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レザーフット物語 - テイル・ダルの最期 第3部
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lupinduke
レザーフット物語 - テイル・ダルの最期 第3部
Leatherfoot Tales: The Last of the Teir'Dal, Part Three
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ELのクエスト「I Hate Those Wimmin(あんな女は大きらい!)」報酬で「レザーフット物語 - ハウンドスレイヤー
第1部」のスターターが貰えます。
第1部の報酬に第2部のスターター、さらに報酬で第3部のスターターときて、そのまま「レザーフット物語 - テイル・ダルの最期」全3部までの連続モノです。
レザーフット物語 - テイル・ダルの最期 第3部 |
パスファインダーとも呼ばれるハウンドスレイヤーは仲間とともにファーストゲートをくぐった。そしてこの物語も、結末へと向かう。 |
テイル・ダルのガードたちはこちらのほう、Gumpy Nattooとキシコール・レンジャーとレザーフット・エリートたちが隠れている茂みのほうを透かし見た。Gumpyの腹の音は彼らの猫のような好奇心をくすぐり、Gumpyは夕べの食事のときにもっと食べておかなかったことを後悔した。ダークエルフのガードたちが近寄ってきたとき、二人のレンジャーが飛び出して彼らにつかみかかり、危険を自分たちの方に引き寄せた。 | 全部隊は集まり、ファーストゲートの襲撃は兵卒長の合図を待つばかりとなった。このあたりの防御はすでに調べられ、警備の詰所の位置も確認し、それに従って計画が立てられた。Gumpyはポケットにシカ肉ジャーキーとパンかチーズのかたまりを探してこれ以上腹が鳴らないようにしようと思ったが、ポケットには何も入っていなかった。「ちくしょうめ!」彼はつぶやいた。そのとき、兵卒長が進撃の合図を発した。 |
死んだノームのコートの中に魔法工作のパーツを探すために立ち止まったGumpyだったが、気がつくと隊列の一番後ろになっていた。彼はアイビーの刺繍の入ったグラディウスを荒々しく振りかざすと、乱戦の中に飛び込んでいった。襲撃隊は大きいものではなかったが、奇襲に成功し(残った二人のノームの猿ぐつわのおかげだった)、ファーストゲートを守っていたわずかなガードたちを切り刻んでいた。 | Gumpyは兵卒長を見つけ出し、さっき死んだノームの体から見つけた機械を手渡した。「ありがとう、Gumpy」兵卒長は言い、そしてさらに続けた。「今までお前には何も言ってこなかったが、お前はいい兵士だ。レンジャーたちがお前を気に入ってくれてよかった。彼らの助けがなければここまでくることはできなかっただろうからな」Gumpyは顔を赤らめた。腹も鳴った。 |
キシコール・レンジャーとレザーフット・エリート部隊は、抵抗をものともせずに、さらに多種族居住区の奥深くへと攻め込んだ。「温かいナイフでバターを切ってるみたいに簡単だな!」レンジャーの一人が叫んだ。「何でバターなんて言うかな・・・・・・」Gumpyは食べるものが見つかることを願いながら、惨めにそう考えた。彼の腹は物憂げにごろごろと鳴りつづけ、その音は刻一刻と大きくなってきているのだった。 | 彼は、生き残りのノームたちのところまでの道を切り開こうと懸命になっている兵卒長の隣で戦った。魔法工芸の機械はこれから組み立てなければならず、その方法を知っているのは彼らだけだった。あたりの匂いをかぎながら、兵卒長は怒鳴った。「Gumpy、その汚らしいオオカミの尾は捨てろといったはずだぞ!その臭いは我慢ならん!」Gumpyは自分のベルトをちらりと見た。レンジャーたちはそこに勲章としてオオカミの尾をつけてくれたのだった。が、それはなくなっていた。 |
「あの・・・・・・」彼らの足の下で大きな音を立てて地面が揺れ動き、Gumpyはそれ以上何も言うことができなかった。兵卒長は一瞬ふらついたが、すぐにバランスを取り戻した。彼はポケットに手を突っ込み、Gumpyにチーズのかたまりを手渡しながら怒鳴った。「頼むからいいかげんに腹に何か詰め込め。お前の腹の音で世界がひっくり返っちまう」そのとき兵卒長はノームの一人を見つけ、Gumpyを残して駆け出していった。 | 地面が揺れているのが自分の腹のせいではないことはGumpyにはわかっていた。いやな匂いが立ち込めているのがオオカミの尾のせいでないこともわかっていた。原因が何であるにしろ、それは何か別のもので、何かよくないものだった。グラディウスを握り締め、Gumpyは兵卒長を追って駆け出した。「兵卒長、兵卒長!」Gumpyは呼びかけたが、口いっぱいにチーズをほおばっていたため、「へーほふひょー、へーほふひょー!」にしか聞こえなかった。兵卒長は振り向かなかった。 |
キシコール・レンジャーの一隊がなだれ込み、Gumpyと兵卒長を隔てた。彼らの足や腹の間からGumpyが兵卒長のほうを窺ってみると、兵卒長はノームの耳を掴まえて何かを懸命に組み立てていた。地面が大きく揺れ、そして大きな音を立てた。レンジャーたちは多種族居住区の出口のほうに向き直って走り出し、Gumpyもそれに巻き込まれた。「兵卒長!」Gumpyはもう一度叫んだが、大地の裂ける音にかき消されて、その声を聞いたものは誰もいなかった。 | 土煙が収まり、Gumpyとレンジャーたちはついさっきまで戦場だったところのほうを見た。魔法工芸のからくりはその役割を果たし、脱出に間に合わなかった兵士ごとネリアック多種族居住区の出口は封印されていた。「テイル・ダルもこれで終わりだな」レンジャーの一人がつぶやいた。「でも兵卒長はきっと生きてる。強い人だから」Gumpyは重々しく、そう言った。 |
「テイル・ダルの最期」終了ー
6冊の長丁場、お付き合いありがとうございました。
とりあえず腕が筋肉痛になりそうです。