越しは当然ながらとても大変な作業だった。子供たちはこれまで以上にあたしを頼りにし、地下の暗闇のなかではしがみついて離れなかったわ。そのうち、排水管の保守業者が壁に取り付けるろうそく用の燃料が山のようにあることに気づいた。あたしはその火を使って暗闇のなかをさらに進んだ。あまり使われていない側道を下り、今では自分たちの家と呼んでいるこの場所を見つけたのは長男だった。その通路は悪党の一味が巡回しているのだけど彼らはこちらには干渉してこなかった。心配することは何もない。あたしは7人の頼もしい息子たちに守られているのだから! 「第3章に対する所見」やはり患者には真実と妄想の区別がついていないことが示唆されている。そもそも彼女の長男が地下に生活の場を発見したなどということはありえない。彼を含めて息子たちは全員、海に沈んでいたのだから。彼らもまた、多くの旅人が没した”大破砕”の被害者である。このとき、患者は息子たちを使いに出していた。その用向きは今となっては一切わからない。おそらく、息子たちの喪失の痛みと、自らがそのきっかけを作ったという事実とがあいまって彼女の精神を混乱させてしまったのだろう。これが彼女の発症原因に対する一般的な見解である。
「第4章 - 長き日々」ここでの生活はごく一部の些細な点を除けば大体において快適だわ。ともすれば退屈で長く感じられる日々だけど、息子の1人に楽しませてもらっているわ。Asreyが、遠い昔の物語を暗誦して聞かせてくれるの。将来あの子はきっとバードになるでしょう。ほんとに、あの子の澄んだ声はバードにうってつけだわ。天井の高い広間に立って自分の声の響きを確かめながら歌うのが大好きな子。ほかの息子たちと同じく、あたしの自慢の子よ。あの子たちと一緒にいられることに感謝せずにはいられない。 「第4章に対する所見」患者の三男のAsreyはその幼さにもかかわらず、それは素晴らしい声の持ち主だった。たびたびBayle王室から直々にお呼びがかかり、御前で歌を披露していたほどである。Lady Larinna Bayle自らが華麗な彫刻の施されたフルートを彼に授けたことも記録されている。ただし、そのフルートはAsreyとその兄弟たちとともに海に没してしまった。患者が息子たちについて素晴らしく事細かに記憶しているにもかかわらず、彼らに降りかかった最も重要な出来事 - 彼らの死だけはどうしても思い出せないという点は注目に値する。
「第5章 - 新たな生活の始まり」趣味にしていた編み物もすっかりあきらめてしまった。今は食べるものにも苦労するくらいだから、以前のようにレースを織ったり、細密画を描いたりして時間を過ごすわけにはいかない。それでも、折にふれ息子たちの肖像を描いて、その出来に満足している。あの子たちの魅力は、言葉では表せないくらい。ここでの生活は辛いけれど、それでもみんな不満を漏らしたりは決してしないわ。寂しくなるのは、子供たちが遠出をするとき。子離れができていないと言われるかもしれない。だけど、母の愛に勝るものなどありはしないのです。 「第5章に対する所見」患者が描いたという肖像画は行方不明のため、肖像画に関する記述が事実かどうかは確認できない。また、ヴァーミンズ・スナイに移る前に彼女が細密画に興味があったという記録もない。しかし、彼女が織ったレースは実際にファインアート美術館に展示されていた。後に、そのレースは盗賊に奪われてしまった。盗賊はそのレースの先端を彼女が”子供たち”と呼んでいたネズミの何匹かに結び付けて火をかけたのだ。彼女はすっかり動転しながらもネズミを助け出したという。彼女が”Rat Queen”の異名をとるようになった所以である。


個人的な評価を言えば、結構好きな方ですが・・・
むしろ「あたしの生活」完全版を出して欲しいと。

ちなみに、このために撮影してきた「Ayamia the Rat Queen」近影。

ええ。松明忘れまして。

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