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『三つのかぎ - その1』

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lupinduke

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『三つのかぎ - その1』
"The Three Keys - The First Key"
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南ケイノスで購入可能。クエスト終了後読める本になります。

三つのかぎ - その1

この本のタイトルは『三つのかぎ - その1』となっている。内容は、Aivenという名の少女が、3つ別々の鍵を与えられて起きる出来事だ。
その朝Aivenは目を覚ますと、今日は何かわくわくするような、びっくりするようなことが起こりそうだわ、と思いました。でもこれはいつものことでした。10歳の女の子ですから、探しさえすればどこにでも発見があるということを、Aivenはもう知っていました。でもこの日は、探さないのにすごい発見が向こうからやってくるということまでは、Aivenにもわかりませんでした。 Aivenは、午前中いっぱい農場のお手伝いをして、それからお母さんに「遊びに行ってもいい?」と言いました。お母さんはいつものように、たくさん注意をしましたが、Aivenはもう全部知っていることばかり。終わるまでじっと辛抱してから「はい、ママ」と言いましたが、本当は何も耳に入っていませんでした。そしてお外へ探検に飛び出しました。トロルなんてこわくないもん、と思っていたからです。
「石の下には何がある?」のひとり遊びに夢中になって、Aivenはすっかり時間のたつのを忘れてしまいました。お母さんが「暗くなる前に帰ってくるんですよ、遅くなったらぶつからね」と言ったのに、影がだんだん長くなっても気にしませんでした。でも、Aivenの上にすうっと影が差したときには気がついて、何の影だろうと顔を上げてみました。 Aivenの前に立っていたのは、ふしぎな長い衣のおばあさんでした。「お嬢ちゃん、何を探しているんだね?」とおばあさんがききました。とたんにAivenは、お母さんが言ったことをいろいろ思い出しました。小さい女の子をさらって売り飛ばしてしまうというダークエルフのこととか。「何かおもしろいものがないか、探してるの」とAivenが答えると、おばあさんは笑いました。
「面白いものが見たいなら、これを使えば見つかるよ」そう言っておばあさんは、Aivenに小さいポーチをくれました。中には三つのかぎが入っていました - 銅と、銀と、金のかぎです。「でもこれ、どこのかぎなの?」ときくと、「見たこともないところだよ」と、おばあさんのやさしい声がしました。それじゃわからないわ、と言おうとして顔を上げると、もうおばあさんはどこにもいませんでした。 Aivenは、もうおうちに帰ったほうがいいと思いました。そしてくるっと振り返ると、目の前にドアがあったので、びっくりしました。どうしてそんなことが起きたのか、と考えるよりも前に、Aivenはかぎを取り出していました。偶然のはずはないからです。最初に試したかぎで、そのドアはすぐに開きました。そして本当に、今まで見たこともない面白いものが見えました。
Aivenが吸い込まれるようにドアの内側に入ると、まわりじゅうに変な形の石が浮いていました。わらをつめた人形も、いろんな種類のアイスクリームもあります。その広い部屋の中には、Aivenが欲しいと思っていたものがなんでもありました。アイスクリームを食べようと手を伸ばしたとき、Aivenは向こうに別の部屋があるのに気がつきました。「この部屋がこんなにふしぎなものでいっぱいなら、あちらには何があるのかしら?」とAivenは思いました。 隣の部屋には、お姉さんみたいな人がいました。Aivenには本当のお姉さんはいなかったのですけれど。その若い娘さんは、輝くよろいを着た若い男の人としっかり抱き合っていました。今にもキスしそうだったので、Aivenはつい、「やだぁ!」と大声を出してしまいました。そしてその時、2人の向こうにまた別の部屋があるのが見えました。そこでAivenは2人を通り過ぎて、もうひとつ隣の部屋へ進みました。
こんどの部屋には、お母さんによく似た女の人がいて、にこにこ笑っていました。そしてそのまわりに、年の違う女の子たちが何人もいました。見れば見るほど、どの子も自分にどこか似ているように思えました。どうしてだかわからないけれど、この部屋はしあわせな感じがしました。そして、自分がじゃまをしているような気になって、Aivenが回れ右して部屋を出ようとすると - 木の幹にごつんとぶつかったのです。 片手で痛む鼻をなでながら、Aivenは木をこぶしで叩きました。すると木が「失礼じゃないか」と言いました。Aivenが見上げると、それは木ではなくて、一つ目の巨人でした。巨人はAivenを見下ろして、「お前は自分の心のかぎを開けたのだね。ふつうの人は、最初の部屋から出ようとはしないものなのに。まだ次の部屋に行ってみたいのかな?」と言いました。

三つのかぎ、1本目の鍵は「自分の心のカギ」でした、というお話。
いかにもルイスキャロル的と言いますか、唐突で不可思議な流れです。 

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